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街中ダンジョン  作者: フィノ


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687話 それぞれの思惑と 挿絵あり

 物事を明確にするのは大事である。それがどんな形であれ前提と認識がズレれば答えは変わる。その中で変わらない答えがあると言うなら俺にとって守るものは家族だ。少なくとも孫辺りまでは面倒を見る。あまりズルズルと見続けて今度はそれが重しになっても敵わない。


 誰にも止められる前に行動を起こしたのでセルゲイの驚きの言葉だけがマイクから響くが、誰の目もが真剣に俺がやった事を見ている。当然だろう。スィーパーと言っても脳をやられれば流石に死ぬ。脳そのものを体内で移動したと言われ出せばまた面倒だが、既に職は知られ巻き戻り流れ落ちない血が多少の証明にもなるだろう。


「どうされました?永遠と言った人間がその身を持って永遠を示した。ゲート内で戦うならよくある光景です。私の身体は基本的に少女のそれと変わらない耐久性しかありませんからね。」


「・・・、その武器の真贋を確かめても?」


「どうぞお好きに。壊れて使い物にならなくなりましたが、鑑定師なら間違いなくゲートから出土した武器と言うでしょう。」


「クロエさん、いくらなんでもそんな事をしなくても。」


「必要な事だからするんですよ松田さん。職は遺伝しない。確かに育った環境により親と似た職が1つは出るかもしれませんが、全て被ったと言う報告は聞いていない。職を指定し選んだと言う話はしましたが、それでも私の子供のDNAを使ってクローンを作り生活様式を真似てEXTRAを作ろうと画策しないとも限らない。」


 チラリとチャンとセルゲイを見るが流石に顔には出さないか。リーと言うスパイがいて何をしたくて回りくどく結城君から接触してきたのか?考えれば簡単な事でリーが来るよりも先に中露はクローンを作ろうとしてパンツを盗んだ。


 それは青山によって阻止され失敗に終わったが、たった一度の失敗で諦めるとも考えられないし、あちらにはクローン計画がバレていると言う確証もない。なら手を変え品を変え可能なら思想を傾向させそうする様に仕向ければいい。


 だからこそ他人ではなく友人の友達と言うポジションは距離感としては悪くない。知らない誰かに何かを頼まれたとして、簡単ならまぁ?と言わなくもないが、無理難題なら最初から突っぱねる。しかし、それが顔見知りで全く知らない仲でもないと言うなら一考の余地もある。それに、もし何かを失敗したとしてもさっさと撤退してしまえばいい。それこそリーの職ならそれが可能だろう。


 流石に身の回りをチョロチョロされるのはもう面倒だ。個人が何かを探る事を全て止められるとは思わないが、組織力と人材を好きに使えると言う点を考えれば、ここで見せて宣言した方が牽制にもなる。


「あ〜・・・、うん。事実を見せられた以上、信じるしかないだろう。これが肉壁と言うなら疑う余地もあるが、職は宣言されその力も見せてもらった。少なくともここに集まった人間から今後永遠を疑う発言はないと思うが・・・。」


(エマ大佐が自信を持って永遠と言う話を推していたが、これを見せられれば疑えないか。問題は個人としての暴走リスクだが、分かりやすい様に逆鱗も示した。初期からある融和路線は維持しつつ波風立てないフランクな友人として付き合うのがベターだろう。)


 ジョージが歯切れ悪く話しているが、円卓会議一発目にブチ込むにしては中々センセーショナルだったか?ただ話を振ってきたなら解答するだけだな。首脳や次席等が集まって忌憚なき意見を出せと言うなら、知らせている事実を見せる事も必要だろう。


「ええ。それには同意しますよハーワード氏。しかし素晴らしい。その改造が人の手で行えたらと思うと夢が膨らむ。まぁ、職の組み合わせを考え最初から永遠を目指せば擬似的な事は可能なのでしょうが・・・。」


(わざわざ不死薬のデータを欲しがったのに彼女自身が不死の形を示した・・・、謎掛けの様ですね。いや、不死者を殺す。この点に置いて試したと言う報告はない。そもそも高額な薬であり売買するにしても話題になる。ならゲート内で発見し自主摂取した者はと問われれば、今度は自身からの申告でしか判断がつかない。種子島での話を考えれば彼女は自身の永遠と摂取者の不死に違いがあると・・・、確かに違いはある。話された上で自身を隈無くチェックすれば確かに人と変わらない老いはあった。永遠を目指す鍵は安易に考えるなら治癒師と肉壁か?)


「謝罪しよう。目にした事実しか信じない質がだ今のは事実と言っていい。これが1人なら詐欺もフェイクも疑うが横にいる松田氏の驚きと苦言を持って信用する。」


「それはどうもセルゲイさん。さて、こうして集まったのはなんでです?私は単純にコアの受け渡しに来ただけの配達人ですが。」


「そのコアと言うものについてだ。今後の取り扱いを協議したい。」


 チラリと松田を見れば頷いて返す。確かにゲートから出土するものの優先権は発見者にあり、それはどの国でも認めている。だからこそゲートに入りたくない金持ちは金儲けに勤しんで経済を回すし、産まれた金はスィーパーへ回ってくる。これが中世風な世界なら為替も株も個人の財産と言う話もなく、王が献上しろと言えば逆らえないだろうが、現代でそんな事を政府がすれば直ぐに淘汰されるだろう。


 だからこそ土地の所有を認めない中国なんかも個人資産として出土品の優先権は認めるし、ゲート内セーフスペースの土地は国外扱いで勝手に住むなら住めと言う感じである。まぁ、それでも売買すれば税金は取るし、それが旨味になったいるとも言える。


「優先権は放棄しますよ。ただし、現時点では宇宙人にメッセージを送らない事としてね。保有したい国はありますか?警備等の状況・・・、報告は必要ありません。盗まれた、所在が不明になったと言う時点で国としての面子は潰れますし、警備状況を聞けば疑われてしまう。」


 要らない責任は投げ捨てるもの!無責任からではなく自衛的な面を考えると国の警備体制を知っていると言うのは、そのまま容疑者候補に上がると言う事である。渡した物を後から返せと言うつもりもないし教材として使う期間も終わっている。


 中身としてもオウム返ししかしないし、そのオウム返しさせるにしてもかなり難しい。まぁ、それでも無価値ではないので欲しい人は欲しいと思うが・・・、最悪引取先がなければ家のリビングにでも吊るしてライトの代わりにでもするか?いや、消えないから邪魔だな。でも、ミラーボールっぽいし行った事ないディスコの代わりにも・・・、なんかしらんが魔女がたまに踊れとか言うし。


  挿絵(By みてみん)


「それはそうなのだが・・・、そのコアは誰もが扱えるものなのかい?コアと言うものを知ってはいても、それを実際どう扱えばいいかは皆目検討もつかない。配信で見た限りでは・・・、墜落した宇宙船のキーにもなるなだろう?」


「その点は出来ないといいましょう。この会談の前に大分ギルドで言語学者を交えて対談しましたが、指示を出す対話する等は出来ませんでした。そして、このコアが勝手に動く事はない。」


「クロエさん端折ってますよ。その勝手に動かないと言うのは・・・、職の所感ですか?」


「そう思ってもらって構いません松田さん。このコアを手に入れるに辺り色々と無茶もした。その結果、コアを構成するモノはなくなりこれだけが残った。」


 そう言ってコアを取り出すが、ガーディアンって解体したからパーツは残ってるんだよな。外に出して組み立てる気もないがそこは黙っとくか。仮にあると言えば組み立てよう!と言い出す奴が必ず出る。そして、組み立てる過程で技術が盗まれれば厄介にもなる。それだけは避けなれければならないし、何よりガーディアンが何をしでかすかも分からない。

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保管や警備が面倒なら頭じゃなくコアにロッドぶっ差せばもろもろの問題は無くなるけど物語が進まないか 維持と管理等の面倒事を押し付けられる貧乏クジを引くのは何処になるかな 現状の中位鑑定士で鑑定不能なの…
今後は心置きなく頭を小脇に抱えるデュラハンスタイルで国際会議に出られるな あ、新しい頭が生えてきて古い方は消えちゃうのかな
本文が途中で切れてる? 勘違いだったらすみません
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