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街中ダンジョン  作者: フィノ


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658話 帰宅 挿絵あり

 宇宙ステーションの検分は進み娘と遥に着せ替え人形と言う名の憂さ晴らしをされつつ、寝ているフェリエットの肉球をぷにぷにしながら数日。チャンとエレーナ引き上げのタイミングで俺も大分へ帰る事となった。長らく留守にしていた大分ギルドの方は望田も話しつつ仕事をこなしていたので業務的には溜まっていない。


 溜まっていないのだが新社会人も増えているので賑わっているらしい。確かにチャンを連れて鹿児島ギルドに行った時も人は多かったし、専属として歩み出したスィーパーとしては取り敢えずギルドに来て先輩に話しを聞くと言うのが日課になっているらしい。


 誰も死にたくはないし稼ぎたい。それは共通する思いだし不誠実だと背中を斬らられるかもしれないので、思いの外やんちゃをする新人はいないとか。まぁ、カツアゲしようとした相手がヒョロガリメガネの若造だとしても、実年齢は分からないし何をしてくるかも分からない。一説によると暴力的なイジメの発生件数は減っているらしい。


 その代わり知能犯は更に分かりにくく巧妙化しているのだとか。まぁ、それでも証拠があって訴えられた時点で社会人としての責任を取る事になるし、スィーパーなら奉仕刑にも関わってくるので大っぴらにはしない。エマはまだNASA側の指揮が引き継げないので残るが、俺とフェリエットは一足先にジェットホイールで鹿児島に向かいバイクでニケツして大分へ。


 途中フェリエットが食い倒れしたいと言うので食ったよ。さつま揚げに黒豚に桜大根の漬物やら、福岡を経由したので屋台のラーメンに明太子にフグなんかも美味かった。ただ高速道路に高足レーンなんて物が増えたのはなんとも。確かに車よりも足の方が早い。それでも楽をしたいから車を使う。


 そんな楽さを切り捨て時間を優先した人が飛脚の様に走る。ビジネススーツ着て鞄を持って時計見ながら車やらバイクを追い抜いて行く様を見ると、一体なんでそこまで時間にかられているのかと聞きたくなるが、聞いたら聞いたで面倒事が増えそうなのでスルーする。


「ただいま〜。」


「ただいまだなぁ〜。」


「お帰りです〜。」


「おっ、お出迎えにソフィアがいたか。何してたんだ?」


「お勉強です、中間テスト中でなので・・・。」


「そうか、やり残した事のないように・・・、もしかしてフェリエットは今回のテスト休みで赤点確定?」


「赤点ならそれでいいなぁ〜。別に死なないし次ボチボチ平均して赤点取らなければいいなぁ〜。」


「そんなフェリエットの為に、先生が学校に来た時点でフェリエットがテスト受けられる様にしてくれてるみたいですよ。簡単にテストからは逃げられないです!さぁ!今から私に勉強を教え教えられしながら頑張るです!」


「まぁまぁ、ソフィアも一旦休憩するといいなぁ〜。食べ歩きして司がお土産をいっぱい買ってきたなぁ〜。冷めない内に食べるといいなぁ〜。」


「フェリエット、知ってるだろうが指輪に入れてたら簡単には冷めないぞ?まぁ、帰ってきたばかりだから疲れて・・・、ないよな?バイクの後ろに乗って飯食って最後にはエナドリも飲んでたし。」


「せっ、精神的な疲れはあるなぁ〜。」


 今と昔で違う事?少なくとも身体の疲れはすぐに消し飛ぶ事さ!まぁ、精神的な疲れは残るので変にダルいと感じる事はあっても身体的には元気である。それを逆手に取ったブラック企業は身体が元気なら働けと一時期人を馬車馬の様こき使っていたが、疎開でのストライキや働き方改革で軒並み潰れたし、何より仕事の効率化と無駄な残業が消えたおかげでゆとりのある仕事へとシフトチェンジした。


 まぁ、しないと人来ないし机に向かってダラダラPC眺めるのは仕事ではない。警備員なんかの居て監視するのが仕事と言う人は時間的には変わらないが、ゲート関連に噛む仕事をしているとどうしても素材やらの確保に時間を要する場面もある。


 そうか・・・、走ってたサラリーマンはもしかしたら調達係だったのかもな。車で納品する時間より走って往復する時間が早ければ走れと言う指示もあるだろうし、格闘家や追跡者、盾師がデスクワークしてもおかしな事はない。


「ならお茶してから勉強しましょう。スィーパーならすぐ頭に入るです。テスト時間だって余らせて終わるでしょう?」


「それでも面倒は面倒だなぁ〜・・・。」


 そんな話をしながら居間に言ってお茶を飲みながらお土産を出す。最近の飲食店って大概持ち帰りOKな所が増えて、飯を食いながらその食ってる飯を持ち帰る事も出来る。革命と言えばラーメンとかの伸びる系かな?麺とスープ別とかせずに作った物をそのまま持ち帰れるのは現地の味を楽しめる。


「お茶と言うと甘い物か。白くまアイスとか御当地アイスとかでいいか?サービスエリアのアイスもあるしたい焼きもあるな。箸休めなら地鶏の炭火焼とか練り物系もあるぞ?」 


「ならたい焼きも食べたいです!」


 ソフィアのリクエストでたい焼きを出してパクリ。外はサクサクであんこぎっしりなのはうれしいし、あんこ以外にもハムエッグやら芋餡ずんだ餡等々様々な味があったな。甘い物をあまり好まないのでハムエッグたい焼きをパクリ。現地でも食べたが卵はトロトロマヨネーズもトロトロ、その代わりにベーコンはカリッとして程よい塩加減で美味しい。


 割と屋台とかも含めて食べ物系は大量に作る傾向にあるんだよなぁ〜。指輪での保存で食品ロスが減ったし、在庫としても指輪の中に入れていれば邪魔にはならない。それでも屋台で鳥やら箸巻き焼くのは、その香りが食欲をそそるからだろう。


  挿絵(By みてみん)


「そう言えば私が宇宙にいる間に変わった事はなかったか?種子島ではあまりその辺りは話せなかったし。」


「お兄ちゃんが仕事しだして忙しそうなのと、千尋お姉様が甲斐甲斐しいくらいですよ?あっ!後は青山さんが送り迎えしてくれるとか?バイトの散歩しながら一緒に登校したり、帰りもフラッと現れたりしたです。」


 ありがたいが尋問対象が家の周りをウロウロしてたのか。明日は朝イチで彼奴等を呼び出して事の顛末を確認しないとな。流石に奉仕する者の本体が動こうとした事は看過出来ないし、それを通じて表面的には中露は大人しくもなった。プラス・マイナスで言うなら取り敢えずはプラスなんだが、それでも毎度変な事になっても困る。


 多分完全な制御やら相互理解は不可能で奉仕の名の元に動くだろうから、それを念頭に置いた話し合いをするしかない。う〜ん・・・、頭が痛い。話の通じない相手ではないが、Yesマンと言うわけでもないのでどう話を付けるか・・・。


 たい焼きを食べつつ炊飯ジャーにご飯をセット。畑の草は少し茂っていたので魔法でさっさと引っこ抜きひとまとめに。種子島で使った杖は何処に刺しておこうかな?監視システムとしてはそこそこ使えるし、防犯システムとしても悪くない。


「ただいま〜。」


「お邪魔します。」


 そんな事をしていると那由多の声と千尋ちゃんの声が。多分家事を手伝いに来てくれたのだろうが通い妻感がある。お金を貯めたら外で同棲するんだろうが早くも子供出来て帰ってきそうなきも・・・。あのツボの絵のせいか赤ちゃんを見たらなんか抱っこしたくなるんだよな・・・。


「いらっしゃい。今晩はお土産あるからゆっくりしていていいよ〜。」


「おっ、父さんお帰り。」


「おかえりなさい司さん。」


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― 新着の感想 ―
見た目と相手の戦闘力の乖離が激しくなってるしイジメとかやる方の命がけっぷりが跳ね上がってるしな 現実で弁護士に喧嘩売るより先行きが不透明だしな
回復薬で精神疲労も回復しないのソーツに言ったら改善しそうだな それかまだ出て無い上位回復薬なら回復か? 精神疲労も科学的には疲労物質等の蓄積などなんで回復薬なら本来そんな疲労もポンッと取れなきゃおかし…
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