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【前代未聞】三〇〇〇回感想書いたので公開してみる【今だけ】  作者: 鴉野 兄貴
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#巨神ゴーグ #テレビアニメーション

巨神ゴーグ

ジャンル:ロボットアニメ

原作 安彦良和

監督 安彦良和

キャラクターデザイン 安彦良和

メカニックデザイン 佐藤元、永野護

音楽 萩田光雄

アニメーション制作 サンライズ

放送局 #ネット局を参照

放送期間 1984年4月5日 - 9月27日

話数 全26話

漫画

原作・原案など 安彦良和

作画 清水緑

出版社 アスキー・メディアワークス

掲載誌 コミックボンボン

レーベル コミックスボンボン

巻数 全1巻

小説

著者 辻真先、塚本裕美子

出版社 朝日ソノラマ

レーベル ソノラマ文庫

刊行期間 1984年9月 - 11月

巻数 全2巻


プロジェクト アニメ・漫画

ポータル アニメ・漫画・文学

 手描きアニメーションが最盛期であったころ、最高のスタッフたちが最後にして最高の力を結集し最初から最後まで作りきってから発表したとんでもない名作。


 それが今回紹介する『巨神ゴーグ』である。


 一応これはスーパーロボット系の物語である。主役ロボット出てくるのは4話以降だが。

 だから世界名作劇場には入ってはいない。たぶん。いやほんと。


 実の所商業的にはオオハズレだったのだが、その辺も踏まえて紹介したい。

 とりあえずスタッフの豪華さが今の感覚からして、いや当時から見てもおかしい。

 原画は安彦良和で毎回ラストは止め絵演出入る。その安彦良和氏が集めたらしい超絶技巧の手描きアニメーターが実力を結集させた美麗なシャシン(映像)は現代からみてもぬるぬる動いてなにこのオーパーツおかしいXYZ軸を関数で描いているわけじゃないのかマジで手で描いているっておかしくねになる。


 安彦良和がテレビアニメーション卒業作品として手描きアニメーション技術が絶頂期だったころにほぼ全話が出来上がってから発表されたため本作は商業を考えていない失敗作(※普通は途中まで作っておいて路線変更などで資金回収に入る)ではあるけど最強無敵実力を身に着けた大人たちが最後となる今こそはと少年の心に戻ってやりたいものをやり抜いたって作品だから真面目に出来がイイ。完成してから放送したので一貫した整合性のもとにできており、音楽映像ストーリー主題歌などなどあらゆる要素が一貫した世界観の基に全力入っていて、ものを作る人ならめっちゃグッとくる。少年の心でやりたいことを予算考えずにやり抜いた壮大な失敗作であると同時に大名作。見ろとなる。



 本作は作品を作るもの、受け取る視聴者双方からみても現代の『宝島』である。


 印象的なシーンを少し述べる。

 主人公と主役ロボットゴーグの再会シーンがある。


 ゴーグには自らの意思がある。そして無敵と言って良い頑丈さを誇る。

 継ぎ目がないしダイヤのドリルも通らない。動かなければ関節部分にも継ぎ目ができない。

 敵組織ガイルが統べる城下町をただ歩くだけのゴーグ。それだけで敵組織には大被害である。


 かように強力なゴーグはただひたすらに太ももまぶしいヒロイン……もとい主人公の少年にはせ参じる。なにが起きても助けに来る。そして主人公に危害を与えるものには容赦はしない。


 そのようなゴーグに対しては戦いを挑まず、避けて町の人逃せばいいはずの敵組織ガイルが全力で挑んでくる。ゴーグが歩くだけで破壊された書店がある。ゴーグが歩くなか、ガイルの従業員たちが必死で逃げる。


 その後の止め絵でガイルの人たちが小さな女の子抱いている。

 この優しい一枚の絵で彼らも小さな書店のおばあちゃんの生活、あるいは女の子の日常や命を守る人とわかるのだ。

 生きていればいいわけじゃない。生活や日常を守ってこその『命』なのではないだろうか。

 主人公にとっての優しい巨人ゴーグに対して町の人にとっての優しい巨人はまさに敵組織ガイルなのだ。


 みんな大人になって、仕事だからとやりたくないことをやるけどそれは未来の少年少女を守るため。

 本当はまた少年少女に戻りたい。

 ひと時は敵味方に分かれ、あるいは世界の危機を目の前にして手を取り合い、冒険を共に過ごした夢の島は消え去り、年老いた少年たちはまた旅立つのだ。



 敵役バカップルのそれぞれの部下同士の愉快な殴り合いを例に挙げるまでもなくみなデタラメに見えて大人の理屈で一貫して動いているからモブキャラ一人一人がすごい生き生きしているし、島は綺麗だし、敵役バカップルの童心に戻るところになんか納得できて何度でも見たくなる。

 あれ? 本当にロボットアニメか?


 謎の超古代の遺跡。宇宙人の謎。迫りくる核兵器の恐怖。謎の島での激しい宝物争奪戦。少年のドキドキが、大人の渋みが交差する傑作である。その内容は令和の今になっても色あせていない。ほんとにいいよ!

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