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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第9章 リアルの家族たち

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#235 リネット・ブルースフィア王女殿下のご入学

「さて行こうか留美さん」

「うん、アリスケ君」


 ようやく長かった夏休みが終わり僕と留美さんの2学期の登校が再開された。

 そしてそれは同時にリネットの転校も今日からという事になる。


「リネットも誘おうか?」

「いや無理でしょ今日は」


 うんまあ、そうだろうな⋯⋯。


 僕たちがこのタワマンを出るとセバスチャンを始めとするロイヤルガーディアンの方々がリネットの乗る車の警護に当たっていた。

 セバスチャンはチラッとこちらを見たがそのまま挨拶もせずに職務を続行している。


「⋯⋯邪魔しちゃわるいな」

「そうね」


 こうして僕たちは先に登校することになったのだが⋯⋯。


「⋯⋯なんか物々しいな」

「さすがお姫様の初登校ね」


 うん⋯⋯学校までの通学路の100メートルおきくらいに黒服とテレビの取材陣が居た。

 それを見ながら僕たちは約5分間くらいの通学路を歩いて移動するのだが⋯⋯。


「あ⋯⋯抜かれた」


 途中でおそらくリネットが乗っているであろう黒いリムジンに抜かれたのだった。

 そしてそれを追う黒いベンツや取材のワゴン車さらに空にはヘリまで飛んでいた。


「⋯⋯リネットが入学してくるってこういう事なのか」

「私たちとんでもない人とお友達になってたのね⋯⋯」


 あらためて僕たちはリネット・ブルースフィアというお姫様の事を知るのだった。




 そしてリネットから遅れて僕たちも校門をくぐったら──。


「すみません! 今日からブルースフィア王国のリネット姫が入学してくるそうですがどういうお気持ちでしょうか!」


「あ⋯⋯う⋯⋯!?」


 なんと僕にまで取材のマイクを向けられる事になった。

 まずい⋯⋯ここでしゃべったら僕の声が全国ネットに!?


「すみません通してください! 遅刻するので! 通して!」


 そう力強く声を出して取材陣を下がらせたのは留美さんだった。


「行こ! アリスケ君!」

「⋯⋯うん」


 なんと留美さんの手に僕の手が引っ張られて!

 ⋯⋯こんなところをテレビカメラに撮られて僕どうしよう!?


 しかし留美さんはそんな事全然気にしてないふうだった。

 ⋯⋯まあ僕だけだよな手をつないだだけでドキドキするようなのは。


 そしてようやく下駄箱まできて。


「あの留美さん? 手⋯⋯もう⋯⋯」

「⋯⋯⋯⋯ああっ! 繋いでたのすっかり忘れてたわ!」


 そう言って先に上履きに履き替えて教室に行ってしまった⋯⋯1人で。


「⋯⋯僕も行くか」


 そして僕は1人寂しく教室まで歩くのだった⋯⋯手に残った留美さんの温もりを思い出しながら。

 よし、今日はもう手を洗わないぞ!


 そして教室に着くともうそれは大騒ぎだった。


「なあ今日この学校にどこかの姫様が転校してくるんだってよ!」

「マジ? 芸能人かと思ってたわ!」


 まあ姫様だしVチューバーだから芸能人というのもあながち間違いではないな。

 そう思いながら僕は気配を消して自分の席に座るのだった。


 ちなみに僕の席は窓際の一番後ろという、いわゆる主人公席と呼ばれるベストポジションである。

 おかげで1学期中はぜんぜん誰にも話しかけられなくて最高だった。


「おはようアリスケ君」

「⋯⋯おはよう」


 このクラスで僕に挨拶してくるのは留美さんくらいだろう。

 それも僕のこの人前であまりしゃべりたくないのを考慮してごく小さな小声でだ。


 そんな留美さんの席は僕の目の前の窓際だった。

 まあだからといってお喋りとかはまったくしないのだが。


「じゃあ姫様がこのクラスになる可能性も⋯⋯」

「だな!」


 とかそんな風に盛り上がっているクラスの男子たち。


 この学校の学年は5クラスだからな、つまりこのクラスになる可能性は20%だ。

 しかしセバスチャンが僕たちのクラスメートにとか言ってたから、なにか裏工作でもあったのかもしれん。

 つまり僕はほぼ100%このクラスにリネットが転校してくると踏んでいた。


 その証拠に⋯⋯。

 うん⋯⋯僕の隣に誰も使っていない1学期には無かった席が用意されている。


 そりゃまあそうである。

 漫画なんかだと先生が「じゃあ転校生はそこの空いている席に⋯⋯」とか言うがそんな空席が突然湧いてくるわけもないのだ。


 つまりそういう事に気づいててこのクラスの生徒たちは今大盛り上がりという訳だった。


「やあおはよう。 芹沢さんに栗林君」


 そんな風に考え事をしていたら突然誰かに話しかけられて僕はビックリした!


「おはよう井口君」

「おは⋯⋯よう」


 僕はか細い声でそう言うのがやっとだった。

 しかし留美さんは相手の名前も知っていたようだ⋯⋯まあ僕と違ってクラスのアイドルで社交性抜群の留美さんだからな。


「2人は一緒に登校を?」


 僕はドキッとなった!? コイツ⋯⋯見ていたのか!?


「ええ。 一緒の方角からだから、たまたまね」


 そうポーカーフェイスで言い訳する留美さんが頼もしい⋯⋯僕なんかもうあうあうしか言えないのに。


「そうなんだ。 ⋯⋯たまたま、か」


 そう言いながらその男子生徒は自分の席に戻っていった。


 彼の事は名前は知らないが⋯⋯まあ知っている人だ。

 なにせ1学期の時には結構目立つポジションの男子生徒だったからな。


 それにかなり高身長でガタイもいい。

 腕にはしっかりと筋肉が見えて正直うらやましい体格の男だった。


 僕もあんなマッチョで高身長でイケボだったらこんな風にコソコソ生きていなかっただろうと思うと、もしかすると僕の理想像なのかもしれんあいつは。


 そんな事を考えていたらようやく担任の先生がやってきた。


「おい! 静かに! 席に着け!」


 そしてバタバタと着席する生徒たち。

 こほん⋯⋯とかるく咳払いしてからやや緊張した様子で先生が口を開いた。


「今日からこのクラスに転校生というか海外から留学してきた新入生を迎える」


 それを聞きクラスにはまたどよめきが起こる。


「静かに! ⋯⋯では紹介する。 ⋯⋯⋯⋯入りたまえ」


 ずいぶんと葛藤があったように感じる。

 まあ先生も貧乏くじを引いたとか思ってそうだよなお姫様の担任とか。

 その気持ちはよくわかる。


 そしてガラッと扉が開いた、そこには──。

 流れる銀髪をなびかせた完璧なお姫様がそこには居た。


 リネットはあわてる様子もなくゆっくりと優雅に教壇に向かって歩いていた。

 ⋯⋯そして。


「皆様、私はリネット・ブルースフィアと申します。 この日本から遠くにあるブルースフィア王国より留学してきました、これからよろしくお願いします」


 そう微笑みを絶やさない完璧なプリンセススマイルでそう挨拶を終えたのだった。


 一瞬沈黙があった⋯⋯しかし次の瞬間!

 クラス中に大きなどよめきが起こり大興奮となる!


「スゲー! お姫様だってよ!」

「銀髪だぜ! 俺はじめて見た!」

「うおおおぉ! マジかよ!」


 まあ騒いでいるのはほとんど男ばっかりだったが⋯⋯。

 女子たちも「お人形さんみたい!」とかはしゃいでいる子もチラホラ居る。


「お前ら騒ぐな! 静粛に! ⋯⋯⋯⋯すみませんリネットひ⋯⋯さん」

「いえ構いません、先生」


 どうやら先生は姫と呼び掛けてさん付けに戻したようだ。

 つまりそういう希望がリネットサイドからあったんだろう⋯⋯たぶん。


 そしてようやくクラスが静かになった。


「こほん⋯⋯ではリネットさん。 ⋯⋯あちらの開いている席にどうぞ」

「ありがとうございます」


 そう微笑みを絶やさないままでゆっくりと歩き⋯⋯僕の隣の席に座るリネットだった。


 その一挙手一投足をクラス中が見つめていた。

 すぐそばの僕の事をうらやましそうに睨む男子もしたが⋯⋯基本的にリネットに視線が集中して僕のことなど眼中には無いようだった。


 そして⋯⋯席に座ったリネットはなんだか僕の知らない女の子に見えた。

 なんかすごく印象が違う? なぜだろう?


 ⋯⋯ああそうか! いつもは目をパッチリと開いて無邪気に笑っているのに今は目を細めて優雅に笑っているせいか。

 それだけですごく印象が変わるんだなリネットは。


 そして同時に思った。

 ⋯⋯リネットってこの完全無欠姫様モードで高校生活する気なのか⋯⋯と?


 いやまあリネットがそうしたいというのなら僕にとやかく言う権利はないけどさあ⋯⋯疲れないのだろうか?

 それともリネットにとってはこの姫様モードはいつもの事で日常なのかもしれんし。


 そんな事を考えながら僕はリネットに見とれていたら。


「お隣の席ですね。 今日からお願いしますね()()()()()()


 そう僕に挨拶するのだった。

 そして僕にだけ向けて見せるリネットの今の表情は⋯⋯イタズラっぽいいつもの笑顔だった。


 ああよかった本物のリネットで。

 一瞬だけ影武者かと思ったことは黙っとこう⋯⋯。


 そして僕はクラス中の嫉妬の視線を一身に浴びていた。

 ⋯⋯今日から僕の学校生活はどうなってしまうのだろうか?

お読みいただき、ありがとうございます。

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