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街中ダンジョン  作者: フィノ


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閑話 留守番 86 挿絵あり

「お兄ちゃん、ソフィアは呪にかかった様です。ぐっ・・・! くそっ、静まれ私の腕よっ!」


「アイスが食べたいなら食べればいいだろ?冷蔵庫の取っ手に手をかけたまま変に力むから汗を掻くし、部屋の扉は閉めてくれ冷気が逃げる・・・。」


「細マッチョなお兄ちゃんには分からないのです。乙女は太る事に恐怖を覚えるのですよ!?昔の藤を見ました!真丸な熊みたいでした!今の藤になるまでにきっと途方もない努力したです!」


「藤?・・・もしかして大会で変身した藤さん?」


 両親が出かけた後、勉強を見つつソフィアと話す。何と言うか、ソフィアは好奇心の塊の様で覚えは悪くないと思うが集中力はそこまで高くない。取り敢えず外国人と言う事で国語から教えている。日常会話はまぁ、多少怪しい感じもあるけどそう言う話し方の人と言われれば納得できるレベル。


 ただ、読み書きは難しいらしく漢字とカタカナで躓きタブレットとにらめっこ。でも、ソフィアの奇妙な日本語の理由が少し分かったかな?多分、その藤って人からアニメを見せてもらったんだろう。ウチはサブスクもしているので見たいなら好きなだけ見てもいいのたが、美人な義妹をアニオタにしていいものか迷う。


「そうです!ラボであった時は細身のイケメン?風でした。でも、今になる前の姿をお父さんに見せてもらってビビったです。私は元々寒い所にいたので下手したらすぐに丸くなる・・・。」


「そう言いながら流れるように口に入れてるモノは何だ?」


「はっ!?」


  挿絵(By みてみん)


 話しながらも片手は冷凍庫をあさり、見つけられたソーダ味のアイスは身ぐるみ剥がされた後に口に放り込まれ溶けていく。太りたくないと言うのは女性共通の悩みなのだろうか?千尋は筋肉落としたくないと言っていたが、筋肉落ちれば太った事になるのたろうか?バキバキとまでは言わないが、プールなんかで見る千尋の腹筋はくびれると同時にうっすらと線が見えるし・・・。


「父さんにどこを見せられたか知らないけど、藤さんは努力して痩せたわけじゃないぞ?」


「えっ?違うですか?な、な、日本が極秘裏に開発したダイエット術?日本は太った人が少ないけどそれなら納得できるです!なら、私も好きなだけ食べても大丈夫?」


座った後に四つん這いでアイスを咥えながらズズイッと上目遣いに近寄るが、大変よろしくない格好である。特に胸元とか。ただ、このまま勉強しても効率が悪いので変身した時の動画を見せるとしよう。スマホを取り出し大会の時のアーカイブで変身時の物を再生。人気動画の一つなのか未だに再生回数は伸びてるな。


 戦いが進みその時の映像になり、光に包まれた次の瞬間には中位に至り別人と言ってもおかしくないほど外見が変化している。

未だにこの現象に対する明確な答えは出てないし本人もラボにいるので直接話を聞く機会も少ない。ただ、コレは周目の中であった事実なのである意味、太った人や顔にコンプレックスのある人には希望になっている。


「こっ!コレは凄いです!一瞬で痩せたです、私も職に就いたら出来ますか!?」


「どうだろう?職って本人次第だから就いてみないと分からないし、就いたとしても何の職が出るかは分からない。」


「それでも希望です!誘惑に負けても美味しく食べれます!」


 スマホで動画を見るから自然と身体は近寄る。そして、ソフィアはリアクションが大きい。寧ろ色々大きい。身長は俺が勝っているけど胸は母さんよりも大きいし、後ろからみるお尻はキュッと締まって小さい。はっきり言うと中学生の身体とは思えない。寧ろ大人っぽい?そんなソフィアが力説しながら俺に覆いかぶさってくる・・・。


「ちーっす!って、千尋?彼氏さん妹に迫られてるぞ〜?」


「そんなわけある・・・、あってる!?まっ!まて!そこをどけ、私の場所だ!」


「ど、何処の賊ですか!?拙者は惹かぬ媚びぬ顧みぬの精神で兄者を守るですよ!?」


「私は那由多のお、お嫁さん予定者だ!」


「さー!始まりました!那由多の伴侶の座をかけた乙女のバトル!実況は銀河系美少年の結城とその親友兼白一点那由多てす!」


「お前は面白がってないで助けろ!てか、実況に入れんな!」


「あぁ、ゴメンな。景品だったわ。」


「ちゃうわ!ソフィア、まずは俺の上からどいてくれ。」


「お、お兄ちゃんはソフィアがまも・・・、未来のお姉様ですかか?」


「その予定の佐伯 千尋と言う。君はソフィアで間違いないよな?と、言うか何であんな格好だったんだ?本当に兄を襲おうとしてたのか?」


「襲う?そんな事してないですよ?私はお兄ちゃんと藤さんが変身した動画見てお菓子食べても大丈夫と話してました。」


「おっと!ここで和解かー!嫁姑戦争バンザイ!小姑の様にいびるソフィアちゃんに俺、興味あります!」


「持つな!お前の結婚式の時に恥ずかしい過去しか話さないからな?」


「ふははははっ!それを見たお前もそこにいた事になるのだよ!」


「あっ、結城お兄ちゃんはろ〜。」


「はろ〜ソフィアちゃん。結城お兄ちゃんがお菓子を持って来たよ〜。早いけどトリック・オア・トリートって叫んだら僕がお菓子BOXをあげよう!」


「那由多お兄ちゃん悪魔です!悪魔の結城お兄ちゃんが誘惑してきます!千尋お姉様も助けてください!私は太りたくないです。」


「お兄ちゃんはいいとして、千尋はお姉様でいくのな。父さんが昔読んでた本の影響か?」


「父親が読む本なんてよく覚えてるな。」


「いや、恋愛モノとスポーツモノはあんまり読まない父さんがガッツリと少女漫画風味な小説読んでるんだぞ?どう考えても印象に残るだろ?」


「まぁ、あの司さんだしな。」


「天使の様な悪魔の笑顔〜このバスケットに溢れて〜いるよ〜。ほら、とっとこ走っておいでソフィアちゃん?大〜好きなのはポテチ、コーラ、饅頭!」


「頼む・・・、やめてくれ・・・、それにはなぜか抗えない・・・、です。」


 結城が指輪から出したお菓子のバスケットには様々なお菓子が。半分が和菓子な所をみると千尋とここに来る前に選んだのかな?水饅頭とか芋羊羹には少し心惹かれる。ソフィアは頬をゲッソリとしながらお菓子から目が離せずにいるし、一旦千尋にもちゃんと紹介するとしよう。


「2人ともそこまでだ。結城もウチの妹をそんなに誘惑しておちょくらないでくれ。」


「ウィムッシュ。お菓子は僕と千尋からのお近づきの印だよ。はいどうぞ。」


「抗う前に手中に収めてしまいました。ありがとうですお二人共。大切に食べるですよ。」


「和菓子はカロリーが低いから多少食べすぎても大丈夫だ。それに、ダイエットするなら言ってくれ。私と一緒に走ろう。」


「お姉様もありがとうです。」


「改めて黒江 ソフィアです。これからよろしくお願いします。」


「うむ、今日は服を買いに行くという話だったからファッション雑誌を持って来た。服の好みとかはあるか?まぁ、その姿を見ればなんでも似合いそうだが。」


 千尋が指輪から雑誌を何冊か取り出しながら机の上に広げていく。その指輪を羨ましそうに見ているが、俺も生まれるのが遅くソフィアと同じ様に指輪を持っていなければあんな眼差しをしていたのかもしれないな。今でこそ学校に行く時は高校生は手ブラが多い。


 逆に言えば手荷物を持つ=中学生と言う図式が成り立っている。真夏のクソ暑い中でリユックを背負わないでいいというのは背中が熱くならないのはいい。


「そんなに似合わないです。私は可愛くありません。」


「そこは司さんと一緒で自己評価低めなのな。まぁ、ソフィアがそう思っても他の人はキレイだと思ってるよ。」


「そうだぞ?日本人から見ればソフィアはモデルに見える。店員と莉菜さんの着せ替え人形にならない様にある程度選んでおくといい。」


 そんな話をして過ごし母さんの帰りを待つ。一応昼ぐらいには帰るって話だったけど中々帰ってこない。仕方なく昼食を先に食べているとLINEで夕方からでいいかとの連絡が。二人に話すとなら近場を案内しようと言う話になりソフィアに自転車を渡し俺は走ろうとするけど、今度はソフィアが自転車に乗れないらしい。


 結局夕方まで自転車の練習をしつつ公園で遊ぶ事に。かなり目立ったけどまぁ、目立っても見られても問題ないと言うしこれから一緒に住むならいいアピールになったのかな?


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― 新着の感想 ―
[一言] 自転車の乗り方を練習・教える姿は、カバーともマッチしたナイスプレーだぞお兄ちゃん。
[一言] ゲームGEのアリサファッションで攻めるしか まあ今日のイラストと比較すると胸足りんけど 和菓子はカロリー少ないけど栄養バランスは悪いから食べ過ぎ注意なのは変わらんけど >学校に行く時は高…
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