表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
入れ替えスキルでスキルカスタム  作者: 斗樹 稼多利
82/116

母に鍛えられ、過去を知る


 精霊王の下で色々あって母さんと初対面して、あいつを倒すための修行をつけてもらえることになった。

 母さんはこのために体を全盛期の状態にしてもらった上に、勘を取り戻すため特訓もしてきたらしい。

 そこまで準備をしてもらった以上は、あいつを生み出す切っ掛けを作った責任を取るためにも頑張ろうと意気込んで修行を開始したものの、現在絶賛未熟者やっています。


「ひぃ……ひぃ……」


 とある女神とやらの補佐をしている間、暇を見つけては俺の様子を観察していたという母さんは、俺がスキルを入れ替えられることも、それを扱えるように鍛えていることも知っていた。

 だからこそ見抜いた問題点を克服するためだと、徹底的に体を鍛えられている。

 しかも精霊王が元に戻してくれた防具を全て身に着け、それらに「分裂」スキルで分裂したレギアを憑依させて。

 内容はキツイものの、それにどういう意味があるのかを説かれると納得してしまい、理不尽だとか不条理とは言えない。


「はいはい。十倍の時間を過ごせるとはいえ、期限は有限なんだからダラダラしない」

「はっ、はいぃ……」


 確かに荒っぽくいくとは言われたけど、初日からここまで荒っぽいとは。

 言われるがまま、重りを腕や脚に巻き付けてスクワットなる屈伸運動を繰り返す。


「いい? あなたはスキルの入れ替えによって得た、又は成長させたスキルを使いこなせるようにしていたけど、多くのスキルが他人から得たスキルであなたが体得したものじゃない。今のままだと、どれだけスキルを手に入れて進化させようとも、小手先の技術レベルで終わるわ。だから現在のスキルを扱うに相応しい状態まで、体を鍛える必要があるのよ」


 ありがたい言葉を受け、疲労感と筋肉が軋むような痛みを堪えて体を動かす。

 それにしても母さんは一体どこから、これだけの修行に関する知識を仕入れたんだろうか。

 正直言って、シュヴァルツ祖父ちゃんやノワール伯父さんよりもずっと効率的かつ、内容に確かさを感じる。

 これに比べるとあの二人から受けていた修行は効率的でなく、理論も感覚や精神論が重視されているように思う。


「おいババァ、俺様はいつまでこうしてりゃいいんだ」


 文句を言っているレギアは現在、先も述べたように「分裂」スキルで七体に分かれ、それぞれが俺の装備品へ憑依している。

 本体はいつも憑依している氷石のタグ、分裂体は鎧と籠手と脛当て、それとタフネスの腕輪へ憑依中だ。

 どれも真っ黒に染まってレギアの顔が浮かんでいるから、なんだかちょっと気味が悪い。


「私がいいって言うまで」

「だから、それがいつまでか聞いてんだよ! ここから出られなくされた上にスキルまで封じられたんじゃ、なんのために憑依してんのか分かんねぇぞ!」


 本人の言う通り、今のレギアは精霊王によって憑依時に発動するスキルを全て封じられている上に、装備品から出ることが出来ない。

 スキルで身体能力を向上したら俺の修業の妨げになるってことだけど、そうしてまでレギアが憑依した装備を身に着けて修業をする意味は何だろう。

 防具をつけたまま動くことに慣れるのを目的としているなら、わざわざ憑依させる必要は無い。

 まあ俺としては、こっちへ来るのに気を取られて修理や買い替えを忘れていた武器や防具を、精霊王が時間の精霊とやらを呼び出して武器と防具の時間を巻き戻し、壊れる前の状態に戻してくれただけでもありがたいんだけど。

 その際にレギアが出られなくなる仕掛けをして、半ば強引に分裂させて憑依させたんだよな。

 というか母さん、ババア呼ばわりされても気にしないのか。


「いいからあなたはジルグの動きを一つ残らずそこで観察し、感じ取りなさい。ただそこに憑依して強化するだけが、あなたの存在意義じゃないのよ」

「ちっ、意味が分かんねぇんだよ」


 俺も意味が分からない。

 要するにレギアの存在意義は、武器や防具へ憑依して装着者を強化するだけじゃないってことだろうけど、だとしたら何なんだろうか。


「こらっ、集中しなさい。「能力成長促進」で普通より早く鍛えられるとはいえ、集中していないと効率が落ちるわよ」


 はい、ごめんなさい。

 理由を考えるのはやめにして、今は修業に集中しよう。

 母さんによる修業はタイカントレーニングだの、この後でチョウカイフクさせるためだの訳の分からない言葉が並ぶものの、しっかりと意味合いの説明を聞かされるから納得して修行に打ち込める。

 とはいえ、限界は訪れる訳で。


「きっ……つ……」


 どれだけ力を入れても体が思うように動かず、明らかに効率が落ちてきた。

 まだ続けるのかと思っていたら、母さんから声が掛かった。


「そろそろ一旦休憩しましょうか。ジルグ、こっちへいらっしゃい」


 やっとこの時が訪れたか。

 休憩。この言葉がこんなに嬉しく感じるなんて。

 動きを止め、今にも座り込みたいのを堪えて母さんの下へ向かう。


「さっ、ここに座って。はいこれ、水分補給は忘れずに。エネルギー補給に炭水化物も摂りましょうね。糖質がどうだとか言っている人、体を動かすエネルギーに糖質は不可欠なのよ」


 到着した途端、青くて薄い布? じゃないな、なんか妙な手触りのする薄い幕が敷かれて、そこに白濁の水と炊いた米を三角形に固めた物が数個が並べられた。

 ねえ母さん、それどこから出したの?

 それとタンスイカブツとかトウシツって何。

 突然の事に装備品に憑依しているレギアの表情が、全部揃ってポカンだよ。


「運動し過ぎで食べ辛いなら、こっちのゼリー飲料を飲みなさい。ここの蓋を外して、吸って飲むのよ」


 ……もう突っ込むのは止めよう。

 黙って頷いて白濁した水を飲むと、不思議な味がするけど体へ染み込む感じがする。 

 炊いた米を三角に固めた物も形状が違うだけで味は想像通りかと思いきや、なんか酸っぱくて塩気の強い赤い物が入っていた。

 これが不思議と米に合う。しかも米自体が今まで食べた物よりもずっと美味い。

 あとこの、不思議な形状の容器に入ったゼリーっていうのも飲んでみよう。

 味はまあまあだけど、この喉越しはなんか気持ち良くて食べやすいな。


「おいババア、一体なんなんだ。敷いてある妙な青い布に、変な容器に入ったゼリーとかいう物は。今までに見たことも聞いたこともねぇぞ」


 長く生きているレギアでも、見聞きしたことが無いのか?

 ひょっとするとこれって、今の母さんがいる神がいる場所の物なのかな。


「そりゃそうよ。だってあなた達にとっては、異世界の物だもの」


 ごめん、今なんて言った。

 異世界っていうのが、アリルが読んでいる本の中でたまに出て来る、別の世界だってことは分かる。

 でもどうして、別の世界の物がここにあるんだ。


「ほう、神の補佐とやらになれば、そんな物も手軽に用意できるのか」

「できるにはできるわよ。生前の自分がいた世界の物ならね」

「ふうん。そうなん……えっ?」


 ちょっと整理しようか。

 ここに並ぶ物は母さんが用意した、俺達とは別の世界の物。 

 神の補佐になったとしても、用意できるのは生前の自分がいた世界の物だけ。

 でも母さんは俺と同じ世界の出身。


「……お前、誰だ」


 食べる手を止めて母さんらしき人物を睨む。


「うん? ん~……あっ、ひょっとして私を疑ってるの? 見た目そっくりの別人だと」

「でないと辻褄が合わないだろ」


 いくら神の補佐になったからって、俺と同じ世界出身の母さんは別の世界の物を用意できない。

 だったらこいつは、別の世界出身の母さんと同じ外見をした誰かだ。


「いやねぇ。私は正真正銘、あなたの母親よ」

「だったらどうして、別の世界の物を用意できる」

「簡単な話よ。私はね、二つの世界で生きていたのよ」

「はっ?」


 二つの世界で生きていたって、別の世界から俺達のいる世界へ来たってこと……じゃないな。

 もしもそうなら、アトロシアス家出身の説明がつかない。


「なるほど、お前は世界間を越えた転生者だったか。しかも前世の記憶持ちの」

「世界間を越えた? 転生者?」

「テメェも輪廻転生ぐらい知ってるだろ。死んだら生まれ変わるってやつだ」


 ああ、あれか。


「こいつはそれを、普通なら失うはずの前世の記憶を持ったまま、しかも別の世界から来たって訳だ」


 そういうことか。

 別の世界で生きた前世の記憶があるから、それも生前にいた世界に含まれるって訳か。


「正解! と言いたいところだけど、惜しいわね。単なる生まれ変わりじゃないのよ」

「どういう意味?」

「ちょうどいいから話してあげるわね。私が最初の人生を送っていたのは、こっちとは違う科学技術が発展した世界でね――」


 懐かしそうに語りだしたのは、地球ってところで過ごした最初の人生。

 魔法や魔物が存在しなくて、代わりに科学っていうのが発展して様々な道具が生み出された世界。

 そんな世界の日本という国で生まれ育った母さんは、競技としての格闘家をしていたようだ。

 俺にやらせているのは、その時に実践していた当時の効率的な鍛え方らしい。

 だけど格闘家としての高い名声に反して男運が無く、色々と苦労して苦悩して傷ついた挙句に自ら命を絶った。

 ところがそれは神側の問題によるものだと判明し、好きな先天的スキルを選んだ上で記憶を保持したまま、アーシェ・アトロシアスとしてこっちの世界へ生まれ変わったそうだ。


「じゃあ、母さんが何かと功績を残せたのは?」


 食事を終えて手を払いながら尋ねると、何故か自信満々に胸を張った。


「前世で学んだ効率的な方法で鍛えて、転生する時に選んだ「超越」っていう強力な先天的スキルで自分を強化していたからよ!」


 どうだと言わんばかりに胸を張ってるけど、なんかそれズルっぽい。

 いや、他人のスキルを入手できる俺が言えることじゃないのは分かっている。

 でもズルイと思うくらいは許してほしい。


「だけど「超越」の負担が凄まじくてね。冒険者を引退した時にはもう戦える体じゃなかったし、体が癒える前にあなたを出産したら耐えられずに死んじゃったのよ」


 死んじゃったのよって、そんな簡単に。

 というか俺を産んだのが原因で死んだなら、なんか申し訳ない。


「えぇっと……ごめんなさい」

「別にジルグは悪くないわよ。あなたは偶然授かっただけで、罪は無いわ。悪いのはその辺を考えず、気合いでなんとかなると思っていた私よ」


 修業は理論的なのに、どうしてそこで精神論を引っ張って来るんだろうか。


「ハッハッハッ。なかなか愉快な人生じゃねぇか」


 どこか愉快なんだ。

 最初の人生は悉く異性に裏切られて、その次の人生は望んで得た力で活躍したものの、最終的に身を滅ぼしたんだぞ。

 とても愉快だとは思えない。


「そうねぇ。異世界転生してチートスキル貰って私TUEEEEをやるなんて、普通ならありえない人生を過ごした挙句に神の補佐をしているんだから、愉快じゃないとは決して言いきれないのよね」


 いいんだ。そんな人生を愉快と捉えていいんだ。

 言っている意味もよく分からないし、もう母さんの人生について考えるのは止めようかな。


「唯一の心残りだった息子との時間も、こうして過ごせているんだから未練は無いわ」

「それ、今にも成仏しそうな人が言いそうなんだけど……」

「あらそうね。だけど二度も死んでる上に成仏していないんだから、関係ないわよ」


 自分の事とはいえ、よくもまあケラケラ笑えるもんだ。

 ……もしも母さんが死んでなかったら、こういう時間をもっと過ごせていたのかな。

 そしたら元実家でも……いや、たらればを考えても仕方ないか。


「ていうかジルグ、疑ったのなら尋ねる前に「完全解析」したの? それで調べてれば、余計な勘繰りせずに済んだんじゃない?」


 言われてみればその通りだ。

 修行の疲れでその方法が頭からすっかり抜けてたよ。


「今からでも見ていいわよ」

「いいの?」

「別に見られて困るものじゃないし、遠慮せずにやりなさい」


 じゃあ、ちょっと失礼して。




 アーシェ・アトロシアス 神候補 女


 状態:健康


 体力3758 魔力2072 俊敏3669 知力2983

 器用3281 筋力3048 耐久3392 耐性3286

 抵抗3254 運517


 先天的スキル

 超越LV9


 後天的スキル

 拳術LV9 蹴術LV9 動体視力LV8 瞬動LV8

 連撃LV8 虚撃LV8 回避LV8 自己強化魔法LV8

 強打LV8 威圧LV7 集中LV7 空間魔法LV5

 魔砕まさいLV5 採取LV4 解体LV4 治癒魔法LV3


 閲覧可能情報

 身体情報 適性魔法 趣味 三大欲求




 化け物か。

 人間ってのは、ここまで鍛え上げられるものなのか?

 もう母さんは人間じゃなくて神候補なんだけど、少なくともこの能力は生前の全盛期のものだから、人間の時に至った数値とスキルのレベルで間違いない。

 全盛期が何歳の頃なのかは分からないけど、ひょっとすると前世の能力も上乗せされているんじゃないだろうか。

 でないと、「能力成長促進」みたいなスキルも無しに数値が3000越えで、スキルのレベルが8以上なんて考えられない。

 数値ではドルドスの方が上だけど、たぶん母さんの方が圧勝できる気がする。


「どうだった? お母さん凄かった?」

「えぇっと、凄いには凄い。化け物と言えるぐらいに」

「何よその表現!?」


 軽くショックを受けている母さんに、これまでに見てきた数値やスキルのレベルのことを説明した上で、「完全解析」で見た数値とスキルのレベルを伝えて、ついでに前世の分も上乗せされているんじゃないかという推測も添えた。


「なるほどね。それじゃあ化け物と言われても仕方ないわね」


 本人が認めちゃったよ。


「前世の分の上乗せも心当たりがあるわ。今の上司も知らなそうだから、申し訳なく思った創世神様辺りが黙ってこっそりやったんでしょうね」


 そっちも心当たりと自覚有りか。

 だけど結果として、それが「超越」で体を壊すのを早めたのかもしれない。

 前世の方法で鍛えて「超越」を選んで使ったのは母さんでも、こっそり上乗せをした創世神様とやらはちょっと後悔しているだろうな。


「で、肝心要の私の名前はどうだった?」

「間違いなく母さんだったよ。しかもグレイズ姓じゃなくてアトロシアス姓でね」

「それはなによりね。今もあの男の姓だったらと思うと、寒気がするわ」


 同感だ。俺も姓がアトロシアスに代わった時は嬉しかったからな。


「さてと、食休みも十分に取ったことだし、修業再開よ」

「了解」

「ちっ、俺様はいつまでここに憑依してりゃいいんだ」


 ブツブツ愚痴を言うレギアは無視され、修業が再開された。

 母さんは色々と説明してはくれているけど、熱が入ると段々説明が省かれるようになっていく。

 インナーマッスルって何、ハイカツリョウって何、ソッキンとチキンって何。

 その都度聞き返して教えて貰いつつも、修業が終わる頃にはぶっ倒れて動けなくなった。

 いやもう本当に、体中がバッキバキに軋んでそうな気がする。


「終わったか。なら俺は寝るぞ」


 修行が終わった途端に全部のレギアは眠った。

 修行中に寝ようとしたら母さんに叩き起こされて、しっかり俺の動きを感じ取れって叱責されてたもんな。


「はいはい、運動後はプロテインね。牛乳に混ぜておくから、全部飲み干してね」


 また分からない言葉が出たよ、プロテイン。

 何? 筋肉を作るのに必要な物が配合された物?

 試しに飲んでみるけど微妙。牛乳じゃなくて水の方が良かったとかそういう問題じゃないよ、母さん。


「飲んだらクールダウンのストレッチよ。それが終わったら、あの子達と合流するわよ」


 終わった後もまだ何かやるのか。

 プロテイン入りの牛乳を飲みつつそう思っていたら、柔軟体操のようなものだった。

 伸ばされる筋肉が気持ちいい。

 さてと、ロシェリ達や従魔達の方はどうなってるかな。

 柔軟体操を終えて合流すると、ニコニコ笑顔の精霊王の傍らに三人と四体が目をグルグルにして倒れていた。

 気のせいだろうけど、頭の上を小鳥がピヨピヨ鳴きながら周回しているのが見える。

 どんな修行をしたんだよ、お前達は。


「やあやあ、そっちも終わったのかい?」

「今日の分はね。こっちはだいぶ厳しくやったみたいね」

「時間は有限だし、強くなっておいて損は無いでしょ」


 だからって、どんな修行をやらせたんだ。


「ほら、いつまでもこんな所で寝てないで起きなさい」

「向こうに温泉付きの寝床を用意しておいたから、案内するよ」


 母さんと精霊王の呼びかけに、ロシェリ達と従魔達は無言でフラフラと立ち上がる。

 アンデッドになった死体が動き出したみたいで、なんかちょっと怖い。

 しかも目が死んでるから、余計にそう感じる。


「あっ、ジルグ……君……。死ぬかと、思った……」


 出会った時のように杖を支えにしたロシェリがフラフラと寄って来て、倒れそうになったから受け止める。

 そのまま密着されたけど、今は普段のように煩悩どうこう言える状態じゃないな。


「やあ、そっちも終わったんだね……」


 おいおいリズさんや、顔は笑っていても目と纏う空気がどんよりしてるぞ。


「これが最低一ヶ月……。いえ、十倍だから十ヶ月続くの?」


 今は未来のことよりも、今日を乗り切ったことを考えておけ。

 でないと、これから先の修行をやっていけないと思う。


「とりあえず寝床とやらへ行こう。今は休むのが優先だ」


 密着したまま動こうとしないロシェリを抱え上げ、落ち込むアリルをリズが慰め、いつもの筋肉隆起をさせる気力も無い従魔達と共に寝床とやらへ向かう。

 先頭を行く精霊王は鼻歌を歌い、それに続く母さんも満足そうにしているけど、こっちは敗残兵みたいだ。

 重い足取りで到着したのは、厩舎付きの平屋。

 従魔達は厩舎へ入ると早々に横になり、すぐに眠りに就いた。


「君達は全員で大部屋を使って。それとこっちにはお風呂も用意しておいたから、好きに入るといいよ」

「お気遣い、ありがとうございます」


 お礼を告げて頭を下げたら、大部屋に入る。

 広めの室内には四つのベッドが置かれていて、他にも細々置いてあるけど今は気にしている余裕は無い。

 全員が装備を外し、ベッドが汚れるとかを考える余裕も無しに寝転がって眠りに就く。

 目覚めたのは、夕飯だと母さんが起こしに来た時だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ