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街中ダンジョン  作者: フィノ


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640話 優しい情報開示ってなんだろう?

 設計図をさっさと指輪に収納し、家族に会いに行きたいのだがまだ話はあると言う。はい、立ち去りたいですけどありますよね・・・。むしろ宇宙にいた間がバカンスだったのかも。腹括って色々と話したせいで疑問点を聞かれるのは仕方ない。しかし、話した以上の事を聞かれても解答に迷う。


 魔女にしろ賢者にしろ話せば返してくれるが核心は話さない。なにせ暇だから力貸しているのであって、本人達が一から十まで解説したら面白みに欠けるし、何より本人達も知らない事はあると言う。最初のスタンピードがそうだろう。


 要因は色々あるにしても話さない事は話さない。そして、無理を通せば力は貸してくれるにしても対話はなくなる。互いに逃げられない以上、協力関係が破綻すれば残るは罵り合いからの無視。まぁ、魔女と賢者に敵わないから関係を崩す様な事は極力したくない。


「中露の使者から個別会談の要請があります。内容は私には知らされていませんが早期返還と言えば分かると。」


「あぁ・・・、その会談は受けましょう。」


 貸しの話か。しかし、何をして返してもらおうか?中国側への要求はまぁ、リー達の身柄でいい。かなりの打撃となるだろうが、同時に無傷とも取れる。なにせスパイとして活動していてアチラの国内活動には関与していない。つまり、有用な情報の運び屋でありはするが教官としての地位はなく、捨て駒ではないが回収時期は何時になるか不明。リーの様な職の組み合わせの中位が誕生すれば差し替えと言う話もあるかも知れないが、いつ至るかは誰にも分からない。


 そんな中国側はいいとしてロシア側には何を要求するのか?個別会談なら何を要求したか情報共有しない様に口止めも出来るが、それで黙っているほど大人しくもないだろう。そうなると等価のモノとなるがどうしたもんかな。宇宙ステーションは既に日本と米国主導で調査するし早く決めろと言われたなら金銭寄越せが早いがその金額=中位の値段と取られるのもまたよろしくない。やはり保留が楽なのだが・・・。


「その他にも宇宙言語への質問やイメージを受信出来た人とそうでない人の違い、米国政府からも職そのものへの質問等々、簡単に逃げられるとは思わないでいただきたい。」


「逃げも隠れもしませんけど解答出来ないモノは出来ないとしか言えませんよ?はっきり言えば協力体制や利害の一致は合っても強制していいと言う話ではない。」


「その件は私ではなく上の者へどうぞ。確かに私も魔女と賢者の存在を知る1人ですが、話せと言われても当事者ではないので困る。そもそもそこまで暴露する必要性が?当初と違う方式でメッセージを送信しましたがラボもJAXAもかなり慌てた。まぁ、4カ国首脳陣がそれに協力するだけの事が合ったとは推測出来ますが・・・。」


「話してもいいですけど聞くと更なる深みですよ?情報を私は鋭く叩きつけ過ぎるらしいですが、元の情報が鋭ければ話す時には鋭利さを増す。そもそもですね、なまくらなまま情報出した所で信じる信じない問題から始めないといけないんですよ!信じる信じないから!」


 中露は宇宙人を呼ぼうとした。そして奉公する者が受信して敵意剥き出しで威嚇した。話はそれだけなのだが、どの時点でどの情報を出せば信じてもらえるのだろう?宇宙人がいる、これは配信で流したからほとんどの人は知っているし、ゲートを持ち込んだソーツも宇宙人と言ったから多分疑わない。


 まぁ、中には捻くれて俺がゲートを掌握しているなんて言う妄想やら陰謀論を話す奴もいるが、その場合俺はどのポジション?少なくともバチカンやら教皇やらの宗教家達は俺への言及を避ける。寧ろ避けなければならない。


 なにせ個人でその力を最初から持つとすれば主神クラスにしか出来ず、敵対する悪魔とするなら今度は人に力を貸す時点で全員悪魔憑きにでもしないといけない。なにせゲートを考えれば異世界創造と言っても過言ではないのだ。中に広がる空間には人が住めて報酬があり、敵として出てくるモンスターは人に危害しか加えず、神が与えた試練と言うならその神は俺か俺に代弁させる何か。しかし、俺は神なんて話はせずに宇宙人と最初から言っている。


 言わば聖書を書く時に勝手に書かれた内容に対して登場人物が真っ向から否定する形だな。キャンペーンガールよろしく聖人指定論争やらも合ったが流石に今はもうないし、宗教家達も神が助けると言うよりは寄り添うから共に頑張ろう!路線の説教をするらしい。元々仏教徒なので願えば助けてくれると言う考えはないから、その辺りはご自由にと言う感じだな。


「その点は・・・、私としても重々承知しています。松田さんに呼び出され賢者と魔女の事を聞かれ、どの時点で情報を得ていたのか?と言う話になりましたが話すタイミングは早々ない。そして、話してもそれを受け入れられるとは到底思えない。ゲート発生当初、警察組織は橘監査官の情報を荒唐無稽な情報として否定した。そして、私の持つ常識もそれに同意した。」


「今までも仕方ないでしょうし、これからも仕方ない。人が持つ常識以上の事が人以外からもたらされるんですよ?人は自分が知る事を物差しとしてしか想像出来ない。でも、その物差しを軽く超えて事は起こる。見方を変えれば今の技術発展はその物差しを延長する作業とも言える。獣人然り、S・Y・S然りとね。」


「それは分かります。S・Y・Sからのメッセージについては4カ国から共同で大丈夫と言う安全性を示してから、来てもらう波長と言う話で決着は付いてます。S・Y・S内での通信はNASAにも傍受される可能性があり、込み入った話はこうして対面でしかしない方針だったので長々と話しましたが、会談等の日程は追って連絡します。それと、東海林記者でいいので適当にメディア露出もお願いします。他の方達も含め帰着会見は行いますが、中露の件もあるのでほぼ発言はないでしょう。」


「了解しました。と、言うか勝手に東海林記者に話していいんですかね?ヤバい話はしませんけど・・・。」


「世論的にもS・Y・Sで何かあったと言う話は広まっています。言い方は悪いですが貴女は私達よりも中立なんですよ。ギルドマスターとしての仕事はしていますが、政治家と毎回食事して密談していると言うイメージはない。流石に完全に切り離してあるとは思わないでしょうが、発言する目線はスィーパー目線一般人目線の物が多い。」


 確かに俺は政治家ではないしギルドを利用するのは普通のスィーパーがメインで政治家は来ない。なので政治的な発言は基本的に公でしないしオフレコで松田何かとは話すが、毎回政治は政治家と言っている。ギルドと言う武力統括組織を見た時に政治に手を出すといい事は何もない。逆らえない絶対組織とか息苦しいだけだし、そのうち俺も・・・、グラマスとかなった後に引退と言う名の長期休暇を取る時に暴走されても困る。


 あくまでギルドは政府の下で人の武力衝突には出来る限り関与しない。まぁ、自衛隊やら警察やらにも関わりがあるしスィーパー犯罪者を捕まえる仕事もあるので仕方のない所もある。仕方のない所もあるが、その権力を使うなら犯罪者の撲滅へである。なにせ犯罪者捕まえる手解きも各国に出来るギルドに配布したしねぇ。


 法律が違うのは仕方ないとして、検挙率はアホほど上がったし犯罪者どうしよう?論争も起こっているいが少なくとも海外でも夜に1人で出歩ける所は少しは増えたと聞いた。


 そんな話を終え増田の運転でホテルへ。フェリエットは中露兵士の指輪を見ているので後から合流するし、ホテル自体は今回のS・Y・S搭乗者用に貸し切りなのでマスコミはシャットアウトしてるとか。中露兵の今後は警察と自衛隊が監視下に起き宇宙ステーション取り出しとなるだろう。残念な事にS・Y・S内のゲートは早急にパージして元の鹿児島ギルドに返還するし、中露兵はS・Y・S不時着後いの一番に降ろされたのでゲートへは接触出来ない。


 種子島そのものにゲートはないのだよ。最後の頼みの綱は切れたし、流石に大人しく宇宙ステーションを出すと信じたい。そんな事を考えながら妻達の泊まる部屋へ。ノックをすると中から妻とソフィアの声がして扉が開く。


「ただいま、宇宙から帰ってきたよ。」


「おかえりなさい貴方。」


「おかえりですお父さん。」

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― 新着の感想 ―
優しい情報開示はメタ的にも出来ないんですよね 爆弾情報を出す、反応する、問題が出る、結果の 情報に対しての起承転結が物語には求められてるし無いなら最初に盛り込んどけになるし それでも出ないならイエスマ…
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