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街中ダンジョン  作者: フィノ


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321話 晩餐 挿絵あり

「先ずは乾杯!」


「あァ、再会を祝して乾杯!」


  挿絵(By みてみん)


 グラスが合わさり甲高い音が部屋に響く。久々の再会だが、考えてみれば半年も経っていない。それでも久しいと感じるのはそれだけ過ごした時間が濃密だったからだろう。ただ、帰って以降の騒動を考えると無事に再会出来た事は素直に嬉しい。下手すればガーディアン迎撃要員なんかにされてもおかしくないからな。


 流石に下手に使い潰すとは思えないが、それでも出来る人間が・・・、可能性のある人間が1人だけだとするなら、その人に願わずにはいられないし、本職が軍人である事を鑑みればそう言う扱いでもおかしくない。


 エマはビールを俺はウィスキーを飲み、気を利かせてくれたのかルームサービスで頼んた料理はどれも大盛りで用意してくれた。いや、大食いな事は分かりきっているので、運ぶ手間を考えたなら注文した物の量を増やせば追加がないと思ったのかな?


「しかシ、次から次へと面倒事が舞い込むナ。あの獣人と言うのはツカサがオーダーしたんじゃないのカ?」


「まさか、私はあんなモノ頼んでない。神志那さん何かと話し合って、ゲートに最多で入ったであろう動物を人型にする事によってサポーターとしたのでは?と、言う意見を回答とした。寧ろ、それ以上に獣が人型になる理由が見当たらない。」


「そうカ、確かに米国でも避難時にペットを持ち込む者は多くあっタ。笑い話をするなラ、本人の生活用品よりもドッグフードの方が多いなんて事もナ。」


「笑えない冗談だな。人はドッグフードを食えるが、それが旨いとは思わない。猫は完全肉食なのにヴィーガン食を与えるのは虐待。なら、ゲート内で馬を潰して食べさせた方がまだ、全員笑顔になれる。」


「全くダ。それだけでも大変なのニ、個人の権利を叫ぶ連中ヤ、肥って動けないやつも沢山いたと聞ク。中には『入って出た後の健康被害はどこに訴えればいい?』なんてヤツもナ。まァ、私はそちら側に回らずに別の仕事をしていたガ。」


「別の仕事?」


「邪魔者を叩いて潰していタ。そう言えバ、私も1人至らせたゾ!」


「おぉ~って、前に悩んでるって言ってた人?解決した?」


「うム、やはり至った直後より日を重ねた方が安定すル。ついでに言えバ、米軍で採用するパワートドスーツも決定したガ・・・、橘は本当に人間でいいんだよナ?最新の動画では大型ロボになっていたガ・・・。」


「人間人間。触れ込みを信じるなら宇宙開発用の作業ロボット。アレでスペースデブリも焼き払えるでしょう?」


 最新の配信で大型ロボを操る橘もしっかり流れてるよ!政府がヤケクソなのか、はたまた増田がイラッとして流したのかは分からないが、隠蔽して後から情報出すよりはあそこで姿を見せてゲート攻略用の装備とした方が多分反発は少ない。


 どうせパワードスーツ買って帰った所も弄くり回したり、自国での生産ラインを構築してるだろうから文句も言えないだろうしねぇ。実際米軍は正式採用パワードスーツが完成したみたいだし、何ならフライングで画像もらったし。


 マイナーチェンジはいくらでもするだろうが、ワンオフの橘式を作れるかは分からない。寧ろ、橘式よりもより良いものが今も何処かで産声を上げているかもしれないな。なんたって出土品は平等にどの国も持ってるんだし。まぁ、その中で弄り回せるものを手元に置けるかは別の話だが・・・。


「宇宙開発・・・。米国ハ・・・、NASAはJAXAと協力する事で妥結しタ。オフレコだガ、近い内に正式な共同研究体制を取ル。」


「米国も交渉権に噛む気ですね。どうせ宇宙行っても会えないけど。分かりきった事だけど、宇宙を目指すのと交渉権を行使できるのはイコールじゃない。配信でも歓迎されてないっぷりがわかるでしょう?」


「分かるサ。宇宙ヤンキーに首を締め上げられている所を見ればナ。だガ、それでも万能かもしれないものがいれば願わずにはいられないだろウ?蘇生薬は見つからないガ、仮に教会にでも置かれれば神の家は息を吹き返ス。」


 教会に蘇生薬。ドラクエかな?或いはガチ聖杯?何にせよ命を操れるなら権威は息を吹き返し、使わずにいればある程度はその復権状態で過ごせる。ただ、それも何れ何処かで使う事を強要されるし、誰に使うかで喧嘩しだす。そう、1本しか無い薬を誰に使うのか?なら、本数を増やして100本なら?更に倍プッシュで千本なら?


「見つかったら即座に叩き壊すか、すぐさま使う事を発見者に進めるよ。そうでもしないとウザいだろうし、寄付なんかすればそれで戦争が始まる。」


「だろうナ。発見者が秘密裏に隠し持つ方がいイ。それニ、今米国の教会はフル武装でゲートに突貫する毎日だそうダ。」


「あー、テレビで見た武装教会?信じて救われずに飯が来ないなら、そりゃぁ取りに行くだろうね。何せ目の前には食感さえ目を瞑れば食えるものが山ほどある。」


「あァ、願ってばかりいる事に飽きて動く事を思い出したらしイ。そう言えバ、ツカサは権力を欲するカ?」


「イラね。なに?エマは大佐から昇進して少将閣下にでもなるの?先に言っとくけどギルマスやるだけで大変だから・・・、いや。構築されたシステムの中で昇進するなら、既に周囲は必要なサポートが分かっている。なら、仕事の責任は大きくなるとしても、責任転嫁先もあれば自身より階級が上の人間が指示したとして言い逃れも出来る・・・。」


 実際係長が課長に昇進したとして、会社なら前任からの引き継ぎもあれば、自身が係長時代に上司の仕事をサポートしてある程度の仕事は分かっている・・・、はず!まぁ、下手な会社だとオブザーバーが出て来て前任者と意見が違えば180度の方向転換なんかもあるが・・・、よそう。前勤めてた会社がそのタイプだったし・・・。


「待て待テ。私は昇進なんかしていなイ。同僚と話の流れでそんな事を話したと思い出しただけダ。そう言えバ、ガーディアンは・・・、誰の持ち物なのダ?」


 確信を持って聞いてくるか。多分米国でも耳のいい職か、何か洞察力やらに優れた人が出たかな?日本でもその辺りで交渉材料あるんじゃない?と疑われたし、他の国がそこに言及して来ないのは、多分増田達が頑張ってるから。ん〜、どうするかなぁ〜。話すとややこしくなりそうだが、話さない事には始まらないしなぁ・・・。


「黙秘・・・と、したいですが流石にそれは納得しないでしょう。賢者ですよ賢者。ゲートと職。この関係を考えた事ある?」


「無いと言えば嘘になル。しかシ、職はゲートで得られるならソーツが用意したものではないのカ?」


「違う。職とソーツは全くの別物で関係を考えると・・・、職の方が格上。だから私達はモンスターと戦えるし、奥のチートじみた化け物も狩れる。仮に同じ存在が作ったものなら、職も仕事の依頼もいらなくなるだろ?」


「それハ・・・、まァ。エイリアンが多数いるのは分かっていたガ・・・。まテ。その情報は何処から得タ?職が格上なのは分かっタ、ツカサがEXTRA賢者である事も公表されていル。しかシ、その情報の出所は結局何処かはぐらかしているだろウ?」


 目聡い。前ならこれで突っ込っんで来ずに丸め込またのに、その程度の情報では動じなくなっているのかな?しかし、魔女を明かすか職に人格のようなものがある事を明かすか、さてどうしよう?前に増田と話し合った時も頭を痛めた問題だが、そうそう公表して回りたいわけでもないしなぁ〜・・・。ただ、魔女を明かして預言者風にすれば丸く収まる?


 ウチの魔女とは違うが本来魔女とは、巫女であり薬師であり森の賢人的な存在である。そして、占星術やら荷物詳しく訪ねていけばある程度は指標もくれる・・・、あれ?ウチの魔女も似た様なものだから一緒なのか?俺は箒で空は飛ばないけど。


  挿絵(By みてみん)


「そのうち分かる事だから話そうか。私の第2職に就いて。」


「第2職・・・、やはり賢者以外にも就いていたカ。ウィルソンがそのことを話していたガ、これで確証が持てル。それデ、貴女の職は何ですカ?」


「私の第2職はEXTRA魔女。交渉権を欲するらなら、ダブルEXTRAとなってかかってきなさいってとこかな?」



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[一言] 橘は秘密裏に改造済みだったりして そういや他のEXTRAも人格搭載の可能性有りだっけ 人格が正気であるかはさておき
[一言] ペテン師の口が火を拭いてる
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