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街中ダンジョン  作者: フィノ


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220話 ポジティブに受け取ろう 挿絵あり

 青山と食事をして外に出ると連絡していた望田が外で待っていたので、その車に切り込み青山に別れを告げる。最後までニコニコとお見送りしていたので良かったが、これで泣きながらお見送りなら次は人数増やさないといけなかったな。


「わざわざありがとう。待つのも疲れたでしょう?」


「それは大丈夫ですけど青山さんが割りとまともに話している方に驚きましたね。研修会でもまともとは聞いてましたけど、彼のツカサへの執着心とでも言えばいいものは半端じゃないですから。」


「それを承知の上での会食だからね。言い方は悪いけど上手く操縦出来れば彼は優秀だよ。上に立つなら毛嫌いだけではいけないといういい例だ。」


 十人十色と言う言葉がある様に嫌いだから相手にしないと言うのは大人の世界では通用しない。仮にそれを押し通したいなら最初から関わらないか、もしくはそれが出来る立場なら最初から遠くに置けばいい。青山の場合どこに置こうと何をしようと勝手に帰って来るブーメランの様なモノなので、今くらいの距離感がちょうどいいだろう。


 下手に構わなすぎて暴走されても困るしなぁ・・・。仮に知らぬ存ぜぬで青山が暴走したとすると、被害の矛先は俺であり家族となる可能性が高い。一般常識はあるように見えるが、アレの根底にあるのは対象への奉公を成し遂げる事で、ルールを守るや人の役に立つと言うのは副次的に対象を・・・、俺が喜ぶであろう事や役立つであろう事を分かりやすくまとめたマニュアルとして受け取っている様に見える。


 ん〜、スィーパーになる前の彼とは一体どういった人物だったのだろう?考えれば考えるほど謎だが、悪い事して新聞に載らない辺り悪い人間ではなかったと思う。まぁ、載らないからまともとは限らないのだが・・・。


「そう言えばカオリはご飯食べた?外で待っていたならまだでしょう?」


「いえいえ、隣の部屋で聞き耳たてながら食べたんで大丈夫ですよ。」


 盗聴よりも怖い地獄耳。実際本気になった望田なら余裕だろうな。と、言う事は話の内容も既に熟知済みだろう。さてはてどこから切り出したものか。多分こちらから話を振らない限り望田から聞いてくる事はない。しかし、探索者に変われだの変わる練習をしろだの言った手前話さないとモヤモヤや不信感が溜まるだろう。現状、職に人格がある事を察知したのは夏目のみ。長い人生を生きるので手向けとして打ち明けたが、その事を言いふらしているようにも思えない。


 本当に秘密にしたいなら信用おける誰かに話すのではなく。胸に秘めて誰にも漏らさないのが正解だ。いくら信用してもドコかで漏れるのではないかという不安がついて回るから。なら、夏目に話した時点で俺は誰かに、この秘密を知っていてもらいたかったのだろうか?話した所で事実は何一つ変わらない。寧ろ変わらないからこその事実なのだから。仮に変わるとすればそれは個人の解釈だろう。


「話を聞いていたから分かると思うけど極稀に職に人格の様なものが宿る時がある。原理は不明。誰になんの目的で宿るかも不明。一切合切不明だけど、事実としてそれは起こり得る。」


「青山さんにはそれがあると?」


「ある。探索者、或いは奉公する者と言うモノの人格がある。この人格の様なモノは職の扱い方であったりゲートについての知識であったりと様々な事を教えたり警告したりしてくれる。私が米国スタンピードの前に、インナーの増産や政府関係者にスタンピードが起こると警告したのはコレのおかげ。」


「それは・・・、身体を乗っ取られるなんて事はないんですか?」


「断言とまでは言えないけど、ない。あくまで主体は自分達で人。人格の様なモノはサポートシステムだと思えばいい。まぁ、意思があるから関係性はそれぞれに委ねるしかないんだけどね。」


「ツカサの場合はどうなんです?」


「私の場合はツカサと言う人格が最上位にあってその下に付く感じかな?拒否すればそれが通るし、何かをしたくないなら無視もできる。聞けば答えてくれるし簡単に言えばヘルプ機能かな?」


  割と賢者も魔女も聞けば答えてくれるし、実際戦闘を任せる事もあるのでかなり助かっている。全く裏がないかと聞かれると腹に一物抱えている感は否めないが、ここまで付き合った中で確信しているのはコイツ等の誠実さ。多分初期の頃に乗っ取りが出来てする必要性があるならいくらでも出来た。そんな中で上下関係と言うものを教えてくれて自分達は俺の下であると定義づけた。そう、俺達よりも高度な知的生命体が原生生物と呼ぶ俺の下に付いたのだ。


 人と人ならこの関係は先ずは破堤する。誰も優秀な自分が無能な上司の下には付きたくない。それこそ原生生物なんて見下しているようなモノの下なぞまっぴらごめんだ。まぁ、コイツ等にとって下についてもなんのデメリットもないと言うのが大きな要因かもしれないが、それでも人ならプライドや自己顕示欲や苛立ちというものが出てくる。特に魔女は元々姫なんて呼ばれるような立場なんだし人に当てはめるなら、現代日本の首相(絶対王政)のトップがチンパンジーの指示で文句言わずに働いているようなもの。


 到底受け入れられないはずだがコイツ等はそれをよしとした。まぁ、目的が暇つぶしなのでそれでもいいのだろうが、死なない俺の中で延々と下となって抑圧されるのも嫌だろう?そう考えるとガス抜き要請は小まめに受けないと面倒なことになるのかな?


「なるほど・・・、この事は公にしますか?この先も出ないとは限りませんけど?それに、今はなくてもそのうち人格の様なモノが生まれる可能性もありますよね?」


「ないとは言いきれないけど仮に人格の様なモノが出るとすれば、それは職に就いた直後かな?適性がどうしても必要になって来るらしいからね。」


 青山の適性とはなにか?奉公精神が高いとか?初期からEXTRAになるにはそれしか適性がないと言う条件があるけど、青山もその口なのだろうか?EXTRAではなく探索者しか適性がないから探索者となった。或いは奉公する者としての適性がずば抜けていたから奉公する者を宿した探索者となった。ん〜、青山が一般人っぽいかと言われると色々投げ捨てているように思うし、EXTRA候補(仮)辺りが妥当だったのだろうか。


 一応他の探索者の職に就く人に話を聞いてみた事があったが、俺に対して世話を焼こうとか何かをプレゼントしようと言うのは普通の範囲内だと思う。お茶出したりお茶請けにお菓子くれるのは普通だよな?いきなり青山の様に結婚したいや養いたいとは言われなかったし。


「一度千代田さんと話した方が良さそうですね。公にするにしても秘匿するにしても何処まで話すかで混乱するしないが変わってきますし・・・、ツカサはその人格のあるなしって見ただけで分かるんですか?」


「全くわからない。青山にそれがあるって分かったのも大会で見てからだからね。仮に何かあるとすれば俺に意地でも接触して来たい人とか?EXTRAである分顔は広いらしいし。」


 広いどころか姫様である。家臣とかいるのかは分からないし魔女と賢者の関係性を聞くと王政の姫というよりはサークルの姫の様な・・・。『アイツめっちゃ美人で優秀やん!取り敢えず崇めとこ。』みたいな?まぁ、その優秀さが人の考える範疇を遥かに飛び抜けて何なら他の宇宙人も飛び抜けてる時点で従いたくなる気持ちは分からなくもない。


(あら?貴女も私に従ってくれるのかしら?)


(嫌だね。悪いがお前は俺の下以外認めない。手綱を放した瞬間に下層に乗り込まれても困る。)


(フフフ・・・、それでいい。貴女が従うと言ったなら、私は暇で次から会うに値しなかった。)


 変な所に地雷撒きやがって。コイツが会うに値しないと言って隠れたなら、本当に出てこなくなりそうで問題が出る。道化師でも見世物でもいいが、席を勝手に立つなよ観客。こちとらシナリオのない演劇を演じてるんだから。


「明日の朝イチで連絡してみます。千代田さんの方も何やら話したい事があるみたいなんで。」


「話したい事?大会終わってゴロゴロし過ぎとか?今の時期はコレと言って急いでやるような仕事もないし、研修会見つつギルドの稼働に合わせて各方面と調整するしかないと思ったけど?」


 米国スタンピードから本部長選出戦で休みなく働いたから休暇を要請する!まぁ、そうは言っても朝から望田と格闘しつつ仕事はしている。丸っと休んだのは実際数日でそれ以降は休みすぎて怖い病を発症し、日々何かしらの書類整理やらゲート内探索やモンスター討伐をしている。ただ、51階層以降は最適化のデータ検証待ちで行っていなかったが・・・。高槻のデータも出たしボチボチと潜りだすかな。問題は次の退出ゲートが何階層にあるのかと、51階層以降のセーフスペースがどうなっているのか?そこだろう。次のセーフスペースの話は気が早いような気もするが、安全に休憩出来るスペースがあるというのは旅する者に取って何物にも代えがたい心の安らぎだ。


 例えばモンスターを倒しながら進んだとして、55階層に退出ゲートがなければ60階層までノンストップ行軍になる可能性もあるし、61階層がセーフスペースでなければ、更に奥へ行く事を強いられる。登山ではないが何合目に休憩用の山小屋があるかを知っているのは、裏を返せばそこまで多少無理しても安全に休めると言う希望になる。先を潜る時は脱出アイテム返してもらお。やっぱり安心感が違うし。


「色々とあるみたいですよ?各国の動きとか国連からの話とか。」


「海外はパス。米国でお腹いっぱいなんで行かない。海外からの研修生入れたいなら私のいない所で勝手にどうぞ。そもそも私は地元に帰るんだからなにかお願いされても期限内に終わるとは限らない。」


「ですよね。1年計画とか言ってた本部庁舎建設計画もかなり前倒しされましたからね。」


 当初1年から1年半と言われていた本部庁舎建設計画は大幅に短縮された。理由としては指輪、ゲート、スィーパーの3点。前に帰って視察した時点で外観はほぼ完成して後は内装だけと言う状態だったが、それにもほぼ目処がたったと妻から聞いている。なら完成→即帰郷でも構わない。実際仕事としてやっている書類整理も東京を離れる為の残務処理が主だしね。


 至った講習会メンバーや今からの公文書は日本政府主体で米国との共同発表公開文書として、ネットや書物として二月末日に公開され大反響を呼んだ。まぁ、読んだからと言って確実に至れる訳でもなければ、逆になにかの取っ掛かりを掴む人もいるかもしれない。


 この文書を公開するに当たってはかなりの話し合いを重ねる事になったが、最終的にスタンピードがどの国でも起こり得る点とその為にも早期に各国の対抗手段を育てる為として公開に踏み切った。実際松田の懸念や大井の懸念は国外で知らない中位が誕生しそれが敵となったならと言う点に集約される。


 講習会メンバーにしても中層に入る前に全員中位に至ったのでその懸念は最もなのだが、中位が誕生した!よし、戦争しようぜ!なんて言う頭の悪い発想にはならんだろう?確実に量産できて大量投入出来るから資源の無駄遣いとして戦争は成り立つのであって、次いつ誕生するかも分からない中位を使い潰すなんで正気の沙汰とは思えない。


 実際戦争したさそうな国はあれど、実際に引き金を引くだけのヤバい状態の国はない。だから地域や小国の小競り合いを使った代理戦争なんて言葉があるんだしね。まぁ、そうは言っても新しい力を手に入れたから使おうぜ!って言う輩がいるのも事実なんだよな・・・。高槻の研究レポートは一旦国内に留めるか。下手に海外に公開すると人体実験しそうだし。


「ツカサの地元。温泉入り放題と食事には惹かれますね。九州はご飯が美味しいって有名ですから!なにかおすすめあります?」


「タイガードリームのマキシマムチャーシュー。スープをドロ注文してブーメシって言うチャーシューご飯も頼む。ラーメン食べた後にラーメンライス作って食べると美味しい。但し、胃を試されるから最初は普通のラーメン頼むのがいいかな?」


「聞くだけで濃そうですが、一度は食べてみましょう。どうしても東京だと醤油に行きがちなんですよね。」


「前の御堂くんの実家?のラーメンは豚骨で美味しかったけど?」


「結構探しましたからね!ツカサは勝手に夜中にラーメン食べに行ってなにかやらかすでしょう?」


「私のせいじゃない。単純に偶然が重なった不幸な事故だよ・・・。」


 行きつけのコンビニでは藤以外にも何人か遭遇したな・・・。その都度サインしたりして誤魔化してはいるが、最近賑わいすぎて入りづらい。店としては売上が上がるのでいいのだろうが、彼らはちゃんと買い物しているのだろうか?立ち読みで数時間とか商品カゴに入れて歩くだけとか邪魔でしかないだろう。


 そんな話をしながらホテルに戻りシャワーを浴びて、遥の話を聞きながら軽く飲んで就寝。次の日の朝は早めに起きて朝からシャワーを浴びて目を覚ましコーヒーとタバコで一服しつつニュースを見る。コレと言って大きなものはないが、エマからのメールで米兵を連れてゲート内訓練をする旨が書いてあった。


 やり方は20〜30階層を籠もって上昇アイテム無しで潜るそうだ。被害想定は何とも言えないが楽な道ではないだろう。ただ、指輪のおかげで食糧事情と渡したインナーのおかげで装備品的には悪くないらしい。後は精神論だが心が折れないかどうかだが、スタンピード参加者が主に潜る様なので士気は高いらしい。


 今更注意点を教えても仕方ないが、頭上と地形には気を付けろと返しておく。実際空からの襲撃はそこまで多くないが先制を許すとそのまま乱戦になりやすく、結果として被害率も上がる。エマの職的に簡単に頭上の敵を見逃すとは思わないが念には念を入れた方がいいのがゲート内。


「そろそろ準備いいですか?」


「あぁ、行こうか。」


 望田に連れられて来たのは都内某所の雑居ビル。街に溶け込みこれといった特徴もなく適度に汚れて古く長い間ここに立っているのであろう事を思わせる。入っているテナントの看板にはなんとか金融とか何とか法律事務所、総合探偵社等の看板が掲げられている。千代田は今スィーパーの派遣会社っぽい所にいるはずだが、わざわざこんなに雑居ビルにしなくてもよかったのでは?


 まぁ、目立つ必要もないが雰囲気だけだとヤバ目な方々が入居していてカチ込みとか言いながら降りてきそうだ。そんなビルの備え付けのエレベーターで最上階を望田が選択して上へ。扉が開いて見えた先は外観とは全く別物で、白を基調とした綺麗な壁に真っ黒で新品に見えるようなマットが敷かれている。そんな廊下を誰とも擦れ違わず望田を先頭にして進んで事務所の扉を開いて中へ。


 まともな会社か疑いたくなるな・・・、顔に傷があったり捲くられた袖から見える腕にタトゥーがあったり・・・。ただ、俺と望田を見た瞬間に全員立ち上がって深々と頭を下げる必要ある?千代田の会社にお願いするとして選出戦の運営をお願いしたけど、後からスキャンダルで叩かれたりしないよな?『クロエ本部の黒い繋がり』とか。


 そんな誰も口を開かないが嫌に威圧感のある事務所の中を望田がスタスタ歩いて行って奥のやたら頑丈そうな扉を開く。部屋のプレートには経理室とあったがマネーロンダリングとかしてそうだな。まぁ、映画の知識なのであくまでイメージである。ただ、イメージだとしても椅子に座る千代田の顔が嫌に現実味を持たせるんだよな・・・。


「お疲れ様です千代田さん。わざわざギャング映画の様なお出迎えっていります?」


「映画はお好きでしょう?基本ここはダミー会社なので誰がいてもいいし、誰もいなくてもいい場所です。本部長選出戦で使った会社はここではなく別会社なので考えているであろう問題は大丈夫です。」


 千代田の話を聞く限りだと公安のセーフスペースとか?まぁ、浦橋見ると誰がスィーパーになってもおかしくないので、実際こう言う事務所も多いのかもしれない。まぁ、儲からない商売の1つだよな。組織として力があろうとも逃げようと思えば何処までも逃げるスィーパーを追うのは難しい。それが死物狂いの破れかぶれになれば、脅すにしろ追うにしろする方もただでは済まない。寧ろ追う過程で至られでもしたら返り討ちからの組織壊滅もある。


「警視庁ではなくここで話すあたりなにがありました?」


「何かというよりは私自身室長を辞任しているので場所の確保がココだけだったと言う話です。下手に会うと色々と問題が出る事もありますからね。もう少し手続きが進めば警察との連携会社に格上げです。」


「それなら駐屯地でも良かったのでは?」


「基本貴女と話す時は重要な話ほど防音室でとしていますからね。因みに、ここの防音性は望田君でも聞き取れないほどのものになっています。」


 千代田がそう話すので望田を見ると頷いて返してきた。望田の耳でも聞き取れない防音室って気密性あり過ぎて酸欠になるんじゃ・・・。まぁ、これで死ぬようなアホ設計ではないだろう。


「それで話したい事とは?」


 そう言うと机の引き出しからいくつかの資料を取り出してこちらに差し出してきた。内容的には人の写真とその人の詳細であろう記事。名前はリー・フェイシャンと言うらしい。大陸の方の人かな?国名は伏せられているが多分そうだろう。と、言うか資料に穴がありすぎて名前と年齢以外読み取れるものは少ない。少ないが渡されたからには読まない訳にも行かないので読み進めて行くが・・・。


  挿絵(By みてみん)


「ほう・・・、ほうほう!これはマジですか?」


「何が書いてあるんです?」


「カオリも読むといい。感想は2択になると思うけど私としてはポジティブかな?」


 望田に資料を手渡す。千代田が止めない辺り副長辺りまでは知っていい情報なのかな?まぁ、知らないと不味い状態とも言えなくはないが、勝手な目眩ましとしては十分な物だろう。これで少なくとも俺への目は全部ではないが少しは減るかな?


「貴女は現段階でこの情報をポジティブに受け取ると?」


「現段階も何も国としてはどの段階でもネガティブに取るでしょう?そもそもこの情報ってどうやって引っ張ってきたんですか?東機関復活とか笑えない冗談はやめてくださいよ?」


「いえ、これはその国から渡された資料です。情報そのものの精査は別として発表会見を今晩にでも大々的に行うとしています。」


「勝手に情報発信するならいいじゃないですか。これまで紹介やら大会やらで大々的にやってきたものが実を結んだだけでしょう?今更手を引くのはなしですよ?」


「しかし、共産圏から自力で中位(・・)が出たというのは安定し出したのに、いらない火種の原因になるとは思いませんか?」


 資料内容はリーさんが中位に至ったという報告書。別に報告義務があるものでもないし、大々的に会見をするようなものでもない。しかし、それを押してやると言う事は国としての威信を示したいと言う事の現れだろう。1人いれば潜在的に至った人数は更にいると疑心暗鬼に落とし入れたい駆け引きとか?


 まぁ、コレから教育して増やしていくのか、それとも既にある程度の人数がいる上でこうして発表する事にしたのかは分からない。ただ、面倒なのはこれから先付き合う付き合わないにしろ、スィーパーの質と量は間違いなく国としての威信に繋がってくるだろうな。


「これを火種と取るか、スタンピードの抑止が増えたと取るかは政治家の問題でしょう。私は関わりがない以上素直に喜びますよ。何もなければね。」

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[一言] 奉公する者が宿るには魔女の宿主への執着がキモだよね あと探索者はみんな微かに奉公する者の影響がありそう あと賢者にもヤヴァいストーカーついてないかなぁ ヤンデレ系 まあ中位が居ようが居ま…
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