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入れ替えスキルでスキルカスタム  作者: 斗樹 稼多利
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息の抜き方


 精霊王からレギアとデルスのことを聞いた翌日からも、修行の日々は続く。

 自分自身のためだけでなく、レギアに気づかせるためにも修行に励む。

 昨日同様に分裂したレギアが憑依した装備品を身に着け、母さんの指導で体を鍛える。


「はいはい、全力でダッシュダッシュダッシュ! 足腰は何よりの基本だからね、いくらでも鍛えて損は無いわよ」


「筋肉は闇雲につければいいものじゃないの。見せるためだけならともかく、動くことを目的としているのなら柔軟性も併せ持つ必要があるの」


「どこの筋肉を利用して動いているのか、常に意識しなさい。そうすればどこを鍛えているのか、しっかり分かるでしょ」


「運動中は呼吸も意識しなさい。筋肉を動かすためには血流が運ぶ酸素が重要だから、呼吸の仕方も適当じゃ駄目なの」


「左右のバランスを意識しなさい。どっちか一方に偏っていたら動きに悪影響が出るし、怪我の原因にもなるわ」


 手合わせどころか武器を使っての素振りも一切せず、とにかく体そのものを鍛える日々。

 辛くて毎日疲労感に襲われるものの、僅かずつだけど疲労感に襲われるのが遅くなっているのに気づく。

 勿論、手を抜いている訳じゃない。

 修行に体が慣れてきたのか、それとも僅かずつでも成長しているからか。

 できれば後者であってもらいたいと思いつつ、ここへ来てちょうど一ヶ月目の修行を終えた。


「はい、いつものように水分補給を兼ねたプロテインね。飲んだら柔軟体操をして、その後は夕飯までしっかり休むのよ」

「分かった……」


 僅かずつでも成長しているとしても、こうも毎日疲労困憊じゃ世話無いな。


「じゃあ、母さんはお風呂場の掃除当番だったのを忘れていたから、先に戻って掃除してるわね。ちゃんと柔軟体操するのよ!」


 そう言い残して母さんは走り去った。

 というか、あそこの掃除って当番制だったんだ。

 そして母さん以外に掃除しているのは、まさか精霊王なのか?

 若干の疑問を抱きながらプロテイン入りの牛乳を飲み干し、袖で口を拭う。


「はぁ……。ったく、俺様はいつまでこうしてりゃいいんだ」


 言いつけ通りに柔軟体操をするため、装備品を外しているとレギアが呟いた。

 こいつはこの一ヶ月、全く変わらずこの調子だ。

 精霊王は自力で成長と進化に気づいてもらいたがっていたけど、この調子じゃ難しそうだな。

 仕方ない、上手くいくかは別としてちょっと話してみるか。


「よっと。なあレギア、最近の俺の動きってどんな感じだ」


 装備品を外し終え、柔軟体操を開始しながら尋ねる。


「あぁ? どういうこった」

「母さんから俺の動きを感じ取れって言われて、この一ヶ月そうやっていたんだろ。なんか変わった感じはするか?」


 自分の成長を確認するふりをして、レギアに成長を感じさせる切っ掛けになればと思っての質問だ。

 さあ、どう反応する?


「ハッ、俺様が知ったことか」


 まあそうだよな、こいつが素直に答えるはずないよな。


「それよりも俺様がいつまでここにいるのか、その方が重要だっての」

「だけど理由も無くこんなことするはずがないし、何か意味があって、お前がそれに気づいたら出してもらえるんじゃないか?」


 さりげなく、何か気づいた事はないか探りを入れてみた。

 これで何かしら掴めていれば、望み通り現状から解放される日が近づくかもしれない。


「なんだよ、その意味とか理由ってのは。それが分かれば苦労しねぇっての」


 駄目こりゃ、切っ掛けすら掴んでいなさそうだ。

 とりあえずこの件は、今夜の風呂で精霊王に報告しておこう。

 数ヶ月は様子を見るって話になったけど、このままだと腹を括ってもらうことになるかもな。


「ったく、俺様に何をさせてぇんだ」

「何をするべきなのか、自分で考えるとかしたのか?」

「考えても分かんねぇんだよ、この野郎!」


 一応考えはしたのか。

 だけどだいぶイライラしているから、考えれば考えるだけイライラが増して思考が鈍っていそうだ。

 しょうがない。お節介かもしれないけど、ちょっと突っ込んだ話をしてみよう。


「少なくともお前の進化のためだっていうのは、確かなはずだぞ」

「はぁ? なんでだ」

「だってあいつを倒すには、お前の進化が必要不可欠なんだろう? だったらこれはお前の進化を促すためにやっていることで、母さんが俺の動きを感じ取れって言っているのも、そのためかもしれないだろ」

「はっ、どうだか……」


 減らず口を叩きはしたけど、思うところがあるのか思案顔になる。

 俺としてはこれ以上突っ込んだ話をすべきじゃないと思うから、ここまでで何か切っ掛けを掴んでもらいたい。


「とは言ったものの、何を目的にこうしているかは分からないだけどな」

「ったりめぇだ。当事者の俺様が分からねぇのに、テメェに気づかれてたまるか」


 本当は気づくどころか知ってるんだけどな。


「だったら頑張って気づけよ。でないと、お前ずっとそのままだぞ」

「……ちっ、しゃあねぇな。癪だがもうちっと考えてやるか」


 どうして自分の事なのに悔しそうにするんだ。

 だけどこれで、成長と進化に気づく切っ掛けになったかな。

 本当に気づけるかはレギア次第だけど、精霊王の意を汲むならこれ以上は突っ込めない。

 どうか気づいてくれることを祈る。


「よし、そろそろ引き上げるか。今日の晩飯は何が出るかな」

「食えない俺様からすれば、どうでもいいな」


 ここでの修業の日々で、飯と温泉と睡眠だけが楽しみになりつつある。

 レギア入りの装備品を回収して引き上げる道中、自分で動けないレギアからブツブツと文句が出たけど適当に聞き流す。

 そうして戻ると、従魔達が厩舎の中で死屍累々状態になっていて、部屋へ行ったらロシェリ達がベッドの手前で力尽きて床に倒れていた。


「おい、大丈夫か?」


 いつの間にか寝ているレギア入りの装備品を部屋の隅に置き、三人へ呼びかけるけど反応が無い。

 さすがに死んではいないだろうけど、返事が無いと不安になるぞ。


「ったく、どんだけキツイ修業したんだか」


 放っておけないから、順番に抱え上げてベッドへ寝かせてやる。

 目がグルグルになっているリズ、寝言でごめんなさい頑張りますと呟くアリル、そして最後にこの一ヶ月食べまくっているのに細くて軽いままのロシェリ。

 全員をベッドへ寝かせたら俺もベッドへ倒れ、夕飯まで休んでいようと思ったらいつの間にか寝ていて、夕飯時に母さんが起こしに来るまでぐっすりだった。

 その後はここ一ヶ月と同じ、修業で減った腹を満たし、母さん曰く体を作るために必要なエイヨウの摂取と今日使ったエネルギーっていうのを補充するため、母さんがいた異世界の食事を貪り食う。

 朝食も昼食も同じような感じだから、最近食べられる量が増えてきた。

 初日は三杯食べていた米が、今では四杯食える。


「はいはい、どんどん食べて良いわよ。だたしよく噛んでね。でないと胃に負担が掛かって、消化に悪影響が出るからね」


 食事中に聞かされる別の世界の知識も、今となっては恒例になっている。

 同じ事を何度も聞かされているけど、大事なことだから繰り返し言っているんだ。

 これまた母さん曰く、食事は単に腹を満たす行為じゃなくて、体に必要な物を摂取して骨や筋肉を育てるための大事な行為だそうだ。

 目的に合った食事を摂ることで体を大きくしたり、減量に繋げたりするらしい。

 今の俺達の食事もそれを考慮した内容の食事が用意されていて、量は成長中で修業中だからドンドン摂っていいとのこと。


「今日のデザートはフルーツを用意したわ。特にこのグレープフルーツは必ず食べなさいよ、筋肉の乳酸を取って回復に繋がるからね」


 ニュウサン……ああ、思い出した。

 確か運動後の筋肉に出てくるものだったっけ。

 ニュウサンキンっていうのは飲食で摂った方がいいのに、ニュウサンは取った方がいいなんてややこしいなって、カルピスっていうのを飲みながら教わって思ったんだ。

 そんなことを思い出しながら、四杯目の米にトロロっていう細長い芋を擦った物にダシジルを混ぜた物を掛けてかっ込む。

 今日の飯はここまでにして、後は言われた通りにグレープフルーツっていうのを食べよう。

 そしてその後は食休みを挟んでから温泉へ行き、毎回一緒に入浴している精霊王へ今日のレギアとのことを報告する。


「だいぶ突っ込んだね」

「でないと何も考えず、憑依しているだけになりそうだったからな」

「本当に悪いね、気を使ってくれて」

「気にするなって。あいつには早く進化してもらわないと、俺がその力を扱うための修業期間が減る」


 進化したレギアがどうなるか分からないけど、俺が扱うって言った以上は装備品に憑依するのは間違いないはず。

 そうなれば当然、それを扱うための修業も必要になる。

 どれだけの時間が必要になるか分からないから、なるべく早く進化してもらいたい。


「本当にゴメンね、不甲斐ない精霊王で」

「そうだな。レギアと話していればとっくに進化できていたかもしれないのに、過去のことを今日までズルズル引き摺って話せずにいる、なんとも不甲斐ない精霊王だな」

「ぐはっ。本当のことだから言い返せない……」


 胸を押さえて俯く精霊王を気にせず、腕や脚を軽く揉んでほぐす。

 最初の頃は毎日のように筋肉痛に悩まされたのが、今ではだいぶマシになったな。

 まあ今でも、たまに痛むんだけどさ。


「お詫びと言ってはなんだけど、君達の部屋を防音仕様にしてあげようか?」

「防音って、なんのためにだよ」

「この一ヶ月修行漬けでしょ。だから、結構溜まってるんじゃないかと思って」


 うん、何のための防音か理解した。

 だから無言で軽い手刀を精霊王の頭上へ落とす。


「あ痛っ。何するのさ」


 額に手を置いて不満そうな表情を向けてくる。


「余計なお世話を言うからだ」

「だって人間にとって食欲と睡眠欲と性欲は三大欲求っていうくらい、大事なものなんでしょ? だから気を遣ってあげようかと思って」


 三大欲求の点は否定しない。

 実際問題そうだし、「完全解析」で調べられる中にもあるし。


「だからってこの非常時に、そんなことしてられるかって」

「そうだけどさ、発散すべきことは発散して気持ちを楽にするのも重要だと思うよ。この一ヶ月、修行か食べるか休むかばかりじゃないか」

「そうなった切っ掛けを作ったのは自分だからな、律するところは律しないと」

「君はそういう所がお母さんと似てないね。彼女はこの提案にノリノリで賛同して、今頃女湯で君の未来の奥さん達を説得しているというのに」


 何勝手に根回ししてんの精霊王と母さん。

 というかここへ来て二日目から、ロシェリ達が母さんをお義母さんって呼んでいるのは、今回のように風呂で根回ししたからなのか?


「ストイックに鍛え続けるのもいいけどさ、まだ九ヶ月はあるんだからここらで気分の発散ぐらいしても、バチは当たらないと思うよ。でないと体は鍛えられても、心の方が参っちゃうよ」

「そんなやわな精神をしているつもりは無い」

「君の自制心と我慢強さは、上から見ていた彼女から聞いて知っているよ。でもね、君は力の抜き方が下手だし我慢しすぎだよ。育った環境の影響もあるんだろうけどさ」


 元実家でのことか。

 まあ、出て行くまでは耐えるだけの日々だったからな。

 スキルの入れ替えができるようになってからは、ちょっと憂さ晴らしできたけど我慢の日々だったのは確かだ。


「人の心にも耐えられる限度があって、そこを越えちゃうとポッキリ折れちゃうんだよ。そうならないように、そろそろ休みを挟もうと彼女と話していたし、ここらで息抜きしたらどうだい。未来のお嫁さん達とさ」


 休みに関する気遣いは嬉しく思う。

 でも下心満載のニヤけた表情がムカつくから、さっきと同じくらいの力で手刀を同じ位置へ落とした。


「痛いなぁ。気を遣ってあげたんだから、ここはお礼を言うところだと思うんだけど?」

「その気遣いに下心が丸見えだからだ」

「別に覗いたり聞き耳を立てたりするつもりは無いよ。僕はそういった事に関する興味も欲求も無いからね。でもお風呂と同様に、一度体験するか見聞きすれば興味くらいは抱くかも」


 そういえば、初日の風呂でそんな感じのこと言ってたな。


「見せも聞かせもしないぞ。ていうかするつもりが無い」

「君は本当に力の抜き方を分かってないね。ここまでだと、無理矢理お酒を飲ませて酔わせてでも力を抜かせたいよ」

「生憎と酒よりも甘味の方が好きでね。飲めないことはないが、嗜む程度で十分だ」

「僕もお酒は嗜む程度だよ。量よりも質、安酒をたらふく飲むより良い物を一日一杯だけが好みだね。甘味に関しても同様かな」


 精霊王の割に随分と世俗に染まっているな。

 ていうか風呂はともかく、ここから出られないのに甘味や酒をどうやって入手したんだ。


「あっ、お酒と甘味はどこからって顔しているね。君のお母さんから、お世話になるからって貰っているんだよ。お陰でこの一ヶ月、晩酌と甘味を楽しんでいるよ」


 基本どっちか一方がほとんどなのに、精霊王は両方いける口か。

 というか、酒と甘味は母さんからの手土産かよ。

 別の世界の甘い物か、興味はあるな。


「僕もこうして息抜きをしてるんだから、君も息抜きをすればいいんだよ。せっかく僕と彼女も容認したんだからさ、遠慮することはないよ」

「結局そこへ戻るのか」

「君達に息抜きをさせて、休ませるのも大事なことだからね」


 休むことと息抜きの大切さは分かっている。

 でもだからって、やって良い事と悪い事があるだろ。

 正直言えば、食って寝て風呂入ってまた寝られれば十分な休みで息抜きだ。


「とにかくそういう訳で、明日はお休み。自主的な修行も禁止にするから、しっかり休んで羽を伸ばすといいよ」

「明日とはまた急だな」

「君達が夕食を終えた後で、君のお母さんと休みについて話して決めたんだ。僕がここにいるのは、その連絡係っていうのもあるね」


 精霊王を連絡係にする母さんの神経が凄い。

 本人がこの調子だから、頼んだら二つ返事でやってくれそうだけど、まず頼めること自体が凄い。

 いくら世俗に染まりだしているとはいえ、なんて威厳の無い精霊王なんだろうか。


「そうそう。明日の休みを利用して、君のお母さんから教わった異世界のお風呂を再現しようと思っているんだ。だから楽しみにしていてね」

「おっ、そっちは純粋に楽しみだな」

「内容は秘密にさせてもらうよ。その方が楽しみが増すってものだからね」

「よし言ったな。期待させてもらうぞ」


 異世界の風呂か、どんな風呂なんだろうか。

 色々と想像しながら風呂から上がり、恒例となった湯上りの牛乳を精霊王と一緒に味わってから部屋へ戻った。

 別れ際に精霊王がニヤリと笑っているのに気づかずに。


「ただいま」

「お、おか、えり……」


 部屋に戻ると既にロシェリ達が戻っていて、何故か全員ベッドの上で毛布に包まっている。


「どうしたんだ。風呂上りなのに、そんなのに包まって」


 顔は湯上りで真っ赤で、毛布から出ているアリルとリズの尻尾も落ち着きなく、パタパタと揺れている。

 いつもなら風呂上りは暑いとか言って、目のやり場に困る薄着姿になって手で風を送ってるっていうのに。


「ね、ねえジルグ。明日休みなのは聞いた?」

「ああ、精霊王から聞いた」

「僕達もさっき、お風呂でお義母さんに聞いたんだ」


 ああそういえば精霊王が……待てよ、確かその時に。


『彼女はこの提案にノリノリで賛同して、今頃女湯で君の未来の奥さん達を説得しているというのに』


 とか言ってたよな。


「その時に色々言われてね」

「こここ、今夜は息抜きをしないさいって、言われて」

「勝負、用にって……こ、れを、貰って」


 そう言ってベッドから降りた三人が毛布を落とすと、下着が見えるくらい透けている生地の服を着ていた。

 しかも下着そのものが布地が少ない、最低限隠すだけのものだ。


「何、母さんに言い包められてるんだよ!」

「だだだ、だけど、息抜きは、必要でででででっ」

「そ、そうよ、これは息抜き、息抜きよ。けっしてやましい気持ちなんか無くて」


 いや、やましいって。特にお前達の表情がやましい気持ちだらけだよ!

 前髪で隠れているロシェリは分からないけど、目が爛々として獲物を前にした肉食獣みたいだぞ!

 というか、母さんはどんな説得をしたっていうんだ。

 素直じゃないアリルと内気なロシェリが、酔ってもいないのにこんな事になるなんて!

 くそっ、ここは母さんへ文句を言うのを理由に戦術的撤退を……あれ、ドアが開かない!?


「お義母さん、が、中から、開けられ、ないように、細工……してくれ、たの」


 何やっての母さーん!


「いや待て落ち着け。ここにはレギアが」

「細工した後、お義母さんが持って行っちゃったよ」


 えっ? あっ、本当だ。置いといたレギア入りの装備品が無くなってる。

 また何やってんの母さーん!


「そのお義母さんからの伝言よ。据え膳食わぬは男の恥、せっかく相手がその気なんだから応えるのが男ってもの。安心しなさい、この手の事に関する異世界の知識はこの一ヶ月で伝えられるだけ伝えたし、避妊用の薬も用意してあるから……ですって」


 これまた何やっての母さーん!

 ということは、既に精霊王によって防音仕様にされている可能性が高い。

 あんの見た目ガキんちょの俗世に染まった精霊王め、今頃大成功とか言いながら満面の笑みで親指立ててるんだろうな。

 くそっ、こうなったらもう引けない。

 いいよもう、乗ってやるよ俺も。

 思惑に乗るのは癪だけど、ここは逃げたら男が廃るってもんだ。

 それに実を言うと……あんな恰好をした三人前にして何とも思わない訳がないからな!


「分かった。だったら約束が先延ばしになっていたリズ、最初に来いよ」

「う、うん!」


 この後どうなったかは、誰が何と言おうと割愛させてもらう。

 言えることがあるとすれば、母さん仕込みの異世界の知識は侮れないという事と、翌日を休みにしてくれて助かったって事、それと翌朝の朝食の席で精霊王と母さんとレギアのニヤニヤ顔がムカついたことくらいだ。


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