転がり込んでくる
新たにマッスルガゼルがロシェリの従魔として加わった。
こいつがロシェリを背中に乗せてくれるお陰で、不安だった山越えもなんとかなりそうだ。尤も、乗せてもらえたロシェリは感謝しつつも、全くモフモフしていないって不満を口にしているけどな。
そういえば、こいつの飯はどうしようか。
こんな体格と筋肉なんだし、やっぱり肉をガッツリと食うのかな。
肉の消費が少し心配になったものの、当のマッスルガゼルは食事時になったらその辺の草を食べだした。
「肉は食べないのか?」
試しにホーンディアスの肉を切って差し出したら、チラリと見ただけですぐに関心を失って草を食べ続ける。
こいつ、見た目に寄らず草食なのか。それでも水は必要だろうから、洗い物用の小さな桶に水を入れて与えたらガブガブ飲みだした。
食料を分けなくてもいいのは助かる。でも肉を食わず、草と水だけでどうやってこの筋肉を維持しているのか謎で仕方ない。
疑問に思いながらも調理している最中、塩を取り出して肉へ掛けているとマッスルガゼルが近づいてきた。やっぱり肉を食べるのかと思いきや、塩を舐めたいのか塩の入った袋へ口を突っ込もうとしだした。
「おいおい待て待て。袋から直に舐めるのはやめろ」
慌てて袋を取り上げると寄越せとばかりに頬ずりしてきたから、予備用に購入しておいた皿に塩を盛って置いたら舐めだした。
肉は食わないのに塩は舐めるとか、余計に疑問が増えた。
草食はこういう生態なのかと疑問に思いつつ、昼食用にホーンディアスの肉を調理していく。調理と言ってもエルク村で買っておいたフライパンを使い、ギルドで解体所のおっさんが言っていた通りに塩を振って焼いただけ。それだけなのに、いざ食べてみると美味かった。
「汁が、汁がジュワッって!」
脂身は少なくとも溢れる肉汁に、ロシェリの声が最高潮に弾んでいる。
正直、俺も同じくらい興奮している。
「なんだよ、この肉汁の量と旨味は」
脂身は少ないのに、どうしてこんなに肉汁が出るんだ。この味なら調理に多少の不手際があっても気にならないぞ。
生焼けを気にしてちょっと焦がした感じの焼き加減なのに、こんなに美味いんならちゃんと焼けばどんだけ美味いんだろうか。
「これなら、一体丸々全部食べられるよ」
本当に食いそうな勢いだから恐ろしい。
草食なのにあんな筋肉をしているマッスルガゼルといい、どうしてこう食事情が変わってるんだろうか。
首を傾げつつ、この味ならロシェリがおかわりを求めるだろうと思うのと、俺もまだ食べたいから追加の肉を焼いていく。
結局、丸々全部とはいかないまでもかなりの量の肉を食べてしまった。
***
食後の後片付けと火の始末を終えた後、食休みを挟んで改めて山道を進む。
ロシェリは引き続きマッスルガゼルの背に乗っているから移動は順調で、当初の予定よりも早くシェインの町に着けそうだ。あくまで途中で何かが起きなれば、とかなんとか思っていると何かが起きるのは世の常か?
警戒のために使っていたウィンドサーチに、複数の魔物の反応が引っかかった。
「左前方から魔物が来る。数は十三」
魔物の反応を告げるとロシェリはマッスルガゼルから降り、魔物が来る方向へ杖を向けて構える。
俺も前に出てハルバートを構えていると、鼻息を荒くしたマッスルガゼルが隣に並んで足下を均すように右前脚を動かしだした。えっ、お前も戦うつもり?
「ムッキムキの力、見せて」
主人のロシェリからの期待に鳴き声で応え、頭を下げて角を魔物が来る方向へ向けた。
背中に乗せている時のモフモフしない、とかの文句は聞き流しているのに……。都合のいい耳を持った、現金な奴だ。
「もうすぐ来るぞ。何かは分からないから、注意しろ」
「分かった……」
徐々に近づいてきて木々の合間から現れたのは、赤い毛をした狼の群れ。
即座に「完全解析」を使い、俊敏性の数値の高いレッドウルフって魔物だと分かった。スキルは先頭の奴が「統率」と「追跡」のLV1を習得しているだけで、他の個体はスキルが無い。だからって、油断はできない。
「ロシェリ、素早そうだから気をつけろ」
「うん」
一言注意を呼びかけ、迫って来たレッドウルフの頭部をハルバートで一閃して退ける。続いて噛みついてきたのは、口に柄の部分を押し当てて防いで振り払う。入れ替わりで別のが襲って来るのに合わせて槍の部分で喉元を貫き、振り払うように刃を抜いて別の個体を石突きで殴る。
(いい感じだ)
これまでの戦闘を経て、ようやく実戦の感覚に慣れてきた気がする。
前の二戦よりも体は動くし、周囲への注意も向けられている。動きから固さが取れ、滑らかで鋭くなっているのが実感できるし、これまでの戦闘は緊張で思っていたより動けていなかったのが分かるぐらいだ。やっぱり実戦経験は場数を踏むしかないってことか。
「動体視力」スキルで動きを見切ったレッドウルフの突進に合わせ、槌の部分を頭部へ振り下ろす。
異母弟から入手した先天的スキルの「剛力」もあって頭が潰れた。これを見ると、ホーンディアスと戦った時にパワーブーストを使う必要は無かったかなって思える。体だけでなく、頭の方も緊張で過敏になっていたのかもしれない。
「さあ次は……って」
ロシェリが魔法でレッドウルフを倒しているのはともかく、マッスルガゼルも意外と戦えている。後足で蹴り飛ばして木に叩きつけたり、跳躍して前足で胴体を踏みつけたり、突進してきた個体を角で受け止めて押し返したりしてレッドウルフと戦っている。
そういえば「蹴術」スキルとか「跳躍」スキルがあったっけ。後ろ足での蹴りや踏みつけも「蹴術」の範囲なのか?
さらに驚いたのは、噛みつかれそうになった脚の付け根辺りの筋肉を隆起させて防いだ上に、表皮からは出血らしい出血が見えないことだ。筋肉で防がれた唯一スキルを持っているレッドウルフも戸惑っている。結構鋭そうなレッドウルフの牙を弾くとか、何だあの筋肉は。
ちょっと怖いなと思いながら、筋肉で牙を防がれたレッドウルフを背後から槍の部分で刺して倒した。
「これで討伐完了だ。お前、意外とやるな」
素直にマッスルガゼルを褒めると、どんなもんだと胸を張って筋肉を隆起させて鼻息を強く吐く。
「凄い。噛みつかれたのに、傷がほとんど、無い……」
噛みつかれた箇所を見ているロシェリの言葉につられて見てみると、針の先でちょっとだけ刺された程度の傷跡と微かな出血があった。さすがに皮膚までは牙を防げなかったようだけど、自慢の筋肉は魔物の牙を跳ね返すって、やっぱりちょっと怖い。
「まあ怪我が無かったのはなによりだ。レッドウルフを回収したら、すぐに出発しよう」
「……その前に、水と食べ物を。お腹……空いた」
いつの間にか空になっていた水袋を差し出し、空腹を訴える安定のロシェリに苦笑いを浮かべてしまう。
次元収納で保管していたトマトを渡して水袋に水を入れてやり、ロシェリがそれらを飲み食いしている間にレッドウルフを次元収納へ放り込んでいく。
それが終わったら移動を再開。相変わらずロシェリはマッスルガゼルの背中に乗り、モフモフしない感触に不満顔だ。
その様子を見ながら、ふと疑問に思った。こんなに頑丈な肉体を持つマッスルガゼルが、どうして出会った時に傷だらけだったのだろうかと。
少なくとも体に傷をつけるほどの何かと戦闘をしたんだろうけど、それって一体なんだ? もしも強力な魔物なら冒険者ギルドに伝わっていないはずがないし、不定期とはいえシェインの町の騎士団が巡回しているから対処しないはずがない。
だとすると冒険者と戦ったのか、巡回中の騎士団と戦ったのか。
「なあお前、何と戦ってあんなに傷だらけになったんだ?」
なんとなくマッスルガゼルへ尋ねると、鼻息を鳴らしながら何かを訴えるように体を揺らして鳴く。
「わっ、わっ」
体が揺れてロシェリが落ちそうになると動きを止めたものの、鼻息は荒いまま訴えるように鳴き続けている。
とはいえ……うん、さっぱり分からない。
「何を言ってるのか……分からない」
背中のロシェリからそう言われると、ショックを受けたように俯いて落ち込んだ。言葉の壁どころか、生物としての壁は分厚い。
(ちょっと気になるけど、あまり気にしすぎても仕方ないか)
そう割り切って歩き続け、道中で薬草や食べられる木の実を採取し、スライムっていう弱い魔物をマッスルガゼルがプチっと踏み潰し、片側が断崖絶壁になっている道にロシェリが震え、襲ってきたゴブリン十六体を返り討ちにしてやった。
「だいぶ、戦うのに……慣れてきた気が……する」
どうやらロシェリも経験を積んで実戦に慣れてきたようで、少しは自信をつけてくれたようだ。
「だからって油断は禁物だぞ。慣れてきた頃が、油断して失敗しやすいからな」
実家にいた頃、仕事に慣れてきて調子に乗って失敗して、父親と「剛力」の先天的スキルを持つ異母弟に殴る蹴るされた記憶がある。
幸いにも怪我は大したことなかったものの、体中が痛くて痣だらけになって散々だった。
そりゃ失敗した俺も悪いけどさ、それであそこまで暴行するか普通。
「分かった。気をつける……ね」
「うん、頼んだぞ」
「任、せて!」
なんかやけに気合い入ってるな。頼られたのが嬉しいのか?
それはそれで空回りしないか心配だけど、ロシェリにとっては良い傾向だと思うから何も言わなくていいか。
****
シェインの町を目指して山道を行く旅路も、今日で四日目。
山頂付近での絶景を堪能したり、川で魚を獲ったり、採取や魔物を狩ったりした旅路はもうすぐ終わりを迎えようとしていた。
「町の光が見えるな」
「明日には、着きそうだね」
今夜の野営地に決めた場所からでも、町の光が目視できる。
ロシェリの言う通り、明日には山を下りて町へ到着するだろう。
「お前もここまでご苦労さん」
焚き火から少し距離を置いているマッスルガゼルに声を掛けると、それに応えるように小さく鳴いた。
あいつがロシェリを背に乗せて移動してくれたから、当初の予定よりも早く町へ着くことができる。戦闘面でも俺と一緒に前衛で戦ってくれるお陰で、後衛のロシェリを守り易かった。
最初にこいつがロシェリの従魔になった時はどうなることかと思ったけど、今じゃすっかり俺達の仲間だ。
「さてと、飯にするか」
「お肉……お肉……!」
はいはい、今日もちゃんと肉は出すから。だからそんな、ぐいぐい迫りながら肉を要求しなくていいって。
しかし毎食ロシェリが三、四キロの肉をペロリと食べるもんだから、エルク村で解体してもらった肉もだいぶ減ったな。まだまだ残っているとはいえ、こんなに速いペースで減っていくとは思わなかった。
しかも野菜とか硬いパンも食べるんだもんな。あの細い体のどこに入っていくのやら。
「分かったから、これを頼む」
「うん……!」
だいぶ小さな玉になったキャベツを渡されたロシェリは、一枚一枚千切ってはそれを一口サイズに千切っていく。
これまではなんとなくの流れで俺だけが調理していたけど、一昨日くらいからロシェリも悪いと思ったのか手伝いを申し出てきた。不器用だからあまり大したことはできないと言われたものの、どの程度の不器用なのかと見るために物は試しと食材を渡して調理をさせてみた。
その結果出来上がったもの、というよりも生み出された物は想像を絶していた。
渡したのは小さめのホーンディアスの肉と少量の野菜だったはず。それなのに、出来上がった物は暗黒物質を通り越して深淵物質と化して、マッスルガゼルが野生の本能で恐れおののくほどの見た目で異臭を放ち、試食する気すらせず地面に埋めた。その後でロシェリは謝りながらマジ泣きしたから、慰めるのに苦労した。
以来、ロシェリは簡単な作業を担当してもらっている。さすがにキャベツを千切るくらいは、大きさがバラバラなだけで問題無い。その間に俺はタマネギとホーンディアスの肉を切り分けていく。
「できた……よ」
「うん、サンキュ」
受け取ったキャベツと、切っておいたタマネギと肉を炒めるだけ。今日の夕食は野菜とホーンディアスの肉の炒め物に、果物と採取した木の実を添えたもの。それと硬いパンだ。
皿に乗せたそれを受け取ったロシェリは、他の物は後回しにして肉を頬張っていく。
「あふ、あふ……」
「慌てなくとも、まだあるからゆっくり食え」
しっかし、旅の食事で野菜とか温かい物が食べられるなんて、俺達は恵まれているし贅沢だな。
そう考えると、あのポンコツ女神から「空間魔法」スキルを貰っておいて正解だったな。使えるようになるまでは苦労したけど、それだけの価値がある。なにせこんな美味い肉が、旅の最中に食えるんだから。
「レッドウルフも、楽しみ……」
おいおい。まだ肉は残っているに、もう次元収納に保管しているレッドウルフへ興味が移っているのか。
「味を気にするのもいいけど、売って金にしないと宿に泊まれないし、他の食材も買えないぞ」
「……結局、お金なんだね」
「それが世の中ってもんだろ」
労働と引き換えに金っていう対価を得るからこそ、世の経済は回っているって老執事から教わったっけ。
自給自足とか物々交換って言葉があるから、必ずしも金がないと生活できない訳じゃないけど、ある程度は持っていないと生活できないだろうな。世の中の経済の基本は、あくまで金によって動いているんだから。
「レッドウルフ……。いくらに、なるかな?」
「あまり期待しすぎない方がいいぞ。相場なんて、いつどうなるか分からないから」
相場一つで昨日の高級品も明日の格安品さ。
「とにかく、町に行ってギルドへ物を売ってからだ」
「ん。そして……肉三昧」
ロシェリさんや? 予算にも限りがあるので加減はしてくださいね? それと今も肉を食っているのに、それ以上の肉を食う気でいるのか?
そんな感じで今夜の食事と洗い物を終え、次元収納の中へ皿を片付けていると、地面に伏せて休んでいたマッスルガゼルが顔を上げた。
「どうした?」
声に反応することなく、同じ方向をじっと眺めていると思ったら徐に立ち上がる。
視線を逸らさず一方向を見続けている様子から、動物的な勘で何かを察知したのかと思い、すぐさまウィンドサーチを使うと接近してくる反応があった。
しかもこれは動物でも魔物でもない。人間だ。
「ロシェリ、誰かこっちへ来るぞ」
「えっ!?」
人の接近を知ったロシェリが驚いて杖を手に取り、立ち上がって辺りを見渡す。
「落ち着け、相手は一人だけだ」
「と、盗賊、なの?」
「分からないけど、その可能性は低いと思う」
近づいて来る相手が油断させる囮だとしても、周囲に誰も潜んでいないし大人数が接近してくる様子も無い。しかもこっちの様子を窺おうとするどころか、一直線にこっちへ向かっている。
断定はできないけど、少なくとも盗賊の可能性は低いだろう。仮に盗賊だったとしても三対一だ、よほど実力差がない限りはどうにかなるはず。いざとなれば、スキルを入れ替えてでも切り抜けてみせる。
徐々に近づいて来る相手を待ち構えていると、騎士団の鎧を身に纏った若い女性が転がるように茂みから出て来た。そして本当に転んだ。
「きゃあぁぁぁぁっ!?」
思いっきり躓いて悲鳴を上げながら二回転がって、焚き火の手前で尻もちをついて止まった。
「あたた……。あっ! あの、あなた方は冒険者の方ですか!?」
「はぁ……」
尻を摩りながら俺達に気づいた女性の問い掛けに、呆気に取られつつ返事をする。
すると女性はロシェリを見るや立ち上がり、凄い勢いで尋ねてきた。
「そっちの子は格好から察するに、魔法を使えるんですね! 治癒魔法は使えますか! 治癒用のポーションか、魔力を回復させるポーションでも構いません!」
「えっ、あっ、うぅっ」
凄い勢いで迫ってくるせいでロシェリが怯え、俺へ引っ付いてきた。
それを見て主人を虐めたと思ったのか、マッスルガゼルが鼻息を荒くしながら女性を威嚇しだした。
「ひっ! ま、魔物!?」
威嚇された女性は驚き、騎士団員なのに腰が引けてしまっている。
……なんか混沌としてきたな。
治癒魔法かポーションが必要ってことは怪我人がいるっぽいし、ここはさっさと収めよう。
「落ち着けマッスルガゼル。すみません。こいつはこっちの子の従魔なんで、主人を守ろうとしたみたいです」
「そ、そうなの?」
「はい。それと彼女は人見知りなので、強く迫られるのが苦手なんです」
説明をしながらロシェリを安心させるため、背中を擦ってやる。
「ふわぁ……」
気持ちよさそうな声がしたけど、今はそっちに反応している暇は無い。
「それは申し訳ありません。焦っていたもので、つい」
ペコペコ頭を下げている女性の態度とこれまでの様子から、騎士団を装った悪人には見えない。
でも一応、「完全解析」はしておこう。
ライラ 女 17歳 人間
職業:騎士団団員
状態:軽傷
体力594 魔力212 俊敏571 知力502
器用522 筋力327 耐久391 耐性347
抵抗196 運209
先天的スキル
遠視野LV3
後天的スキル
農耕LV2 剣術LV2 算術LV1
なんか項目が増えてる。ひょっとして「完全解析」のレベルが上がったのか?
確認は後でいいや。本当に騎士団員なのは分かったし、話を続けよう。
「治癒魔法かポーションが必要ということは、怪我人がいるんですか?」
核心を突く質問をするとライラさんはハッとした。
「そうなんです! ですから、どうか助けてください!」
よほど切羽詰まっているのか、焦った様子に戻って頭を下げてきた。
まだ俺に引っ付いているロシェリへ視線を向けると、助けるのに同意するように小さく頷いた。
正直あの家族が騎士団所属だからあまり関わりたくないけど、家の事情を持ち出して無関係な人を見捨てるのは嫌だ。だって俺、お人好しだから。
「分かりました。彼女は治癒魔法を使えますし、数は少ないですがポーションもあるので協力します」
返事を聞いたライラさんは顔を上げて、明るくなった表情を見せてくれた。
「あっ、ありがとうございます! ありがとうございます!」
何度も頭を下げてお礼を言っている間に水魔法で焚き火を消し、ロシェリはマッスルガゼルへ跨る。
荷物は次元収納の中へ入れてあるから、これでもう準備は完了だ。
「行きましょう。案内してください」
「はい! こっちです!」
ライラさんの先導で森の中を駆けだす。
しかし、仮にも騎士団が助けを求めるほどの怪我人が出るなんて、いったい何があったんだ?




