表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101回目の異世界転生!  作者: 絢野悠
五章:ドッラゴンを退治しろ!
65/153

七話

 いる。たくさんいる。うごうご、うごうごとなにかがうごめいているではないか。ちっちゃいちっちゃい、胴が長めのドラゴンっぽいやつだ。


 一瞬にして鳥肌が全身を駆け巡っていった。


「き、キモすぎるうううううううううううううう!」


 そう、つまりこの沼はドラッゴンでできた沼だったのだ。


「っていうかドラッゴンってドラゴンの派生みたいなのじゃないのかよ!」


 そういえばイモリとヤモリがどうとかじじいが言っていた。つまり派生もクソもなくて見た目がちょっと似てるだけの別物ということ。


「あー! 這い上がってくるー!」


 今度はネティスが叫んだ。


「うるせー! それが嫌ならとっとと倒せ!」

「飛んだ! 飛びましたよアルさん!」

「水タイプと飛行タイプ……雷属性四倍か……?」


 でもドロも被ってるから土タイプと言えなくもない。


「なに言ってるかわかりませんけどなんとかしないとマズイですって!」

「とりあえずこの辺のやつを吹っ飛ばす」


 チラリとミュレスの方を見やる。きっと腕を組んで俺のことを監視して――。


「おーい! 少しくらいは抵抗しろー!」


 全身ドラッゴンまみれだった。ぽたりぽたりとドロが沼へと落ちていくのが非常にシュールだ。


「ばびぼーぶべぶぼ」

「口の周りもドロドロじゃねーか!」

「びんばびびびばべん」

「なに言ってるかわかんねーんだよ! ちょっとはしゃべるための努力をしろ!」


 あークソ、シアがいないと俺がこっち側になるのは目に見えていた。が、ミュレスがここまでヤバいやつとは知らなかった。


 そんなことを考えている間にもミュレスにドラッゴンが群がっていく。気がつけば小さな山ができていた。


「……………………」

「声すら届かなく……」


 仕方なくミュレスに絡みついているドラッゴンを引き剥がしていく。引き剥がす度にちょっとだけ可愛い感じの鳴き声を上げるのはやめてほしい。これからお前らを虐殺しなければならないのだ。


「はー、ありがとうございます。川の向こうでおばあちゃんが手を振っていましたのでこれやマズイと思っていたところです」

「そうなる前になんとかしろよ」


 レベルは低くないんだからなんとかできるはずなのだが。


「とにかく周囲のヤツだけでもふっとばした方がいい。じゃないとまた団子になる」

「そうですね。では遠慮なくやらせていただきましょう」

「おいネティスもそれでいいな」


 振り向くとドラッゴンの山ができていた。右腕だけが山から出ているのがネティスの雑魚さを証明しているようだ。


「やっぱ連れてくるんじゃなかった……」

 

たまには身体動かしたいっていうから連れてきたのにこのザマだ。もう二度とクエストに連れてこないと心に誓う。が、これがフラグでないことは祈るしかない。


 ネティスのドラッゴンを剥ぎ取って、焼き払って、ドロを取ってやった。


「ふえぇ……」

「うるせえ! 泣くなクソ雑魚が!」

「ちょっとは優しくしてくれてもいいじゃないですかぁ」

「ある程度働いてから言え! 俺は容赦なんぞしないからな!」


 嫌な予感がして後ろを振り向く。


「お前らさあああああああああああああああ!」


 今度はミュレスだ。


 こうして、ミュレスとネティスのドラッゴンを払うのでだいぶ時間を使ってしまった。なんでコイツらは抵抗しないんだ。


 一段落して、ようやく沼に攻撃することができるまでになった。一応ネティスも戦えるはずなのでドラッゴン退治はしてもらう。一度沼から上がろうとしたので手を引っ張って連れ戻した。


 先ほどとは打って変わって順調そのもの。ローラは大声を上げながら暴れまわってるし、ネティスもミュレスも魔法を使いながら立ち回っている。このペースなら一万匹も夢ではない。


 どんどんと沼の奥の方へと進んでいく。いや、好きで進んでいるわけではなく、他の冒険者たちがあとからあとから沼に入ってくるので奥に行くしかないのだ。同時にドラッゴンが奥の方へと引き入れようとしているみたいだ。


 目を凝らして奥の方を見てみると、奥の方がドラッゴンのレベルが高くなっているみたいだ。


「奥に行かない方が楽な気はするんだがなあ」

「でもこのままだと押し込まれちゃいますよ?」

「おいネティス、俺の腕に捕まるんじゃない。腕に肋骨が当たって痛いんだ」

「遠回しに身体的特徴を揶揄するのやめてもらえませんかね!」

「わざとじゃない。本当に痛いんだ」

「そっちの方がグサッとくるんですが……っていうか胴付き長靴してるんだから痛くないですよね?!」

「ちっ、バレたか」

「ああああああああああ!」

「やめ、殴るな、ドロが飛ぶだろ」

「あああああああああああああああ!」

「ふんっ!」


 一気に沈めてやった。


 沼の中でごぼごぼしていたが急に大人しくなった。頭を掴んで持ち上げてやるとギリギリのところで生きているらしい。


「死んじゃいますからぁ」


 めちゃくちゃ泣いてた。ドロなのか涙なのかはわからないがたぶん泣いてる。


「大人しくしてくれるな?」

「わかりましたからもうこういうことしないでくださいぃ」

「わかればよろしい」


 風魔法でドロとドラッゴンを一気にふっとばしてやった。


「あ、ありがとうございます」

「これからも俺に尽くせよ」

「感謝の気持ちが一瞬で吹き飛びました」

「せっかく助けてやったのにこれだよ」

「元はと言えばアルさんのせいですから!」

「まあそうなるよね」


 ドラッゴンの討伐よりずっとネティスの相手をしている方が疲れる。


 そうしているうちにも奥へ、奥へと進んでしまう。心なしか沼のドラッゴンも大きくなっているように見える。俺とローラは問題ないかもしれないが他の二人が心配でならない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ