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客引きの潜入
だからさ、ユキグニが他の女と一緒にあの地下BARに消えるの見てるとさ、何かね、寂しいんだよね。ユキグニと一緒にいる女、あれ、おしゃれなOLってかんじじゃない?ユキグニはアキちゃんじゃなくてさ、あの娘を選んだわけでしょ?なら気を持たせる様に店に来てほしくないんだよね。ほんとはどんな関係か知らないけどさ。……もうこんな時間か。今日の仕事は終わり!さてアキちゃんの店に……いや、今日はあの地下のBARに行ってみようかね。俺はね、もう大ベテランだからさ、仕事を勝手に切り上げてもさ、許されるからさ。だからこの足でBARに向かうよ。
「いらっしゃいませ。あっ、お疲れ様です」
「ドモ」
バーテン、顔見知りだね。まぁ俺はずっとこの街に立ち続けて来たからさ、顔見知りじゃないヤツがいないから、当たり前っちゃ当たり前なんだけどね。
「いい店っすね、初めて来たけど」
「ありがとうございます」
普段こんなコジャレたBARに来ないから、何がいい店の基準かわかんないけどさ。おっ、いた。
「よぉユキグニ」
「あっ、お疲れ様です」
……礼儀正しいんだよな~。




