神託中です(紅と白)
くーるーしい……よん
昨日は朝から海に行ったり、帰ってからはベル姉様と、夜遅くまでお話もして、楽しく過ごして。とても安らかな気分で眠りました。
明け方頃、ベル姉様がお部屋を出ていく気配がしました。
ですが、体がきつくて、声もかけられぬそのままに眠りに落ちたのです。
この後ベル姉様は、私が知らない地下の道場で、賀川さんとタカおじ様と組手などの鍛錬をしたのですが、私は預かり知る事なく、ただただ深い夢の中に溺れていました。
見たのは……もう見慣れてきた赤い血の海の夢。
どんなに見慣れても、いやなモノは嫌。
それでも目覚める事も出来ず、何度も繰り返し、繰り返し、嫌な夢で泳ぎます。
苦しい……まるで酸素を奪われたようにぐらぐらして、それなのに呼吸だけは荒くて、それでもちっとも楽になりません。
やっとその夢から解放されてみれば汗だくで。空調も効いている気がするのに。私は這うように部屋に備え付けの洗面所前に行き、私は唸っていました。
「気持ち、わる、い」
そう思うけれど胃の中から返してくるものは苦い水分だけで。
その味だけで更にぐったりしてしまいます。
「ねぶそくかなぁ」
司先生も悪阻とかだとこんなにきついのかなぁ、大丈夫かな、もう落ち着いたのかなぁ。妊婦さんにはなった事がないのでわからないけれど、大変じゃないと良いな。
暫くして嘔気は落ち着いたので、布団に転がります。
うーん。
うーん。
うーん。
ダメだよ、もう来ないで。無白花ちゃん、の、綺麗な肌が……
いや、止めて『私』!
斬無斗君の体に酷い事しちゃダメ……逃げて、逃げて、もしくは……
私を……して……………………
「大丈夫か? 雪姫」
次に気付いたのはベル姉様の声でした。
「酷くうなされていたぞ」
「ベ……さ、ま……?」
気付かないうちにまた寝ていたみたい。うなされていた……変な事言ってなかったらいいけど。恥ずかしいな。そう言いたかったけれど、私は声を出すのも億劫でただコクコクと頷くと、そのまま溶ける様に眠りに意識を滑らせていきます。
「雪姫、雪姫……大丈夫なのか?」
声をかけてもらっているけれど、上手く反応できず何かに引きずられます。
『べる、貴女は今日、この家の近くにある公園に行くと良いわ』
あれ?
私、今、ベル姉様に何か言ってます?
まあ、いいか。
次に気付いて時計を見るとお昼はとっくに過ぎていました。
朝陽 真夜 様『悪魔で、天使ですから。inうろな町』より、ベルちゃん。
YL様『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』より梅原先生の悪阻が軽くある事を祈らせてもらいました。
銀月 妃羅様 『うろな町 思議ノ石碑』より、無白花ちゃん、斬無斗君、名前をお借りしております。
苦しくてもどこか緩いユキでした。ねむねむ……




