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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第4章 あらたなる伝説へ⋯⋯

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#077 アリスの冒険世界 2日目その3 アリスが選んだロールプレイング

「⋯⋯これで良し」


「あれ? ポイント温存せずにもう上げたの?」

「うん」


「どんなビルドにするか決めたの? 見せてよ」


 そうシオンが言うのでボクはみんなに見せる。

 ボクのステータスを!


 アリス

 レベル:2→3

 種族:機械人形

 職業:自由な冒険者

 HP:60/60(+30)

 MP:80/80(+0)

 ちから:5(+0)

 耐久値:9(+5)

 素早さ:9(+0)

 器用さ:9(+0)

 体力値:6(+3)

 魔力値:8(+0)

 精神値:8(+2)

 幸運値:6(+0)


「もしかしてタンク?」

「うん、ボクはタンクヒーラーになる」


「ねえアリス、ヒーラーは回復役ってのはわかったけど『タンク』ってなに?」


 まあルーミアはこういう専門用語に詳しくないからなあ。


「タンクってのは仲間の代わりに攻撃を引き付ける、壁役さ」

「それって強いの?」


「例えばこの4人全員が10ずつダメージを食らったとする。 すると回復には4回ヒールしなきゃいけない」

「そうね」


「でもその4回分のダメージを全部ボクが食らっていればどうなる?」


「えっと⋯⋯アリスのHPは90あるから40食らっても死なない。 それで回復は1回で済む?」

「そのとおり」


「その分アリスは4回中3回は別の行動ができるのよ」


「例えば3ターンずっと『防御』しててダメージを減らして全部食らってくれたら、私たちみんなは攻撃だけに集中できるからね」


 みどりさんとシオンもそう補足してくれる。


「つまりアリスは、私たちみんなの盾役ってこと?」

「しかも自己修復機能付きの盾役だよ!」


「⋯⋯なるほど、シューターをフリーにするスクリーナーか。 それは便利」


 ルーミアはなんかバスケに置き換えて理解したようだった。


「でも、アリスにしては地味な役を選んだね?」


「⋯⋯まあ確かに、もっと派手な攻撃役で無双したかったけどさ。 こういうのも面白そうだし、もしもつまらなかったら製品版で作り直すさ」


 そういやこのデータって製品版に引き継げるんだろうか?


「あの~運営さん! このベータ版のデータって製品版に引き継げるんですか?」


 [運営:基本可能です。 ⋯⋯よほどの修正が無ければ]


「おお、そうか! これはレベリングもやる気になるな!」


 そんな事を考えているとゴブリンが向かってきた!


「さあ! 新生アリスの初陣だ! ヒーラーの出番ですよ!」


「とりあえずアリスをオトリにすればいいのね?」

「どれだけフルボッコにされても平気か、見させてもらおう」


 うーん、シオンは昨日スライム10体にフルボッコで死にかけだったからなあ⋯⋯。

 さて、どうなるか?


 現れたゴブリンは全部で5体だった。

 みんなが1体ずつ倒して残りは2体、そのゴブリンに狙われやすいポジションにボクはワザとついた!


 ダメージは⋯⋯『2』だ。


「⋯⋯ちょっと試したいからもう1ターン攻撃しないで見てて」

「了解」


 シオン達には次のターン全員『防御』してもらった。

 そしてこのターンのボクも『防御』をする!


 さて⋯⋯どうだ?


 [ゴブリンDの攻撃 ミス! アリスは0のダメージ]

 [ゴブリンEの攻撃 ミス! アリスは0のダメージ]


「⋯⋯完璧」


 この結果に満足して、この戦闘は終わらせたのだった。


【壁が壁役になったw】

【これは見事な壁ですねwww】


「やかましいよ、君たち!」


 ボクはリスナーからの突っ込みに返すが、なぜか気分は良かった。


「タンクか、今までこういうのやったことなかったけど、なんか面白いかも」


 自分が目立って活躍するのは気持ちがいい。

 でも、みんなに頼られてそれに応えられるのも気持ちがいい。


 いいじゃん! やろうこれで!

 今日からボクはタンク職人だ!


 こうして気分も一新してボクは、このイベントを攻略するのだった。




 メイン盾アリスを使った我がパーティーは危なげなく、この洞窟を進んでいく。


「MPがめっちゃ温存できるな、この戦術⋯⋯」


 なにせ回復するのはボク一人なので、しかもたまにである。


「もしかして序盤の防御力極振りって、バランスブレイカーなんじゃ?」


「いやソロだと攻撃できないから詰むよ」

「なるほど仲間が居てこそなのね、アリスの強さは」


「けっこういいパーティーになってきたわね私たちって」


 そう和やかにボクらは洞窟の最深部に到着した。


 [グロロロー]

 [く⋯⋯来るな!]

 [お兄ちゃん、助けて!]


 そんなイベントが始まっていた。


「⋯⋯そういや、ゴブリンの巣に迷い込んだ子供の救出ミッションだった、コレ」

「完全に忘れていた」

「同じく」


「ちょっとみんな! ピート君とマリアちゃんを助けに来たんじゃなかったの!?」


 どうやらゲーマーなボクらと違ってルーミアだけ、シナリオもしっかり読んでいたらしいな⋯⋯。


「しかしボクたちが来るまで持ちこたえている兄君⋯⋯すげえな」

「こういうゲームの村人ってやたら強い時あるよね」

「あー、あるある」


「そんな事いいから、早く助けなきゃ!」


 うーん、ルーミアはこういうシナリオにのめり込むタイプだったのか⋯⋯だったら!


「ピート君、マリアちゃん! 助けに来たよ!」


 そうカッコよくボクは気を引き締める!


【さっきまで子供のこと忘れてたくせにw】

【しらじらしいw】


「やかましいね!」


 そしてボス戦だ!


「これは『中ボス曲(バトル2)』か!?」

「曲がスゲー盛り上がる!」

「ゴブリンにはもったいない曲ね」


「いいから早く戦いましょうよ!」


 またルーミアに怒られた。

 ボクは戦局を見る。


「⋯⋯ボスと取り巻きのゴブリン4体か?」

「全部で5体、敵の陣形は『ゴブリンアタック』ね」


 それは某ゲームのエンディングにしか出てこない幻の陣形である、なおリメイクで実装されたが。


 最初に動いたのは最速のバフ師みどりんだった。


「『プロテクト』!」


 これでボクの防御力がアップである。


「まずは取り巻きからが基本だね」


 そう言いながらシオンがザコゴブリンを斬った!

 一撃必殺である。


「ふ⋯⋯またつまらぬものを斬ってしまった」


「今度はこれを食らいなさい!」


 ルーミアはレベル3の時に習得した『アイス・アロー』で攻撃する。

 こっちも一撃でザコゴブリンを撃破だ!


 残りは3体!

 その反撃はボクが受ける!


 ボクは2体のザコゴブリンから『1』『1』とダメージを食らい、そしてついにボスゴブリンの巨大なこん棒が愛らしいボクに襲い掛かる!


 そのダメージは⋯⋯『12』!


「⋯⋯イケる! このダメージなら!」


 そう思ってターンが一巡した時に──。

 ゴブリンの増援が現れた!?


「これって毎ターン5体に戻るパターンかな?」

「自動回復の手段があったら延々経験値稼げそう」

「ならもっと防御力上げとく?」


「みんな何言ってんの?」


 そしてもう一回ボクにみどりんは防御力アップの魔法をかけてくれた。

 そして今度食らったダメージは⋯⋯、


 ザコからは『1』で、ボスからは『7』になっていた。


「うーん、バフの重複効果はあるみたいだけど⋯⋯最低ダメージ保証があるっぽい」


 つまり必ず『1』は食らう調整のようだ。

 開発からの「ここでの半永続的な稼ぎはダメだ」という答えなのだろう。


「つまり狙うのはボスね!」


 そうルーミアにもわかる攻略法だった!


 ルーミアの魔法が! シオンの剣が! ボスゴブリンにヒットした!

 そして反撃はほとんどボクが引き受ける!

 ボクもたまに銃で攻撃するが⋯⋯他のみんなの火力には及ばないな。


 しかしこんなにも『ずっとボクたちのターン』状態で攻撃し続けられるのは、ボクのタンクが機能しているからだった!


 いいなコレ! なんかみんなを支えている充実感が凄い!


 ボクは今までタンクというのを内心バカにしていた。

 地味で目立たない、何が楽しいんだって思っていた。

 でも違ったんだな、こうやってみんなに頼りにされるのって楽しい!




「アイスアロー!」


 ルーミアの魔法がボスゴブリンにヒットした!

 それがとどめとなり、ついにボスゴブリンは撃破された!


「やったねルーミア!」

「うん! アリスが守ってくれたおかげよ!」


「私も頑張ったよー!」

「これなら満点ね!」


 こうしてボク達はゴブリンから子供たちを救出して街に戻るのだった。

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