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街中ダンジョン  作者: フィノ


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353話 赤ちょうちん 挿絵あり

 披露宴は華やかに終了。余興はなかったがビール攻めはあった。まぁ、自衛隊も警察も宴会なんかでは相当飲むので、その流れでどんどん乾杯しては飲んでを繰り返していたが、ケロッとしているのは強いからではなく、途中で回復薬を挟むから。ただ、水っ腹は水っ腹なのでそこそこ辛そうではある。


 まぁ、水分をどうにかする方法って割と無いからなぁ・・・。ただ、助っ人兵藤が赤峰から水分を抜いたりしたので相当本数は飲んだのではなかろうか。そんな横で井口はお澄まし顔・・・、とはいかずお酒こそ控えているものの知り合いや古くからの友人と話している。


 別班として生活していたなら友人風の誰かが来ていたのかな?そんな闇を検索するのはナンセンスか。そんな披露宴も終わり二次会に突入。まぁ、突入と言っても数か所でやっているので順繰りに赤峰達が顔を出せたら行くと言った感じだ。


 組織に呼ばれているのもあれば、友人達と飲むと言う事もあるし俺の所は二次会と言っても雄二や卓、後はエマに望田と言うバックボーンが無い組で集まった。ただ、雄二も卓も自衛隊にしろ警察にしろ一番会う本部長なのでこっちに来ないかと言う誘いはあったとか。


 俺?そそくさと姿をくらまして誘いから逃げた。はっきり言おう、おべっかとわかっても、その力を自覚したからと言っても野郎からアプローチとかされたくないんだよ。露骨にどうこうと言うのはないがちょっと頬染めなから綺麗ですねなんて言われても嬉しくはない。


「やっぱりガード下の赤ちょうちんが楽でいい。」


 さっさと着替えてリラックスして飲み直し。流石にそのままの装いで来るのも憚られるので私服にチェンジ。ただ、それでも見られるし、適当に入った屋台の大将は大層恐縮していた。


「ですね〜、報道陣見ました?赤峰さん達撮影するのと同じくらい私達も撮影してましたよ。」


「私達と言うよりクロエだろウ。最近テレビには姿を現したカ?下手に隠れ続けると面倒だゾ?」


「公の場?最後だと卓くんとこの千葉ギルドだったかな?最近はゲート攻略にシフトチェンジしてギルド稼働は電報打つのがメインになってたしな。」


「ゲート攻略かぁ、卓行けそう?」


「まだ稼働したてで絶賛忙殺中・・・。お前から稼働当初は泣くほど忙しいしクロエさんを備品に欲しいって聞いた時は冗談半分だと思ったけど、実際あの量の書類やら仕事量を見るとな・・・。」


「だよなぁ〜。俺の時は助力で書類の山かなり消してもらったから、落成式後はかなり楽だった。」


「僕もお願いすればよかった・・・。増田さんが『当日参加ではなく前乗りしてもらえばよかった。煙の様に書類が消える様は愉快だったのに・・・。』って珍しく嘆いてたよ。」


「大将〜、塩でもも5本。増田さんも2人のギルドが安定したら一旦調整だけになるから仕事は減ると思うけど、中々酷な仕事を頼んだかなぁ〜。」


  挿絵(By みてみん)


「お代はゲート内指導を追加でもらいますって言うんで合間合間で短時間でも一緒に入ってます。僕としても増田さんの狩人は中々様になってますね。」


「なラ、先輩として私がそのうち見ないとナ。同じ職でも他人との違いは勉強になル。増田の武器は手袋と銃カ?」


「いや、銃はありますけどもう1つはボールペンみたいなスイッチですよ。多分発動条件タイミングの方が増田さん的には重要なんじゃないかな?」


 性格的にハメ殺しタイプかな?ボールペンカチカチでタイミング測りながら追い込んでいくような感じ。まぁ、一口に罠と言っても軍人であるエマと元公安である増田ではイメージが違う。


 それに最初に出た職を付け加えて本人の望みを考え出すと組み合わせは無限大。例えば生産系の狩人なら?俺がもしその組み合わせなら待ち伏せ前提でトラップハウスを作るな。そうではなく魔術師なら?罠が帯電したり土ならひたすら地中から現れて追っかける手とか?


 何気に組み合わせを考えるのは楽しい。それにダブルSには会っていないので、そんな人もいるかもしれないしね。そう言えば職は未だに確認され続けているが増えたのだろうか?


「タイミングか・・・。確かに狩人には必要なファクターだナ。何度クロエから違うと叩き込まれたカ・・・。未だに悲鳴が頭から離れなイ。」


「・・・、悲鳴ってどんな訓練されたんですか?」


「・・・、聞きたいカ?」


 エマが凄んで卓の顔を見るがゲームマラソンの事だろう?最初にやって以降、ちょくちょくホテルでもコンボを見て欲しいとか、ギミックの利用方法何かを聞いてきた。現実のトラップと違って数値化された物なのでタイミングさえ合えば繋げられる。


 その反面、敵は躊躇しないのでHPが低ければすぐに逃げるし、場合によっては遠距離から罠の設置していない場所で延々と弓を撃ってきたり魔法を飛ばしてくる。なので、複数人を相手にすると間に合わずにゲームオーバーだし、ギミックを理解して使わないとコンボを繋げてもHPは残る。


「そんなに凄まなくていいよ。ゲームをひたすらやってタイミングだったり、どこで何を使うのが最適だったりってのをおさらいしただけだからね。現実的な罠に関してはエマの方が詳しいし、私はきっかけを作ったに過ぎないよ。」


「皮を2つください。何気に雑学やゲーム、映画は馬鹿にできないですからね。エコーロケーションしろって言われてもイメージわかないですけど、ソナー画面とかコウモリの反響使って飛ぶモデル映像とかはいい仕事しました。」


「そんなバタバタやってたのが約1年前か。早い様な濃厚だった様な・・・。現在進行系で濃厚カルボナーラくらいは濃厚なんだけどね・・・。」


「奥に行ってるっすからね・・・。俺も行きたいなぁ〜、やっぱり森って面倒ですか?」


「見たら焼き払ったりなぎ倒したくなるくらいには面倒。あれなくならないかなぁ〜。山岳地帯も面倒だと思ったけど、森に比べるとかなり優しかったんだよね・・・。」


「私が思うニ、クロエはセーブしているのではないカ?もっとこウ・・・、傍若無人に振る舞えば強くなるようナ・・・。」


「それって後先考えずにひたすら突っ込んで戦うフラグだよ・・・。やるなら1人、1人ならどんな振る舞いでも傍若無人足り得ない。」


 傍若無人ねぇ・・・。ひたすら惹きつけて扇動して一切合切関係なく殺し合わせるのをふんぞり返ってみてるとか?確かにそれは楽ではあるし、自らの手も汚さないので悪い話ではないかも知れないが、なんだろう・・・。


 それをやりだしたら、やはり歯止めが効かなくなる様な気がする。モンスターだからいい。敵だからいい。なら、人が敵となった場合、それを人に使うのか?飲み込まれる訳では無いが普段からそんな振る舞いをすれば、とっさの時もそんな振る舞いをしてしまう。


 やるなら1人、それも出来ればゲート内。それに生み出す者は中々見られると厄介だしな。橘はバイトを見たし、宮藤も感づいた上で見逃している。それを考えるとバラさずにしまい込む方が今はいいかな?


「傍若無人なクロエさん・・・。」


「雄二お前は何を考えてるんだ?」


「ちょっとこう・・・、鞭でバシバシ叩いてる姿とか?」


「私は女王様か!やらないよそんな事。もっとこう・・・、山程料理を食べてるとか、樽で酒飲んでるとかでいいだろう?」


「前に家でBBQした時はかなり肉を食べたって聞きましたね・・・。」


「青山からの貰い物だけど肉に罪はない。まぁ、お代は払ったけどね。」


「おう、ここか?華のある会場ってのは。」


「お疲れ様でーす。新郎新婦が来ましたよ〜!」


 赤い暖簾が開いたと思ったら赤峰夫妻。わざわざここまで来てくれたのか。席を空けて座ってもらい食事は?と聞くがここに来るまでにかなり飲み食いして腹は大丈夫との事。しかし、誰がこの場所を連絡したのかと思えば卓がスマホをこちらに見せたので卓だろう。


「改めておめでとう。来てくれたからにはご祝儀以外にも何か渡そうかな?何がいい?ダイヤの椅子とか?」


「ゴツゴツして絶対痛いですよそれ?それに、今だと邪魔で仕方ないでしょう。」


「なら・・・、好きな魔法とか?化粧箱のお陰で渡す魔法に色が付けられるんだよね〜。必要なら相手がどの辺りにいるか大まかに分かるヤツとか作る?」


「そんな事できんのかい、相変わらず器用だねぇ。」


「でも、せっかくだからもらおうか大ちゃん。」


「これで隠れて悪い事は出来なくなったナ。」


「そうですね。ズバリ!どこまで許します?スナックとかキャバクラとか!私、気になります!」


「卓君に雄二君。ああいうのが耳年増って言うんだぞ?」


「いや、俺達もそこそこ連れてってもらったり・・・。」


 2人はそこそこ社会人としての経験を積んでいるようだ。流石にこの身体で入りづらいしホストなんてもってのほか。そんな話をしながら夜は更けていくのであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] そろそろ耐性上がりまくってアルコール向こうとかいう奴が出てくるんじゃ無いだろうか >ダイヤの椅子とか? ダイヤシリーズの防具とか 炎属性の攻撃食らうと消し炭に
[一言] 決して壊れない檻だからこそ自分を定義することが求められるのか 生み出す者といえばクロエの中に局地的な時間操作したバイト以上にヤバいのがいたような…
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