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街中ダンジョン  作者: フィノ


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336話 次へ 挿絵あり

忙しくて短いです

「犬も歩けば棒に当たる。なら、歩く私は何に当たるのかしら?破片?残骸?それとも本体かしら?」


 楽しそうに歩く中、辺りは互いに壊し合うゴミで溢れている。自らの手でモンスターを壊すのには飽きたのだろうか?眼の前に飛んできた破片を掠め取り手近なモンスターに投げ返す。思考を回し記憶を紐解き、魔女の思う様なモノをこじつけでも作り出す。


 嬉々とする魔女の楽しさが伝わってくるが、同時に人の忌避する事さえ効率的と言う言葉で塗り固めて無視を決め込む。賢者が手本と言ったが、これは反面教師だ。確かにやろうと思えば身体の痛みさえ無視してモンスターを狩り続ける事は出来る。それに最も痛いとイメージする痛みは既に妻の手によって負った。


(次に行くゲートの目星は?これ以上離れるなら合流する。そして、満足したなら変われ。)


「そうねぇ・・・。まだ歯ごたえがないから変わってあげる。合流せずとも勝手に彼等は来てるわよ?」


 確かになんか背後からジリジリと熱波が来てるんだよな・・・。気のせいとは思っていなかったが、やはり宮藤が森を焼いているのか。互いに壊し合うモンスターはどちらが倒れても問題ないのでさっさと戦わせ、自害出来るゴミはさせて出来ないゴミを引き千切る。


 服は腹の部分がまだ治りきっていないが、適当に掠めたとでも言えばいいだろう。いや、米国方式で紡ぐか。さっさと直せるなら直したほうがいい。そして、ジリジリと迫りくる熱波の方を見れば炎の巨人が・・・。前にウィッカーマンを作っていたが、あれよりもさらに大きいし熱い。


 森を焼き払いながらコチラに来ているが、あちらも合流するつもりだろう。目印は煙かな?魔女がキセルを吹いて大量の煙を出したし。魔女と賢者曰くゲートの目星は大きい木らしい。元々ゲートそのモノは小さくないし、背の高い木が多くとも上から探しても見つからないならそこだろうと言われた。


「クロエさーーん何処ですかーー!!!」


 叫ぶのはいいがモンスターがアレを見て殺到しない訳もなく、巨人は腕を振り回しながら走ってくるんだけど、巻き込むという想定はないのか?まぁ、飛べば早々巻き込まれないし煙でこちらの位置も分からないのだろう。キセルを吸い一服。そのままでもいいが辺りの煙を回収して空へ。


「ここですよー!」


「おオ、無事カ!」


「なんで行くって言ってるのに1人迷子ルートを取ろうとするんですか?おかげでこちらは猛攻を凌ぐ羽目になりましたよ。」


「背中を撃たれたり全周囲包囲殲滅線は嫌でしょう?私だってかなり数は減らしたんですよ?それで、合流するからにはゲートが発見出来たんですか?」


「いえ全く。猛攻のせいで調査どころではないてすからね。おかげで使いたくない砲撃ストックを使う羽目になりましたよ。クロエの方はなにかありましたか?」


「いや何も無い。ただ、闇雲でも悪いから目星をつけるとするなら、大樹になるんじゃないかとは思いますね。」


「大樹?あの大きな木カ?なにか根拠はあるのカ?木に近寄ればそれだけモンスターがいるかもしれないガ。」


「ゲートその物は小さいものじゃない。上から見回しても分からないなら木に取り込まれかけてる可能性がある。」


 ゲートを固定する物は何でもいいし、上では半分埋まっている様なゲートもあった。流石に空中に飛んでいる物は見なかったが、状況次第では飛んでいてもおかしくない。そう考えると、木に取り込まれる様に固定されているか、下手したら木の上にあるのかも。流石に横倒しで落とし穴の様になっているとは思いたくないが、それでも機能するので飛行高度を上げて、そこだけポカリと空白地帯があるならゲートがある可能性がある。


「確かに木は鑑定しても木としか出ませんからね。行ってみる価値はあるでしょう。宮藤くん、大樹に向かいますが燃やし尽くせますか?」


「大丈夫ですけど、どの大樹ですか?」


 確かにそれは聞きたくなるな。大樹と言っても無数にあるし合流してまた散開するのも効率が悪い。なら、ここはエマに頼るか。発見が使えるならどれかしら反応してくれるかもしれないし。


「エマ、どれかしらそれらしいと直感で来る物はないですか?ハズレてもいいですが、発見があるならどれかしらそれっぽいモノを探せるでしょう?」


「う〜ン・・・、気になるのは左側の大樹。そこまでの高さはないガ、アレが1番気になりはすル。」


 エマの言う大樹へ集団で向かう。地上は宮藤が焼いてくれるので、それを3人で抑えながら途中にある大樹もそれとなく調べ突き進む。大樹に成ればなるほど何かの残骸を巻き込んだ様な物や、壊れたのか起動していない様なゲートの様な物もある。


  挿絵(By みてみん)


 モンスターが邪魔をしなければ回収したいが、指輪に収納しようとしても反応しないので多分、何かしらの拒否反応か持ち帰れない理由があるのだろう。ただ、そんな事を考えている暇はない。


「本当にちょこまかと面倒ダ!空飛ぶモンスターなど小型化するナ!」


「下が大群なら上も蜂の巣を突付いた様に飛んでくる!米国で橘さんが倒した様な母艦型がいるんじゃありません!?」


「私も見つけられたら撃ち落としてますよ!溶かされない分マシだと思ってください!」


 大きさ的にはスズメバチを少し大きく・・・、10cm程度にした物だが、高圧縮レーザーに背中の羽根は羽ばたく為のもののではなくすれ違いざまにこちらを刻む物!誰も彼も致命傷は避けているが、エマは血はながれ傷ついているし、橘のスーツも接触箇所には深い傷が刻まれる。


「全部落とします。揺蕩う煙は毒の味、羽虫が死ぬは道理かな。忌避する煙に飛び込めば、たちまち命は刈り取られる。」


 ハチに見えるならそれに作り変える。毒は賢者が見せた。なら、それは確かに作れる。出し惜しむ気はない。安全装置としているなら少しでも安全な策を取る。


「うぷっ・・・。やるなら一拍置いて下さい。その魔法は酷く気持ち悪い。」


「無理でしょう、今鑑定を切れば橘さんは死ぬ。我慢なさい。」


「私達は吸っても大丈夫カ?」


「大丈夫です。そう作りましたから。」


 モンスターが毒でどう損傷するかは知らない。だが、ハチなら落ちれば朽ち果てる。それが道理だから。それに、下は下で宮藤が焼いているので死骸も残らずクリスタルになるだろうな。何時か賢者に言われた吐くなの言葉を橘に送り、エマの指定した大樹へ到達し地上へ。


 彼女の発見は精度がいいらしい。次へ進むゲート、それは確かにそこにあった。大樹に巻き込まれるように固定され、淡い光を放ち幻想的な光景を見せてくる。ただ、1つ言うならゆっくり眺める暇はなく、降りる前にあらかたモンスターを倒したとは言えすぐに集まってくるという事だ。


  挿絵(By みてみん)


「あれが次へのゲートで間違いないナ。退出の文字は見当たらない。」


「そうでしょうね。ゆっくり出来るなら眺めて写真でも撮りたいですが・・・、フェムの映像で我慢しましょう。」


「悠長に話している暇はありません!さっさと行きますよ!」



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― 新着の感想 ―
[一言] そういえば吐いたら何も無いが溢れるとかそんな感じで最低地球消滅させるんだった
[一言] 奥に進ませないのが目的じゃないから変なギミックは無いだろうし 木に引っかかって樹冠近辺にあるとかの可能性はあっても モンスターがゲートに触れるのならモンスターが移動させたとか飲み込んだとかあ…
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