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街中ダンジョン  作者: フィノ


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713話 進展?

「到頭人類は空間を切り裂けるまでに来たと?次元斬とか夢がありますけど、やって大丈夫なんですかね?」


「それは研究次第ですね。何次元に干渉するのかとか、干渉して飛び込んだとしてまともでいられるのか?とかも分かりませんし。私が考えるに操作するよりも維持したりする方が難しいと思うんですよね。」


「ほう、その心は?」


「操作しているなら元に戻せるんでしょうけど、それを固定したり穴を開けたりすると言う事は、連鎖的に広がるヒビや不自然な綻びを食い止める必要があると思うんですよ。それにどこまでの範囲に干渉して大丈夫かも分かりませんしね。流石に広げた穴が広がり続けるとは思いませんけど・・・、穴が広がるり続ける?」


「何かありました?」 


「いえ、ブラックホールは収束するのに対してまだ観測されていないホワイトホールが逆位置にある物とするなら永遠とループする事も可能なのかと思いまして・・・。なんにせよこれからですよ、これから。」


 斎藤が何を閃いたかはいいとして、危なくなければいいな。卓の所にある理論書やら俺の指輪の中にあるブラックホールエンジンの設計図に関わってくると面倒になるし・・・。


 ただ技術の発展とはたった1つの閃きと、それを多数で立証する作業であり、その多数がまた閃きを得れば次へと繋がる。結局は積み重ねの連続で仮に過去に干渉出来る存在がいたとしても、その干渉が行われた時点で自分のいる時間軸と別の時間軸が生まれるだけだろう。


 斎藤と話しているとスマホが鳴り着信を確認すると橘から。電話に出ると既に食堂にいると言うので、斎藤と別れて食堂へ。半田の『らっしゃい!』と言う声を聞きつつ奥に座る橘を確認したので、その席に座って適当に注文を入れる。


「そのマスクは外さないんですか?」


「もう2、3日は様子見します。下手に外し混乱を引き起こすのはよろしくない。さて、鑑定して大丈夫でしたか?割と長く鑑定していた様な気がしましたけど。」


「そうせざるおえなかったと言いうのか正直な所ですね。ただ、概ね鑑定は出来ましたよ。」


「それはよかった。それで結果は?」


「端的に言えば本当にゴミです。重大なエラーが発生したね。」


「・・・、は?重大なエラー?いったい何が?」


「クロエはソーツはゴミ掃除を依頼して来たと、そう言いましたけどあのゲートは掃除が行われなかったゲートです。」


「掃除が行われなかった?モンスターを間引くでもなく、スタンピードに対抗するでもなく掃除をしなかったと?」


「いえ、スタンピード自体は発生しましたが既に職の恩恵が得られなくなったと言う方が正しい。私達とソーツはある意味対等です。それは依頼者と請負者と言う立場においてですが、その対等性が崩れれば重大なエラーでしょう?」


「依頼をこなさず報酬だけを貪ったから重大なエラーとして処理されて閉門したと?」


「それよりもたちが悪いですが問題は職の方ですよ。職に就けるだけの知性や闘争心、或いは技術力や精神性。そう言ったモノが欠場した場合や、力を貸すに値しないとされれば緩やかにスィーパーは減っていく。それについてはかなりの猶予もありますけど、職がなくなるまで退化し続け自力でもモンスターを倒せないと判断されれば報酬を渡す意味もなくなる。」


「それはつまり落伍者が発生し、契約が果たされずゴミ箱としての意味が果たせず職も・・・、魔女達も見向きもしないから廃棄されているって事ですか?えっと・・・、再起動とかは?」


「我々には不可能ですね。前に地球にあるゲートを鑑定して、今回閉じているゲートを鑑定しましたけど、なにをどうやって動かしているのかは皆目見当もつきませんでした。なら、鑑定術師としてゲートを物品として扱おうともしましたけど、それもまた不可能で扱える代物ではないと『警告』された。」


「警告?もしかして、橘さんも職に人格が?」


「それはわかりませんよ。あの後私も鑑定術師と言う職を1つの存在として呼びかけてみましたけど、何1つ反応は示されませんでしたし、警告してきたのはフェムです。」


「フェムが警告を?それは・・・。いや、それもありえるのか。フェムの大元は橘さんの記憶を加工したものですし。」


 フェムと言うのはかなり人間らしく振る舞っているが、元は藤の作ったボディに職を使って橘の記憶を加工した物を入れている。本人の記憶が身体を得て自立すればそれは本人から離れた何かであり、橘の安全を最優先すると言う部分が顕著に現れれば警告もしてくるのかな?


 そもそも精神と記憶と脳は感情や記憶が脳の特定の部分で処理され、密接に関連して機能しているしその記憶を操る職にも橘は就いている。う〜ん・・・、前にフェムは危なかったら橘の指輪に逃げ込むと言っていたし、それってバイトが俺の指輪に出入りしている状況と酷似しているのか?


「かなり不可解なんで藤君とは色々話しているんですよ?鑑定課時代を思い出して頭が痛くなる事もありますけどね・・・。」


「藤君は出土品で遊んだりしないでしょう?」


「遊ばない代わりに嫁さん達をチューンナップするのに使ってますよ・・・。本人が中位なら素材も出土品も探し回れるし『拙者の嫁が理想に近付くなら躊躇う事はないでござる』って、それこそクリスタル使った武器とかを持たせたり・・・。」


「クリスタル使った武器って強い上にべら棒に高いですよね?私はキセルをメインに使うのであんまり使いませんし、知り合いだと小田さんが愛用してるくらいですが。」


「クリスタル使う武器がなんで強力か知ってます?」


「クリスタルからエネルギーを抽出してるからでしょう?クリスタルが切れても使えるとは聞いてますけど。」


「そうなんですけどね、問題は抽出量ですよ・・・。人が作るクリスタルを使った武器・・・、例えば私が使ってるクリスタルランチャーとかはどう足掻いてもロスも抽出制限も出てくる。しかし、あの武器群は担い手がやろうと思えば一撃にクリスタル総てのエネルギーが込められる。」


「・・・、個人でピンポイントに核弾頭ぶっ放してる様なものですか?」


「それ以上です・・・。流石にゲートを破壊する程の物は発見されてないと言うか、ソーツも作ってないと思いますけど、純粋な一発の火力なら旧近代兵器の何よりも秘めている。」


「・・・、やべー代物ですね・・・。と、話は逸れましたがあの廃棄ゲートは再稼働不可のゴミとして本当に廃棄されたとしていいんですね?そこで疑問なんですけど、中はどうなってるんです?未だにモンスターがいるなら中で生活してるんですか?ボスモンスターとして出て来ても事なんですけど・・・。」


「拘束されている・・・、と思います。それに地球にあるゲートよりも浅い様な・・・。」


「ふむ・・・。」


 最初に三つ目と対峙した時ソーツは三つ目を止めて空間及び時間固定処理をしたといった。しかし、時間なんて大きなモノを簡単に操作しようと思うなと賢者は言う。この時点で賢者達よりもソーツが上に思えるが、多分存在スケールの問題なんだろうな・・・。限定した端のある限定空間でならそれも出来るのだろうが、宇宙なんて言う無限空間でそんなモノを用いれば歯止めが効かない。


「しかし、祭壇への手がかりはまた振り出しか・・・。そろそろ何か出て来てもいいんだろうけど、本当にもう!」


「その話ですけど祭壇と表記されたゲートは確かにあるはずです。その点は保証しますよ。」


「えっ?そこまで断定的に話していいんですか?祭壇と書かれたゲートを血眼になって私は探しますよ?」


 えらく断定的に橘が言うが、今度こそ祭壇関連の情報って信じていいの?今回は青山とエマの情報で喜び勇んで廃棄ゲートを探したんどけど?今更糠喜びくらいでへこたれないけど、精神的にはキツイものもある。


「廃棄ゲートを鑑定してですが、あれには確かに地球と違うセクター数を読み取る事が出来た。つまり、違う物は違うと明確に表記や違いがあるんです。」


「・・・、それって私でも分かるモノなんですかね?流石に鑑定師ではないので鑑定しろと言われても困る。」


「あるじゃないですかクロエと私達との違い。」


「ダブルEXTRAですか?確かに違いますけど・・・。」


「いえ、キセルですよ。似た様な武器、例えば剣は似た様な形の武器がそこそこ出てきます。しかし、最初から透明で煙が流動する様な武器は1つもない。」

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― 新着の感想 ―
遺伝子改良や改造でなければ前ゲートの場所は種族が自然に変わる程に長い時間ゴミ掃除を続けていた それこそ職を得られる前提に生態や文化が変わる程に つまり超越存在が興味を無くしていく職が無ければ何も出来な…
ゴミ箱に蓋をして他のゴミ箱に捨てるのか 中身が入ってるならいつの間にか廃棄ゲートがあることに気付かず廃棄ゲートから溢れたモンスターに押し潰された不幸な連中もいるのだろうか
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