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101回目の異世界転生!  作者: 絢野悠
九章:転生とか関係なく強い奴がいると転生者の価値がなくなってしまう件について
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二話

「新しい魔王はな、いわばこの世の新機軸みたいな性能をしとる」

「だからなんで神様のお前が制御できないんだよ」

「仕方ないじゃろ、ガチャ作っとるのワシじゃないし」

「ガチャって言うな」

「んでじゃな、魔王城に乗り込むのがまず難しい。例えばお前の魔力があったとしても障壁を一枚割ったら魔力を半分持っていかれる。障壁は全部で七枚ある上に数日で自然回復する。でも障壁を割ったら当然魔王が来る。終わりじゃ」

「終わらすな。じゃあどうすんだよ、そんなの倒す以前の問題じゃねーか」

「ここで新機軸。世界各地に魔王の分身がいるのでそれを倒せば障壁が割れるという仕組みみたいじゃな。あと魔王そのものも弱体化できるようじゃ」

「出来が悪いRPGのギミックみたいだな。そうやってゲームの尺を伸ばしたがる」


 ハハッと乾いた笑いさえ出てきてしまう。


「それ以上言わない方がよいぞ。消される」


 普段じじいが言うことを利くつもりはないが今回ばかりはじじいの上にいる神様に消されかねないのでやめておこう。


 あとじじいの目がマジだったのも一因だ。


「じゃあ俺はその分身を倒しに行けばいいのね」


 そういえば新しく神様コインもらって、それでなにができるのかまだ聞いてなかったな。


「分身一体倒せば神様コイン一枚?」

「まあ、それくらいでいいじゃろ」

「その神様コインで平穏な日常を保証してくれるっていうのはわかるんだけど、結局魔王を倒せば平和になるならコインの意味なくない?」

「そのコインを金に替えるなり城をもうけるなり病気をしない強い体にするなり好きにしたらいい」


 平穏な日常のためにコインが欲しいのに魔王を弱体化させないとコインがもらえないってとんでもない矛盾だよな。システム崩壊してるじゃねーか。


 ため息をついてみるが特になにかが変わるわけじゃない。この感じだとやらないとこの世界の危機みたいな展開になるしな。


「わかった、やるよ」

「二言はないな?!」

「つーか俺以外の誰がやるんだ? イズルだって弱体化したし」

「次点でシアちゃんじゃのう。魔王というタガが外れたことでより一層の成長が期待できるようになった」

「だから転生者でもないのに強くなったら俺の価値がないんだって」

「でも魔王に対してのストーリーはシアちゃんがメインでよくない? 誰もお主みたいなやつが戦う姿見たくないじゃろ。可愛い女の子が頑張ってる姿の方が見たくない? 少なくともワシは見たい。拮抗した中で服ボロボロになってやられそうになりながらなんとか力を振り絞って勝つんじゃ。もちろん服や下着はボロボロじゃ」

「メイン戦闘じゃなくて脱衣じゃん」

「脱衣がメインってことになったらお主いらんじゃろ? はい論破」

「論点がめちゃくちゃんだって。暴投もいいとこだわ」


 本当に疲れるじじいだ。


「とにかくやりゃいいんだろ? 神様コインで億万長者にもなれるみたいだし、きっと美女を召喚することくらいできるだろ」

「それはまあ気分次第じゃな」

「気分で報酬変えるのは反則じゃない?」

「反則ギリギリと言って欲しいのう」

「お前の判断基準本当に面倒だな。マジでムカつくわ」

「まあまあ落ち着け。魔王弱体化に協力してくれるなら魔王の分身がいる場所を教えなきゃならん」


 じじいが二回手を叩いた。が、特になにかが起きるわけじゃない。


「今のなに?」

「なにもなかったと思うじゃろ? タブレット見てみなさい」


 言われたとおりにタブレットを確認する。スリープを解くとなにやら新しい項目が追加されている。


「ブーブルマップ……」

「はいそれ。神様が作ったこの世界の地図じゃ」


 ブーブルマップを開くと小さい赤い点が7つ、大きい赤い点が一つ。


「小さい点が分身、大きい点が魔王がいる場所」

「いいのかよそんなことして。仮にも神様だろ? 人間と魔王を差別してんじゃないの?」

「いいの。ワシは弱い者の味方なの」

「弱い者の味方をした結果、弱かった者が強い者に成り代わることだってありえるんじゃないか?」


 現に俺とか。


「弱い者の反対は強い者ではない。悪い者じゃ。ありとあらゆる力という力はな、別に強いことが罪なわけではないんじゃよ。その強さを誰かに押し付けたり、力を持って抑圧しよう略奪しようとすることがいけないんじゃ」


 ヒゲを触りながらじじいが言った。めちゃくちゃドヤ顔してるのが本当に腹立たしい。

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