#ハリーポッター シリーズ #オーディオブック
ハリー・ポッター
Harry Potter
原書(イギリス版)のロゴ
原書(イギリス版)のロゴ
著者J・K・ローリング
訳者松岡佑子
発行日
イギリス:1997年6月26日 - 2007年7月21日
日本:1999年12月8日 - 2008年7月23日
発行元イギリス Bloomsbury Publishing
日本 静山社
ジャンル ファンタジー
国 イギリス
言語 英語
形態 上製本
ハリー・ポッターシリーズ
ハリー・ポッターと賢者の石
ハリー・ポッターと秘密の部屋
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
ハリー・ポッターと炎のゴブレット
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
ハリー・ポッターと謎のプリンス
ハリー・ポッターと死の秘宝(最終巻)
ハリー・ポッターと呪いの子(舞台。続編)
(Wikipedia日本語版より)
オーディブル版
著者: J.K.ローリング, 松岡 佑子
ナレーター: 風間 杜夫
https://www.audible.co.jp/ep/haripo
iTunes版は不明
この物語は映画版になり名優エマ・ワトソンを排出した今となっては世界的に有名な児童文学であるが巧妙に張り巡らされた伏線、ミスリードを誘う見事な作劇、多彩で想像力豊かに描かれた魔法世界と現代イギリスの描写、時々垣間見える世界中にいる魔法使いの文化の差。それらを内包しつつ読者の憶測からも含めて全てを隠し守る学園ホグワーツを舞台に描かれる人間の業と推理、魔法と勇気とやさしさの物語である。
世界中の読者を惹きつけてやまないこの素晴らしき魔法の世界は当初原稿用紙もなく描かれたという。
虐待されて育つ子供は世界にいる。救いのフクロウは彼ら彼女らに舞い降りることはあまりない。いやまずないだろう。それは苦難と戦っていた当時の作者にも通じていた。しかし彼女は諦めず聖書に次ぐヒット作品を世に出したのである。
原文はト書き部分があったりしたらしいので必ずしも優れた小説ではないと言われたようだが上述した素晴らしい内容に多少の小説的稚拙さは如何なる障害になろうか。出て来る食い物で美味しいものは肉と甘いものなのはイギリスなので仕方ないが。
現代を舞台としたファンタジーであり(実際の時系列に伴い、物語終了した主人公は2020年現在子持ちになっている)人種国家を問わない世界中から集うさまざまな子供たちの何人かは読者のお気に入りになる筈だ。彼らは嫉妬し誤解し謝らず思い込み偏見を捨てられない。魔法使いと言えども人間なのだ。心理学とかそういう方面では短絡的に関心術などを操ることができる魔法使いより我々マグルの方に利があるようだ。
魔法使いの世界は同じ世界ではあるものの空間を拡張したり縮めたり人払いして遠ざける結界があったりして我々には計り知れない。駅のホームにある柱に突撃したら魔法の蒸気機関車が待ち受ける直通列車線があるし、我々の操る機械も魔法がかかることで己の意思を持ってしまったり空さえ飛んでしまう。
闇の魔法に通じかねない怪我を治す魔法は一般向けには限られているが多彩な生活に役立つ魔法が存在し我々を飽きさせない。だから一時の感情で呪いをかけるなら要注意。バックファイアして一ヶ月巨大ななめくじを吐き続ける羽目になるかもしれない。
伝説の生物が実はいるけど隠れている。やまで死ぬ人は実は巨人に襲われている。
グーグルで経路検索すると『ドラゴンで何分』と出たりする。もっともグーグルの恩恵を機械を狂わせてしまう魔法使いは享受できないがそのような現実とファンタジーのリンクも楽しい。
前述したとおりこの世界の魔法使いは便利な魔法は持っているし魔法を使いすぎたからといってMPがきれて動けなくなることもないのではあるが、偏見を捨てきれず愛に振り回され欲望に駆られ憎しみや嫉妬と共に生き羨望や希望に目をくらませる。結果優れた超常の力を持ちながらも何故誰がいつどうやってと推理ではなく偏見に振り回される人物たちにより物語は優れた推理小説の要素も併せ持っているし、学園ものらしい定期イベントの喜びもあり飽きさせない。もし手が空かないならばポッターモア(※公式サイト)等からCDブックやオーディブルなどオーディオブックがでているので作業BGM代わりにどうであろうか。
魔法のある世界を舞台にした推理小説としても筆者はこの物語をお勧めする。
私事であるが仕事を終えた後の真冬の深夜、始発を待っている間、筆者は魔法の世界にいた。
スマートフォン内蔵電池の残量を気にしつつ、ハリーポッターを何度も聞いて寒さをしのいでいた。
駅に灯がつき、機関車の代わりに電車が出るのを待っていた。
人生の折々にて夜明けを待つあなたに、ふとした笑いと不思議とロマンを与えてくれるはずだ。
日本語版はオーディブル版は風間杜夫氏、CDブック版は江守徹氏の朗読で聴ける。
余談だが筆者が在籍する放送大学には英語版CDブックを用いた授業が存在するが、内容は抜群に面白い反面、かなり難解な造語や日本など外国のモンスターなどが登場する世界観なので一時期『翻訳を待てない』とハリーポッターを読むために英語を覚えた勢の真似を今更することはあまりお勧めできない。
主人公のおばが伯母か叔母なのかなど血族を重視する漢語と結構具体的に話すが血族に関してはフランクな英語との言語的な問題などは存在するが日本語訳版は小説としても面白いので書籍のほうも可能なら手にとってほしい。
いや、エマ・ワトソン氏に限らず映画版の他の演者たちの後の活躍もまた素晴らしいのだけど、ラトグリフさんとかすごいのだけどヤバいから……(※スイス・アーミーマンやシンシティの殺人鬼等)




