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街中ダンジョン  作者: フィノ


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636話 新しい売り物 挿絵あり

「さてと、宇宙ステーションの話は政府でやってもらいましょう。出さないなら調べようもないし食い下がるとまた喚き出す。そもそもゲート関連でないなら私はノータッチでもいいと思うんですけどねぇ。」


「そうも言ってられないポジションにいるからでしょう?私だって面倒事はごめんですがそう言った職に就き出来る事が多い分やる事は増える。」


「壮大なないもの強請りですね。まぁ、今の生活に満足はしているのでいいとして、宇宙ステーションの件は降下実験を早めにやる様にして直接連絡するとしましょう。」


 少なくともS・Y・S内にリュウ達がいる限り逃げ場はない。こっそりと部屋を出てゲートに侵入して廃棄して、これまたこっそりと部屋に戻るなんて事をしない限り証拠も隠滅出来ない。出来ないが警戒するに越した事はないか。流石にS・Y・S内で宇宙ステーションの一部を取り出すなんて馬鹿な事はしないだろうし、助けた恩を仇で返すなんて事もないと思いたい。


 それこそ今やらかせば擁護する国もなくガチに国が傾きかねない。まぁ、内乱に突入するなら勝手にしてもいいがこっちを見ずに飛び火もさせずに処理しろよ?特に台湾とかウチに付いてるんだしさ。


「そう言えば他に持ってきた物は無かったんですか?」


「全部ゲート付近に置いてきました。毎回私の所に取りに来るのも面倒でしょうし殆どは実験様機材とかですよ。リストを見てもヤバい物はなかったし必要な人が勝手に持って行くでしょう。」


「それを聞くとこのまま地球に帰れない気もしていますね・・・。研究続行で後1年とか。」


「単独降下が成功すればあり寄りのアリですね。帰りたい人だけ勝手に帰って研究したい人は残る的な。物資運搬コストが0だと考えるとS・Y・S2号機を急かされそうだ。」


 疑ってかかるなら今回斎藤が来なかったのも本当に急かされたからと言う話もあるかも。仮にゲートが使えなかったとしても、2号機があれば人も安全に運べるし燃料費と言われてもクリスタルがあればいい。飛行ユニットの開発が進めば勝手に来て勝手に帰る事も出来るのだろうが、今の所開発成功国は日本と米国なので今しばらく時間がかかるだろう。


 そんな話をしながらゲート広場に戻ると荷物はなくなり人もいなくなっている。現金なモノだと思うが『新鮮な研究材料が来たぞーー!!!』と言う所か。少なくとも大きな実験項目は2つ終了し、最後の単独降下実験のGOサインが出れば俺が降下後そのまま帰投となる予定である。


 暦の上ではもう4月でギルドが新入社員で忙しい時に宇宙で割と暇してるのはなんだか申し訳ない気分だな。宇宙ステーション?もう知らん。勝手に政府間でやり合ってろ。宇宙で出さないなら漏れなく地球で調べてもらって公表すればいい。


 なんなら暴露モードで宇宙人呼び込んでた事も暴露してやろうか?どの道ソーツ呼びかけで何で『大丈夫』と言うメッセージだったのかは聞かれるし、宇宙ステーションにしても今の中国がゴネようと今度は正式に国として話が行く。


 それがどれだけ不味い事態になろうと知らん。調べられる前提でここで出せと言って拒否したし、手心は出せるだけ出したつもりだ。今更国への連絡手段を確保してないとは言わせないぞ?中身は不明だが超微弱な電波もS・Y・Sに向けて飛んで来てたと聞いたし。


「ここにいたカ、2人とも探したゾ。」


「ん?どうしたのエマ。行き違いにでもなったんだと思うけど。」


「何か急の用件ですか?それならアナウンスを流してもらえればすぐに姿を現したんですけどね。」


「そこまで急ぐものではないガ、ラボからの貸与品の試運転をしたいそうダ。宇宙に出るので藤の嫁達以外にも手空きがいれば手伝って欲しいと言われてナ。橘はいいとしてクロエはバイクの運転もしておきたいだろウ?」


「確かにゲート内で乗り回して宇宙ステーションにも行ったけど、かなりぶっつけ本番だったしなぁ。やらせてもらえるならやるよ。」


 飛行ユニット搭載型バイク。はっきり言えば趣味の一品で宇宙服着てバイクに乗るよりもパワードスーツやらロボテクスーツに飛行ユニットを搭載した方が安定性はある。そもそもパワードスーツ自体は職なしでも使える電子制御マシーンスーツだし、重力下なら重さを感じるかもしれないが宇宙なら無重力。


 逆にバイク型マシーンで走ると想定した時に小さなデブリでも凶器となる。まぁ、それは普通のバイクでも同じで走ってる時にカナブンとかヘルメットに当ると甲高い音はするし、暑いからと半袖で走っていて露出した腕に当ると死ぬほど痛い。


  挿絵(By みてみん)


 と、まぁ飛行ユニット無しなら宇宙でそんなモノ乗るなと言われそだが、生憎と魔法も科学もあるので大丈夫だろうし、何よりそこまで高速で動く必要もない。砲弾になって宇宙を彷徨うのはごめんだが一人ではないし降下前の慣らしといこう。


「今回の実験を説明するとS・Y・Sからどこまで離れてトレース出来るかの実証実験でござる。ゆっくりと飛行して制御不能域まで達したら終了でござるな。現在のS・Y・Sは月と地球の中間付近でラグジュアリーポイントと想定されておるから比較的安全と考えてよい。距離としては中継を挟まない関係上、50km程度とされておるな。」


「割と遠くまで操作できるのだナ。我々はそれの随伴と回収をすればいいト?」


「随伴は必要でござるが注目点は帰投もでござる。S・Y・Sは常時斥力を展開し来るモノを拒んでおるが、飛行ユニット同士なら相殺も出来る。その代わり飛行ユニットなしの物体となると限りなく反発力をなくした状態でしか近寄れず、しかし特定地点からS・Y・S内の重力圏に入る。必要なデータは飛行ユニットなしの物体が安全に内部に入る事でござるな。」


「ん?それって中露の人の件で実証出来たんじゃないの?」


「人はとっさの事にも対応出来ますからね。トレースシステムと言う物を見て一緒に仕事をしましたけど、足がない分小判鮫ににはなれても踏ん張りが効かないんですよ。最終想定としては無重力区画に入ればいいのかい?」


「そうでござる橘殿。最終的に無重力区画に設置したクレードルに到着出来れば終了。その際のデータを元に自動帰投プログラムを作成すると聞いておる。」


 飛行ユニットをはまだ高いし節約出来る所を節約して公にするとか?飛行ユニットの作成方法を売ったならその次も売れるものを用意する。帰投データがあれば最悪飛行ユニットなしのパワードスーツでも作業出来るし、トレースシステムを売るとすれば作業範囲も気になってくる。


 流石に50kmのコロニーをいきなり作るのか?と問われれば最初は小さくしなさいと言いたい。しかし今のS・Y・Sを拡張していくと想定するとゲートからどんどん資源を取り出せば無限増殖も・・・。シムシティみたいな感じで都市構造を無尽蔵に増やしていくとも考えられるし、そうなると最終的に地球より大きくなる可能性もあるのかな?


 流石にそれは邪魔そうなので地球から離れて火星方面ででも作ってもらいたい。知らん間に日食ならぬコロニー食とか出だしたら未来に生きてる感じはするが・・・。


「試験機には何機つかうんです?救助活動で使ったものはメンテしたりラボに渡したりしましたけど。」


「最悪廃棄してよい物を予備機含め3機でござるな。拙者達よりトレースシステムを使う者の方が大変な作業になるでござるよ。」


「大変って視覚共有で酔うとか?」


「違うでござる。脳を手術する時神経を傷つけておらぬなバイオリンを弾いてくれと医者が依頼した話は知っておるでござるか?」


「確か英国の脳腫瘍手術の話ですね。頭蓋骨を開放するのは痛くても脳を触られるのは痛くない。だから皮膚への局部麻酔を使って覚醒状態で経過を見ながら手術したとか。」


「うむ、それと同じ様にトレースシステムが正常に使えておるかずっと手を振っているそうでござる。」


「25kmくらいから?」


「リリースされてからずっとでござるな。」


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時期と場所次第では小さな甲虫が群れて飛んでで気付かずそこに自転車で突っ込むともうね バイクでカナブンはそりゃ痛かろう
?自分の理解力足りないのか途中から良く分からない 藤達はトレースシステムの動作確認でロボを動かす クロエはそれに付随して生身でバイクに乗るで良いのか? それか全員トレースシステムでクロエは更にロボ操作…
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