表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
街中ダンジョン  作者: フィノ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

400/878

318話 森林について 挿絵あり

 52階層へ行って数日。動画の方はネットにアップされて反響を呼んでいる。と、言うのもどの国も奥が変わらない地形だと思っていたのか森林地帯に成ったせいで、それに対する対策を考えているらしい。らしいというのは優先度の問題で先ずは上層攻略が念頭にあるから。


 変な言い方になるが、そこに行くまでが今の問題でそこに行ってからの問題は後回しになっている。まぁ、仕方のない事だが行けないのなら後回しで仕方ない。だが、いずれは到達するので無視もできず考えるだけ考えている状態。


 そんな中で元気よく息を吹き返したのが植物学者。木にしろ草にしろ新しい素材として研究したい人は多く、斎藤達に渡した木片や草をサンプルとして欲しがる問い合わせが多い。そこそこ採取はしたが全員に行き渡るわけもなく、そうなると次はいつ行くのか問題も浮上。ただ、こちらとしても1人で行くのはやめて欲しいと政府から言われているし、ギルド運営も忙しい。


 マンパワーはあるよ?人は多いし疎開でスィーパーは増えたし。ただ人命優先なのでピラミッド化は否めず、文字通り強い人が先に行く、出来る人にお願いすると言う風潮は強い。究極的に言ってスタンピードが発生しない限りは命を捨てる必要性はないのでどこを旅しようと本人達の自由。上層とは言えかなりモンスターを狩っているので、スタンピード発生までの猶予を考えると拮抗とまでは言わないまでもそこそこ遅らせているのでは?


 中層にも足は踏み入れたし、戦った感じ強い人なら到達するだけしてしてしまって後は考えるなんて事も出来るのだろうが、その強い人にとっても36階層のセーフスペース以降は鬼門なので、大量に人を送り込むと言うなら、何らかの方針を示さないといけないたまろう。


 流石に待ち伏せやら高速追尾してくるモンスターがいると分かっているのに、政府の命令だからと軍人でも簡単には行きたくない。そんな行きたくない軍人もまた、いかないなら鍛えろと言われるらしく、海外の特殊部隊を報道した記事ではゲート内での訓練が主になり、対人から対モンスターへどんどんシフトチェンジしている。


 ここでファインプレーとでも言えばいいのか、お金欲しさにやった物販が結構効果を示した。と、言うのも要人が大多数来てお買い物してくれたおかげでパワードスーツ基礎理論的なものと、それに付随した技術が発展しだした。


 元々ロボット分野や義手等の医療分野は遠い様で近く、序に橘を散々サイボーグと言ったせいでウチでもサイボーグ作ろうぜ!的な動きも見える。100%のロボットでは職に就けないだろうが、最低でも脳さえあれば職に就ける的な?


 流石に個人では試せないし、ロボコップは結構グロい映画なので新作は別として旧作はウケないだろうが、職に就くと言うイメージだけを言うなら、割と脳さえあれば後はどうにかなるんじゃない?と言うイメージはある・・・。いや、ゲートに最初に入った時もあった。何なら攻殻機動隊とか好きで見てたし・・・。


 つまりサイボーグを義体と考えれば分かりやすいし、最終的に人と判別するパーツが生の脳であるとすればいい。なので、フェムはロボットでいいのだろう。橘が帰ってきた時にいたメンバーは全員で生暖かい目を送ったが・・・。


 しっかし、そのうち橘も永遠を目指して人形になったりしないよな?サイボーグと言っていた人間が本当にサイボーグになったらそれはそれで笑いの種ではあるが・・・、その場合正式に藤王国の住人になってしまいそうだ。ただ、ここまで来ると不老や不死の薬の価値が揺らぎそうだな。


 生身である事を望むならその薬は有用なのだろうが、子孫がいるか否かを考えてそれ以外に目を向けた時、生きるだけならいろいろな形ができてくるのかもしれないな。まぁ、動ける動けないという問題やら、今度は死亡判定どうする?問題が出てきそうだが。


「しかし、奥がジャングルとは思いませんでしたね。暑くはないんでしょうが探検隊セットどっかで買ってこようかな?ツカサもいります?」


  挿絵(By みてみん)


 カタカタとPCで事務作業をしていると、一息つこうと望田がコーヒーを入れてくれたので一旦ブレイク。作業自体は結構進んだし内容的にも獣人関係がそこそこ落ち着いてきたので、仕事量は少し減った。見目麗しい獣人と言う事でテレビ局がアイドルにしようと動いているようだが、歌と踊りって動物からすると求愛行動なんじゃ・・・。


 下地があると考えれば無理ではないのだろうが、それを芸能として仕事に出来るかは分からないな。そもそも同居人やらのパートナー誰問題や、そのパートナーとの関係はどうなの問題もあるし。


 う〜ん・・・、昔からアイドルはトイレにも行かなければ、みんな引退するまでは恋人もいないなんて幻想があったし、今でも彼氏彼女がいたら裏切られたやら、結婚したら誰々ロスなんて言葉があったが、最初から家族或いはパートナーと同居してたら割り切れるのだろうか?


「よく思うんだけど、探検隊の格好で短パン履くのは間違いだよね〜。毒虫が怖いとか毒草が怖いって言う割に足を露出するとか矛盾しか無い。」


「でも、短パンの方が涼しくありません?先住民とか腰蓑ですよ?」


「先住民はそこで暮らして長いから耐性があったり、虫除けの泥を塗ってたりして工夫してるよ。第二次世界大戦でも南方戦線て日本軍を苦しめたのは暑さに毒虫に兵站のなさ。インパール作戦とか未だに無謀って言われるしね。」


  挿絵(By みてみん)


「だから撤退判断は早かったと?実際私もそのうち行くとしてパワードスーツ買おうかなぁ〜。山岳地帯よりも歩きづらそうだし、生身で木の上とか進むと考えるとどうしても欲しくなってきますね。」


「必要だと思うなら買うといいんじゃない?私なんかジャングルにゴスロリで行ったし配信見れば分かるけど、格好は中々カオスだったよ・・・。」


「う〜ん、私は飛行ユニットだけでもいいかもしれませんね。アレって結構早いんですよね?」


「橘さん曰くマッハの世界を旅できるし、ビームや実弾も避けられる。ただ、練習は必要なんじゃないの?しなかったら危ないし。まぁ、カオリの場合音でどうにかなるから多少無茶は効くのかな?」


「聞きますけど森だと反響して効きが悪いかもしれませんね。映像見るだけでモンスターがいないなら、太古の森って感じでキャンプとか楽しそうですけど。」


「次のセーフスペース次第かな?多分、次のセーフスペースは森になってるんじゃない?住むならそこの木の上にログハウスとか作って秘密基地風にしたいなぁ〜。」


 寝相が悪かったら転がり落ちそうだけど、落ちたら死ぬわけでもないしいいかな?上のセーフスペースは殺風景過ぎて嫌だけど、下ならまだ森暮らしと取れるし。そのうち住む階層次第では森の魔女とか言われたり・・・、よそう。いつになるか分からない話を考えてると悲しくなるし・・・。


 ただ、6階層のセーフスペースにはそこそこ人が住んでいるらしいので、そこが満タンになれば次の階層を新天地としてまた旅が始まるのかも。空の上もゲートの中も住む所には当分困らなさそうだ。


「獣人達は好きそうですけどね、そんな所で生活するの。職に就ける様になったら、どんどん人の分布が広がりそうですね。」


「この前見たけど宇宙エレベーターの試作品はあったよ?斎藤さん達が頭抱えながら作ってたし、久々に会った遥はいい様に使い回されてたな。まぁその件で抗議いれるのも、やるのも自由とは言っけどね。」


 自由とは言ったけど案件内容がなぁ〜・・・。宇宙に目を向ける人は増えたし、それに伴って宇宙開発叫びだしたしでやらない訳にもいかないんだろうな。東京に出張したらその部分でも話はあるといっていたし、政府からの交渉内容での話もあるらしい。


 それとなく聞いたが、何やらかなり先の事を材料が減る前に話て欲しいとか。確かに材料自体無限に湧き出るわけではないので、優先事項を決めようと言った所か。しかし、それを日本だけで決める訳にもいかず国際会議で話し合っている。


 どの国がどんな案を持ってくるかは流石に分からないし、自国だけの利益を叫ぶ訳にもいかないので、互いに牽制し合ってる状態らしいが、最優先で取り付ける約束は太陽が膨張したり、太陽風でヤバいダメージを負いそうな時にどうにか逃がしてもらえないかと言う事。


 転ばぬ先の杖だが、未来を見ての行動なら理解は出来る。まぁ、それが何億年先だとしてもだ。ただ、ある意味傲慢でもあるよな。それ程の時が経とうとも人類はいるし地球の支配者であると言っているのだから。


 ただ、職に就いた人が獣に・・・、例えばヒョウやライオンに負けるのか?と、問われれば解答は負ける訳はないになるだろう。やったらだめだろうが、飛びかかるライオンを避けてボディブローを余裕で入れられるし、サメが噛み付こうと襲ってきても逆パカ出来る。


「それで、出張の日取りは決まったんですか?」


「今の所5月頭から長くて1週間。落成式と会議ばかりで嫌になる。」


「まぁ、最近の配信は無視できないものが・・・、スタートから無視できる物はありませんでしたね。たまには何かを本当にくだらない配信とかします?」


「くだらないって、何する?2人で漫才とか?」


「芸名考えたらありですね。音叉望田とメイガスクロエとか?コンビ名はゲートバスターズとかで。」


「ボケけてツッコミ入れられたら、姿消していなくなろうかな。リアルドロンとかで。」


「2人して暇そうだなぁ〜。私が働いてるのに理不尽だなぁ〜。」


 ブレイクしているとフェリエットが来た。ウェイトレスは継続し、預かる獣人達からも働くリーダー的な扱いとなっているので、そこそこ他の獣人達も言う事は聞いてくれるし、残念な事にパートナーのいなくなった獣人達はそのままギルドで起用しているので、働き方やらタブレットの扱いも教えている。


 猫は特にボスなんて決めないし、餌が不足する様な地域というか、家猫なので飯を食おうと思えば帰ってくればいい。そんなフェリエットが獣人になる前にバイトを従えてウロウロしていたせいで一目置かれていた。まぁ、なので自然と上下関係は出来たのかな?


 今も俺の所の獣人と言う事で変に一目置かれてるし。ただ、フェリエット経由で俺の所にプレゼントを運ばせるのはやめて欲しい。服に結構無頓着と言う話が何処からか漏れたのか、或いは妻や望田、柊が勧める服を着ていたせいか妙に服が送られてくる。


 ただ、俺の所に来る前に妻の監査があるので変な服はないだろう。風の噂では青山の持ってくる服は評価できるらしい。ただ、なんとかコレクションとかの明らかに普段着では無いだろう服も持ってくるらしいので、審査は厳しくなるとか。


「私達も仕事して今ブレイク。なにか用事?問題事は注文してないぞ?」


「メガネが呼んでたなぁ〜。」


「いや、どの眼鏡だよ?名前を覚えろ名前を。」


 覚える気がないのかそれとも見分けがつかないのか?いや、見分けは付いている。前に獣人の事を調べた時に、人についての認識力テストをして写真を見て名前と顔を合わせる事は出来たし、犬人も猫人もパートナーや家族が誰か分かっていて、帰りに迎えに来ると嬉しそうにその人を見つける。


「こうじ〜だなぁ〜。」


「あぁ、神志那さんか。何かな?木片くれって言うから渡したけど何かあったかな?」


「あの木片も貴重な研究材料ですからね。靴とかと持って行かれたんでしたっけ?」


「溝に土が付着してるなら、そこから成分分析できるかもってね。危うく服まで毟り取られる所だった。まぁ、バイオハザードが怖いらしいから渡したけどね。」


 森と言う事で虫やらウイルスが怖いらしい。いないとは思うが、確証はないので大人しく渡したが未だに帰ってこない。流石にクローン騒ぎがあったから行方不明ではないと思うが・・・。ただ、結果は早々に出てウイルスも虫もいないとか。ゲートの中は無菌室状態で人が持ち込もうと繁殖しないらしい。


 なので、精密機器メーカーは工場建設に躍起になっている。ラボの事は秘密だが、ゲートに住んでみた等の動画もアップされているので、後は人材をどうやって確保するかと建材をどうするかとか?


 初期に箱の回収を指示したが、ドッグタグ用の箱はかなりの量があるし、最近では個人販売路線が主流になりつつある。一応、ギルドでも買い取りはしているが、価格は金貨1枚なのでそれより多少色を付ける企業に流れている。


 建物が大き過ぎなければ、企業も建設できる分は確保してるんじゃないかな?まぁ、その後に装飾師雇って固定処理してもらわないと搬入した機材はもれなく消えてなくなるのだが・・・。


「呼ばれて来ましたよって、少しは片付けてくださいね?仕事場件私室にするのはいいですが、流石に下着が落ちていたら相手も気後れする。」


  挿絵(By みてみん)


 部屋に入ると乱雑に置かれた品物の山。スクリプターではないがオカルトに就いたので記憶力は悪くない。寧ろ、謎解き方面には更に強くなった。真っ白なパズルを1回見ただけで間違いなく完成出来るのだから中々だろう。


「オッスオッス、わざわざ来てもらってゴメンネ。私の下着に欲情するのはかなり奇特な人だから大丈夫!来てもらったのはちょいと私も出張依頼が来たからなのさ。」


「出張依頼?どこからですか?」


「ラボ!斎藤っちが鉢植えとか木片で話したいんだって。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
評価、感想、ブックマークお願いします
― 新着の感想 ―
[一言] 獣人はバイトのヤバさ分かるのかな?
[一言] >歌と踊りって動物からすると求愛行動なんじゃ 女性獣人にとって男性アイドルは公開求愛してることに? そいえば少なくとも犬は人間の言葉とそれからのイメージが高確率で一致するっぽいって研究結果…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ