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街中ダンジョン  作者: フィノ


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閑話 55  誰かの脳内会議

忙しくて短いです


大味なので、リテイクか追加があるかもしれません

「第652497会、御主人様に尽くそう会議〜!!」


  挿絵(By みてみん)


「クロエさん尽くしましょう!尽くせば近づきになれました!もっと尽くしましょう!」


「コラ!お前はまだ下位!敬って、這いつくばって、崇め奉る様にファーストさんと呼べ!!下賎なるこの身を見て最善を指示してくださるのだぞ!?さっさと整形して女性になってせめて近くで仕事出来るようになれ!」


「すいません!すいません!!俺が不甲斐ないばかりに!ファーストさんのお姿を撮影した写真集さえ購入できない!あれは至高!寧ろ、ファーストさんの画像はどれも究極!!」


「当然だろう!忘れる訳・・・!なっ!何だ!震えが止まらん!割とイケイケで寵愛を受けてあの御方に奉公しているはずなのに!何故か奉公の理由を思い出そうとすると!絶望と言うか、終焉がぁ〜!終わりたくないんです!許してください!奉公します!役に立ちます!調子こいてました!ちょっと銀河?とか惑星?とか壊せるからって本当に調子乗ってました!まさか貴方様が見ていたとは、この下等な存在では気付けなかったのです!」


「お前何やらかした!事と次第によってはぶっ殺すぞ!お互い利害が一致してるからこうやって手を取り合ってるんだからな!過去にやらかしてても許されるもんじゃねーぞ!!」


「待て待て!我等は2つで1つ!どちらか片方が潰えれば奉公で来なくなるのだぞ!この戯けがぁ!そもそも吾はお前より更に昔からの奉公人!暇ならば踊りを見せ!暇ならば歌い!暇ならば娯楽を提供するエンタティナー!それなのにお前と来たら・・・。何だあの窓に押し付けた顔は!ため息1つ出ないではないか!」


「それでも早く東京へ行って!って心配されました!」


「うむ、不甲斐ない我等が遅刻せぬ様と言う優しい心遣い・・・。感涙のあまり自身を殴り飛ばしてしまった・・・。奉公するはずの吾が気遣われるなど言語道断!何者にも成れず、何事も出来ない状態なら吾は意味を失う・・・、このまま消えた方がいいのだろうか・・・?」


「待て探索者!生き恥を晒そうと生きなければ奉公は・・・、出来ないんだよ・・・。」


「しかし・・・!」


「しかしじゃない!俺達はモンスターを倒して大会を戦い抜いて!少しでも健やかに安らかにファーストさんに過ごしてもらわないといけないんだよ!分かれよ!奉公するなら恥などいらぬ!この身は彼女のモノだ!有効に使われてこそ奉公人の鏡!今更道化だろうと、罵倒だろうと受けても・・・、ちょっと声を聞けたら嬉しいけど、悩まず進むしかないだろう!」


「!!やはり適性は!あの御方のシステムは正しい!よもや下等な原生生物に教えられるとは・・・!本来ならあの御方がなにかする前に、邪魔なら掃除して供物を貢いで憂う前に原因を取り除いて、欲しいモノを差し出して・・・、駄目だ吾が不甲斐ないばかりに奉公し足りない!お前ちょっと分身しろ!」


「人間にはそれは出来ないんだ・・・。俺だってファーストさんを養って料理を食べさせて一緒にお風呂に入って背中を流して服を着せてあげて、一緒に寝て寝かしつけた後に稼いで朝食作ってってやりたいんです!あの大会での無垢な発言を録音してエンドレスで聞いているんです!」


「ここはいい所だ。御方は声など発せずとも指示も出来れば、指し示す事も出来る。それなのに、それなのな!窮屈で仕方なかろうがあの御方は今を楽しみお声を賜る事が出来る。ゆめゆめ忘れるなよ?この幸運すぎて価値あるモノを全て差し出してもまだ足りないくらいの幸福な状況を!」


「分かってるさ!前からホストとして女性に尽くしていたが、到頭尽くすべき本当の相手が見つかったんだ!顔にかまけて結婚を申し出たけど、彼女には既に相手がいた・・・。悲しさのあまりゲートを30階層まで泣きながら走ったのは忘れない・・・。あの慟哭と無力感とその他諸々で顔から液体が溢れ続けたのはいい思い出だ。パートナー共々養いたいけど、それも拒否されてしまった・・・、仕送りとか足長おじさんなら大丈夫かな?」


「大丈夫も何もあの御方のモノなんだから渡すのは当然だろう?望まれる前にやる、何か考える前に終わらせておく、不自由を感じさせる前に自由にしていただく。そして、不甲斐ない場合は指示を承り、下賎な吾を見ていただく。奉公の基本はこれで、それ以上はない。」


「成る程。やはり稼いだ金貨も足りないし、不細工だから指示もしていただけたし、弱いから鍛えろよーとも言ってもらった。次も勝たねばならない!中位になったあの眼鏡が、ファーストさんに連れられて行った姿には嫉妬を禁じ得ない!」


「こらこら、あの御方が決定されたことだぞ?我々が口を挟む余地はない。あの時あの場で我々が出来た事と言えば、誰よりも早く眼鏡を確保して来られたあの御方に差し出す事だ。そうすれば、あわよくば・・・、あわよくば我々を見て、その・・・、ありがとうと言う最上級の褒美がもらえたかもしれなかったんだぞ!」


「惜しい事をしたなお互い・・・。しかし、探索者。その見てもらう、声を貰うと言うのは俺達のそれとは前々から思っていたが、何かニュアンスが違う気がする。どう言う意味があるんだ?」


「ム?存在定義の問題だ。箱庭の中に住むお前達と吾達では価値観が全く違う。星を壊して回ったのも、吾が浅はかでそれしか方法を知らなかったからだ。」


「方法?」


「広く端も見えない所に1人、それには価値もなくただあるだけ。それが続けば自己はすり減り無能になって消えていく。そう、終わりだ。どれだけ力があろうとも、どれだけ優秀だろうとそれを示す事が出来なければ無意味だ。それを避ける為に壊し回って意味を補強していた。ちょっと箱庭に入ってボロボロにして灰にすれば何かしらの意味はもらえるからな。」


「ほうほう、それでそれで?」


「それをして新しい白を目指そうとした時に、あの御方が瞬きをされた。それ1つで吾は死にかけて慈悲をこうた。そして、真理に気付いた。吾の行いはあの御方に見ていただいていたのだと。」


(釈迦の手の上の悟空的なものか?)


「気付いたが、身体は動かんし捨ててもボロボロなので、全てを捧げて代わりに意味をいただき今はこうしている。これは素晴らしき事なのだぞ?あの御方達にとっては些事でも吾の様なモノにとってはこれ以上の事はない。特に食事や睡眠なんてものは必要ないが意味の消失はそのまま否定につながる。否定されれば存在そのものが無くなる。だからこそ、意味が与えられると言うのはどうしょうもなく有り難い。それには、あの御方は未だに窮屈な身体さえ保存しておられる。」


「それは身体は必要なのかな?」


「戯けが!この慈悲に気付かないのか!そこまで到達出来なんだ者達は一体何にすり寄り願えばいい?それに、精神と精神で触れ合えば境界がないから大きなものに下手をすれば潰されるか、取り込まれる。しかし、意味があればそれが強力な防波堤となる。不便だが身体は物理的な鎧でもある。まぁ木端なのですぐ砕けるがな。身体を捨てられると言うのはそれだけ強い者達の特権なのだ。」


「なんと慈悲深い・・・。それにさえ俺は気付いていなかったのか・・・。」


「あぁ、よく奉公しろよ?それに、システムの恩恵は凄いのだ。壊さずとも簡易的な意味がもらえ、位が上がれば更に力を増す。吾やあの御方はそこまで必要でもないが、精神的なエネルギーを

効率的かつ継続的に貰えるというのは中々ないことなのだ。」


「それは・・・、俺達の精神がすり減って行っていると言う事か?」


「違う。継続的といっただろうが!?お前達の場合は感情の爆発時に出て消え去るものを回収している。だから、なんの弊害もない。あくまで見ていればいいだけのシステム!実に素晴らしい!御恩と奉公だ!」


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[一言] 銀河を壊せるやつを歯牙にも掛けない魔女もアレだけど というか青山の探索者だけ奉公人が宿ってるのかな 探索者は多かれ少なかれ奉公人とかいう地獄は? てか青山は実態はEX勝手な奉公人か
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