責任の取り方
王都に大きな被害が出ていると聞き、急いでシェインの町から離れた日の夜。
ずっと移動しっぱなしだったけど、さすがに馬が限界だから森を抜けた場所で野営をすることになった。
いくら急ぎとはいえ、移動手段が力尽きたらどうしようもないからな。
うちの筋肉な従魔達はまだまだ余裕があるとはいえ、普通の馬と比べたらいけない。
「この国は、どうなってしまうのかしら」
焚き火を前にふと漏れたアルトーラの呟きに、誰も答えられない。
楽観的な意見はすべきじゃないし、だからといって悲観するような意見も言い辛い。
結局、沈黙することしかできない。
それを分かっているのかアルトーラも答えは求めず、黙って焚き火を見つめている。
この件に関して誰もそれ以上は触れないよう見張りと野営の準備に勤しむ中、見張りの一人が駆けて来た。
「報告! こちらへ接近する集団があります」
「盗賊か!?」
野営地に緊張が走り、数人が護衛対象のアルトーラとディラスの傍へ駆け寄る。
「馬車が見えるため、その可能性は低いと思われます。馬車に旗を立てているのが見えたので、王都から逃げて来た貴族か何かかと」
周囲の空気は緩んだものの、責任者のアレンさんは腕を組んで考え込んでいる。
「追われている、という様子は」
「見れません。ですが、相当な速度を出しています」
「そうか……。念のため、お二人は馬車の中へ隠れてください。相手が判明するまでは警戒態勢を取れ。闇夜を利用して盗賊が偽装している可能性もある」
なるほど、そういう見方もできるか。
少し考えすぎな気もするけど、油断して痛い目を見るよりはいいか。
すぐにアレンさんの指示通りに従士隊員が動き、徐々に近づいて来る馬車を中心とした一団に注目する。
馬車の周囲には馬に乗った人が多くいて、確かに馬車には旗が立っている。
旗を馬車に立てるのは貴族や王族くらいだから、確かに見た目は貴族とその護衛に見える。
「むぅ……。暗くて旗も護衛の防具も見えにくいな」
本当に貴族なら旗や防具である程度見分けがつく。
そのためにアレンが目を凝らしているけど、よく見えていないようだ。
だけど「夜目」スキルがある俺には、距離さえ近づけば見えるようになる。
じっと目を凝らしていると、旗には俺でも見たことのある紋章が描かれていて、護衛の防具も見覚えのある物なのが分かった。
「あら? あれって騎士団の防具よね?」
「君、見えるのか?」
「ええ。私、「夜目」スキルがあるから」
同じく「夜目」スキルを持っているアリルの言葉に、接近するのが騎士団と分かった周囲の空気が少し緩んだ。
「そうか。では旗は見えるか? どこの家の紋章だ?」
「見えるけど、分かりません」
そりゃそうだ。拠点にしているベリアス辺境伯家の紋章くらいしか知らないもんな、アリルは。
でも、俺には分かる。あれが何の紋章なのか。
そして伝えなきゃいけない。でないと、アレンさんが大混乱するだろうから。
いや、伝えても大混乱するか。
「俺も「夜目」スキルがあるので見えました。そしてどこの紋章かも分かります」
「どこのものだ?」
「……王家」
「はっ?」
「王家の紋章です。間違いありません」
『はあぁぁぁぁっ!?』
アレスさんどころか従魔達とレギア以外の全員が大混乱だよ。
いや、俺だって大混乱したいよ。
「なんで王家の方々が? はっ、まさか盗賊が油断を誘うために?」
「十中八九、本当の王家でしょうね。王家の紋章を偽るのは大罪ですし、騎士団が護衛してますし、それに馬車の傍は近衛兵の鎧を着た人達が固めてますし」
現実逃避しかけたアレンさんに現実を突きつけると、頭を抱えて悩みだした。
頑張れ、責任者。
「ええい、とりあえず警戒は継続。ただし本当に王家だったらすぐに武器を下げろよ!」
『了解!』
なんとか捻り出した無難な感じの指示に全員が返事をして、向こうの様子を見守る。
できればこのまま通り過ぎてくれれば一番楽なんだけど、なんで世の中ってそう簡単にいかないんだろうか。
一団は徐々に減速して停止すると、先頭にいる騎士団員二人が馬に乗ってこっちへ近づいてきた。
「何者だ! 我々は」
「あれ? ジルグさん達じゃないですか。昨日の今日で奇遇ですね」
「「えっ! 知り会い!?」」
なんかこっちへ来た二人のうち一人がライラさんだった。
良かった、これなら穏便に話ができそうだ。
でも念のため「完全解析」して……うん、本物のライラさんだ。
「昨日といい今日といい、奇遇ですね。ライラさんはどうしてここへ?」
「ああ、そうでした。私達は今、王都から避難してきた王家の方々を護衛しています。こちらはどういった方々なのですか?」
「こちらはベリアス辺境伯家の御令嬢と御子息を、領地まで護衛する一団です。お二人は今、馬車の中にいます」
「ベリアス辺境伯の? でしたら、旗を見せていただきたい」
「はっ。おい、照らせ」
もう一人の方からの問い掛けにアレンさんが返事をして、部下に命じて馬車に着けている旗を光魔法で照らさせた。
無風で下に垂れて見えづらかったから、別の従士が弱い風魔法で紋章を見やすいようにはためかす。
「確かにあれはベリアス辺境伯家の紋章ですね。失礼しました」
「いえ、王家の方を護衛されているのなら警戒するのも当然です」
「寛大なお心に感謝します。では、我々は報告に戻らせていただきます」
敬礼をした二人は馬を方向転換させ、同行していた一団の下へ戻って行った。
こっちもそれに合わせて警戒を解いて、相手が王家ということで馬車に避難していた二人を呼び、事情を説明した。
「王家の方が?」
「そういえばシェインの町を出る寸前に、王家の二人がこっちへ避難してきているって騎士団の人が言っていたような……」
ああ、そういえばそんなことを言ってたっけ。
そのままこっちへ避難して来て、俺達に追いついたってことか。
さすがは王家、良い馬を飼っている。
そんなことを考えているうちに何故か王家の馬車が近づいて来る。
あれ? 安全だと分かって通過するんじゃないのか?
やがて馬車が止まると、勢いよく扉を開けて金髪の少女が飛び出してきた。
「アルトーラー!」
「ひ、姫様!?」
飛び出してきた少女はアルトーラへ抱きついて、そのまま大号泣。
あの子は俺でも知ってる。この国の第二王女のエルマ姫だ。
年齢はアルトーラと同じだったはずだから、知り合いなのかな。
「姉上、落ち着いてください」
続いて馬車から降りて来たのは、確か第三王子のアルス殿下だ。年下なのに大号泣しているエルマ姫と違って、やけに落ち着いている。
「こ、これは姫様に殿下!」
王族二人が現れたからアレンさん達が慌てて膝を着き、俺達もそれに倣って膝を着いて頭を下げる。
アルトーラに抱きついたまま泣いているエルマ姫は気づいてないけど、アルス王子が気づいてくれた。
「そう固くしなくていい。公式の場じゃないからな」
「はっ!」
許しを得て立ち上がると、護衛の中にレイアさんの姿もあった。
向こうがこっちに気づいて会釈したから、こっちも会釈で返す。
「姫様、何があったのですか?」
「お城が、王都が、お父様がぁ!」
泣きじゃくりながらそう呟いた直後、再び大号泣。
これじゃあ話にならないな。
「姉上が申し訳ない。ウォルン、代わって説明を頼む」
「はっ!」
説明を振られた近衛兵が敬礼し、説明を始めた。
件の人を乗っ取って操る奴に支配されたゼオンにより王都は壊滅的な被害を受け、騎士団や近衛兵のみならず上位ランクの冒険者者達も次々と倒されてしまう。
この事態に国王は王子や姫を分散避難させる指示を出した。
全員を一緒に避難させて、もしもそこを襲われたら王家が潰えてしまう。
それを避けるために数人ずつ別方向へと避難させているらしい。
「我々はベリアス辺境伯領まで避難するつもりです。姫様はアルトーラ様とご学友ですので、頼らせてもらおうかと」
なるほど、それでアルトーラに抱き着いて号泣しているのか。
アルス王子の実の姉であるエルマ姫を通じてアルトーラとは顔見知りだから、こっちへ避難してきたとのこと。
ただ、護衛の人数が心許ないからシェインの町で騎士団に協力してもらい、レイアさんを中心とした一団を付けてもらったそうだ。
「では陛下は?」
「父上は王として最後まで引くわけにはいかないと、城に残りました」
んな無茶な。
立場上はそうせざるを得ないんだとしても、国王が残ったからってどうこうできる問題じゃないだろ。
「はっ。大した自己満足野郎だな、この国の王は」
言っても無駄だろうから心の中で言わせてもらおう。
空気読めよ、レギアァァァァッ!
ああほら、皆が睨んでくる。
「今の無礼な発言をしたのは誰だ!」
激怒して声を荒げる近衛兵に、こいつのことを喋るべきか迷う。
でも迷っているうちにレギアの方が憑依を解いて、氷石のタグから出て来た。
「俺様だ。文句あるか」
不敵な笑みを浮かべて姿を現したレギアに、ほとんどの人が驚いて近衛兵や騎士団員はエルマ姫とアルス王子を守ろうとしている。
「な、なんだこの顔の浮かんでる黒い霧は!?」
「確か人を乗っ取る奴もこんな感じだったはずでは?」
「色は違うようだが、こいつも同類か!」
ああ、やっぱり面倒な事になった。
近衛兵と騎士団員は殺気丸出しで武器を向けてくるし、怖がるエルマ姫が強く抱きしめるからアルトーラが苦しそうだし、アルス王子も警戒心剥き出しだ。
「ハッ。俺様をあいつのようなツマラナイ奴と一緒にするんじゃねえよ」
「なんだと! 貴様、何者だ!」
「お前らなんかに教える義理は無い。俺様はあいつとは違うってことが分かれば、それで十分だろ」
こいつは悪い意味でマイペースだな本当に。
仕方ない。こいつを連れている以上は、俺が説明しないと。
「えっと、こいつはこういう奴なんで、代わりに俺がこいつのことを説明します」
殺気丸出しの近衛兵と騎士団員を前にレギアと出会った経緯と、装備品に憑依しても自力では動けないこと、人に憑依する奴への対処法はこいつから教わったこと、それらを簡潔に説明した。
「つまりゼオン副騎士団長を乗っ取って操っているのは、こいつの元相棒で同じ存在ということですか?」
「はい。こいつ自身は口が悪くて装備品に憑依できるだけで、自分で何かをしでかすことはありません」
「信じられるか、そんなこと!」
だよなあ。見た目だけなら幽体系の魔物にしか見えないもんな。口も態度も悪いし。
「ハッ。別にお前らが信じなくても別に構わねえよ。俺様は斬りたい奴を斬れればそれでいいんだ。お前らなんか眼中にねえよ」
「なんだと、魔物風情が!」
「俺様は魔物なんかじゃねぇって、相棒が説明したばかりだろ。耳も頭も足りてねえな」
どうしてこいつはこう、火に油を注ぐようなことを平然と言えるんだ。
「まあいいさ。奴が来たら俺様と相棒でなんとかするから、安心して怯えてな」
「貴様! 我々が臆するとでも思っているのか!」
近衛兵の一人の叫びに、ずっとニヤけていたレギアの表情が変わった。
「臆する臆しないの問題じゃねえんだよ。お前ら如きじゃ、あいつが憑依した奴が仮令その辺のガキでも敵わねえ。無駄死にしたくなけりゃ、余計な真似はすんなってことだ」
いつも飄々としているレギアが初めて真剣な口調になった。
しかもなんか妙に迫力があるから、近衛兵も騎士団員も殺気が霧散して腰が引けている。
だけど、それだけレギアの元相棒がやばいということでもあるんだろうな。
「あいつが憑依した奴と戦えるのは、俺様が憑依した武器を操る奴だけ。つまりこいつだけだ」
そこで俺を出さないでくれ!
「おいレギア。別に俺じゃなくても、他の人の武器に憑依すれば」
「無理だな。俺様の力での強化は強力だ、簡単に扱えるものじゃねぇ。お前は妙にそうした強化の扱いが上手い上に、扱いに慣れるのが早いからな。だから気に入ったってのもある」
ニヤリと笑う表情に、若干の悪意を感じるのは俺だけだろうか。
強化の扱いの上手さと扱いの慣れは、入れ替えたスキルを扱えるようにし続けたのが功を奏しているのか?
言われてみれば、ドルドスとの戦いでも、そこまで振り回されずにあれだけの力を扱えていたっけ。
無意識になんだろうけど、いつの間にかそんなことができるようになっていたのか。
「現状で俺様に強化された力を完璧に扱えるのは、あいつとお前だけだ。つまり、あいつが憑依した奴と戦えるのもお前だけだ」
マジかぁ……。近衛兵の人達の方が強いだろうから、一時的にレギアを貸して戦ってもらえればって思ったのに。
「ふん。そんな奴の力なんか借りなくとも、我々だけで討伐できる」
「無茶を言わないでください、ウォルンさん。騎士団長ですら負けた相手ですよ!」
「騎士団と近衛兵を一緒にするな。我々の手に掛かれば、そんな奴など一捻りだ」
そう言っている奴が真っ先に死にそうだ。
というかウォルンって近衛兵、妙に喧嘩腰だな。騎士団と近衛兵って仲悪いのか?
「やめろウォルン、ここで言い合っても状況は変わらないぞ」
空気が悪くなってきたところでアルス殿下が介入してくれた。
お陰で衝突が本格的になる前にお互いが引いた。
「失礼した。だが貴殿も、父上の決意を蔑ろにするのは止めてもらおう。王族には王族たる責任が」
果敢にもレギアへ文句を言うアルス王子だけど、これは負け戦だな。
口でこいつに勝てるはずがない。
「だから自己満足野郎なんだよ、お前の親父は。死ぬと分かっているのに果たす責任? そんなの有る訳ねぇだろ。死んだらそこで終わり、後の事は全て生き残った奴に押し付けて、自分だけ楽になるってだけだ」
「ち、違う! 仮令死のうとも、責任を果たせば……」
「違わねぇんだよ。お前の親父が死んで、その後であいつを倒すか封印したら、後の処理は誰がやるんだ? お前か? そこで震えてる女か? それとお前の身内の誰かか? 少なくとも死んで肉塊になった親父には無理だよなあっ! 責任を果たすために死ぬのなんざ、単にそいつが自己満足したいだけなんだよ!」
「くっ……うっ……」
「本当に責任を取りたかったらなぁ、這いつくばって木の根をかじって泥水を啜りながらでも生き延びて、テメェの不手際を詫びてケツの拭き残しをテメェで拭い取って全てを片付けてから後を託すんだよ! 何も終わらせず死ぬのは、名誉でもなんでもねえ! 責任の名を借りた自己満足でしかねぇだよ!」
うわぁ、子供のアルス王子にも手加減無しだよ。
分かっていたことだけど。
「う、煩い! お前に何が分かる!」
「少なくともお前よりかは世の中を分かってるつもりだぜ。飽きるほど見てきたぜ、責任取って辞めるとか言って別の誰かや自分の子供に後始末を全部押し付けて逃げる、責任の取り方を勘違いしている自己満足野郎どもをよ!」
本当にこいつ、何年生きているんだ?
というか、何を見てきたんだよ。
これで口の利き方がまともなら、人生相談の良い相手になったかもしれないのになぁ……。
「尤も、残った奴らも傑作だったがな! 自己満足野郎がいなくなった直後は解放されたとか言って浮かれていたくせに、後処理に四苦八苦して前の責任者を追い出した責任の擦りつけ合いをするザマはな!」
ああ、なんとなくそんな光景が想像できるわ。
見る側としては傑作なんだろうし、同時に見苦しいとも思える。
その人達は望んでそうしたんだろうけど、その後の事を考えていなかっただって。
それに対して今回の国王の判断は……。一応の責任は取れるんだろうけど、後の事は子供に押し付けてしまっていると言わざるを得ないかな?
あくまで俺の主観ではだけどさ。
「あいつの件が片付いたらお前にも待ってるぜ。壮絶な後始末と、それを押し付けて死んだ親父への怨嗟の声を聞く日々がな」
「うっ、うぐっ、ぐすっ」
遂に泣かしちゃったし。
近衛兵達が忌々しくレギアを睨んでも、あいつにとってはどこ吹く風だ。
これ、どう収拾つければ。
「うわあぁぁぁぁっ!」
なっ、今度はなんだ!
「リ、リズ、さん?」
「ちょっと、どうしたのよ急に!」
叫び声がした方を向くと、頭を抱えたリズが膝立ちになってロシェリとアリルに支えられていた。
表情は何かに恐怖するように真っ青で引きつっていて、体は誰もが分かるほど大きく震えている。
「おい、どうした。何があった」
駆け寄って尋ねると、リズは震える手で王都の方角を指差す。
「僕の「悪意探知」が、あっちから凄い悪意が来るって」
王都の方から? 悪意?
「何これ何これ何これ! こんな悪意、感じたことが無い! 怖い怖い怖い!」
ちょっと待て、それだけ凄い悪意ってまさか。
嫌な予感がしてリズが指を差した方へ体を向けてハルバートを構えた瞬間、何かが空中から降ってきた。
轟音を響かせながら地面を陥没させて着地したそれに誰も反応できずにいるうちに、近くにいたウォルンが何かに切り裂かれ、辺りに鮮血が飛び散った。
「アハッ。次の獲物みーつけた」
ようやく認識できたそれは、両手足を魔力で覆って爪を伸ばしたゼオン。
返り血塗れで愉悦の笑みを浮かべ、記憶の中にあるあいつなら絶対にしない表情と口調に寒気が走り、直後に駆け出しながら叫んだ。
「来い、レギアッ!」
「おうよっ!」
氷石のタグから出ていたレギアがハルバートへ憑依していく。
湧いてきた力で急加速して、近くにいるアルス王子を攻撃しようと腕を振り上げるゼオンへ接近。アルス王子を突き飛ばして爪を防いだ。
「うわっ!」
脇目で見たアルス王子は突き飛ばされて転んだだけで、怪我らしい怪我は無い。
どうにか間に合ったか。
遊びのつもりなのか、向こうが緩慢な動きをしていなければ、どうなっていたか。
「レギア? レギア! お前レギアか!」
「おうよデルス。相変わらずツマラナイことやってやがるな」
デルス? それがゼオンを乗っ取って操っている奴の名前か。
「ハッハッハッ! まさかこんなところで会えるなんて、また一緒に暴れようよ!」
「お断りだ。クソツマラナイ奴に成り下がったお前と、誰が組むか。逆に俺様が斬ってやるよ!」
「えぇぇぇ。そんな連れないこと言わないでよ。そうだ、お前と一緒にいるこいつを殺せば、また一緒になれるのかな?」
させる訳がないだろう、この野郎!
防いでいた爪を押し返し、互いに構えて対峙する。
「エフェクトエクステンド! パワーライズ! クイックアップ! ハードボディ! アクティブアクション!」
遭遇した以上はやるしかない。
出し惜しみは無しだ。全部出し切って、こいつを倒す!




