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街中ダンジョン  作者: フィノ


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242話 パーティーに行こう

忙しくて短いです

 家に帰った後の日々はこれと言って大きな事はなかった。土産のカボス汁に遥は喜び土産に買った物も会う人に順次渡していき行き渡った。研修会の方も宮藤が力を入れて35階層まで到達しそこを訓練場に訓練を行い日々研鑽し、俺の方は暇を見つけては顔を出したり49階層で望田とモンスターを狩り回ったりしながら過ごす。


 ゲートに消えた青山は何事もなく帰ってきたが、ウザさが増していて一人だけ40階層をウロウロしてたとか。こいつの場合心配するだけ損なので一応、褒めはするが宮藤にも扱いは適当でいいと伝えている。元々コイツは本部長ではなく、どちらかと言えば監視目的で研修会に参加させているので、何をしていようとも文句はない。ただ、周りの評価は相変わらず高いのがなんとも。


 藤も本部長ではなく職員枠なのだが、斎藤達に連れて行かれ本格的にモノ作り方面に関わってるとか。魔法の方も作成を使い受け渡しが出来るようになったので、嫁達は晴れてリモコン散歩から無線散歩が可能になった。これが割と凄くて、離れる距離に制限がなく一人?一体?でも買い物に行けるし、元々受け答えは普通にしていたので人との見分けがつかない。


 そんな藤に人形作りを依頼していた御堂は念願の人形を手に入れた。モノとしては肩に載せれる程度の大きさで特に意思を持っていたり喋ったりはしない。まぁ、御堂は追跡者なので造形師の様にどうこうする事は出来ない。しかし、指示には従ってくれる。細かい指示まで出来るのかは見る事が出来なかったが、一緒に散歩や何かを持ってこさせたりは出来る。懐かしい作品で言えばエンジェリックレイヤーとか?


 まぁ元々作業人形は大量に扱っていたので、後はディテールさえ決まれば作業早かったのだろう。動いている種明かしをすると追尾で随伴機のように扱っているらしい。追尾と言いつつ追ってくれば何でもいいのかな?いや、言い換え自体はいくらでも可能なので真逆でもない限りはいいのだろう。


 研修生で言えば浦橋と泰山が助っ人に来た赤峰にド突き回されながら訓練してなんか覚醒したとか?元々力士だった泰山はごっりごりのマッチョに。力士の身体と言うのは脂肪の下に筋肉を仕込んで耐久力を上げている。代わりにウエイトが増すので長期戦には不向きなのだが、今の泰山は相撲取りとレスラーの中間くらい。耐久性と持久力を上げる為に赤峰にしごき回され浦橋、鬼塚と共にゲートにちょくちょく籠もっている。


 そんな泰山とは逆に浦橋は若干シャープになった。元々浦橋はパルクールをやっており、そこで怪我して寝たきりになった仲間の介護をする為に介護士の専門学校に通っていたのだが、寝たきりの仲間が動けるようになり憂いが消えたおかげか、若しくは赤峰に根性叩き直されたのかヤンキーっぽいのはたまに出るが、そこそこ真面目な社会人らしくなりつつある。


 泰山は真正面から受け止める方向に進んでいるが、浦橋はフォロー方面に進んでいるようで体勢が崩れようと柔軟にカバーリング出来る様に鍛えている。身体の柔らかさに定評のある力士がいるのでそこは大丈夫かと思っていたが、股割する時に泰山に背中から押し倒されて絶叫していた。


 そんな姿を妙に熱のこもった視線で鬼塚が眺めているのがなんとも。やはりそっちの趣味なのだろうか?数字に強いと言う事で食事の栄養管理なんかもやってくれているが、彼自身もかなり筋肉質なので効果の程は分かるだろう。


 他の研修生もそれぞれ訓練を行い日々成長し、海道と一緒に暮らしている宮藤は少しづつ尻に敷かれているようにも思うがどうなのだろう?まぁ生きて帰る重石になればいいかな。宮藤はどこか生き急いでいた気もするし、魅入られ過ぎで自身が列に加わったのでは館としては失格だ。あくまで家とは帰る場所でありそこに存在していなければならないのだから。


 知り合い関連はそんな感じだが世間的にはR・U・Rの公開設置で盛り上がってたな。ゲーセンに置くと言われていたR・U・Rはやはりというか出力側の問題でそれなりに大きさを取る。ただ3D再現でなく、モニターを使った平面再現なら大丈夫と東京、秋葉原に設置され一回500円と言う価格で連日にぎわいを見せている。


 やれるモードはまだ対戦モードしかなく、探索モードを入れるには時間がかかる。まぁ、職に慣れるという面では今まで収集したデータでスィーパー以外にもランダムで職を付与し体験出来るので次世代のスィーパー育成には1役買ってくれる。ただ危惧するなと言われても考えてしまうのは可能性の捻じ曲げ。


 仮の話をするならR・U・Rで職に慣れた人が思った職が出なかったらどうするのか?或いは本来出るはずの未知の職の目を潰してしまっているのではないかと言う点。職には適性も必要なのだが魔術師の適性がない人がR・U・Rで魔術師を引き続けた結果、魔術師の職に就いたなら十全に扱えるかは疑問である。まぁ、これも新しい動きなので今後のデータではっきりしてくる事なのだろうが良い方に転ぶか、悪い方に転ぶかは分からない。ただ1つ言えるのは新たに後から適性が出る事もあるかも知れないと言う事。


 今までの傾向なら人生の中でのやってきた事や衝撃を受けた事=適性と言う面が強くちょっとやそっとでは変わらない。しかし、初めてR・U・Rに触れて職を使ったと言うのは十分にそれに値するのではないか?ん〜、国策或いは金持ちがR・U・Rを買って任意に職を選べるようにする動きがありそうだな。そのうち名門魔術師の家系とか、有名格闘家の道場とか開かれるのだろうか?


 金の匂いがすれば少なからずそう言った動きはあるだろうし、今もネットには職占いなんて言うサイトが乱立している。試しに質問に対する解答を選ぶサイトで占ってみたが出たのはサバイバーとオカルトと探索者だった。どれに就いてもそこそこ使えそうだし納得の行く占いなので中々侮れない。しかしどの職にも優劣はないので、あくまで参考にするにとどめてスィーパーをやるならさっさとゲートに入るに限る。


「そろそろ出発ですけど準備はいいですか、ツカサ。」


「いいよ〜。しかしわざわざお見送りの送別式をやってもらうなんて照れるな。」


「それだけお父さんがみんなに信頼されたって事でしょう?人前苦手なのは分かるけど今更照れる事はないんじゃないの?」


「いや照れる云々よりも前の仕事を退職するまで、私が主役で式なんて結婚式以外ないと思ってたからね。わざわざやってもらうのも悪いかなぁ〜っと。」


「それは大丈夫ですよ?最近はバラバラで中々集まる機会がなくってこうして集まれるのを楽しみにしてる人も多いですし、何よりただ酒をがぱがぱ飲めますからね。」


 気風がいい事に今回の代金持ちは松田である。厳密には政府に懇談会名目で会計が回されるのでポケットマネーではないのだが、いまいち経費として計上していいのか迷う。まぁヤバいと思ったらさっさと金貨で払うか。


「人を出汁に飲みたいだけだったか。まぁ、これから集まる機会もないし、次集まるとすれば緊急での話し合いだからゆっくりと飲む機会なんてないだろうなぁ。」


「47席の会議場作ったもんね。あれって拡張できるみたいな設計だったけど増える予定ってあるの?」


「いや、単純に誰が来るか分からないからだって。カオリは何か聞いてる?」


「そのうち海外の方と会議する時に使えれば使うと聞きましたね。テロの危険も少ないですし。」

 

「今だけのような気もするけどね。秘密会議だろうと公開会議だろうと何度も見せられたら秘匿性は消えるからなぁ。」


 そもそも連れて来る人間がいなければ分からない所だし、分かってしまえば誰かが手引しても分からない。まぁ、地上でやるよりは安全だろうけどどうなのかねぇ。


「そろそろつきますよ。」


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