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うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話  作者: 桜月りま
8月24日

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納涼会中です(紅と白)


ひーまーです。









 今日は夕方から少し前にポスターを見て申し込んでいた、納涼会に行きます。肝試しですよー初参加です。て、いうか毎年の行事かは知りません。



 体調が優れないので、体力温存の為、今日は離れで絵をかいたり、ゴロゴロしたりして一日を過ごします。賀川さんも今日はお仕事です。

 昨日は……楽しかったのです。

 賀川さんはピアノ弾いてくれて、森まで話しはほとんでしなかったけれど。彼は穏やかに笑ったり、手を自然に繋いでくれたりして。肩を……抱かれただけでドキドキして。きっと他意なんてないのに、一人で顔が真っ赤になっていただろうなって思います。

 その後、汐ちゃんと手袋ちゃんに会えたし、楽しかったのです。またあんな時間が過ごせたらと思いますが、実際問題、今が……

「暇ですーーーー」

 そう言った時、ベル姉様が帰ってきます。

 捜している本の手がかりをさがして、うろな町を歩き回っていたみたいですが、成果は今一つのようです。見付かったら帰ってしまわれるのでしょう。



「見つかって欲しいけれど、見つからないで欲しい……」



「何か言ったか? ユキ」

 いいえ、っと首を振った時、ベル姉様が私の首の近くを指差して、

「何か付けているのか?」

「あ、はい」

 鎖が見えたのか、それとも不思議な気配でも感じ取ったのか。そう言われて私はハイネックから鎖を引っ張って、その青い石を見せます。

「昨日、森に来てくれた汐ちゃんから貰ったのです。『夜輝石やこういし』と言うそうです」

「ほう、綺麗だな」

「これ、賀川さんとお揃いでいただいたのですよ。それも一つの石を二つにした双子石なのです」

 なんでこんな硬いのが、どんなに細くても小学生の手で、こんなに綺麗に割れるんだ? っと不思議がっていた賀川さんを思い出しながら、見せます。

「なるほど、お揃いか」

 にっと笑ったベル姉様、なんだか恥ずかしくなってきます。

「え、あの、賀川さんとお揃いだから嬉しいだけじゃなくて、その汐ちゃんに貰ったと言うのが、その、ですね……」

「わかった、わかった。お揃いはいいものだ」

「そ、そうじゃなくてですね」

 誤解を解こうと話したり、今日ベル姉様がしてきた事を聞いたりするうちに、リズちゃんがベル姉様を呼びに来て。台所に移動して葉子さんの食事作りを手伝っているベル姉様とリズちゃん。二人共テキパキ素敵です。



 私も包丁を持とうとしたのですが、手が震えている事に気付き、リズちゃんが『危ないっスよ』っとその仕事を引き受けてくれました。数日前は疲れはすれども、何とか少しは握れていたのに。

『そのまま動脈を掻き切ってしまえ、お前が殺した者達の様に』

 震えるだけではなく、そんな声が響いて力が込めにくいのです。するりと滑って天井まで噴き出す血液。考えただけで本当にそれが起こる気がして。

「ごめんなさい、なんだか肩が重くて」

「気にしなくて良いっスよ」

「誰でも調子が悪い時があるぞ、雪姫」

「ユキさん、座って。そこに居て話しているだけで賑やかで良いわ」

 ベル姉様も、葉子さんもそう言ってくれます。ですので、甘えてそこに居ました。

 私達は賀川さんやタカおじ様、工務店のお兄さん達が戻る一足先に夕食を済ませ、時間が来て納涼会に行きました。











 組み合わせは何と司先生と。後一人は小林果穂先生。二人は親友のようです。

「明日、バザーがあるのよ。覗いて行ってね」

「ユキに押し売りするなよ?」

「やーん、司ったら。こんなウィッグも付けないでコスプレ出来るなんて逸材、なかなか居ないわよ。ぜひ来てね」



 その後、たぶん私を驚かせるはずだった役場の方を逆に怖がらせたり、傘から蜘蛛が降ってきたりと大変でした。

 私の組が終えた後、終了まで先生と話しながら待ってます。

「そういえばユキ、今日は服の趣味が違うな。首、夏なのに暑くないか?」

司先生にそう言われて、誤魔化すために笑います。

「こないだお友達と買い物に行ったんです。可愛かったので着てみました。どうですか?」

「似合っているぞ。それに友達と仲良く出来ているのか、良い事だ」

「は、はい。そ、そう言えば、司先生は悪阻、どうなんですか?」

「うむ、ある程度は気合だな。どうしようもない時もあるが。寝ようとしても眠れない時が困るな」

「女の仕事だからねぇ。でも優しくしてくれるんでしょ? でも妊娠中は激しいのはダメよ?」

「こら、ユキがいるのに」

「何が激しいのか言ってないわよ?」

「な……」

 その時、すっごい高い女の子の叫び声がしました。

 それが落ち着くと、司先生と果穂先生は何やらさっきの発言について喋ってます。



 私は近くに知った顔を見つけて声をかけます。

「あ、りゅーい君だ。こんばんわ、終わったの? 面白かった?」

 ちょうど帰った来たところで、酷く疲れているみたいです。でも私を見ると顔を輝かせて寄ってきてくれます。

「雪姫ねーちゃん! ねえねえコレ酷くない?」

 あれ、彼のシャツ、すごく形が歪に見えます。

「一緒に居たおっさんと小学生に引っ張られてさ」

 指差す先に幽霊姿に背負われたサラリーマン風のお兄様がいます。

 近くには小さく可愛らしい女の子、二人がりゅーい君の服を歪にした原因でしょうか?

「あ、この後、せっかくだから花火でもしたいよね」

 は、花火……こないだ庭でやってとても楽しかったのです。

「ねえ、雪姫ねぇちゃんこのまま来な……」

「なぁ、隆維、天音ちゃん見なかった? こんばんわ」

 ひょこっと同じ顔が出て来ます。りょーい君の方です。私も挨拶します。

「今戻ったばっかだから知らない、セリといるんじゃないか?」

「芹香は今、順番待ちしてる」

「そっか。じゃ探しいくか……行くね。雪姫ねぇちゃん」

 私はヒラヒラと手を振ります。



 この後、ARIKAの海さんや渚さんがとっても丁寧に謝ってくれて。驚かせた私の方が悪いのですけれど。渚さんは恥ずかしがり屋さんみたいで、いつかゆっくりお茶を飲みたい感じ、海さんはもっと私が元気なら一緒に走って回りたいような、元気な感じの方です。

 八月の頭にあった小学生の金井大作君にも会いました。私を見た途端、信じられないと言う顔をして、あの日はどうして消えたんだよって、ポカポカされてしまいました。 

 みんな驚いたり、驚かなかったり、大変だったり、大変じゃなかったりしましたが、楽しい一晩でした。

 あ、驚かせる役だった役場の人、私の白髪と赤い目に驚いていたのです。本当にすみませんでした。と、心の中で謝りながら帰宅しました。




朝陽 真夜 様『悪魔で、天使ですから。inうろな町』より、ベルちゃんとリズちゃん。

小藍様 『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』より、汐ちゃんと『夜輝石』を。後、海さんと渚さん。

YL様 『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌 』より 司先生、果穂先生

とにあ様『URONA・あ・らかると』より、りゅーい君、りょーい君。天音ちゃん・芹香ちゃんお名前。


弥塚泉 様 『ばかばっかり!』 肝試し/八組目、終了辺りとリンクです。


お見かけで八組目の狐坂奏さん・須藤慶一さん、幽霊さん。

後は金井大作君。


問題ありましたらお知らせください。



納涼会楽しかったですね。

企画、ありがとうございました。

また皆様とご一緒したいです。ユキ


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