表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/115

95話 プレイヤーキラー

「うーん?」


 リルとベールはともに首を傾げる。

 それもそのはず。

 手に入るアイテムは大体が鋼鉄やら魔水晶などと言ったモノばかりだった。

 最初に手にいれた原石というアイテムはそれ以降手にいれなかったのだ。


「……何の原石なんだろうね?」

「分からないなー……」


 書いてある内容は詳しくなく、謎のままだ。


「とりあえずこれはシィさんに渡しておこう、他のは売るとしても、ね?」


 リルはこのままでは売れないとも考えベールへとそう提案する。

 ベールもそれには納得したのだろう。


「う、うん! そうしよう」

「もしかしたら、ものすごい鉱石の原石で特別な装備作れたりしてね」

「そんな事あるの?」


 ベールの疑問に「あることもあるよ」と答える。

 そして――。


「さて、と……」


 リルは笑みを浮かべ、ぐっと伸びをする。

 狩りを始めてからかなり時間がたったからだ。


「アイテムも集まってきたし、この辺で――」


 帰ろうか?

 そう言おうとし、リルは後ろを振り向く。

 何かが聞こえたのだ。


「リルちゃん?」

「しっ……声を小さくして、PTチャットに変えて……」


 リルはすぐさまPTチャットへと変え、ベールにもそれを促す。

 その理由は簡単だった。

 聞こえた声は悲鳴だったのだ。


「……どうしたの?」

「悲鳴が聞こえた」


 ベールがしっかりとPTチャットに変えたことを確認するとリルは答える。

 しかも運が悪い事に帰り道だ。

 通ってきた道から考えるに他の道はない。

 だからこそリルは様子を窺うように物陰に隠れる。

 ベールに傍に来るように手で支持をし、ランタンの明かりを落とした。


「イベントかな?」

「そんなことないよ……」


 このダンジョンにイベントがないとは限らない。

 だが、リルたちは同じ場所で狩りをしていた。

 イベントが起きないとは限らないが、動き回っていない以上その可能性は低いのだ。

 それに仮にイベントがあるのなら、その情報をクロネコが教えてくれないという事は考えにくいだろう。


「……人だ」


 リルはベールの身を庇う様に物陰でその身体を更に隠すと呟く……。

 歩いてきたのはキョロキョロと辺りを見回す人。

 ランタンもつけずに辺りが見えているのだろう。

 明らかに何かを探している様子だった。


「人がいると思ったんだがな……」

「……も、もんすたー?」


 ベールが訪ねるがリルは首を振る。

 彼はプレイヤーだ。

 そう理解したからだ……。


「人だよ……レッドプレイヤーそれもプレイヤーキラーだね」

「ぷれいやーきらー? つまり、それって……人殺しって事?」

「そう、そういう事……」


 リルは小声でそう口にする。

 PTチャットだから辺りには聞こえない。

 というわけではないのだ……。

 確かに辺りに聞こえないようにオープンチャットとして、発している声は小さくなる仕様だ。

 しかし、声を完全に抑えるなんてことは出来ない。

 その証拠に男は辺りを警戒しているようだった。

 少しの物音も聞き逃さない気なのだろう。

 すぐに行動が移せるように構えている。


 まいったな……リルはそう思いつつもどうしたものかと考える。

 相手もそう易々と唯一の道を譲る気はないだろう。

 その証拠に男はそこから動く気配がない。


「……リ、リルちゃん……」

「…………」


 どこかに隙が出来るはず。

 そう思ったリルは相手の出方を窺う。

 すると男はおもむろにその場から離れ――。


「い、今なら!」


 ベールはそう言うがリルは動こうとする彼女を抑え――。


「ど、どうして?」

「……探してる、あれは罠だよ。今行ったら襲われる」


 リルはドロップをする装備などない。

 だが、ベールは違うのだ。

 彼女は装備を落とす可能性もあった。

 だからこそ、警戒をしていたのだ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ