143話 憂いを祓う 挿絵あり
「範囲は?」
「今の所広げに広げて体感で2kmくらいですね。これと言った目標がないのでこの範囲が今の所限界です。檻を作るなら境界線が欲しい所ですが、イマイチモンスターって音がしないので捉えづらいんですよね。エマはどう?」
「私の方は不意打ち前提ダ。振り返ったものを爆破させる事に注力していル。ゲート内は薄暗いからアレだガ、見通しさえたてばどうにかなるだろウ。たダ、爆破だけよりも他のトラップを出した方が効率的なものはあるナ。」
掃討して意見交換をする。エマの方は視界が問題らしいが戦うのは外なのでやりようはある。日中ならそのまま攻撃してもらえばいいし、夜間ならサーチライトでも照明弾でも好きなものがチョイス出来る。何なら宮藤とタッグを組んでもらって、炎の兵を送り込みそこを追跡してもらって爆破なりトラップで撃破してもらってもいいし、目視不可能な距離なら別のメンバーにカバーしてもらえばいい。優先的に解決する目標は望田の方で範囲が今の倍。持続時間と強度を出すなら更にイメージを固める必要がある。
しかし、籠目歌か。持続時間的にはどうなんだろう?思い1つで延びるならいいが、後ろの正面が誰か分かった時点で終わりのような気もする。まぁ、この場合後ろの正面は爆弾なりなんなりで振り向いたら何も分からず永久に不明のままクリスタルになるのだが・・・。
「時間的には延ばせそう?」
「ん〜、檻を構築して維持するなら何回か歌うか他の歌を歌った方がいいですね。崩されるまでは大丈夫だと思いますけど、中に入るには入口作らないとですから・・・、とうりゃんせ辺りなら大丈夫でしょう。」
籠目歌からとうりゃんせか。確かに道は出来る。歌詞に帰りは怖いとあるが怖い=疲れたという解釈もある。そちらの解釈なら戦闘が終わって疲れて帰るという話で行きと帰りは確保できるし、全体を徹して稽えるなら、モンスター討伐に乗り出して疲れて帰るという話で、行き来も出来る。歌のチョイス的にもいいだろうし望田にはこの方向でイメージを固めてもらうか。
「カオリはこのまま固めていこう。エマの方はどうする?他のイメージがいいなら他のでもいいけど。」
「1つ確認だが、土地柄の効果というものはあるのか?」
「土地柄の効果?」
「ここは薄暗がりだから背後から狙うのは容易ダ。しかシ、水辺なら例えばサメや飛んできて刺さる魚、森なら部族の弓やブービートラップ。その時その場に即したものや多人数でイメージが補強出来るならそれを使いたイ。」
言わんとしている事は分かる。前に千代田に言われた記号効果的なものだろう。俺という存在を記号とした時、ゴシックドレスを着たアルビノの少女。それがモンスターと戦うとしたら、負ける事はないと言うイメージが集まって後押ししてくれるのか?結果だけ言うならブーストはないし、なにかに後押しされている感覚もない。
なら、他者から向けられるイメージでブーストする事は多分ないのだろう。ただ、補強材料として使うなら有りだ。焚き火を見て火をイメージするのは当然だが、火山なら更に荒々しくなるだろうし、逆に線香花火なら烈火というよりは、物悲しさや最後の燃え尽きる寸前の篝火なんかをイメージする。
「補強材料とするならありですが、個人に向けられたイメージ、例えば私にどうあれかしとイメージを向けた所で、意にそぐわなければ反発しますし、そもそも誰がどうイメージしたかなんて知りません。」
「そうカ・・・、スタンピード発生地点を早期に割り出しテ、そこでなにが出来るかを考えるしかないナ。」
「まぁ、1人で全部背負う必要はありません。適任がエマと言うだけで、他のメンバーも手伝いますからね。」
流石に馬はもうコリゴリなので徒歩だが、移動速度が格段に落ちたのは否めない。バイクで走ろうにも流石に3人乗りは経験ないし、馬よりは遅いのでモンスターへの対処はできるだろうが、速度ばかりとっても仕方ない。既に報告を受けた霧の様なヤツも出てきたしね。
「ゲートの方向ハ・・・、寄り道がなければあちらが最短だがそれでいいカ?」
「ええ、回収も出来ましたし先を急ぎましょう。」
エマを先頭に歩きだす。方向は確かなので進むが多少は距離があるのだろう。ゲートの影も見えない。そんな薄暗がりの中を3人でモンスターを倒しながら歩いて行く。馬は諦めたが何かしらの移動手段は欲しいな。飛んでもいいが、それをするとモンスターは減るしイマイチ訓練と言うには物足りない。しかし、追い付くとなると割と時間を食うな。3階層分の距離というが、先行する宮藤達は40階層から始めているので、何かしらのハプニングがない限り順当に行けば45階層付近まで歩みを進めているはず。
流石にその先は危ないと話しているので、待ってくれているとは思うがどうだろう?足並みが揃わないなら他の事をお願いする?千代田と話した地続き案件の検証もしたいしなぁ。検証がてら久々に妻にも会いたいし、九州から基地到着までの時間が分かればおおよその物差しになる。ついでに、四国辺りからも誰か検証してくれれば海を無視出来た事の証明にもなる・・・。
「痛った!」
「どうしタ!」
「大丈夫!って血が!」
「大丈夫、ちょっと油断した。」
傷は・・・、無数の鎌鼬を受けたように、小さな傷口が腕から肩へかけて無数に刻まれているがすぐに巻き戻る。しかし霧か、厄介だな。服の隙間から忍び込まれたのか袖はズタズタだし血は飛び散る。そんな飛び散った血はすぐに戻ってくるからいい。服に付着したものですら染み抜きしたかのように、血の赤は無くなる。前に浴室で莉菜の前で腕を犬に食い千切らせた時は、血が流れ出る事はなかった。当然といえば当然だが、一口でやられたからな。
今回のは喋っている感じもあったし、コードが混じってる?しかし、どんだけこの霧は鋭いのか、或いは力強いのか?今着ているゴスロリ服は魔法糸と高槻糸、錬金糸の合作な上に刻印までしてある。身体に刻印出来ない関係上、表面的な部分で守りを固めていた訳だがこうも易々と突破されると少し凹むな。
「見た目は煙と変わらないんだ、ちょっと試させてもらおう。」
キセルを吸ってプカリと煙1つ。煙と霧を混ぜるようにキセルを回して侵食していく。なんか言っている気もするが、先に仕掛けてきたのはそっちだろ?悪いが初手で殴りかかってくるヤツとは仲良くできない。
「混ぜ合わせて、1つになって、お前の意思は存在しない。『付いて来い』」
なにか言っている気がすると言う事は聞く耳?はあるんだろ。ならちょっばかし扇動の実験に付き合えよ。人に使うにはちょっと怖いこの能力。だが、モンスター相手なら問題ないだろう。感覚としては煙が増えたような気がする。特に反発する様子もないし、少し異物感があるくらいだろうか?霧と言えど元はモンスターだしそこは仕方ない。ただ、付いて来いとしか言っていないので、辺りをフワフワ漂うだけでなにもしてくれなさそうだ。逆に細かい指示を出せば攻撃とかもしてくれるのだろうか?ん〜、検証案件だな。やる事がまた増えた。
「薬は必要カ?」
「いや、いらない。見ての通り怪我どころか出血の後もない。」
「始めて巻き戻るのを見ましたけど・・・、一応血は出るんですね・・・。」
「出てもすぐに引っ込むけどね。あ〜、妻以外には見せる気なかったのに・・・。」
ホテルで犬に腕を食わせて以降、こういった姿は見られないように注意していたが厄介な事だ。中身が無いんだから一緒に血も全部抜いてもらえば良かった。・・・、いや、それをすると瞳の色も真っ白になるのか。赤い瞳は血液の色なんだから、なくなれば最悪本当に失明だろう。まぁ、その残り少ない体表を流れる血液のおかげで、メラニン色素がなくても唇とかは少し色付いているのだが。
「しかし、2人共これで分かったでしょう?私に気遣いは無用です。自分の怪我を心配して下さい。・・・、先へ行きましょう。」
出発を促して歩き出す。不意打ちとは言え声を上げるべきではなかった。妻は・・・、莉菜は受け入れてくれたが2人が受け入れてくれるとは限らない。話を聞くのと実際に見るのとでは大違いで、小さな傷とは言え薬なしで血液まで戻るのでは化け物と変わらない。一応、メンバーには休暇明けに伝えているし、エマにも会談で心配無用と伝えている。ただ、これは人という種が理解出来ないモノを拒むと言うところにある。
夕闇が怖いからそこに、幽霊や妖怪を見た。雷が理解出来ないから、神の力として敬った。天災が理不尽な自然の怒りとして、生贄を捧げた。なら、この身体が理解出来ないヒトは何を思うのか・・・。やはり表に出るべきではなかったし、秋葉原が終わったなら助言役など引き受けずに、さっさと家へ帰ればよかったのだろうか?家族と慎ましやかに暮らす程度なら、次の仕事を探すまでの蓄えもあった。
引き受けてやりだした事とは言え、秘密にしておきたい事が少しづつでも表に出て知られていくのは堪える。そして、対象は俺だけではなく家族にも向けられる。いかんな、だいぶ参っている気がする。スタンピードの知らせで話し合った時に冷静かと聞かれたが、焦りがやはり燻っている。
(なら、私に任せなさい?これだけ頑張ったのなら、休息も許される。上が休んでも下は働く。すべて終われば事もなし。より上手に貴女の身体を使ってあげる。)
魔女の甘言が脳裏に響く。認められて休みを進められて、代わりにやると申し出る。乗ってしまいたい甘言だ。魔法も上手いし、人前でもモンスターにも堂々と前から挑む。小手先の技なんかじゃない、本人ができる精一杯で歩みを進める。別に頑張っていない訳ではない。足りない頭を振り絞って考えるし、出来る事が出来なくならないよう、優先順位を付けて対処もしている。だが、それでも足りないモノはある。サラサラと指の間を流れる砂粒の様に、あまり見せなくなかった人外のそれは2人に見られ公言しないとは思うが、確証もなく目を逸らしたいが不安がそれを許さない。
(君はちっぽけだね。余りにも小さい。その程度の事で沈むの?)
(煩い・・・、他人にとっては小さな事でも、俺にとっては大問題だ・・・。確かに小さいさ。モンスターと戦うと言う観点から見ればこの身体は最上級だろう・・・、だが、人は1人では生きていけないんだよ・・・。)
チラチラこちらを見ながら無言で歩く前の2人は、実際に見て何を思ったのだろう?心配はしてくれた。でも、それは普通の事。仲間が傷付いて血を流せば誰でも無事を確認する。痛みに声を上げれば駆け付けもする。ただ、その心配は杞憂でしかなく、俺は全くの無傷だ。
「クロエ、やはり何処か痛むカ?元気がない様だガ?」
「いえ、傷1つないのでなんともありません。」
「強がってませんか?痛い時や辛い時は泣いてもいいし、休んでもいいんですよ?ここに来て戦って歩いての繰り返しなんですから、少し休憩しませんか?」
「しません。カオリとエマが歩き疲れたならしましょう。私に関しては見ての通りピンピンしてます。」
自分でも空元気だと分かるが、ボロを纏った腕をグリグリ回して見せる。これくらいしか元気な事をアピールするすべがない。プカリとタバコを吸うが、今回に限ってはあまり美味しくないな・・・。スタンピードも選出戦もあるのに気落ちしている場合ではないのだが・・・。望田が籠目歌を歌い出した。更に練習するつもりなのだ・・・。
「はぁ〜、莉菜さんが言ってましたけど本当に意地っ張りですね!鏡で顔見ます!?何を考えてるか知りませんけど酷い顔ですよ?」
コチラをチラチラ見ていた望田が振り向いて怒鳴ってきた。指摘される程顔に出ていたか。いかんな、顔に出るなら割と限界が近いのかもしれない。もうすぐ妻の元へ帰れると言う、希望があって頑張っていた時にスタンピードの知らせだ。出来る限り人命優先で作戦も考えたが、勝てるという確証もなく個人として参戦するとも言ってしまった。やはり冷静とは言えない。優先順位を考えるなら発生後に要請を貰ってから動く方が・・・、いや、先手を取らないと被害だけ広がるか・・・。
「カオリ、そっト、優しく話しかけようナ?ポカやらかして凹んでるんだろうから責めても更に凹ム。」
「だまらっしゃい!40過ぎのいい大人が凹んで何になるんですか!悲劇のヒロインじゃないんです。凹んでるなら話してもらわないと・・・、慰める事も心配する事も出来ないじゃない・・・。」
「だがカオリヨ・・・、思った以上に私達が不甲斐なくて悩んでるとかだったらどうすル?作戦立案者として見通しが甘くて反省して凹んでるとかだったラ・・・。」
「・・・、・・・、はん!期限区切ってないなら鍛えればいいんです!面と向かって言われたら凹むけど、それでも指摘されたならやるしかないんですぅ!」
「なラ、ゲート籠もりだナ。数日分の食料はあル。」
「調味料あるんで馬でも魚でも食べましょう。足りないなら強制ダイエットとして回復薬のみで凌いでみせます!」
「ちょいストップ!ストップ!違うから!2人の実力が足りないとかじゃないから!」
自問自答している横で勝手に話が進みだした!しかも全く関係ない方向に!2人の実力については、何かしらの補強材料があればどうにかなりそうな感じはある。期限は不明だが、間に合わないと言う事もなければ、足りないなら他でカバーすればいい。
「じゃあ何なんですか?そんな思い詰めた顔して!」
「落ち着けカオリ!失敗は誰にでもあるからナ?ナ?」
人に心情を話すのが気恥ずかしくなったのは何時からだろう?多分物心付いてから。心情を話して否定されても笑われても多分凹むし、変に言い返されても多分反発する。ただ聞いて、受け入れて欲しい。偶に妻がひたすら愚痴を言ってソレを聞くだけの時があるが、多分似たような気持ちなのだろう。魔女何かに頼るよりも、吐き出した方が楽になるのだろうか?
「2人は関係ない・・・、事もないんですが・・・、その。不気味で化け物みたいじゃないですか?この身体。」
破けた袖は自動修復でかなり塞がっている。そんな袖を捲って腕を突き出して見せる。傷1つなく白く細い腕は何事もなかったかのようにそこにある。家族という近い人には受け入れられた。なら、その先はどうなのだろうか?踏み出す1歩は小さくとも重い。
「?回復薬不要で便利じゃないですか?肉壁ならその程度朝飯前らしいですけど?」
「私は傷が心配ダ。上を脱いで欲しイ。本当になにもないのか調べたイ。」
傷の心配か。確かに目の前で傷が戻る様は見せたが、どの程度大丈夫なのかはっきりさせたいのだろう。周りのモンスターは望田が歌った籠目歌で入ってこないし、上着・・・、ドレスのファスナーを降ろして上半身を露出させるくらいなら大丈夫だろう。
「エマ、ファスナーを。」
髪を肩に掛けて背中を向けてファスナーを下ろすように頼む。何だか生唾を飲むような音が聞こえたが気のせいだろう。ファスナーが下ろされたのでそのまま上だけ脱いで上半身を曝す。巻き戻りはあいも変わらず完璧で、見える範囲で傷跡はない。
「本当にないのだナ・・・。血液も戻るのカ?」
「戻ります。何もかも元通り、今の姿に逆戻り。腕が千切れようが、爆散しようが次の瞬間にはモンスターに殴りかかってます。・・・、エマ、手付きがいやらしい。なんで背中と言うか脇腹を撫で回してるんですか?」
「すまなイ、本能ダ。しかシ、カートゥーンが現実になるとこうなるのだナ。米国で出国前に勉強として嫌と言う程見せられたガ、本当に美少女の双肩には世界が乗るシ、愛と勇気の無敵パワーもあるものなのだナ。悔しいが、ウィルソンは間違ってなかっタ。」
エマの現実感と教育は大丈夫なのだろうか?若返ったとは言え、今から魔法少女はキツイぞ?やるならローブ着てアサシンプレイだろう。
「エマズルい!私も撫で回したい!」
「馬鹿言ってんじゃないよ。もう服は着るし先に進む。話してこの反応ならなんか馬鹿らしくなってきた・・・。」
2人がそう言う性分なのか、話したら確かに楽になった。別に無闇矢鱈と広める気もないし、自身から傷つきに行く訳でもない。それに、確かに望田が言うように肉壁、夏目を見ていればあの程度の傷は造作もなく消してしまう。
職について話す俺自身がどうやら、アップデートされた世界について行けてなかったようだ。そうか・・・、何れこの不思議ボディも特別ではなく、そういう職に就いた人として扱われるのか。43年生きて色々と知ったつもりになっていたが、どうやら世界はまだ不思議で溢れているらしい。
確かに職業一覧は覚えていないし、上位も見ていない。賢者が巻き戻りは無理と言っていたが、巻き戻らなくとも同じ様な事が出来るのであれば、それは特別ではない。うぅむ、前に開放を持ってきたと言っていたが、こんな所でも悩みの種に開放をもたらしてくれるのか。少しくらい目を掛けてあげようかな?身体を要求されたら蹴っ飛ばすけど。
「真面目な話、クロエは1人じゃないんです。相談には乗るんでなにかあったら気軽に言ってくださいね?」
「私も乗ろウ。ところでカオリ、リナとは誰ダ?」
「あ、あはぁ〜、空耳とかじゃないですかね?」
思いっきり妻の名前出してたから、それで言い逃れするのは無理だろう。寧ろ、今の今まで禁則事項がよく守れたとは思う。はぁ、勢いに任せるのはどうかと思うが、今は3人しかいない。そして、名前にしろ何にしろ、いつか話すと言ったのだ。タイミングとしてはここだろう。
「エマ、完全オフレコです。狸なアライルさんとかに絶対漏らさないように。約束できますか?」
「聖書はないガ、誓おウ。」
「黒江 司。妻の名前は莉菜。歳は43歳、今年で44歳か。装飾師の遥は娘で息子に那由多がいる。最初にゲートに入ってこんな形になったけど、半年くらい前までは男だった。まぁ、男の頃の写真とかは全部なくなったけどね。」
残った男の頃の写真なんて、妻が持つ家族写真と結婚写真くらい。ほかは千代田経由で入念に焼き捨てられたとか。まぁ、今の時代フィルム以外にもデジタルデータがあるので、どこまで破棄出来たかは分からない。案外両親とかなら子供の頃の写真を持ってるかも。まぁ、経歴自体を国が隠したので個人で話す以外ほぼ抹消状態である。変に残ってると家族も危ないし、どこでなにに躓くか分からないしね。
「私はまともな感性を持っていタ?」
「人のプロフィール聞いてその反応は見当違いな気もしますが・・・。」
「カオリ、私は同性愛者ではなかったようダ。」
「エマ、今のツカサが男に見えるなら眼科に行く事をオススメしますよ?」




