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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第5章 青い空と海の島から来た正義の姫君

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#094 マロンの決意!

 この僕に対してひたすら頭を下げて頼み込む坂上さん。

 これまでの坂上さんの印象はなんでもそつなくこなすエリートといった感じだった。

 それがこんなに必死になって⋯⋯。


 それに坂上さんには骨髄コラボでお世話になったしな⋯⋯。


「わかりました坂上さん。 僕は元々ブルーベルさんとコラボする約束だったし、出来る限りのことはしてみます」


 そう答えた。


「ありがとう! アリス君!」


 そう喜ぶ坂上さんだった。

 ⋯⋯しかし。


「ちょっと待って」


 水をさしたのは姉だった。


「なんでしょうか?」


「⋯⋯木下マネージャーにも意見を聞きたいです。 この件、要はポラリスの尻拭いをアリスケに押し付けることですよね?」


「ええ⋯⋯そうね」


 その木下さんの答えにはあまり感情が無かった。


「その役目をアリスケにさせる⋯⋯どうお考えですか、木下マネージャー?」


「あの姉さん僕は──」

「アリスケはちょっと黙ってなさい」


「⋯⋯はい」


 しばらくの沈黙のあと木下さんは答え始めた。


「まずヴィアラッテアのマネージャーとして答えるけど⋯⋯これはチャンスだと捉えてます」


「チャンス?」


「アリスはゲーム系、ブルーベルはアニメ系と異なるジャンルのVチューバーだけど親和性はある。 そのブルーベルとのコラボは彼女のリスナーをアリスに誘導するチャンスです」


 なかなかドライな意見だった。


「⋯⋯なるほどね」


 姉さんも冷静に聞いている、一応納得しているようだった。


「⋯⋯ただ私個人としては、ポラリスの責任をアリスに取らせるのは気が進まないわ」


 そうハッキリと木下さんはポラリスの⋯⋯坂上さんを非難した。


「⋯⋯それを聞いて安心したわ、木下さん」


 心なしか姉の戦闘モードは収まったように感じた。


「それで今回は特別に業務命令ではなく有介君に受けるかどうかを聞きに来たのよ。 どうする有介君? 断っても構わないけど」


 そういう事だったのか⋯⋯。


「⋯⋯コラボ自体はいいんだけど、そのオシロンママの説得どうこうはハッキリ言ってどうしたらいいのかわかりません」


 そう素直に僕は心境を話した。


「作戦ならこちらで立てるのでアリスケ君は気にしないでいい。 それに失敗しても絶対に責めないから」


 そう坂上さんも方針を話す。


「⋯⋯それで失敗して、本当にアリスケがノーダメージだと思っているんですか? 気にするに決まってるでしょ! アリスケはずっと引きずるわよ、その失敗を!」


「姉さん⋯⋯」


 まあ気にするよな⋯⋯姉さんの言うとおりだ。


 そしてしばらく考え込んだ坂上さんは立ち上がって⋯⋯頭を下げた。


「本日はご迷惑おかけしました。 この件は無かったことにしてください」


 そう退室しようとした。


「待ちなさい、坂上マネージャ」

「⋯⋯なんでしょうか?」


 そして姉はハッキリと宣言した。


「そのコラボ⋯⋯アリスじゃなくてマロンが受けるわ!」


「姉さん!?」

「真樹奈!?」


「⋯⋯どういう事でしょう?」


 坂上さんは困惑している。

 まあ僕と木下さんもだが。


「⋯⋯まあ、あの覆面女にもアリスの姉の資格がある事は認めます。 でも! アリスの一番の姉は私なんです。 それをハッキリさせたいから」


 そうニヤリと笑う姉だった。


「⋯⋯つまり、アリスの姉決定戦のようなイベントを行うと?」

「まあ、そういう事ね」


 そして考え込む坂上さんだった。


「姉さんがブルーベルさんと戦って、オシロンママの気が変わるかな?」


「さあ知らないわ。 そんな事は坂上マネージャーの仕事よ。 私がしたいのは、どちらがアリスの真の姉かという決着だけよ!」


「そんなの姉さんに決まってるじゃないか」


「ありがとアリスケ。 でもこれは栗林真樹奈としてじゃない、Vチューバーマロンとしての矜持の問題だから」


「⋯⋯そう」


 正直Vチューバーとしてのマロンにアリスの姉らしいところってデビューした時くらいだからな⋯⋯。


 案外ぽっと出のブルーベルさんとはいい勝負かもしれない。

 などと僕は考えていた。


「それでは栗林真樹奈さん。 ⋯⋯いやマロンさん。 その申し出お受けします。 ただし八百長はさせませんよ?」


「もちろんよ。 私は実力でアリスの姉の座をブルーベルに見せつけたいだけなんだから」


 こうして僕とブルーベルさんのコラボの話は──、

 姉とブルーベルの『アリスの姉の座』を賭けた勝負になった!?


 ⋯⋯どうしてこうなった?

 いや姉だからか⋯⋯。


「それでは企画を持ってまた来ます」


 帰る時の坂上さんはいつものエリートマネージャーに戻っていた。

 姉の発破が効いたんだろうか?


「真樹奈、あなたの好きにしなさい!」


 どうやら木下さんは全面的に姉に任せるようだった。

 ⋯⋯これが信頼かな?


 こうして2人が帰った後に僕は⋯⋯、


「ボクの為に争わないでください、マロン姉さま」

「これはね自分の為の戦いだから。 アンタの姉という立場を守る戦いだから」


 こうして姉とブルーベルとの戦いが決まったのだった。

 そしてその日の夜に姉は配信を行った。


 ── ※ ── ※ ──


「あは~い! 皆さん『マロン冒険団』の時間ですよ~」


 そう私はいつもの調子で団員たちに話しかける。


「ところでみなさん見ましたか! ブルーベルさんが『ウチのアリス』を妹だとか寝言ほざいてたのを!」


【見てたのかw】

【あーやっかいなのに目を付けられたなブルべさんw】


「これはもう許せませんね! なので挑戦状を送ります」


 こうして私は生放送中にブルーベルのツイッターアカウントに直接挑戦状を叩きつけた。


「ほい⋯⋯ポチっとな」


 [マロン:ブルーベルさん! 私の妹のアリスをあなたも妹と呼びたいのなら、まずは私と勝負しましょね!]


【マジで送りやがったwww】

【これはもうあと戻りできんぞw】


「⋯⋯レス、帰ってきませんね」


 こうして私の今日の配信も絶好調で進むのだった。


 ── ※ ── ※ ──


「ふわ~あ⋯⋯」


 つい私はあくびをしてしまう。


「⋯⋯殿下、昨夜も夜更かしでしたね?」

「⋯⋯うん、まあ」


 日本の日曜日の朝のスーパーヒーローチャンネルをこの国で同時に見ようとしたら⋯⋯深夜になってしまうのだから仕方ない。


「今日はこの後、殿下のお見送り式典があります。 絶対にあくびなどしないようにしてくださいね」

「わかってます」


 そう私は今日の予定をセバスチャンと話していると⋯⋯、


「あれ? メールが来た?」

「公務中はスマホを切っててくださいね」

「もちろんわかってるよ」


 そう言いながら私はスマホのチェックをする。


 [マロン:ブルーベルさん! 私の妹のアリスをあなたも妹と呼びたいのなら、まずは私と勝負しましょね!]


 ⋯⋯⋯⋯はい?


「どうかされましたか、殿下?」

「⋯⋯なんか決闘を挑まれた⋯⋯のかな?」


「決闘? 相手は誰ですか?」

「マロン⋯⋯Vチューバーの方ですね」


「あのマロンですか? ヴィアラッテアのVチューバーの?」

「そうみたい⋯⋯でも、なんで?」


 これは迂闊に答えられる話ではないと私は、マネージャーのミスター坂上に連絡を取った。


「ハロー、ミスター坂上。 さっきマロンさんから変なメールが来たんですが?」


『その件はブルーベルさんが売った勝負なので、ポラリスも了承しています』


「私が売った勝負?」


 何のこと?


『アリスさんを妹だと言ったでしょう? そのマロンさんはアリスさんのリアル姉なんです』


 私はサアーと血の気が引いた。


「え? ⋯⋯実の姉妹でVチューバーしてたんですか!?」


『そうなんです、知らなかったんですか?』


「知らない! 私、知らなかった!」


『それでまあ⋯⋯マロンさんが怒って「真の姉を決めようじゃないか」と、決着をつけるコラボ案件が決まりましたので、お願いしますブルーベルさん』


 それだけ言ってミスター坂上の電話は切れた⋯⋯。


「大変な事になりましたね、殿下⋯⋯」


「ど⋯⋯どど⋯⋯どうしよう、セバスチャン!?」


「どうするも何も、このコラボ受けるしかないでしょう? そのうえで勝って『アリスの姉』を堂々と名乗るのが殿下の望みなのでは?」


「う⋯⋯確かにそうだけど。 でも実のお姉さんが居るなんて思ってなくて!」


 王族たるもの自らの発言には気を付けるべし。

 そんな当たり前の事をブルーベルとして怠ったそのツケだった。


 そんな頭が真っ白な状態で私は今日、日本への出発を民たちに見送られるのだった。

 ⋯⋯まだマロンさんに返事が出来ないままで。

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