精霊進化
今日もジルグの野郎はババアの指導で修業に励んでいやがる。
俺様はこいつの装備品に憑依したまま、憑依時のスキルも封じられて何もできないっつうのに。
ここへ来て過ごした二ヶ月半の間は常にそうだ。
一ヶ月半くらい間に、ジルグの野郎から指摘されて、何のためにこうしているのか考えてるがサッパリ分からねぇ。
ったく、精霊王の野郎は俺様に何をさせてぇんだ。
本当にこれが進化へ繋がるのか?
つうかそもそも、何のために進化が必要なんだよ。
「ほら、集中力が落ちてるわよ。もっとしっかり狙った場所へ振り下ろしなさい」
「分かって、るって!」
さっきまではコカンセツを柔らかくするため、シコだのマタワリだのをやっていたが、今は地面に付けた印へ向かってツルハシを振り下ろし続けてやがる。
確か一点を正確に狙い続ける集中力を鍛えるのと、ツルハシや槌を地面へ振り下ろす動作で全身の筋肉を鍛えるための修行だったな。
まったく、こいつらの傍にいるせいで俺様には不要な知識まで覚えちまったじゃねぇか。
「同じ場所へ正確に攻撃を当てるのは、防御力が高い相手の攻略法の一つとして覚えておきなさい。一点にだけ攻撃を集中させてそこの防御力だけ削っていけば、攻撃を通すことも不可能じゃないわ」
ババアの言う理屈は分かる。
まだデルスがツマラナイ奴になる前に、何度かそういう手段で斬りがいのある魔物を斬った。
防御力に優れたガーディアンエレファントの皮膚や、鋼の如く硬いメタルクラブっつう蟹の甲羅とかな。
それを斬ったり砕いたりした時の感触はなかなかだったし、その時の相手の驚愕の表情や鳴き声は傑作だったぜ。
「実際の相手は動いているから、これより難易度は跳ね上がるわよ。止まっている目標にぐらい、百発百中させなさい」
「はい、よっ!」
流れる汗水を拭うことすらしようとせず、ジルグの野郎はツルハシを地面に振り下ろし続けてやがる。
とっくに手はマメだらけになっているだろうし、何度マメを潰したかも分からねぇ。
分かってるのは、日を追う毎にツルハシを振るう力強さが増して、狙いを外す回数が減っているってことだ。
まっ、こんだけやってんだから当然か。
走るのも速くなってるし、付けている重りの重さが増しても動きはさほど鈍らないし、疲れるのも徐々にだが遅くなっている。
まったく健気だね、あいつを倒すためにこんだけ鍛えなきゃならねぇとは。
……。
何やってんだろうな、俺様は。
こいつはどんどん強くなっているのに、俺様は何もできずにいる。
つうか、今までこいつのように必死こいて何かやったことはあったか?
これまでにやってきた事といやぁ、クソツマラナイ精霊共から陰口を叩かれたり、その原因を精霊王の奴に押し付けてここを出て行ったり、デルスと組んで斬りたくなった魔物やなんかを斬ったことくらいだ。
(碌な事してねぇな、俺様はよ)
好きな事だけやって生きてきたつもりだったが、今更ながら振り返ってみると虚しさを覚えるぜ。
今でも斬りたいものを斬りたいと思っている。
だが……。
「ズレが大きくなってきてるわよ。しっかり狙いなさい」
「そんなこと、言われても」
「文句を言わない! その時点で集中ができていないじゃない!」
「くうぅぅっ!」
ババアの指摘にそれ以上は反論せず、唸り声を上げながら歯を食いしばってツルハシを振り続ける。
ここまでやらなきゃ強くなれねぇのか?
こいつだけじゃねぇ。今頃は精霊王の下で小娘達も鍛えてるんだろう。
なのにどうして、俺様はジルグの野郎の装備品の中で、強化もさせられずにこうしているんだ。
……分からねぇ。
「はい止め! 午前はここまでにするから、掘った穴はこのスコップで埋めておきなさいね」
「分かった……」
前のめりの姿勢でツルハシを支えにして立ってはいるが、腕も脚もガクガクに震えてやがる。
表情はいかにも辛そうだし、ツルハシの持ち手は血に染まっている。
ちっ、こいつまたマメを潰してるじゃねぇか。
おまけに手の皮も剥けて……こいつ、そんな手でずっとツルハシを振っていたのか。
痛みで落とすことも、握力が入らずすっぽ抜けることも無く。
そして今もまた、ババアに言われた通りスコップで穴を埋めだした。
「それじゃあ私は、昼食の準備があるから先に戻るわね。水分は置いてくから、ちゃんと飲むのよ」
「りょーかい」
休憩の時に飲まされている白濁の水が入った、ペットボトルとかいう透明な容器を置いたらババアは引き上げた。
その姿が見えなくなっても、ジルグの野郎は手を休めるどころかペースを落とそうともしない。
両手を痛がる素振りは見せねぇが、表情は痛みを堪えているのが丸分かりだ。
おまけに疲労で震える手足を動かしているんだ、それにも耐えているんだろう。
……どうしてそこまでやれるんだ。
デルスと元父親が混じりあった存在を生み出してしまったから、それを倒すっていう責任感か。
いや、違うな。なんか違う気がする。
一体何なんだよ、くそっ。
全く答えが見いだせないまま時間だけが過ぎ、気づけばジルグの野郎は穴埋めを終えて白濁の水を飲んでいた。
そこからはいつもと同じだ。
小娘達と合流して大食い小娘に手を治してもらって、ババアが用意した飯を貪るように喰らったら、午後の修業まで部屋でベッドに寝転がって休憩している。
俺様もいつも通り、部屋の片隅に置かれてその様子を眺めている。
「我ながら、よく続いていると思うわ」
「責任はやらかした俺にあるんだから、無理に付き合わなくてもいいんだぞ」
「それは……嫌」
「いざという時に置いてけぼりは、もう御免だって何度も言っているじゃないか」
小娘達の方もぐったりしていて、疲労しているのが分かる。
だが、この二ヶ月でジルグの野郎も小娘共も、厩舎でぶっ倒れているであろう従魔共も実力が上がっているのは確かだ。
実際にどんなもんかは見てねぇが、それが見抜けないほど俺様の目は節穴じゃねぇ。
スキルの入れ替えで「能力成長促進」なんてスキルを得たのもあって、こいつらの成長は著しい。
体の方は全然成長しないくせによ。
「むっ?」
「どうしたロシェリ」
「何か……癇に障ること、言われた、気がする……」
「私も」
「僕も」
変なところで鋭いな小娘達め。
「で、修業の方は?」
「成長している実感はあるのに、毎回疲労困憊にさせられて転がされているわ」
「右に同じく」
「いつも……目が、グルグル……。頭……ピヨピヨ……」
大食い小娘は何を言ってやがるんだ。
だが、成長か……。
俺様だってしているつもりだし、ジルグの野郎の「完全解析」で数値が上がっていると聞いた事もある。
だけどよ、こいつらのように意図的に成長しようとしたことはあったか?
いや、ねぇな。
なんせこいつらと出会うまでは、適当に彷徨いながら暇つぶしか斬りたいものを探す毎日だったからな。
斬りたいものを見つけて、そいつと戦っている奴を利用していただけじゃ、強くなろうなんて思うはずがねぇや。
俺様も、あの時のデルスもな。
「……おい、ジルグ」
「うん? どうした」
「テメェはどうして、そこまで強くなりてぇんだ」
まさか俺様がこんなことを言うとは思っていなかったのか、揃ってキョトンとしてやがる。
分かってんだよ、俺様らしくねぇってのは。
だが、これだけは聞いておきてぇんだよ。
「もう一度聞く。テメェはどうしてそこまで強くなりてぇんだ。あいつを倒すだけの力を得て、倒した後はどうする」
今こいつらが鍛えているのは、あいつを倒すためだ。
ジルグの野郎はそれを生み出した責任を取るため、小娘達はジルグの野郎を一人で戦わせないため、筋肉魔物共は……どうでもいいか。
とにかく、それだけの力を得て勝利した後は、どうするつもりなのか知りてぇ。
でないと、なんかモヤモヤした感じが晴れねぇんだよ。
答えを待っていると、ジルグの野郎が体を起こした。
「特に変わりない、今まで通りに過ごすつもりだ」
「今まで通りだと?」
「ああ。あいつを倒した後も、鍛えながら冒険者を続ける」
「何故だ。あいつを倒せるだけの力があれば、十分だろ」
「だけど、そこが俺の限界点じゃない」
限界点だと?
「最初はさ、元家族から手に入れたスキルが戦闘向けだったのと、それを活かせて当時の俺が就ける仕事が冒険者ぐらいだったから、それで食っていくために強くなりたいと思っていた。だけど今は、自分がどこまで強くなれるのかなって思うようになった」
どこまで……。
「お前と違って俺は精々百年くらいしか生きられない。おまけに一生で強くなり続けられるのは、半分にも満たない年月だろう。だから、その間にどこまで強くなれるのか試してみたいんだ。伯父さんや祖父ちゃん、母さんより強くなれるのか、強くなれるのならどれくらいまで強くなれるのかって」
「だがいずれは限界が訪れるぜ」
「その限界がどれくらいなのかを知りたいんだ。いずれ年を取って、弱くなっていく前にな」
いずれ弱くなっていく前に……。
そうだ。人間のこいつはもう二、三十年もすれば弱くなりだす。
強くなり続けられるのは、たったそれだけの期間しか残されていない。
「その気持ち分かるわ。私もタブーエルフになってから、一日一日を過ごす意識が変わったもの」
「どういう、意味……?」
「ただのハーフエルフだった頃は寿命が長いから一日くらいとか、そんなに慌てたり急いだりしなくてもとか、割と毎日の過ごし方が適当だったのよ。でもタブーエルフになって寿命があんた達と同じくらいになってからは、一日に対する考え方が変わったの。もう以前のようにゆっくりした日常は遅れないから、毎日をしっかり過ごそうってね。なんて言うかこう、エルフなら数日掛けることを一日へ凝縮した感じ」
エルフの寿命はだいたい千年。
ハーフエルフでも数百年は生きられる。
それがタブーエルフになれば百年生きられるかどうかだ。
だからこそ、数日を一日に凝縮か。
万の年月さえも余裕で過ごせる俺様が、百年しか生きられなくなったと考えれば、エルフの小娘の言うことも分かるな。
「でね、思ったの。元々のエルフは寿命が短かったからこそ、一日をどれだけ大事に過ごすかが重要だったんじゃないかって」
今の姿になる前のエルフは、他の種族に比べて寿命がずっと短かった。
だからこそ、他の種族よりも一日を濃密に生きれば良かったってことか。
「これに気づいた時は、精霊王がエルフを嫌悪しているのも納得したわ」
「はっ? それどういうことだ?」
「そっか、ジルグ君は知らなかったんだね。修行中に精霊王から言われたんだよ。過去のエルフが逆境に立ち向かいもせず、自分達の境遇を嘆いて神頼みばかりしていた事に、今でも失望しているって」
ああ、そういやここを出て行く前に、そんなことをチラッと聞いた覚えがあるぜ。
「お陰でエライ目に遭ったわ……」
「集中的に、鍛え、られたもん……ね」
「それでそのことに気づいたら、ようやく気づいたかって言われてたよね」
「ぐぬぅ……。当時のエルフを全員ボコ殴りにしてやりたいわ」
「いい迷惑だな」
同感だぜ。
しかし、一日をどれだけ大事に過ごすかのか……ね。
今までの俺様はどうだ?
何にもやってねぇじゃねぇか。
ただ適当に彷徨って暇つぶしして、斬りたいものを斬って遊んでいただけだ。
そもそも毎日が暇だったような時点で、こいつらよりツマラナイ一日を過ごし続けていたんじゃねぇか。
数値の上での上昇?
一応は長く生きて武器に憑依して戦ってたんだ、何も考えずとも力はついてくるんだろう。
だが、こいつらに比べりゃ成長は遅いんだろうよ。
「能力成長促進」スキルとか、そういうのとは関係無く、こいつらと俺様じゃ一日の過ごし方への考え違う。
適当にやって結果的に育っただけの俺様に対して、こいつらは目的を持ってそのために成長しようとしてやがる。
ここへ来てジルグの修行を間近に見ていたから、それがより実感できる。
「……くそっ!」
「なっ、急にどうした」
「俺様自身がクソツマラナイんだと思ったら、腹が立ってきたんだよ」
何も考えず、長い年月をダラダラ過ごしてきたなんて考えたら、腹立たしくてしょうがねぇ。
こいつらなんて取るに足らねぇ、ちったぁ面白れぇ程度の奴らだと思っていたのによ。
実は俺様の方がクソツマラナイ奴だったなんてなぁ!
「本気で腹立たしいぜ。これまで、どんだけ無駄な年月を生きてきたんだってな」
何にも考えずに生きてきたことが、こんなに苛立つとは思わなかったぜ。
ここでクソツマラナイ精霊共に外道扱いされて、やりたいことも無いのに外へ飛び出してはぐれ者になって、何をするでもなく、やりたいこと探すでもなく、ダラダラと適当に遊んでいただけ。
しかもそれを良しとしていた。
暇さえ潰せればいい、斬りたいものに出会えた時にそれを斬れればいい。
そうして長年過ごしてきた結果がこれかよ。
もしもこいつらのように過ごしていれば、俺様はどれだけの相手を斬れるようになっていたんだ。
そうだ、斬れているはずだったんだ。
俺様がもっと斬ることへ真剣に取り組んでいれば、とっくに斬れているはずだったんだ。
こんな修行なんかせずとも、あの時のあいつを。
思い出すぜ。俺様とジルグの野郎の一撃をまともに受けたのに、傷つかず意に介さなかったあいつの姿を。
元がデルスだろうがなんだろうが関係あるか、あいつを斬れなかったのはジルグの野郎だけじゃねぇ、俺様も弱かったからだ!
「ちっくしょう! 強くなりてぇ! ベヒモスだろうが、リヴァイアサンだろうが、ドラゴンだろうが、フェンリルだろうが、ジルグの野郎が生み出したあいつだろうが、精霊王だろうが、神だろうが! 何もかもを斬れるほど強くなって、斬って斬って斬りまくれるほど強くなりてぇっ!」
強い奴をぶった斬る!
そのためならなんでもしてやる!
どこまでも強くなってやる!
強く、強くなりてぇっ!
「レギア、お前……」
ジルグの野郎と小娘共がポカンとしてやがる。
悪いかよ、俺様が強くなりたいと思っちゃ。
ん、なんだ?
何か奥底から湧いてきて、体が……。
「ちょっと失礼するよ」
なっ、精霊王?
「どうやらその時が来たようだね。ごめんねレギア、昔の事が気まずくて大事なことを色々教えてあげられなかった上に、こんな形でしか教えてあげられなくて。今、開放するから」
精霊王が指を鳴らすと、俺様を留めていた力が解けた。
よっしゃっ、これでようやく出れるぜ。
久々に憑依を解いて分裂体と一つになると、湧き出てくるものが大きくなっていく。
「君は今、強くなりたいと己の成長を心の底から叫んで願って訴えた。その心構えが君とデルスに最も教えたかったことで、学んでほしかったものなんだ」
なんだと。
「レギア、君はそれを得た。さあ、進化だ」
この湧き出て来るものが進化の力だってことか?
うおっ、なんか力も湧いてきて体が変わっていく感覚がある。
まるで自分が別の存在に変化していくようなこの感じ、これが進化なのか。
「うおぉぉぉっ!」
思わず雄叫びを上げたくなるほど力が湧いてきやがる。
黒い輝きに包まれた体が変化していく。
進化した自分の力の知識が流れ込んで来る
いいぜ。こんな靄みたいな姿じゃなく、俺様に相応しい姿へ変えやがれ。
やがて体の変化と輝きが治まると、眩しくて顔を隠していたジルグ達がこっちを見た。
ふふん、どうだ進化した俺様の姿は。
恐れおののくが――。
「「「「ぷっ」」」」
おいコラァッ!
なんでいきなり噴いてんだよ!
俺様に相応しい偉大な……。
「なんじゃこりゃあぁぁぁぁっ!?」
黒い靄が集まった感じなのはそのまま、元々の大きさが少しデカくなっている。
そこまではいい。だがなんだ、この靄で形成された羽と両腕と尻尾は!
羽はコウモリみてぇだし、両腕は細くて先の尖った指が四本しかねぇし、尻尾はトカゲみてぇじゃねぇか!
「おまっ、その形状は」
「うるせぇっ! おい精霊王、なんだこのカッコは!」
「そう言われても、こればかりは僕がどうこうできる問題じゃないからねぇ」
「ふっざけんなあぁぁぁっ!」
こんな姿が俺様に相応しいはずがあるか!
さっきまでとは別の意味で腹立たしいぜ!
「まぁ、そう……怒るなって……くくくっ」
「笑うな!」
「無、理……」
「いやぁまさか、そんな姿になるなんてね。ふふふっ」
どいつもこいつも笑いやがって。
だったら進化した俺様が得た、新たな力を見せてやるぜ。
「おいジルグ、ちょっと立って手を出せ」
「ん? なんだ?」
首を傾げながら立ち上がって右手を出したジルグに近づいて、新たな力を使う。
いくぜ、「憑依装備」!
スキルの力でジルグの右手へ憑依する。
だがそれは一瞬。
次の瞬間には掌から飛び出し、漆黒のハルバートとなってジルグの手に収まった。
「なっ、えっ? どうしてレギアがハルバートに」
「これが俺様の新たな力だ。自らが対象者にとって最も適した装備となり、装備者を強化する。さらに!」
きっとできるはずだ。
一旦憑依を解いて元の姿に戻り、「分裂」スキルを発動!
分体を五つ生み出し、本体である俺様はさっきと同じく右手へ。
残りの五体はそれぞれ、両腕と両脚と胴体へ憑依する。
俺様はさっきと同じハルバートとなり、残りの五体は籠手と脛当てと軽装鎧へと姿を変えて装備された。
「分裂して、武器と防具に……」
「そうだ。今の俺様は、お前に最も適した武器にも防具にもなれる」
どんなもんだ。
精霊王以外は驚いて呆然としてるじゃねえか。
「ついでだから、憑依時に発動するスキルの封印も解いてあげるよ。どれだけ強化されるのか、実感しておくといいよ」
そう言った精霊王がもう一度指を鳴らすと、封印されていたスキルが解き放たれたのを実感する。
「うおぉぉぉぉっ!?」
ハッハッハッ! 声を上げるほど驚いたか。
そりゃそうだ。進化したことで新たなスキルも得たから、強化は今まで以上だぜ!
「スゲェな、レギア」
「そうさ。俺様はスゲェんだよ」
当たり前のことを、今更なに言ってやがるんだ。
「はい、喜ぶのはそこまでだよ。進化したなら進化したで、レギアはその力をしっかり扱えるようにならなきゃだし、ジルグ君達の修行もまだ終わっていないんだよ。ここでもう一度気を引き締めて、今後の修行に打ち込んでほしい」
ちっ、空気の読めない精霊王だな。
いいじゃねぇか、ちったぁ余韻に浸ってもよ。
だがまあ、これで面白くなってきたぜ。
待ってろよ精霊王、いつかはテメェもぶった斬ってやるからな!




