なぜラノベ作家の日常動画は存在しないのか
なぜラノベ作家の日常動画は存在しないのか
こんにちは。雨日です。
今週は、散々である。
家族は車を壁で擦った。
そして雨日は、停止中に車のミラーを擦られた。
指摘すると、相手は言った。
「痛み分けということで」
違うだろう!!
(連絡先は、きちんと聞いた)
すべては、降りすぎる雪が悪い。
今夜から明日にかけて、さらに降るらしい。
・・・涙。
前置きが長くなった。話を戻す。
◇ ライトノベル書きの日常は、意外と知られていない
こうしてエッセイで、書き手の苦悩
――いや、異常な狂気を書いているけれど、
ライトノベル作家の日常は、ほとんど知られていない。
YouTubeで探してみた。
漫画家の動画はある。
でも、ラノベ作家は見当たらなかった。
「皆、どんな生活で書いているんだろう?」
疑問に思った雨日は、試してみることにした。
自分の休日を、動画に収めてみようと。
◇ すぐに気づいた。まったく映えない
撮影して、すぐに気づいた。
――これは、全然映えない。
見返さなくても、わかる。
視聴者は、つまらない。
雨日の休日は、
真っ暗な早朝、雪あかりの中で小説を書くところから始まる。
物語は苦しい展開で、
書きながら、涙が止まらない。
「かわいそうだ」
「なんで、こんな目に」
そんな世界を作っているのが自分だと思うと、笑えない。
夢見心地で家事をする。
たぶん、ここが午前中のクライマックスだ。
物を落とし、思いつきで副菜を作る。
執筆スタイルと似ている。
そして、出来上がった料理も、パッとしない。
――これも、自分の小説に似ている。
◇致命的につまらない
午前中は、3時間ぶっ通しで書く。
指先が早い。
それだけが取り柄だ。
その後、スクワットをして、ルームサイクルを漕ぐ。
スマホ片手に、編集作業をしながら。
息を弾ませて編集する姿は、側から見たら、かなりヤバい。
再び執筆。
午前中だけでも、動画としては致命的につまらない。
昼食は、自分の書いた小説を読みながら食べる。
眼光鋭いその姿は、気持ち悪い。
もし他人が見たら、確実に鼻に皺を寄せる。
昼食後は、息抜きにエッセイを書く。
小説より、指が遅い。
作業は違うけれど、絵的には同じ構図だ。
よっほど暇な人は気づくだろう。
「あ!書くペースが遅い」と。
でも、だから、どうした。
窓の外では、雪がどんどん積もっていく。
◇オチのない作業の繰り返し
午後は、除雪。
これが一応、午後のクライマックスだ。
ただし、全く絵にならない。
小説で例えるなら、山もなく、オチもない作業の繰り返し。
「〇〇は一生懸命励んだ」
あの一行で済まされる、修行パートだ。
除雪後の夕飯作りは、覇気がない。
やる気のない調理スタイルは、見るに耐えない。
家族が戻るまで、また小説を書く。
夕飯後はブログ更新。
この頃には、指先が耄碌している。
燃えかすのような気力で、文字を打つ。
入浴後、ドライヤーは立っていられない。
座り込んで、髪を乾かす。
この日の文字数は、1万9千文字。
除雪さえなければ、もっと書けた。
あの2時間さえなければ――。
◇ 世に出すものではない
ラノベ作家の日常が、動画で更新されない理由がよくわかった。
映えない。
つまらない。
そして、身バレする。
プライベートでは、小説を書いていることを明かしていない。
動画は映えない上に、
公開すれば確実に、正体がバレる。
――これは、世に出すものではない。
◇ 「別に出せばいいじゃん」と、家族は言う
動画を配信することを、無頓着な家族は言う。
「別に出せばいいじゃん」
軽い。
あまりにも軽い。
身バレしても困らない立場だから、出てくる言葉だ。
でも、問題はそこじゃない。
編集する時間すら、惜しい。
だって、その時間があれば――小説が、書ける。
1分。
1秒。
無駄にできない。
雨日の小説ストック(下書き)は、現在12万5千文字ある。
「少し小説を中断して、動画に回せば?」
家族は、そう言う。
でも、それをしたら。
頭の中に溜まっている小説が、溢れて――狂いそうになる。
書けない時間が続くと、物語が、脳内で勝手に増殖する。
できれば、この瞬間も書き続けていたい。
止めたくない。
止めるのが、怖い。
◇結論
そんなわけで、雨日が動画を配信できるのは、
今の連載が完結してからになる。
それまでは、無理だ。
書き手の日常は、外から見れば単調に見える。
同じ作業の繰り返し。
地味で、映えない。
けれど、実態は違う。
これは、
常に頭の中で物語が暴れている人間の生活だ。
ラノベ作家の日常は、動画に向いていない。
理由は簡単だ。
――狂気だからだ。
※書いているものは、すべてこの延長線上にあります。




