閑話 96 クラスメイトと
「残念でもおバカでもないです!確かにこの前ガーリックシュリンプをカーリングスリップと聞き間違って何が出てくるかワクワクしてたのは認めます!でも、出て来たエビは美味しかったてすよ?」
「その暴露が既に残念だなぁ〜。あんまりにもかわいそうだから後で煮干しを1つやるなぁ〜。」
後から家に着たソフィアは残念な奴だ。人から見たら美人で身体も大きいから沢山子供を産めそうだけど、頭の中身が残念だ。勉強を見ていても引っ掛け問題にバシバシ引っかかるし、妙な所で妙なモノに気を取られる。多分子供だから仕方ない。
私が先に家にいたから妹分の面倒は見ないといけないし、猫から猫人になったから人の面倒を見る手間が増えた。でも、猫人になったから美味しい物も美味しく食べられるし言いたい事をはっきり言えるのは楽。でも、バイトも話しかけてくるし面倒は増えたのかなぁ〜?家の中の順位で言えば猫だった時は私が1番で司と莉菜がその次、那由多は下でいなくなった遥は那由多よりもご飯をくれたから上。
でも、猫人になってから考えると私の順位は司と莉菜の下辺りかなぁ〜?働かない那由多は最近働いてるからちょこっと順位は上がるけど、ソフィアとバイトの面倒を見る私の方が順位が上なのは確実。だけど、ここは初めての場所だから私達は一番下、ならさっさとお腹でも見せて入り込むのがいいのかな?
「それは貰うです。でも、もう少しくれてもいいんですよ?」
「それはダメだなぁ〜。自分の弁当を食べるといいなぁ〜。」
「え〜と・・・、コント仕立ての自己紹介?ありがとうね。2人の席は教室の後ろで窓側になります。あの左右で空いてる所ね、フェリエットさんは黒板が見えなかったら前に移動していいからね。」
「ソフィアのノートを見るから大丈夫だなぁ〜。間違ってたら訂正しないといけないなぁ〜。」
「ぐぬぬ・・・、漢字は結構覚えたんですよ?」
「こっそりと読めない漢字を教えてやる人はいらないのかなぁ〜?」
「仲いい姉妹なので一緒にいましょう!」
「それって黒板が見えてない様な・・・。はい、本人からの自己申告がない限りはそのままにします。先生は長い物には巻かれるし波風が立たないなら構いません・・・。では2人共席に着いてください。」
日向ぼっこにいい席を用意するとはいい心がけだ。先に席に座るとソフィアがこっちの席が良かったみたいに見てくるけど、先に座ったから私の席だなぁ〜。窓は開けずにクーラーがあたるからそのまま寝たいけど、寝たら晩ごはんが悲しくなるから起きておこう。休み時間に寝ればいいなぁ〜。
「今日の予定はこの後、体育館で集会を行いその後はクラスレクレーションをしてから下校となります。まぁ、レクレーションって帰りの会だから実質集会が終わったら下校となりますが、英語の宿題を出せる人は出して今日出さない人は明日までに出すように。では、多少時間があるので編入して来たソフィアさん達に質問したい人は・・・、委員長まとめて。」
話を聞いていたらなんかガキンチョ達が手を挙げた。一緒に過ごしていれば分かる事を今聞く必要性はあるのかなぁ〜?どうでもいい話なら適当に話てソフィアに投げればいい。護衛って親が子を守る様なものだし、危なくなければ守る必要はない。それに、今は弱いけどガキンチョ達も職に就けば強くなる。
群れなくてもいいけど、そこそこ気の合う奴とか一緒にいて嫌じゃない奴ならモンスターを倒す時に加勢してくれるかなぁ〜?でも、司がいたら他は全部色褪せる。元も司はいい奴だったけど白く小さくなって更に魅力的になった。そこら辺を歩いてる猫人も会いたいとか言うから間違いない。
「え〜、先生が投げ出したので委員長の長谷川が采配する。体育館に向かうなら質問しても2〜3つ、ソフィアさんとフェリエットさんは校内に不慣れだから集団で行く事と、他のクラスから見に来る人が多い事を考えてアホな質問は即却下だ。」
「は〜い、2人は姉妹設定ですか?」
「多分フェリエットが姉ですよ?私が家に来る前からいたです。」
「どっちでもいいけどソフィアよりは先に生きてたなぁ〜。」
「即答に感謝、サクサク質問していけ。このペースならもう少し質問出来る。多分込み入った個人情報はNGだから気を付けろよ?」
「なら!スリーサイ・・・、はい。すいません女子の皆さん・・・。」
「やぁね〜男子ったら・・・。すごい美人だけど何かスキンケアとかしてますか?」
「それは先生も興味あります!」
「お風呂に入って石鹸で洗うくらいですよ?フェリエットは顔を洗うのは苦手ですけど。」
「それはソフィアが毎回はしゃいでお湯を飛ばすからだなぁ〜。猫人は毛繕い大好きだから何時も綺麗にしてるなぁ〜。」
「知ってるです。フェリエットに洗ってもらうのは気持ちがいいです。」
(2人でお風呂・・・。)
(姉妹でお風呂・・・。)
「せ、石鹸ね!?高いやつとか?」
「スーパーで売ってる普通のやつだなぁ〜。昔から生活スタイルは多分あんまり変わってないなぁ〜。変わったらすぐに匂いとかで分かるなぁ〜。」
マーキングして回るから変わったらすぐに分かる。司は全部変わったけど司だと分かる。だから最初にグリグリして匂いも付けた。でも、ポヨポヨお腹がもみもみ出来なくなったのはちょっと寂しいなぁ〜。
「それくらいでいいだろう、次は?」
「フェリエットさんは頭いいですか?ウチのコロ、犬人は遊びに全集中で・・・。」
「うな?若いから遊んでるなぁ〜。ある程度歳食えば落ち着いてくるなぁ〜。頭は・・・、多分いい?ソフィアはどう思ってるのかなぁ〜?」
「フェリエットは頭いいですよ?私の勉強見てくれるし、数学は勝てる気がしないです・・・。でも、理科とかで結果を考えるのは苦手とか?」
「あんなもんやってみないと分からないものばかりだなぁ〜。紙で読むならいいけど実際は違う事もあるなぁ〜。」
神志那が色々薬品持ってきて混ぜ混ぜして出来たものが予定と違う事はよくある。計ったりしても違うし不思議だなぁ〜。神志那曰く環境による変化らしいけど、それを考えると紙と現実は全く違う。多分、紙は机上の空論だなぁ〜。
「勉強会!フェリエットさんに数学を教えてもらいたい。」
「やめとけ宗田、柔道部のお前がフェリエットさんと2人でやると襲ってるようにしか見えん。」
「でも獣人の体力とか凄いから多分俺が負けるんじゃ・・・。」
「多分お前くらいなら投げ飛ばせるなぁ〜。」
職に就いてるから片手てで振り回して投げたり多分出来る。モンスターも投げ飛ばしたり蹴り飛ばしたり出来るから人間も出来る。でも、隠してるからしたらダメ。
「「「おぉ~・・・。」」」
「そろそろ時間で〜す。」
「分かりました、体育館へ向かおう。ソフィアさんとフェリエットさんはクラスメイトに付いてきて。」
ぞろぞろと廊下に出て体育館に向かう。あの屋根は蒲鉾っぽいなぁ〜。でも、青い屋根だから腐ってる。ソフィアが迷子にならない様に手をつないで歩くけど、その周りをぞろぞろとクラスメイトが歩くので窮屈といえば窮屈。それに前が見えない。
「大丈夫です?フェリエット。」
「ソフィアが前を見てればいいなぁ〜。私はこれくらいどうって事ないなぁ〜。」
ぞろぞろと入ってクラスごとに並んで座る。校長の話は長いから面倒だと聞いたけど、ここなら寝ててもいいかなぁ〜?どうせためにならない話だろうなぁ〜。
「幸いと言えばいいのか、事故や事件に巻き込まれたなんて言う話もなく、夏休み明けにこうして皆さんと顔を合わせられた事、校長として嬉しく思います。2学期と言うのは1年生にとっては・・・。」
(フェリエット、寝ちゃダメですよ?)
(・・・、スヤァ〜。)
「3年生にとっては受験を目前とした時期で勉強に集中し、自身が持つ目標校に入れるのか?或いは成績と相談して先生と進路について話し合う重要な時期となります。それに付け加え16歳となればスィーパーとして・・・。」
(真面目に聞かないと何があるか分からないですよ?下手したら学校の秘密を話したり、急にデスゲームが始まったりするかもしれないんですよ?)
(・・・、スヤァ〜。)
「それと、今学期からウチの中学校は獣人教育のモデル校となりました。同じクラスの方は既に出会っていると思いますが、獣人の方は人と変わらない感性を持ち隣人としてそこにいます。誕生してから日はまだ浅く、ペットだった頃と付き合いも変わってきたり、自分の家でも獣人がいる方がいるかもしれません。獣人と共に勉強する、そこに偏見はないと思います。ですが、獣人に接する機会が少ない方には分からない所も多いと思いますが、共に学ぶ学生として・・・。」
(ご飯抜き・・・。)
「はっ!」
「そこー、静かにしなさいー。」
なんか見られてるけど話は終わったのかなぁ〜?耳は絶えず動かし気は抜いてないなぁ〜。回りくどい話じゃなくて端的に短く話さないのかなぁ〜。




