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街中ダンジョン  作者: フィノ


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388話 それぞれの気持ち 挿絵あり

「ソフィアよく聞いて欲しいんだけど私は莉菜一筋。フェリエットは元飼い猫、ポニーテールの娘は息子の彼女、短髪のは息子、そしてボブ・ショートの女性は友人で部下。ほら、ハーレムなんてなくなっただろ?」


 ハーレムを男の夢と言うが何がいいんだろう?人間関係で疲れるし女性は女性同士でいがみ合うし、男は優柔不断だしでいい所が見当たらない。逆に一夫多妻とか多夫一妻とかならまぁ、理解出来るかな?


 平たく言えば大奥だし、順番は別としてちゃんとした夫婦である。その結婚体制を取るからには取るだけの理由というものがあるんだよなぁ。例えば王族で血を絶やさない為とか、嫁入り婿入りすれば家族もろとも食うに困らないとか。男女共に人数がいれば誰かが妊娠すれば家事を分担出来る相手はいるし、狩りで怪我しても他の人に任せれば食事は出来る。持ち回りで家事をして行けば明確な休みも作れるが、最大の敵は情緒と言うか感情だよな。


 まぁ、今だと獣人ハーレムとか海外だと作ってる人はいるみたいだし、日本でも冷めた夫婦が獣人を隣人として迎えたら息を吹き返したなんて話もある。何をどう吹き返したかは別として、競う相手や気兼ねなく愚痴を言える相手がいると言うのがいいのだろうか?何だかんだで獣人は結構人の生活に馴染みつつあるし、どうにかして獣人と子供を!なんて言う人もいる。


 この前男性アイドルが獣人となら結婚すると言って物議を醸した事もあれば、50代くらいまで未婚だった女性タレントが男獣人と熱々報道されたりもした。何にせよ転換期ではあるよな?隣人として取った路線は間違いではなかったと思いたい。


「ハーレムなくなったです。でも、2号さんの夢は消えたです。」


「そんなモノは夢見なくていい。もう少し外を見て別の夢を見るように。」


「ツカサがまた新しい子を連れて来た・・・。息子の那由多君の見解としては?下手したらまた女の子増えますよ?」


「ノ、ノーコメント。俺は千尋一筋。父さんじゃないけど一途で不器用です。」


 息子の発言で千尋ちゃんが頬に手を当ててクネクネしているが、それでこそ俺の息子!真面目に仕事して誰かを愛して子供を作って家族と余生を過ごす。在り来りだが幸せとはそう言うモノで、やれ宇宙人だモンスターだ海外の敵だなんてものはない方がいい。


「てか、その子誰?やけに父さんに懐いてるみたいだけど?」


「ソフィア=リドフです。クロエとリーナに助けてもらいました。」


「そこは莉菜ね。伸ばすと外人になってしまう、リサのサの部分をなに変えるように話すといい。詳しくは話せないけど帰るのはもう少しかかると思う。莉菜は言った様に明日?」


「ええ、雪城先生にも流石にこれ以上はね。」


 グレーな雪城か。作ったスパイに言えば日本国内のスパイの居所が全て把握出来るのだろうか?いや、ミイラ取りがミイラになるな。前線に出向く人間がそんな情報を持っていたらスパイとしても送り出した人間としても気が気じゃない。いや、ワンチャン平等だから情報よこせって言って情報貰ってる?・・・、流石にないな。


 それがまかり通るなら司令官とペーペーが同じ情報を持つ事になる。それすなわち上官の不在であり、部下の不在。敗戦濃厚と分かればみんな逃げるし、下手すれば彼我の戦力差を見た瞬間に全員で白旗を揚げるまである。


 賢い選択と言えば賢い選択なのだろうが、次に再起しろと言われても無理だろうなぁ。なにせ卓上で敗走を決めたなら実物を目にしたら竦み上がるだろうし・・・。


「帰るのはいいとしてその子は?まさか連れ帰ってくるとか?」


「その予定はないけど、もしかして連れ帰って欲したかったのか?やめとけよな?この子はまだ中学生くらいだ。流石に息子が犯罪者になるのは困る。」


「冗談はよしてくれ・・・。家の中のパワーバランス的に男が俺しかいないんだよ!洗濯物干すにしても大半が女物で気を使うし、下着ドロ避けの俺の下着はそろそろ干され過ぎで擦り切れるか、日焼けで色がなくなる。」


「私が昔使っていた物を使えばいい。何なら今から私の下着を男者のトランクスにでも変えようか?」


 使い道のなくなったトランクスだが、寝る時に短パン代わりに再利用中。ブカブカで紐で多少縛らないといけないが、ダボダボで通気性もいいし元が下着と言う事で肌触りも悪くない。妻はやめろと言うが話し合いの結果、擦り切れて使えなくなったらしないと言う事で手打ちになり今も現役である。


  挿絵(By みてみん)


 疲れた時や寝室は別として下着でうろつくと目のやり場に困ると言う息子からの苦言だったが、無くなればタオル地の短パンでも買おうかな。冬は着ぐるみパジャマでサイズが変わる事なく破れるまでは使えるし。


 息子は干され過ぎてと言うが今は乾燥機で洗濯物は乾かしてるし、外干しはたまにしかしてない。生け垣があるので家の中や洗濯物は見えづらいが、周りの家もアレなのでそこまで気を使う必要性はないんだよなぁ〜。干された布を見て何が楽しいか分からないし・・・。まぁ、そう言う手合がいるのも事実なので用心するに越した事はない。実際東京では取られたし。


「駄目よ、今のがなくなったら可愛い服を着るって約束でしょう?フェリエットちゃんみたいに穴あきパンツにする?それともローレグ?」


「あれこそ尻の割れ目が丸見えだ。」


 猫人は尻尾がそんなにモサモサしてないから穴でいいのだが、犬人用は基本的にローレグ。別名ストライクパンツ。尻尾がボサボサなぶん、穴を開けるよりも下げた方がいいとこうなったらしいが、野良や外飼いの犬猫だとそもそも服を着る習慣がないので、下着の締付を嫌がる者が多いとか。


 フェリエットは割とすんなり着たが、冬場に猫服着せたりしてたからかな?まぁ、下着がなくとも女性型は長髪が大半でその髪で身体を覆っていたりするし、男型はスボンなので履くとナニが擦れて痛いと自然に履く様になる様だ。


「どうせ髪で見えないし見せびらかすものでもないでしょう?下着なんて。今だってあの下着だし。」


「アレは遥との初の合作で思い入れもあるし、着心地もいいからな。と、下着の話しはどうでもいい。そっちで変わった事はなかったか?」


「いや?なにもないよ。千尋やフェリエットもないだろ?」


「ないな。強いて言えば夏休み前の遠足目的地がギルドと言う事で、司さんに会えないかとソワソワしている男子が多い。それ以外だと人工ビーチが出来て私達が泳げるのか否かと言う議論がされているとは聞いたな。」


「そんな話あんの?初めて聞いたけど?」


「あくまで噂だからな。ただ、温泉もあるし獣人も泳いでいるし、夏の暑いさなかで海を眺めるだけと言われれば拷問だろう?周りがスィーパーなら殆どはライフセーバーにもなれるだろうしな。」


「私はないなぁ〜。ただ、毛がなくなって日焼け止めを買う奴は増えたなぁ〜。」


「確かに犬人って外で走り回るの好きですからね。昨日見た白い犬人が次の日には真っ黒なんて事も・・・。靴履いて走れる反面ずっと口開けてハァハァしてますし。」


「元々犬は暑さに強くないからなぁ・・・。獣人用に日焼け止めは入荷するとして特段変わりなしか。まぁ、引き続き警戒態勢はよろしく〜。それと、泳ぐのは好きだけど仕事中は泳がないからね?」


 そんなやり取りを終えて妻が電話を切る。後半やけにソフィアが静かだと思っていたら、ベッドの上で布団に包まり大福が出来上がっている。急に眠くなったと言うわけではないのだろうがどうしたのだろう?知らない人ばかりで疲れたか、関わりのある人間がいなくて疎外感を感じたとか?


「どうし・・・。」


「貴方ちょっと・・・。」


 妻が言いづらそうに俺を呼び部屋の外へ連れ出す。あの状態を見るにソフィアに関する事だろうがなんだろう?会話も出来るし特段変わった様子はない。飯もちゃんと食べているので腹が空いたわけでもなさそうだし、検査は高槻に依頼したので忙しい中での検査になるかもしれないが、それでも異常があればすぐに連絡してくれるだろう。


「何か問題が?」


「問題と言えば問題なんだけどね・・・。ソフィアちゃんと話してどこまで記憶があるの〜って話したんだけど・・・、朧気に覚えてるのは・・・、その、ね。母親らしい人に捨てられた所かららしいのよ・・・。」


「それは・・・。」


 ソフィアの中の冷たい記憶の部分だろうか?俺が見た記憶では生まれた頃は母親がいた。しかし、寒さがあった。次は寒さと空腹があり母親もいなかった。断片的な記憶なので途中経過は分からない。ただ、推測するなら置き去りにされたか母親が何らかの事情で帰らなかったかだろうか?父親の記憶はない。シングルマザーだったのか、それともソフィアが男性を怖がって最初から無いものにしたのかも分からない。


 なら、やはり暖かかった記憶はやはり施設のもの?当初からその予想はあった。人体実験なんて事をするなら、いなくなっても分からない様な人間を使うのではないかと。そしてその事は、ソフィアの記憶で裏付けされた。


「嫌な記憶に踏み込んでしまったか、もう少し配慮するべきだった。家族がいないのに家族と会話なんて・・・。」


「うん?違うの、問題はそこじゃないの。家族に憧れはあるみたいだけど、元から大勢で暮らしてたみたいだからそこはあんまり気にしてないの。」


「え?家族と話してて疎外感とかを感じたんだと思ってたんだけど?」


「その辺りは高槻先生とも話したんだけど、ロシアの女性って元から自立心が強いから、いないならいないでそこまで気にしないみたい。問題は貴方と言うか私と言うか・・・、簡単に話すとソフィアちゃん的には私達と暮らすって思ってたみたいなのよ・・・。」


「それはまた・・・。助けてくれる人は大勢いるし、住む所や生活は問題ないとは言ったけど・・・。」


「それで、那由多が連れて帰ってくるのかって聞いた時に司はその予定ないって言っちゃったでしょう?それで多分拗ねてるのよ。」


 さてどうしょうか?人を助けるのが難しいと言うまさに典型。生きて無事なら助かった。でも、その先は?大人なら自分で生きろと言ってもいいし、それこそ自立させるなら仕事を紹介すると言う手もある。しかし、ソフィアの場合は推定14〜15歳くらいの子供で自立させるのは厳しい。


 なら何処かに預けると言う手もあるし、事実として俺はラボか政府に預けるとしていて妻もそれに納得していた。だが、それは助けた俺達側の意見であって、助けられたソフィアからすれば知らない異国の地に亡命した上で、たらい回しにされたと感じても仕方ない。


 本人の意志を尊重するなら連れ帰るのがいいのだろうが、どうしたものかな・・・。今更俺が、クロエ=ファーストと言う人物が新しく女性を囲ったなんて噂をされても痛くも痒くもない。それかたとえ日本人でなくとも適当な弁明は出来るが、亡命しても国籍は元のままなので引き渡し要請は飛んでくるかも。


 ただ、松田はそこまで読んだのか難民条約に照らし合わせ、難民として受け入れて亡命したと言う風に書類を作っているし、永住権も許可されている。言ってしまえば海外旅行しない限り日本に永住する外国人と言う立ち位置である。


 これがまた足を引っ張りそうで簡単には探られないだろうが、そもそも見た目外国人のソフィアを囲うとなると、エマの一件もあるので『美人な女性外国人ならお近づきになれるのでは?』なんで言う話も・・・。世間の認識として女性同士で結婚していると思われているので、下手すれば光源氏計画を立てて囲ったなんて噂も・・・。


 ここが異世界とかで法律ガバガバ、戸籍なんてないし国籍も気にしないでいいなら話はややこしくないのだろうが、何をどう話を進めようとかなり厳しいところがある。逆転の手がない事もないが、どうしたものかな。この手は俺が打てる手ではなく状況証拠として打てるものだし。


「ソフィアは別として莉菜、君はソフィアがどうなるのが幸せだと思う?」


「それは・・・、本人の願いが叶うのが一番いいとは思うわよ?形はどうあれウチは一軒家で使ってない部屋もあるし、那由多が卒業して一人暮らしするって言うなら、フェリエットちゃんも入れて3人で住むにしても広いもの。でも、私が考えてる以外の問題もあるんでしょう?元々預けるって話で進めてたし。」


「・・・、ある。すべて解決出来ればかなり強引だけどどうにか出来る。」


「だったら・・・。」


「残念だけどコレは俺が頑張ればいい問題でもないんだよ。1つ目、昔のソフィアの写真を見つける必要がある。過去と今で顔が変われば他人と言い張れる。2つ目、退出時にロシアに出ない。これでロシアのゲートから入ったとは断定出来ない。3つ目、今持ってる書類は亡命申請書だけど、戸籍をでっち上げてもらって日本人とする。戸籍はどうにかなると思うけど、残りの2つは正直どうなるか分からない。特に退出はね。それに、家を出るでないにしても那由多の気持ちもある。」


 最悪ハッキングすると言う手もある。あちらの国にいい思いはないので写真データを弄るくらいで心は痛まない。だが、今出した問題を全てクリアするとソフィアの復讐は完全に潰える。当然だろう。日本人として産まれるか育ったソフィアが、急に実験体にされたと言い出しても誰も手を貸さない。


 復讐するには理由が必要で、ソフィアにはそれがあるけど証拠が全てなくなり本人も顔が変わっていれば、相手の国としては事実無根と主張してソフィアをテロリスㇳとするかも。そうなれば流石に庇いきれない。今回協力した人間全員に迷惑がかかってしまう。


 私の人生だから好きに生きさせてと言うかもしれないが、好きにした代償は本人だけではなく周りも一緒に払う事になるんだよ。出来る事の限界。事実を捻じ曲げる限界。そして、本人の気持ちの整理。どれかが駄目なら全ておじゃん。


「那由多は別として、今言った問題ってどれか分かってる事ある?」


「分かってる事?顔は多少変わってると思う。そばかすが消えたとか言ってたしね。後は連絡待ちかな?それに松田さん達がどう動いてるかわからない。下手したらソフィアの件でロシアに・・・、いや。まだ動いてないか。動きようがないし。」


 非人道的な人体実験をしていたとロシアに文句言っても内政干渉で事実無根、何なら証拠出せと言われておしまい。それを終わらせない為に証拠やらデータを集めている。表立って抗議を入れないにしても外交カードとしてはデータと本人がいればどうとでもなるしなぁ。


「ん?ちょっとごめん。電話だ。」


「分かった、私はもう一度ソフィアちゃんかどうしたいか、どうなりたいか話してみるわね。」


 部家に戻る妻を見送りつつスマホを取り出すと奏江から。調べてもらっていたゲートの件で分かった事があるのだろう。流石に5日間ぶっ続けで調べていたとは思わないが、いい知らせだと嬉しいな。


「もしもし?奏江さんおつかれさまです。何かわかりました?」


「お疲れ様ですファーストさん。色々な話がありましたよ。大人数が疎開したって事象があったからデータは多かったですね。」


「おぉ!それはまた。肝心の職に付かない未成年がゲートから一人で出たらって話はありました?」


「それが・・・、いくつかの報告があります。1つは職に付かない子供が元のゲート付近出たと言う話。これは厳密に言うと職に付いた親なんかと退出した時はそうなります。2つ目は職に付かない子供同士だけでゲートから出た場合。コレも同じく入ったゲートに出ます。」


「やはり元の場所ですか・・・。仕方ないと言えば仕方ないですが、ゲート内での迷子は防げるのかなぁ・・・。一応、そのデータは政府を通じて他の国とも共有しましょう。」


「まだ最後があるんですよ〜。コレは誘拐事件まがいの事案でしたけど、スィーパーが未成年を拐って退出ゲートを潜った話。」


「ほう、海外ですか?」


「海外です。その際子供が入ったゲート付近で指名手配かけたみたいなんですけど、実際は拐った人の入ったゲートから出て来たみたいです。詳しい検証結果とかは全く無いんですけど、そう言った事件があったと海外の小さなニュースにありました。」


「そのロリコンかショタコンはさっさと務所送りにでもしてもらうとして、その情報は正確なものですか?未成年が指輪保有者側に引っ張られたと言うのは。」


 これが事実ならソフィア退出の件に光が見える。ロシアに出ないならかなりいい追い風だ。ただ、事例が1件で全員そうか分からないと言うなが怖い所ではあるが・・・。


「部族とか自身の年齢があやふやな人っているじゃないですか。」


「まぁ、国によっては産まれたら1歳とする所もありますからね。アマゾンの奥地とか、アフリカの部族なら大体何歳ってする所も。」


「それです。文明開化しても日本とか先進国みたいに個人を管理しない所はそう言う傾向があるんですけど、どうもそう言う国では仕事の斡旋と言うか、労働人員の移動にそれを使ってるみたいなんですよ。」


「は?もしかして、子供を労働させるのにゲートで移動させてる?」


「長距離になればなるほどそうみたいです。入る時はセーフスペースに行ける人が引率して、そこから各地に送り込む的な?上昇アイテムを使えば5階層には行けますからね。ただ、かなりリスクはあると思います。」


「リスクと言うか下手したら全滅か死人が出る・・・。」


「ええ。だからと言うか子供の労働力を必要としなくなったと言うか、今はもうやってないみたいですね。子供を雇うくらいならスィーパーを雇った方が遥かに労働力としては魅力的ですし、何より浮浪者もスィーパーとしてお金を稼げるから子供には勉強させるって国が増えてます。長期的な目で見ると子供が減ればそれだけ国力が落ちますからね。」


 浮浪者が強制労働させられているのか、それとも自発的に働いているのかは知らない。ただ、海外のドキュンタリーなんかを見ると学がなく身体を壊して仕方なくホームレスやらになった人は多い様に思うし、その生活から抜け出したい人も多い様に思う。


 なら、働き口としてスィーパーが出来て、薬を飲めば身体も治るなら?答えは働くのだろうな。ゲート内でモンスターを倒せばクリスタルが、箱を見つければ金貨や銀貨が。既にどん底なら怖いものはないし、S職が出れば一発逆転も可能。


 こそに子供の労働力と言うのは旨味がない。貧弱でモンスターと戦えず、荷物運びとしても指輪で済む。1年経ってどの国もそこそこ豊かになって来たしようやく未来へと向ける目が、目の前のつらい現実から先を見る眼差しが生まれだしたのかな?


「話はわかりました。未成年は指輪所有者と退出した場合、所有者側に引っ張られる。これで間違いないですね?」


「はい!それで間違いないと思います。」


「ありがとうございます。今度何かモンスターのプログラミングを一緒にしましょうね。合作ですよ合作R・U・Rがぬるいとか楽勝なんて言うやつをボコボコにするモンスターを作りましょう。」


「うへへ・・・、合体作お願いします。・・・、共同作業・・・、子ど・・・。」


 何かトリップした様な奏江がブツブツ言っているが適当に電話を切る。ソフィア退出の件は目処が立ったので残り2つ。那由多の気持ちとソフィアの気持ちは、それぞれの考えがあるから別として松田か増田の方か。う〜ん、先に増田に連絡するかな。アガフォンとか言う奴から写真入手してるかもしれないし。


「もしもし増田さん?今大丈夫ですか?」


「ええ、こちらからも連絡を差し上げようかと思っていた所です。」


「そうなんですか?何かありました?」


「端的に言えばロシアにある実験データはほぼ消去されています。調べるなら関わった人間の頭の中を見るしかない。」


「頭蓋骨開放手術ですか?それとも記憶解体?どちらにせよ廃人には興味ありませんしレクター博士になる気はない。」


「当然です。それを海外ですれば捕まります。」


「国内ならいい理由はないですよ?話はそこで切れてしまったんたんですか?」

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― 新着の感想 ―
[一言] ソフィアは指輪無いし再誕したしゲートの個人認証的にどうなるか分からんしね まあ普通の子供より扱いが厳格な可能性は無いけど ソフィアもやって来て那由多のハーレム生活が派手になるのか来る前に独…
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