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VTuberの姉さんを救ったら、甘すぎる毎日が始まりました。  作者: くまたに


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第20話 ゴールデンウィーク2日目の朝

 昨夜の出来事に対する後悔からか、時計の針が7時を過ぎる前に目が覚めた。

 こんな朝早くから姉さんの所に謝りに行ったところで、朝に弱い彼女に迷惑に思われるだけだろう。


 することも無いので寝る前に充電器にさしたスマホを開いた。動画配信アプリやSNSの通知が丸1日分溜まっているせいか動きが遅い。

 まとめて通知を削除する前に、軽く目を通すことにした。ほぼ無心で画面をスクロールしていると、1件の通知が目に止まった。


『夏鈴が写真を送信しました』


 あいつが送ってくる写真は、いつも自分で作ったケーキかペットの犬を撮ったものだ。

 名前はたしか……『おもち』。おもちちゃんだ!

 かれこれ1年ほど夏鈴の家にお邪魔していないので、必然的におもちちゃんにも会えていない。元気だといいな!

 懐かしいな、と思いながら通知から夏鈴とのLINEを開く。


「な、なんだよこれ」


 送られてきた写真はケーキでもおもちちゃんでもなく、俺の写真だった。いや、俺と姉さん()()()()()と言った方がいいだろうか。

 姉さんが俺のジップパーカーを羽織っているのと背景で、夕食を食べた後だと思われる。


 角度的に俺が姉さんの頬にキスをしているように見える。

 いつもの揶揄いか、と思ったら一緒にメッセージも届いていた。


『クラスのグループLINE見れる?』


『早く』


『寝てるの?』


『おーい』


『"不在着信"』


『もう、スクショ送っとく。隼人のことだし、配信中にグループLINEの通知が邪魔だからっていつでも通知オフにしていると思うから、クラスLINEで出回っている写真を送っとくね』


 何度も続けてメッセージを送ってくるのはアイツにしては珍しい事だ。

 それよりも気になるのが……


「クラスの……LINEで出回っているだって!?」


 寝起きで重い瞼が一気に軽くなる。俺は吸い込まれるように画面に顔を近づける。

 夏鈴からのLINEをもう一度見返し、そのままの勢いで100件近くの通知が溜まっているクラスLINEも開く。


 時々話すが、あまり仲の良くないクラスメイトが『面白いの見つけた』と言うメッセージと共に俺達の写真を投下していた。

 それに対して男女関係なくクラスの陽キャ共が騒ぎ立てている。

 最後は『通知鳴らしすぎるのもなんだし、ゴールデンウィーク開けに本人に聞くか』と学級委員長の言葉で締められていた。

 学級委員長には感謝しかないけれど、休み明けの事を考えると憂鬱な気持ちになる。


 現実逃避するためにスマホをベッドの上に置いて部屋から出た。

 リビングの扉を開けると、コーヒー豆の香ばしい匂いとパンケーキの焼けた匂いがした。


「あら、おはよう。今日は早く起きれたのね」


「生活リズムが崩れるとゴールデンウィーク明け苦しくなるので……」


「えらいわね。お願いなんだけど瑠璃を読んできてくれない?あの子ったらパンケーキの日は早く起こさないと、出来立てを食べたかったって拗ねちゃうから。ノックしても起きなかったら、遠慮なく部屋に入っちゃっていいから!」


「分かった。まかせて」


 これを機に昨夜の事を謝ろう。俺は早速姉さんの部屋の前に行き、扉をノックする。


「姉さーん!姉さんご飯だよー!」


「……」


 反応は無い。お義母さんがいいって言ったから遠慮なく入らせてもらおう。

 部屋は白色の家具で統一されており、物は綺麗に整理整頓されていた。甘い姉さんの匂いが充満していて胸が締め付けられるような感覚に陥る。


「姉さん起きてー。朝ご飯はパンケーキだよ」


「……」


 なに!?姉さんの事だから寝ていてもパンケーキに反応すると思っていた。

 とりあえず掛け布団を剥がそう。俺が姉さんの眠るベッドに近づいた途端──


「っ、うわっ!!」


 大きく広げられた掛け布団に頭から捕まってしまった。俺は思わず怯みその場で膝立ちの体制になる。


 なんだ、なんだ、なんだ!姉さんは寝ぼけてんのか!?

 目が布団の中の暗闇に慣れると、目の前にはにこにこしながらこちらを見てくる姉さんの姿があった。


「お、おはよ……」


「うふふ、おはよ~」


「朝ご飯はパンケーキだってさ」


「そんな事より隼人く~ん。じゃなくて──」


 姉さんはより一層口の端を上げてから続けて言った。


「私のおっぱいを触った変態くんっ♡」


「うっ……」


 何も言い返す言葉が見つからない。困ったように目を逸らすと、姉さんは面白いおもちゃを見つけたような嬉しそうな表情を浮かべると、ベッドから飛び起きて鼻唄を交えて部屋から出ていった。

 俺はぽかんと口を開けたまま、しばらくの間動けずにその場で静止していたのだった。

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