閑話 131 とある放課後
「テストが即時返却とか聞いてないなぁ〜。補習とか言うものがあると面倒だなぁ〜。」
「フェリエットさんの場合点数による評価はあるけどそこまで重要視されてないから補習はないかな?こうして勉強してるけど本当なら政府とかギルドで働く公務員予定の人だしね。」
担任の葛城先生はいい人だ。補習がないなら適当に真面目にすればいい。帰ってきたテストは大体70点くらいで数学は満点。でも、国語はなぁ〜。動詞や形容詞なんてわざわざ勉強しなくても話して通じるならそれでいいなぁ。
でも神志那から貰ったタブレットでやったからパズルみたいに解ける。でもヒキガエルみたいなムーンビーストが山程乗るガレー船を見た時のアーミテイジの気持ちなんて知らんなぁ〜。蜂蜜酒飲んでハイじゃなければ狂ってるんじゃないかな?
「種子島で仕事したからテストなしがよかったなぁ〜。その種子島でもクロエがいい額貰ったと言うから多分ごちそうさまが食べられるなぁ〜。」
「いい額?ちょっとフェリエットさん先生に額を耳打ちとかしませんこと?」
人間は食えない金の話が好きだ。まぁ、私達もそれがあればご飯を食べられると知ってるから価値は分かる。でも、買って持って来るならそれを食べればいいし、嫌なら味変してもいい。ソフィアがキュウリにハチミツかけてメロンとかプリンに醤油かけてウニとか言ってたけど、そんなゲテモノより普通にウニとかメロンを食べればいい。
司宛に貢物は良く届くし、蟹缶は3個くらい要求したら買い物で手を打ってくれた。ちょうどシャーペンの芯も切れて買い物行くところだったから蟹缶探す手間が省けて多分得してる。
(お腹いっぱいの照り焼きチキンステーキと金貨70枚だなぁ〜。)
「うそ!私の給料低すぎ!確か種子島には1週間くらい居たから日割りでも日当10万円・・・。スィーパーとしての職を使った仕事は個人技能って側面が強いから政府とかギルド依頼だと高給取りになれるって話だけど、そんなに貰ったの!?私も獣人と結婚して左団扇を・・・。」
「働かない奴を養う気はないなぁ〜。先生なら子供産んで家事と育児すればそれでいいなぁ〜。ただ甲斐性無しのオスはさっさといなくなるかもしれないから、ちゃんと結婚しないとダメだなぁ〜。」
「獣人のオスて遊び人?」
「自分の子孫を残したいからふらっといなくなる時はいなくなるなぁ〜。でも人と同じ様に結婚してればなんか仕事して真面目に巣に帰ってくるなぁ〜。ギルドにいる犬人のタロウは法律課で真面目に仕事してお給料とか貰ってるなぁ〜。」
「顔ヨシ稼ぎヨシ、真面目に帰って来る旦那ヨシ。えっ、獣人と結婚した人もいるけど結構当たりとか?家事すればいいのよね?」
「後はご飯が不味いと対象外だなぁ〜。ついでに言うと家事して外で働かれるとこっちも更に頑張らないと釣り合いが取れないから疲れるなぁ〜。ボチボチ仕事してボチボチ暮らして行くのがいいなぁ〜。」
前は勝手にすぐ育ったし死んでもいい様にいっぱい作ったけど、人型になったらそんなにすぐに育たないし人と同じ様に育てるならかなり手間暇がかかる。だから家事して外で働いてまた家事しては疲れるし、オスも任せ切りはちょっとと言う感じ。
流石に産ませっぱなしはよくないし、特定の人のパートナーがいたらこのメスともオスとも子供は作っちゃダメ。少ない子供だからちゃんと育てないといけない。でも、獣人同士だったら群れで育てればいいから割とその辺りは自由かな?人でもそれでいいって人は獣人の方に混ざるみたい。でも、仕事しないなら弾かれるから不真面目な奴は消えていく・・・。
「なんと言うスローライフ思考・・・、確かに農家の人とか獣人との婚活パーティーと言うか、飼い犬獣人にして結婚した人もいるってテレビでやってたけど・・・。えっ、どうしよう?フェリエットさん、先生ね個体成長薬1本持ってるの。獣人は恋愛対象外かなぁ〜って思ってたけど、見方を変えれば合法的な光源氏よね。お料理教室とかも最近は大人気だし・・・。」
「メシマズは罪だなぁ〜、重罪だなぁ〜。顔は歳を食えばしわくちゃで、身体も動かなくなっていって子供も作れなくなる。でも、飯を食う数だけは死ぬまで増え続けるなぁ〜。そんな長い時間をメシマズのストレスで過ごすくらいなら、そいつは最初から対象外だなぁ〜。」
「で、でも外食とか!獣人だってごちそう大好きでしょう!」
「頑張ったご褒美がごちそうだから、毎日外でごちそうだとそれは怠けて家事してない奴だなぁ〜。」
「ぐぬぬ・・・、ド正論・・・。でも、先生は思うのです。料理が苦手だっていいじゃない、人間だもの。寧ろ、家では司さんは料理するの?仕事してるけど任せっきりとか・・・。」
「司は普通に料理するなぁ〜。莉菜がいなかったら4、5品ぱぱっと作って出してくるなぁ〜。結構旨い。」
「その真顔で旨いって言う所で分かりました。さて、テストの点数は悪くないですし授業態度も大丈夫。ソフィアさんもまたせてるみたいだから今日はこれで帰ってください。」
「わかったなぁ〜、さようなら先生。」




