#ご冗談でしょうファインマンさん #書籍
ご冗談でしょう,ファインマンさん(上)(下)
ノーベル賞受賞物理学者が,奇想天外な話題と科学への情熱に満ちた自らの人生を語るユーモアあふれる自伝.
著者 R.P.ファインマン 著 , 大貫 昌子 訳
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 社会
日本十進分類 > 自然科学
刊行日 2000/01/14
ISBN 9784006030056
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 356頁
岩波現代文庫公式より
世の中にはWikipediaを読むだけで『冗談か? それとも小説?』と疑いたくなる不思議な現象、愉快な人物、おかしな事件がかなりある。
例えば今新型コロナウィルス感染判定に使われるポリメラーゼ連鎖反応、略称PCR検査を生み出したキャリー・マリス博士は普段ハッパ吸っていて女の子と遊びまくり、デートの最中に理論を思いつき、サーフィンを楽しみ王女に『うちの息子と結婚するといいyp!」とか言い出す楽しいヒッピー兄ちゃんである。
山梨県の風土病、日本住血吸虫症は水に入るだけで皮膚を食い破る寄生虫による恐ろしい病である。
不死身の軍神と呼ばれた舩坂弘氏は東京のどまんなかで本屋を開店した強者だが、兵士をやっていた時は頭を撃たれても蘇生し、たった一人で敵陣を突破し敵将に一騎打ちを挑んだ。
今回、紹介する『冗談でしょう、ファインマンさん』はノーベル賞物理学者、リチャード・P・ファインマンの物語……であるのだが彼が人類史に残した偉大な功績はそんなに重要ではない。なんでや!
だって『大したことない』もの。
彼は太鼓叩いたり、生徒に父親譲りの教える能力を発揮したり、コンピュータ顔負けの計算能力を発揮したり、何度か結婚したり、何度か哀しい別れを経験したり、興味の赴くまま放射能の塊なデーモンコアにぺたぺた接触したり、誰も開けられない金庫をパカンと開けてみたりといった実に天才が全力で遊んだらどうなるかを実践するような悪戯を全力でやっていくのだ。
彼と彼を愛する筆者が記したこの半自伝は、全力で物理学の楽しさを説くファインマン博士とその弟子たちならではの明るくて前向きで、ちょっとみんなかしこすぎてバカバカしいことを全力でやってしまう児戯に満ちている。人類史に残る物理学者の伝記でありながら女の子とのデートのやりかたで上巻が終わる。
ご冗談でしょう、ファインマンさん。
是非、彼の人となりに触れ、ひとを愛する人々に触れてみてほしい。




