表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第4章 あらたなる伝説へ⋯⋯

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/272

#060 相川家の素敵なメイドさん来襲!

 私の名前は岩瀬遊美(ゆみ)、素敵なメイドさんである。


 ⋯⋯けして家政婦ではない!

 家政婦は私の母だ!

 ぜぇぜぇ⋯⋯それはともかく!


 今日の私は雇い主の奥様のご命令でお嬢様のお宅訪問である!


 私の雇い主の相川家は大企業の芸能プロモーション事務所の社長である。

 元々は私の母が住み込みの家政婦をしていたんだけど、その仕事は娘である私が引き継いだ。

 そして母は現在その社長が所有する不動産の管理人をしているのだ。


 お屋敷から出て一人暮らしを始めたお嬢様がいま住んでいるマンションでもある。

 そして今回の私のミッションはそのお嬢様⋯⋯相川映子さまがちゃんと暮らせているか確認して来いとのことだった。


「あの子が一人暮らしなんて、ママ心配で心配で⋯⋯」


 これが私の上司こと奥様のご命令だった。


 いやー奥様、あなたのお嬢様お隣の家に入り浸りらしいですよ?

 これは私の母、あのマンションの管理人からのリークである。

 私は母さんとはよくラインで連絡とり合っているからね。


 でもそのことは奥様にはナイショだった。

 母曰く「映子お嬢様は自宅を出た方がいいよ」との事。

 まああの過保護な奥様と一緒だとお嬢様、ダメ人間まっしぐらだから仕方ないね!


 ⋯⋯でも現状がそれほど真人間かは疑問だけど。


「⋯⋯これをどう奥様に報告するか? ありのまま報告したらきっと映子お嬢様は連れ戻されるだろうからなー」


 それは御免である!

 現在相川家に住み込みの素敵なメイドさんである私の仕事が増えるので!

 まあ適当に報告しますか⋯⋯。


 そして到着!


「相変わらずデカいマンションっすね⋯⋯火事とかなったら、ヤバいですね」


 昔、母と一緒に見た映画のトラウマでこういう高層建築物に私はやや苦手意識があった。


「とりあえず母さんに挨拶しておきますか」


 母はここの1階の管理人室で暮らしている、今の時間ならきっとお昼のワイドショーでも見ながらのんびりしているはずだ。


 コンッコンッ!


「はい、なんですか? ⋯⋯なんだい遊美(ゆみ)か」

「久しぶり母さん」

「元気そうだねあんたも、まあ入りな」

「お邪魔しまーす」


 こうして私は管理人室に入った。

 すると聞きなれたBGMが鳴っている

 見ると『ファミステ』で遊んでいたようだった。


 うん知ってた、母がワイドショーとか見ているハズないわー。


 私の母はそれはもうゲーム大好き人間である。

 私にこんな〝遊美(なまえ)〟を付けるくらいに⋯⋯。


「うわー、まだ『スベらんか?』とかやってんだ⋯⋯」


 この『スベらんか?』とは、ちょっとした段差で滑って転ぶとすぐ死ぬシビアなゲームである。


「それで今日は何の用だい?」

「奥様の命令で汚嬢様の様子見」

「⋯⋯そうかい心配してるんだね、でも結構よく頑張っているよ映子様は」


 一応名目は母の助手としてこのマンションの管理人として就職した映子お嬢様だけど、ちゃんとやってたんだ。


「へーやればできるんだ、でも一人暮らしの方はどうなの?」

「まあ一人暮らしとは言えないけど、よくやってるよ⋯⋯」


 その母の言いにくそうな言葉に、これはまたやらかしていると私は思った。


「ではチェックに行きますかー! 母さん、マスターキー貸して!」

「ダメに決まっているだろ」


 ⋯⋯ちっ。


 仕方ないので私は不法侵入から抜き打ち訪問に切り替える事にしたのだ。

 まあ今すぐ部屋の片付けが間に合うはずないからねー。


 私は妄想する。


「また映子お嬢様はこんなにお部屋を汚して!」

「えーん、ごめんなさい遊美ちゃあ〜ん!」


 ⋯⋯ふふふ。

 なんでしょうね、この魂が喜ぶ気持ちは?

 こうして私は映子さまのお部屋訪問を開始することになったのです!


 ピンポーン!

 待つことしばし⋯⋯。


「はいどなた? あれ! 遊美ちゃんだー、来てくれたの!」

「はい映子さま、あなたのメイドの遊美ちゃんですよ!」


 そして返事も待たずに私はお嬢様のお部屋に侵入する!

 さあ全てをさらけ出して! 汚嬢様!


 ⋯⋯⋯⋯えっ!?

 そこはピカピカだった。


「嘘だ⋯⋯」


 声が震えていた。


「もう遊美ちゃんが来るなら先に言ってよ何か用意したのに」

「⋯⋯映子さま!」

「なに?」

「もしかしてこの部屋に住んでいないのですか? 隣のあの女の部屋に住んでるのですか!?」

「そんなことないわよ、そうしたいのはやまやまだけどねー」


「⋯⋯だったらこの生活感無い部屋は一体!?」

「それは⋯⋯昨日掃除してもらったばかりだから⋯⋯」

「誰に! あの女にですか!」

「真樹奈の⋯⋯弟君に⋯⋯」


 栗林真樹奈、お嬢様が家から出るきっかけになった女だった。

 私が言うのもなんだけど映子お嬢様はめんどくさい人間だ。

 それを黙って受け入れるその真樹奈さんとやらには、ある意味尊敬すら感じている⋯⋯。


 私はまだ映子さまとは面白いところだけの付き合いだから何とかなっているが⋯⋯。

 コレと人生添い遂げることを考えると頭がどうにかなりそう。


「⋯⋯弟君って『アリス君』?」

「そう⋯⋯」


 私は知っている、この映子さまが口を滑らしたからね。

 あの今をときめくVチューバー『アリス』の正体を!


 あの声で男というのも凄いが⋯⋯この掃除の徹底ぶりには感心する。

 これは素敵なメイドである私のアイデンティティの危機である!


「⋯⋯ではご挨拶に行きましょうか、お隣に」

「あ、私も行くよ」


 こうして私と映子さまはお隣の栗林家へと向かう。


 カチャ!

 無言で合鍵で開錠するお嬢様⋯⋯。

 どうやらお隣に入り浸っているのは事実のようだ。


「おっじゃましまーす!」


 のーてんきにバカっぽい声だして入室する映子さま。


「⋯⋯失礼します」


 ガラにもなく私は緊張してしまう。

 だってここには画面の向こうにしかいなかったあの『アリス君』が居るのだから⋯⋯。

 部屋の奥から鼻歌が聞こえる⋯⋯アリスの歌だった!


「あっ映子さんいらっしゃい⋯⋯⋯⋯!?」


 そんなアリス君は私を見て硬直する。

 まあそうだよね、そんな無防備にかわいい声で、私みたいな見ず知らずのメイドさんを見たらそりゃビックリでしょう。


 まあ今は私服ですが⋯⋯でも心はいつもメイドなので!


「おっす映子! ⋯それに遊美ちゃんじゃない、いらっしゃい」


 奥の部屋からあの女こと栗林真樹奈も出てきた。


「お久しぶりです、真樹奈様」

「相変わらず固いね、遊美は」

「ねえさんの知り合い?」


 そうオドオドと声をだすアリス君⋯⋯なんか加虐心をそそられますなあ⋯⋯。


「映子の実家のメイドさんよ、ああ気にしなくてもあんたの事知っているから」

「ホワイッ! なぜ!?」

「映子のバカが口滑らしたからに決まってんでしょ」

「ごめんね~有介君」


 そして恨みがましそうにお嬢様を見つめるアリス君⋯⋯ププッ、これは後でオシオキ確定ですなぁお嬢様。


「アリス様、私は相川家に仕えるメイドです。 職務上で知りえた情報を他者に漏らすような事は致しませんのでご安心を」

「⋯⋯そうですか」


 そうカーテシーを決める私を見てアリス君は呆然としていた。


「ところでアリス様、今から夕飯の準備ですか?」

「ええまあ」


 これは母からの情報だけど⋯⋯この家での食生活の大半はこのアリス君に依存しているとの事だった。

 まったく嘆かわしい、女が3人もいて男に養われるなど⋯⋯。


「それなら私もお手伝いしますね」

「そんな悪いですよ、お客様に」

「私はお客である前にメイドです、主人に尽くすのがお仕事なのです」


 そう言い切って強引に手伝うことにした。


「手伝ってもらいなさいよアリスケ」

「いいのかな?」

「いいのいいの! 遊美ちゃんのお料理食べるのひっさしぶり~」

「ではちょっと着替えてきますね」


 こうして私はメイド服(せんとうふく)に着替えるのだった。

 ⋯⋯メイドモードにならないと『推し』(アリスちゃん)と一緒にお料理作りなんてニヤケちゃうからね!

お読みいただき、ありがとうございます。

続きを読みたいという方はブックマークの登録を、

面白いと思って頂けたなら、↓の☆を1~5つけてください。

あなたの応援を、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鮎咲亜沙の作品リンク
銀色の魔法はやさしい世界でできている~このやさしい世界で最後の魔女と素敵な仲間たちの夢見る物語~
こちらも応援よろしくお願いいたします。
感想もいただけると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ