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街中ダンジョン  作者: フィノ


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694話 カインとアベルとその他

「第9話です!お祭りを守ろうと仲間がレモンが変化したモンスターと奮戦し、気づいてなかった市位ちゃんが袋から唐揚げ取り出した瞬間に敵のレモンスプラッシュが唐揚げに掛かり、絶望しながら食べ『人の唐揚げにレモンかけるとか、なんだァ?てめェ・・・。』ってブチ切れるシーンがですね!」


「確かに食事マナーとしてはよろしくないですね。取り皿にとってから自分の分に掛けるなら分かりますけど、酸っぱいのを好まない人もいますし下味がついてたら合う合わないもありますし。」


「そうなんです!唐揚げにはマヨネーズが!」


「唐揚げにマヨネーズ?なんだァ?てめェ・・・。」


「おっふっ!リアル!なら何が!」


「個人的には塩コショウ、レモン、更にサッパリさせたいなら酢ですね。レモンぽん酢もいいですけど何よりも大事なのはなにもせずにまずは一口食べる事。なんでもそうですけど条件反射でいきなり料理に調味料を掛けるのはよろしくない。」


 ホテルで1杯と言う話になったのだが、毎度おなじみのホテルに泊まり千代田が何処かに電話した後に飲みだしたのだが、ペース自体はお互い早くもなくゆっくりと摘みを食べつつ飲んでいたし、顔色もシラフと変わらず口調もはっきりしている。ただ、テンションは高い。


「アニメと言うモノを今まで見てこなかったので中々興味深くなぜその発想に行き着くのか?また、そこでどうして笑いにつながるのか?理由が分からず調べていましたが、こう言う感覚なのですね。キターー!!とは。」


「飲むのはその辺りにしたほうが・・・。」


「大丈夫ですよ。」


 そのに漏れない程度で叫んでいるが出来上がってる訳じゃないよな?まぁ、グラスの横には回復薬も置いてあるので何時でもシラフに戻れると言えばシラフに戻れるのだが・・・。接待されるってこんな感じなのかな?キャバクラ嬢とか行った事ないけど接待されて楽しく騒ぎながら飲むと言えばこんな感じとか?千代田はグイッとグラスを傾けているが・・・。


「部下にしてもアニメ等の話をしますし、米軍内でもアニメや漫画を置いて訓練していたと橘監査官も言っていました。警視庁の鑑定課もそう言ったサブカルに造詣が深い方が多く、ラボの藤さんなんかは宇宙に出てもアニメを見たいとして職を発展させました。」


「好きな事にさえ情熱が持てない様なら、何をしても事務的になるでしょうね。」


「それです。親に望まれる様に勉強して大学出て淡々と仕事をこなして、実績を積んで地位を上げる。初の女性室長ですがそれさえもなりたいのではなく、実績を見て優秀だから望まれてなった。そう考えた時に私はとてもつまらない人間だと思えた。」


「それでアニメに沼ったと?」


「資料として見ていましたけど努力、友情、勝利は分かりやすい記号です。勧善懲悪でないと言う事もいい。私達千代田は必要なら悪にも手を貸しますから。」


 ストレスと言うか新しい警察と言うか千代田と言うか。仕事を楽しむ事は悪い事ではない。逆に楽しくなくても飯を食うには仕事しないといけない。そう考えると千代田含め警察はシティーハンターとか読むといいのかな?


 少なくとも今まで日本の警察は情報提供を呼び掛ける事はあっても、民間人とともに捜査に当たる事はほぼなかった。それがスィーパーが誕生しギルドが設立され、有用だからではなく必要だから民間人やら獣人と捜査する事が増えた。


 つまり必要とされる警察から共に働く警察へと様変わりする必要があるし、そうなると仕事の話ばかりをしているわけにもいかない。確かにその時臨時で組むと言う話でもあるのだろうが、部署移動なんかがなければ依頼を出すにしても顔見知りの方が連携は取りやすいしねぇ。


 割とこれは根が深い話かもしれないな。他の人とどうやってコミュニケーションを取り仕事以外で何を話すのかと言う。大人になると同じ職場てなければ中々共通の話題って作りづらいし。その点そのイメージ何から得たの?アニメ?小説?なんて話は今ではどこでも普通に話される話題だし、エマも米軍内では部下となんの漫画読んでどんな心持ちでモンスターに挑むなんて話をしていたとか。


 米軍と言うか米国人的にはやっぱりマッチョでワイルドで男らしいヒーローが流行る反面、戦隊モノも好まれて意外とブラック枠も人気があるとか。ブルーがイケメンならイエローがオタク枠、そして影のあるブラックに暴力ヒロインなピンクと言うラインナップの中で影のあるブラックはCOOLと感じるらしい。


「囮やら潜入と言った方面は・・・、止めておきましょう。知らないはずの人間が変に物事を知るのは悪い。そう言えば千代田も今大変なんじゃないです?国際警察化の話とか。」


「米国の方ではスィーパー犯罪関連の窓口は国防総省なのでまだマシですね。ウィルソン氏が色々と動いてるみたいですよ。確か古くからの知り合いだったと聞いてますが?」


「ええ。ウィルソンさんとは古くからの中ですね。娘が米国にいる間は色々と良くしてもらいました。」


「謎なクロエの経歴は更に謎ですね。千代田となる時に調べていいと言われて調べましたが、何一つ怪しくない情報がない。」


「そこは怪しい情報が無い方が嬉しい様な・・・。」


 人の経歴弄くり回して試験代わりに使ってんじゃないの?確かに試験としてはかなりと言うか最上級だろうな・・・。国として弄くり回すと言う最大権力でやったもんだから俺も俺の経歴が分からない。国籍やら年齢は変わらないとしても知らない間に免許が増えたり知らない思い出が増えたり・・・。たまにディープフェイクで作られた写真の束が届いたりするんだよな。


 認めてしまって持っていればそのうちそんな事もあったなぁ〜と思う様に記憶も捏造してしまうのだろうか?そんな話をしつつ夜は更けていく。増田は堅い方だったが今回の千代田は結構フランクな様だ。酔っていないと言う宣言は事実な様で最後は回復薬を飲んでリフレッシュした後部屋に帰っていった。


 部屋に一人、タバコをプカリ。明日も会談がある予定だが誰かが待ったをかける可能性もあるな。情報は情報としてだしたが魔女とが表に出てゲートの底にいる者も分かった。4カ国としては俺が永遠である事も理解したし、緊急の対応会議を開いてもおかしくない。


 それこそ松田が隠し事やら変な事をしないか聞いてきたが、その言葉をどこまで鵜呑みにするかも分からないし、下手をすればどうすれば無力化出来るのか?を模索している可能性もある。実際それが面倒だから話したくもなければ見せたくもなかったのだが不死薬が出て飲む人間がいる以上、それを恐れどうやって無力化するのかと考える必要もある。


「権力者なら権力を狩る。金持ちなら財産を消す。なら成長し続けるスィーパーをどうやって御す?」


 海外なら死刑がなければ刑期300年なんて判決も出るし、死刑のある国はさっさと死刑にする。なら、不死者に死刑判決が出たらどうする?日本では絞首刑らしいがその縄が切れれば刑は執行されたとして許されるし、下手すれば何時間も宙吊りになって降ろされてから息を吹き返すなんて荒業もスィーパー次第では出来る。いや、そもそも心臓止まっても動いてるんだ。


 年齢が曖昧になったら次は死が曖昧になり、それに釣られ刑罰が曖昧になる。アベルはカインを許せるのか?更に言えばそれを知ったアダムとイブはカインとアベルの事をしればどう思うのか?答えはアベルしか分からずそのアベルは土の下だ。


「まずはチャンからの報告次第か。それによって許せる許せないの幅が出てくる。」


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― 新着の感想 ―
市位ちゃんはモンスターが出て攻撃を食らう範囲に居て攻撃を自分の物に受けるまで分からない感知力で どんな物か分からないレモンスプラッシュがかかった状態で食べると 対モンスター教育的に見ると赤点過ぎて真っ…
今のアメリカでも色と性別と役割を類型的に関連づけた戦隊ものは難しいらしいしこの世界なら尚のことだろうだなぁ
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