400日で 171万字を書いた“書き手“と、5年間1話も公開しない家族。創作の“異常性”を語る
おはようございます。雨日です。
雨日の暮らす地域では、ついに初雪が降った。
これから雪が積もり、除雪作業に追われ、小説が書けなくなる季節がやってくる。
どうしよう。
小説のストック(下書き)が 36話しかない!
できれば、本格的な雪が降る前に 50話は貯蓄したい 。
さて今日は、5年間も小説を書き続けているのに、
1話も投稿していない雨日の家族 について書く。
書き狂いの雨日と、書き渋りすぎの家族。
もはや、どちらも異常だと思う。
◇ 前回書いたエッセイ「才能がないから書き続けたら、Googleが評価してくれた」
400日で171万字を書いた話や、
自分の作品名をGoogleで検索したら予想外の結果が出た、という小話だ。
・・・で、それを読んだ家族の反応がこちら。
「は!? これ、自慢じゃん!!」
「書きたいのに書けない人の気持ち分かってる!?」
「なんだ。Googleから認められた?」
「また共感を得られないエッセイ書いてる!!」
どうやら“雨日が書き続けている”という事実そのものが、
家族の心をザクッと刺した。
家族いわく、
「書きたいのに書けない苦しみを抱えている人間にとって、
書ける人の話は全部“自慢”に見える」
とのこと。
いや、そんなに怒らなくても・・・と思いながら、
雨日は静かにハーブティーを飲んだ。
そして最後はこう断言。
「これはダメだ。読んだら腹が立つ内容だ」
・・・強烈なコメント。
◇ なろうで“受けるエッセイ”とは何か
家族いわく、
「なろうで受けるエッセイというのは、もっと皆に寄り添うものだ」とのこと。
途中で書くのを放棄してしまう話とか、
一日300文字で力尽きる話とか、
小説のアイデアが浮かばず、他人の作品を読んだら夢中になり、
結局書けなかった話とか。
そういう“弱さ”に共感が集まるのだと。
家族は“なろうで人気が出る読み物”を熟知している。
どんな展開なら読まれ、
どんなキャラが好まれ、
どうすれば受けるかーーすべて把握している。
なぜなら家族は、約10年間「なろう」を読み倒してきた読み専だからだ。
◇ そして家族は「読む」から「書く」へ
五年ほど前のコロナ禍。
家族は突然、読むだけでは満足できなくなったようで、
“作る側”へと回った。
やたらとスマホやノートを広げて熱心に作業している姿を見て、
雨日は思った。
「あぁ、仕事を頑張っているんだな」
違った。
小説を書いていたのだ。
◇ 家族のアイデアノートを見せてもらった日
一年と少し前。
家族は突然、自分の“アイデアノート”を見せてくれた。
そこにはーー
•丁寧な世界設定
•緻密に組まれたプロット
•主人公候補の名前がズラリ
雨日は思った。
「小説って、こんなに準備して書くものなの?」
自分には絶対できない・・・」
本気のノートだった。
その姿に刺激を受け、雨日もなぜか触発された。
◇ 雨日の愚かで無知なデビュー
「自分も小説を書いてみるぞ!」
勢いで書き始め、勢いのまま半月で26話書いた。
そしてーー勢いのまま公開した。
気づけば3ヶ月後には15万文字に達していた。
そこでふと、我に返った。
◇ 家族の小説はどうなった?
雨日は素朴な疑問を投げかけた。
「ねぇ、家族の小説って、どこで読めるの?」
すると、返ってきた答えはこうだった。
「まだ公開していない」
その言葉に、雨日は驚きを隠せなかった。
え? 1話も公開してないの?
どういうこと?
だって5年間も書いているのに??
ツッコミが嵐のように脳内を駆け巡った。
そして、恐る恐る質問した。
「ねえ・・・小説って、どこまで進んでるの?」
家族は淡々と答える。
「12話」
12話も書いているなら、公開できるはずだ。
雨日は提案した。
「それだけあれば、1話だけでも公開したら?」
すると家族は首を振る。
「いや。ダメだ。
もう一度、1話を練り直してから公開する」
・・・その“もう一度”から、400日が過ぎた。
家族はいまだに公開していない。
◇爆走しながら書き直せば良い
気の短い雨日は思う。
「1話なんて、公開してから書き直せば良いじゃん!」
実際、雨日は1話を何度も書き直した。
処女作なんて、20回以上リライトしている。
だが家族は言う。
「雨日の小説とは違うんだ。設定を完璧にしないと」
そう言って、今日もPCの前で固まっている。
雨日からすればーー
5年間も1話すら公開しない家族は、完全なる“異常者”。
しかし家族からすればーー
400日で171万文字も書き続ける雨日のほうが異常なのだ。
創作者の“異常性”は方向が違うだけで、お互い立派に狂っている。
◇最強はどこにもいない
家族は言う。
「自分の思い描いた世界を言語化するのは大変なんだ」
そして続けてこうも言う。
「なのに雨日は、よくあんなに爆書きできるよね。信じられない」
どうやら、
“考えたことを文章にする能力があるくせにテンプレを書かない雨日”
が、家族にはどうにも歯がゆいらしい。
「こうすれば人気が出る」
「この展開なら読まれる」
10年以上読み専として観測してきた家族は、なろうの“需要”をよく理解している。
けれど、どれほどアドバイスされてもーー
雨日は 需要のない方向へ全力で突っ走る。
家族からすると、
「雨日はどうにもならない」
のだという。
家族の思い描く世界観を雨日が書けば、
たしかに“無敵”なのかもしれない。
でも、雨日は雨日でいま書いている自分の物語で精一杯。
このシリーズが完結するまでは、
テンプレを書きに行く寄り道なんてできない。
そんな余裕は、どこにもない。
結局のところーー
家族からみれば 雨日は異常。
雨日からみれば 家族も異常。
そして最後に気づく。
家族の完璧主義と、雨日の暴走気質。
そのどちらも、
創作の世界では“最強”にはなれなかったのである。




