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街中ダンジョン  作者: フィノ


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305話 どうにか生き残った 挿絵あり

「サイズはダンプカーで台数は5台。横に3台、その後ろに2台並んでる。時速は・・・、120km/h。飛び出し注意だな、脇見で飛び出したから俊敏で処理して父さんが最初に気付いたけど、行動は1回。」


「急ぐと言う事でクラウチングスタート姿勢で走り出そうとするけど、トラックに驚いて足がもつれてるな。判定は?」


「失敗。父さんは引かれて・・・。」


「ないぞ?失敗してコケたならそのままダンプの下でうずくまる。身体のサイズ指定がないから原寸大としてダンプの車輪分の幅はあるからそれでやり過ごす。」


「流れる様に回避行動取るな。他の3人、異論は?無いなら次は加奈子だけど?コケた父さんを見たと言うか、ダンプが迫ってる。助け起こそうとするなら加奈子は轢かれるな。」


「なら、私は俊敏の回避行動で対抗します。7あるならそこまで低い数値じゃないでしょう。」


「わかった、サイコロ振って6以上なら成功。失敗したらクローンナンバーを増やす。」


「あっ!4だ・・・。」


「加奈子は轢かれました。クローンナンバーが増えて次の加奈子がトラックが通り過ぎたら送られてくる。」


「最後は千尋。父さんは寝てる。加奈子はミンチ。さて、それを見た千尋は?」


(ミュータント能力アドレナリンを使用。誰も見てないならいいだろう。一瞬使うからデメリットを小さくして欲しい。)


(ふむ、サイコロでデメリットターンを決めるが・・・、1ターン、次の行動時敏捷がマイナス1な。)


「とっさに飛び退いて車両の間に入る。見てからの回避余裕でした。完璧な市民ならこの程度余裕でしょう。」


「はいはい、じゃあ走ってるとして次の加奈子が来たな。」


「前の加奈子はダンプカー程度を避けられない愚物でした。次の加奈子はもっと上手に動くでしょう。って、これ死んだら毎回自己批判やるんですか?」


「やるぞ?このゲームでは定番だしな。それと、次の加奈子だから幸福薬の効果は切れてる。まともな指示が出せるな。」


「なら次は最後尾を走ります。次の加奈子で他な2人よりも一歩遅れてるでしょう。先頭はツカサさん?」


「いや、父さんはコケたから先に千尋が走ってる。次は・・・、ビルが爆発して倒壊して来たな。4階建てで人も落ちてきてるから皆敏捷はマイナス1。ビルの大きさ的には全力で走ってるから走り抜けられればギリギリ回避できる。じゃあ、千尋から。行動は2回な。」


「私か。」


(敏捷が4だからサイコロ振っても成功率は悪いし、かと言ってアドレナリンの再使用は更にマイナス補正を貰う。いや、先頭を走っているならビル爆破に気付いたはずだ。)


「先頭を走っているなら爆破に気づいたはずだ。スライディングですべてやり過ごす。姿勢も低いから人と瓦礫には当たらないだろうし、トラックを避けられるくらい反応速度がいいなら十分避けられるだろう。」


「なら、幸運の代わりにあつかましさで振ってもらおう。5以上なら成功な。」


「なっ!2か・・・。」


「スライディングして街灯にぶち当たって気絶したな。先に父さんはどうする?」


「完璧な市民はコケた事を気にしない!落下物を人含めて押しのけながら突っ走る!」


「なら、筋力と俊敏の合計値が13だから5回サイコロ振って3回5以上なら無傷。2回ならダメージ、それ以下は死亡な。」


「さて出目は・・・。駄目だ、腐ってやがる。初っ端ファンブル・・・。」


「大丈夫です、後4回ありますよ?」


「いや、致命的な失敗だから死亡。父さんは瓦礫と人の山の中に埋もれて、ついでに大爆発したから千尋諸共死亡した。加奈子は最後尾だからダメージ1とホコリ被ったけどビルの倒壊からは逃げられた。」


「走りながらホコリを払い落として清潔にします。うっ、また私が先頭か・・・。いや、クローンはすぐに到着するんですよね?なら、俊敏が高いツカサさんを先行させます。」


「前のツカサは瓦礫程度を避けられない無能でしたが、次のツカサは難なくやってのけるでしょう。」


「前の千尋は気絶なんてする愚か者でしたが、次の千尋は頑丈で自爆なんてしないでしょう。後7つか。ツカサさん先頭走りますか?」


「殺意の波動に目覚めた息子を受け止めてやろう。先頭は私として後続は?」


「最後尾を私にします。リーダーですから皆を見守る義務がありますからね。転送装置の場所はみんな知ってるって事でいいんですよね?」


「いいぞ。これでみんな幸運薬の効果は切れたし、プロパガンダもなくなった。本当なら千尋がコミーレベル1になるけど、今回はなしにによう。」


「コミーレベルなんて上げたくないからいいぞ。」


「では次、このまま走り続けるか?LINEで行動を送ってくれ。」


「「「了解。」」」


「父さんは立ち止まって周囲の確認。千尋は走りながら周囲確認。加奈子は突っ走るか。判定として加奈子は上位者様の道に入り込んで階級違反で射殺。千尋は対抗ロールで父さんは違反を回避した。」


「那由多がクローンを減らしに来てやがる・・・。加奈子が生き残る道は?確定死亡はキツイよ。撃って来たのは何人?」


「2人だな。言い訳するなら聞こう。内容で対抗ロール判定するかも。」


「なら、僕が。ビル倒壊で道が見えませんでした!ただ、お二人が落としたお金を拾って守りましたので、わざわざ来てもらわずに返す為にこうして馳せ参じたのであります!」


「ふむ・・・、額は?」


「それぞれに2000円で。」 


「なら、あつかましさで振るか。補正としてプラス2。8だから2回振って両方2以上で成功な。」


「成功!完璧で幸福な市民には簡単な行動でした。結城君ありがとう。さてと、立ち止まったツカサさんをまた先頭にして走ります・・・。」



________________________

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「やっと工場か・・・。私が残基4、千尋ちゃんが残基3,加奈子ちゃんが残基2。結構持ってかれたな・・・。」


「り、理不尽です・・・。なんで装置目前でマンホール踏んだらボッシュートされるんですか・・・。しかも爆発してこんがり上手に焼けました。」


「私はまた巻き添えで、加奈子が落下中に出た火花で爆発したマンホールの蓋が直撃した。」


「それを言うなら、私もとっさに物陰に隠れたけど飛んできた汚水で火傷してHP1削られたよ。まぁ、9回の理不尽でロストしなかったから良しとしよう。場所は工場の前?」


「ああ、見た感じ工場は2階建てで入口に人は見当たらない。代わりに敷地内をロードローラーが行き来してて、たまに赤いシミが見えるな。」


「相変わらず殺意が高い。」


(加奈子、ここで清潔係に指示してくれ。ツカサさんの残機を削ろう。ワタシたちは新品のクローンだから汚れてない。)


(足の引っ張りあいですね。了解しました。)


「工場に入る前に清潔チェックをしましょう。誰もいなくとも中には人がいて汚いと言って撃たれたら事です。」


「はいはい、私が清潔係です。どれくらい皮膚を採取するかは申告してくれ。因みに私は1ミクロン取る。」


「なら、私も同じく。」


(殺しに来たか。汚水と火傷。火傷部分を採取してもらって熱消毒したからキレイと言い張れるから、火傷部分を採取してもらう?いや、ケロイドなら駄目と言うだろう。残りHPは4か。)


「GM、採取キットはどれくらいの部分を削り取る?後、深さ1cmでHP1マイナスでいいか?」


「範囲は縦横3cm、マイナス値はそれでいいぞ。ただ、HPが3を下回るとショック判定な。父さんは火傷と汚水があるから2cm削れば清潔とする。」


「了解、なら2cm削る。多分痛いからどちらか手を握ってほしい。」


(加奈子、絶対握るなよ?下手したらここでいらないダメージを貰う。)


(信じるなですね。分かりました。)


「私は見守る義務があるから握りません。千尋ちゃんはどうします?」


「機材を両手で扱わないといけないから無理だな。そのまま耐えてもらおう。」


「いやいや、仮に私が気絶したら後の任務に支障が出る。それはリーダーとしても本意ではないだろう?千尋ちゃんは機材を扱うから握れないとして、リーダーは手を握っていても見守れる。掌はビルに手をついて汚れてないはずだから大丈夫だ。」


「トラブルシューターになれる人が、まさか痛みを耐えれないわけありません。リーダーとしてそのまま受ける事をおすすめします。」


(ちっ!どうする?機械は両手で扱わないといけないか・・・。)


「なら、千尋ちゃんの腕を握ってていい?それなら許されるだろう?」


「早く決めてくれよ〜。」


「GMが急かすし了承しよう。削り取るのは2cmでいいですか?」


「いや、1ミクロンにしてくれ。」


(機材の先端をテレポートさせて千尋ちゃんから1ミクロン皮膚を貰う。)


(判定は・・・、失敗だな。)


「腕を握られていた千尋は父さんと共に工場内の2階にテレポートした。先に加奈子はそれを見たけどどうする?」


「突然消えたんですよね?周囲を探した後、銃を構えながら工場に入ります。あっ!ボットが壊せる銃と両方です。」


「了解。加奈子はそのまま工場に入るとして、父さんと千尋は突然テレポートしたがどうする?判定的にはテレポート使った父さんは千尋より状況を理解してるから行動は先でいい。因みに腕は離してない。」


「流れる様に幸福薬を使用。距離的に外さないだろう。」


「即座にアドレナリンを使用。使用中に不穏な気配を感じたから採取機を押し込む。」


「OK、出目が高い方が成功とする。」


「5!」


「4!くっ!対抗失敗か!アドレナリンは?」


「無かった事にしていいぞ。それまでいれると千尋がいきなりロストする可能性がある。」


「分かった。超幸福ーー!!ここはどこ!ボットはどこ!?さっさとぶっ壊して任務を達成しよう!」


「素晴らしい。なら、3つある手榴弾を工場にセットしよう。工場が倒壊すればボットも壊れるだろう?GM、特定位置に爆弾セットしないと駄目とかある?」


「位置は考えてなかったけど、そうだなぁ~・・・。それぞれの階に爆弾セットすれば建物は壊れる。ボットは動いてないけど最初の指定通りレーザー銃と手榴弾で壊せる。」


「ふむ・・・、見渡した感じ人はいる?」


「2階にはいないけど1階では集会してるな。結構盛り上がってるから多少の物音では気付かない。」


  挿絵(By みてみん)


「分かった、千尋ちゃんは任務達成の為に手榴弾持って全力特攻。私は2階には手榴弾セットしてから1階に行く。手榴弾は遠隔操作できる?」


「駄目だな。自分でピンを抜け。追加情報を出すなら1階を起爆出来れば2階も連爆するけど、起爆条件はピンを抜くか加奈子のレーザー銃で狙い撃つか。当然狙いやすい位置なら見つかって解除されるかもな。後、工場倒壊でボットは壊れない。」


「分かった、特攻は確定でいい。」


「私の残基が・・・。全力と言う事でアドレナリン使って2階からボットへアイ・キャン・フライ!!」


「ここで加奈子。集会してるから気づかれないけどどうする?」


「千尋ちゃんは今飛び降りてるんですよね?集会してる人はみんな上位者ですか?」


「あぁ、飛び降りてる千尋を見てるな。集会してる人は50人として・・・、サイコロ振って半分掛ける10が同一階級でいいぞ。」


「では!・・・、おお!クリティカル!10です!」


「ここで全員同一階級とか・・・。」


「やったれ加奈子!」


「はい!千尋ちゃんが爆発したのを見届けた後・・・、大声で演説します。共産主義とは特に共産主義革命を目指すボリシェヴィキによるマルクス・レーニン主義を指すようになり、資本主義と議会制民主主義の中での社会改良を目指す「社会民主主義」と区別されるようになった。私達は平等で公平で誰一人不平等のない完全分配の世界を目指し、何れくるコミュニストの世界を目指します。プ・ロ・パ・ガ・ン・ダ!!」


「おめでとう加奈子。これで集会してた全員がコミーになった。これから行動するとして、父さんと千尋以外は一定行動に対して目を瞑るし、ある程度の指示にも従ってくれる。千尋は次のクローンがプロパガンダ後に来たな。父さんはどうせ2階で聞こえませんでしたって言うだろ?」


「当然言う。下の状況は知らないとして、手榴弾のセットは判定いる?」


「いや、2階は自動成功。1階にセットするなら50人の目を掻い潜って行動な。」


「前の千尋はトロい愚物でしたが、次の千尋はもっと上手くやるでしょう・・・。」


(GM、ボットに超理論は使えるよな?)


(乗り込めたら自動成功、接触だけなら判定だ。)


「さて、では引き続き加奈子からロールしてくれ。ボットは千尋の特攻でコックピットが剥き出しになってる。ただ、動かす分には問題ないし、ボットから攻撃されて回避出来なければクローン2基失う。」


(優しいな那由多は。これで私にも秘密結社任務達成の可能性が出て来た。)


「ボットを調べる為に近付きます。当然他の人は誰も近づかせない様に全周囲監視です。」


「なら、私はコソコソ1階に降りて様子を覗う。まだ手榴弾はセットしない。」


「最後は私か・・・、アドレナリン全開!同一階級ならレーザーガンもヒットすればZAP出来る!乱射しながらコックピットを目指す!」


「モブは適当に死んだとして、レーザーが加奈子にも飛んできたな。対抗ロールは?」


「悪食で食べます!」


  挿絵(By みてみん)


「クローンは増えないがどちらが先にコックピットにたどり着くかサイコロで判定。」


「7!」


「7!」


「再度サイコロ!」


「5!」


「6!」


(この混乱に乗じて手榴弾を1階にセット。そのまま息を潜める。)


(また見つかったと言いづらい所で・・・、成功でいいよ。)


「レーザーを食べてる隙に千尋がコックピットに乗り込んだ。アドレナリン使ったから2ターン後に行動不能な。一応、言い訳できればクローンは減らない。」


「2ターンだな。ボットの装備品は?」


「自爆ボタンに大型ミサイル、両手にマシンガン。」


「ロストするモブはいるか?」


「多数いる。」


「自爆以外全弾発射!」


「くぅ!破壊用のレーザーを撃ちます!同士達よ!壁になって下さい!皆で目標達成しましょう!」


 二人共熱くなってるなぁ〜。残ったモブは盾にされたし、千尋ちゃんはボットでゴリ押ししてくる。多分、秘密結社任務が大量破壊か何かかな?いや、ロストの事を聞くなら俺達の誰かをロストするとか?加奈子ちゃんの手前大人しかったけど、最終局面で目標達成を狙い出したか。本来ならここでテレポートしながら手榴弾のピンを抜くが・・・、もう少し見守ろうかな。


「対抗ロールな。加奈子は弾丸の雨の中だけどモブ盾で一応狙える。千尋は全弾発射してるし、半壊して装甲が薄い分早い。同じ目がでたらお互い外した事になる。後、父さんは動いてないから回避判定で振る事。」


「頭下げて伏せてても駄目?」


「駄目。乱射してるから流れ弾が飛んできてる。高みの見物なんてさせないよ。5以上で回避ね。」


「4!」


「4!」


「6、回避成功。」


「父さんは頭抱えてしゃがんでる。千尋と加奈子は互いに回避したけど、千尋の弾丸はモブを多数射殺。加奈子のレーザーは建物の柱に当たって貫通したな。建物の耐久値は設定してないけど、次の互いに外したら倒壊して全員クローンナンバーが1増える。さて、行動は?千尋は息も絶え絶えだな。レバー握るくらいしか出来ない。」


「なら、乱射続行で。」


「銃弾って大きいですか?食べれるなら食べてプロパガンダ使います。」


「食べられる大きさじゃないな。プロパガンダは弾丸の発射音で聞こえない。父さんはどうする?」


「そりゃぁ私も任務があるからね。タイムオーバー、ピン抜いてテレポート。」


「なっ!」


「あっ!」


「最終処理として千尋と加奈子はクローンナンバープラス1。生き残ったな。父さんはテレポート失敗で同じくプラス1。結果として千尋と加奈子が残基1に父さんが3か。秘密結社任務は加奈子の追加オーダー以外は達成でいい。さて、本当ならここから上位者に報告があるけどそこまでしなくていいだろう。」


「だな。緩めだけど結構時間かかったし、加奈子ちゃんは面白かった?」


「殺意高いですけど、スィーパーに成るならいい訓練になりますね。今度は技能じゃなくて職でやってみたくなりました。」


「やはりツカサさんをロストは厳しいか。ツカサさんの秘密結社任務は工場の爆破ですか?」


「いや?ビルの爆破だからどこでも良かったけど、息子のシナリオだと工場くらいしか爆破出来なかったからね。単独行動も殆ど出来なかったし。千尋ちゃんはロストが任務?」


「ええ、加奈子をロストするのも違うと思ってましたが・・・、結城の入れ知恵が思ったよりも面倒で。幸福薬とプロパガンダはお前の指示だろ?」


「プロパガンダはしたけど幸福薬は加奈子の思いつき。まぁ、ツカサさんが即幸福薬使うって言ったから真似たんじゃない?でも、自分以外使うって指定しなかったから笑いそうになったかな。」


「あんな薬だとは・・・。ツカサさんがマジカルクロエちゃんとして爆誕とか・・・、ふふ。」


「あうっ!ロールはほじくり返さない。と、言うか加奈子ちゃんは共産主義にえらく詳しいね。なにか勉強する機会でもあったの?」


 教科書通りと言えばそれまでだが、そんな詳しく覚えるほどでもないし、政党としてあるにしても個人的にはそこまで投票したい党でもない。それは多分、平等はありえないと思ってるからだろうし、何より現在進行系でこの身体が不平等を体現しているからだろう。


「中学生の時に社会科で『それぞれの国の思想』って勉強があった時に勉強したんですよ。まさかこんなタイミングで役立つとは思いませんでしたけど。」


「なるほどね・・・。那由多はGMどうだった?」


「ぼちぼちよく出来たんじゃないかな?そこまで脱線しない様に進行したし。ただ、序盤は緩すぎたかも。父さんに手榴弾を無償提供するんじゃなかった・・・。」


「お前なぁ・・・。TRPGのいろは教えてくれたツカサさんにそれしたら残基マイナス1は確実だろう・・・。元に全員マイナス1されたし。」


「言うな結城。反省してる。」


「お腹すいたなぁ〜。焼いた肉の匂いだけでご飯が食べられるなぁ〜。」


 寝たフェリエットが起きてきたか。一緒に行った妻がいない事を考えると莉菜はまだ寝てるのかな?医務室の仕事は精神的にクるところもあるし、たまの休みくらいゆっくりしてもらおう。


「今はなにもないがもう少ししたら夕食を作り出そう。千尋ちゃんと加奈子ちゃんはこの後どうする?遊ぶならこのままウチで駄弁っててもいいけど。」


「いえ、私はそろそろ御暇します。加奈子はとうする?」


「私も夕飯の支度があるんで一緒に帰ろうかと思います。」


「そうか。なら、那由多送ってこい。」


 千尋ちゃん達を見送り、まとわりつくフェリエットが腹が空いたとうるさい。昼に結構いい量を食ったのによく入るもんだ。俺とは違って胃はあるはずなんだが・・・。テレビをBGM代わりに夕食のメニューを考えるが、昼にガッツリと肉を食べたし夜はクッパでいいかな?野菜を多目にすれば胃もたれもないだろうし。


「昼は肉だったなぁ〜♪夜も肉がいいなぁ〜♪」


「夜はクッパか参鶏湯か中華粥。野菜を食え、さもなくば猫草を食うか?」


「猫差別なぁ〜!私は私としてクロエに癒やしを提供している代価を貰いたいなぁ〜。」


「そんな言葉どこで覚えてきたんだよ・・・。」


「メガネがくれたタブレット?で覚えたなぁ〜。」


 元々頭が悪いわけではなかったが、中々悪知恵が付いたようだ。確かにフェリエットは癒やしを提供してくれるが、大きさ的にはにゃん太の時の方が良かったな・・・。身長的に負けてるので下手にまとわりつかれるとそのまま押し倒される。


「次のニュースです。今年の全人代でゲートや出土品、獣人の事が話し合われています。普段は10日間が通例ですが、今年は15日間と議題の多さが伺えます。コメンテーターの五十嵐さん、この動きどう思います?」


「ゲート出現以降、常識が変化しています。特に全人代前に獣人が発生し、その部分の取り決めもあやふやなまま増えた事もあり会議は難航するでしょう。それに元国連事務総長は中国から選出されており、各国にギルド設立を呼びかけたので、その辺りの調整もあるのでしょう。」


「各国にギルド設立。日本の物とは違うという話ですがどう思います?」


「違うといいますがモデルは日本のギルドです。どこかのタイミングで統合を申し出る可能性はありますね。国連としても米国スタンピードで蚊帳の外に置かれた分、実績が欲しいと言う本音もあります。今までは金銭で解決出来た部分がモンスターや宇宙人相手では全く意味をなさない。早期にスタンピード対策の為に連携を取り、どの国で発生しても一定の協力関係を取り決めをする。その実績があれば国連としての面目も立つでしょう。」


「日本としても今後の動きに目は離せませんね。続いての特集は『獣人とスィーパーの今に迫る』です・・・。」


「いい匂いね〜。夕食は・・・、何かしら?」


「さぁ?家庭料理に名前なんてないし、強いて言うなら具だくさんシャンタン粥とか?薄めで作ったから胃休めに食べるといい。那由多は千尋ちゃん達を送って行ったし先に食べるかい?」


 匂いに釣られて妻が起きてきた。風呂掃除は魔法で済ませたし、沸かして先に入ってもいいな。新しい千尋ちゃんの家は遠くないが4人で歩けば話し込んでそこそこ時間もかかるだろう。まぁ、妻次第だ。


「もう少しゴロゴロして那由多が帰ったら食べようかしら。結構盛り上がってたみたいだけどなにしてたの?」


「パラノイア。やはりコミュニストは敵だった。」


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[一言] 自前の実働戦力を持たず資源の多くがゲートから出るようになったこの世界で国連になんの意味があるやら 東西陣営が世界戦争とかはもうないんだから旧時代の悪しき遺産は捨てないと 国際的な話し合いのた…
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