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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第8章 過ぎ去りし幻想を求めて

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#215 女王の試練

 僕はこのブルースフィア王国の王位継承問題に巻き込まれてしまった。

 そのためリネットと二人だけでこのお城の地下にある中央制御室へと向かっている最中である。


「ほんとにすみませんアリス、こんな国の問題に巻き込んでしまって⋯⋯」

「いいさ。 実はちょっと面白そうでワクワクしているんだから!」


 僕はリネットに気を使わせないように気楽に言った。

 まあ本当に面白そうな事態だとは思っているんだけどね。

 当事者のリネットやその家族は大変なんだろうけど。


「⋯⋯やっぱり男の子なんだなあ」

「何が? リネット?」


「あ、いえ⋯⋯。 こういう冒険になったらやっぱりアリスは男の子なんだと思って」

「普段は僕の事を妹だと思ってるでしょ、リネットは?」


「それは、その⋯⋯すみません! でも妹が男の子だなんて思わなかったし、実際に会ってみても女の子の声で違和感がないしで」

「あー、もういいよ」


 すべて悪いのは僕の声のせいだ、リネットは何も悪くない⋯⋯っく。

 でもまあ妹扱いだったからこそこんなに短期間で仲良くなれたのも事実。

 そう考えると悪くないかもしれんが⋯⋯やっぱり少しくらいは男らしいところを見せたいものだ。


「実は私⋯⋯弟が欲しかったんですよね」

「そうなの? 妹じゃなくて?」


「ええそうなんです。 兄たちが居たからなんでしょうか? 私にも弟が欲しいという願望がかなりあってそれで⋯⋯これからはアリスの事を弟のように思ってもいいですか?」


「あーうん。 まあリネットがそれでいいのなら⋯⋯」

「えへへ⋯⋯」


 ⋯⋯若干複雑ではあるが妹扱いよりは一歩前進したと思っておこう。

 べつに僕がリネットとお付き合いするわけがないんだし。


「⋯⋯あ! 僕とリネットの婚約どうしよう!?」

「それなら女王の座といっしょに破棄しますから安心してくださいね」


「そっか、それならいいか」

「⋯⋯なんかくやしい」


「なにが?」

「なんでもありません! 私のちっぽけなプライドの問題なので!」


 なんかリネットを怒らせてしまったようだがそれ以外は問題なく進んでいく僕らだった。




 そして1つ目の扉が現れた。

 扉には『ダイチノシレン』となぜかカタカナで書かれている。


「大地の試練?」

「なんでしょうか?」


 するとコンピューターの合成音声がアナウンスしてくれる。


『この第一の試練では女王と伴侶が力を合わせるところを見せていただきます』


「試練って何するんだろ?」


 空いた自動ドアの中の部屋には⋯⋯なんか大きなブロックが多数配置された部屋だった。


『このブロックを決められた位置に移動させてください』


「なるほど『倉庫係』みたいなゲームだね」


 倉庫係とは迷路みたいなせまい空間でブロックを押して正しい位置に移動させるとクリア、というパズルゲームの定番だ。


「よし! やりますよアリス! ⋯⋯むんっ!」


 しかし微動だにしないブロックだった。


「重いのリネット?」

「これは⋯⋯私だけではちょっと⋯⋯」


『このブロックの重量はお二人が力を合わせないと動かせない重量に設定しています』


「なるほどね」


 たしかにこれは二人で協力するところを証明する試練っぽい。


「よし、二人で押そうリネット」

「はいアリス!」


 こうして僕たち二人でなんとかブロックを押していくのだった。


「⋯⋯けっこう力があるのですね、アリスは?」

「まあ男の子だから」


 やはり僕は貧弱な坊やだと思われているのだろうか?

 もっと筋肉つけよう⋯⋯。


「⋯⋯えっとこれがこうで⋯⋯あっちにはこうで?」

「こっちは後回しでこっちを先に動かさないと?」


 僕は倉庫係のゲームの経験を活かしつつこのステージをクリアするのだった。


「よし終わった!」

「やりましたねアリス!」


 そう僕たちはハイタッチする。


 ⋯⋯しようとしたら一瞬だけリネットは躊躇したようだが、それでもハイタッチしてくれた。

 もしかして汗臭いとか思われたんだろうか?

 まあリネットも年頃の乙女だし、そういうのに抵抗があるんだろうきっと⋯⋯くすん。


 そして次の部屋への扉が開いた。


「お! あれが次のステージだね」

「ふう⋯⋯へとへとです」


 こうしてみるとリネットもかよわい女性なのだと思う。

 普段がエネルギッシュで活動的だからあんまり実感しないけど⋯⋯。


『第二ステージは航海の試練です』


「航海? なんだろう?」

「海ですし泳ぐのでしょうか?」


 まあ泳ぐのなら僕もリネットも大丈夫だけど。


『ここではいくつかの質問をさせてもらいます、それに対してお二人の回答をお願いします』


「質問?」

「なんでしょうね?」


 僕とリネットはまるでテレビのクイズ番組の席みたいな場所に座って問題を待つ。


『問1。 戦争をどう思いますか?』


 ⋯⋯なんだこの質問は?

 まあ確かに王になる人ならこの質問も意味があるのかもだけど?


「リネットどう答えるの?」

「それは⋯⋯」


『ご相談は禁止します。 ただし回答内容による失格等のペナルティは一切ありませんので思う通りの考えをお聞かせください』


「⋯⋯なるほど、これは一種の性格診断なのかな?」

「性格診断ですか?」


 なら気楽に答えてもいいのかもしれない。


「戦争は良くないと思う。 戦わずに話し合いで解決すべきだ」

「戦争は政治です。 平和を維持するには力を行使せねばならない時は必ず訪れます⋯⋯が、それでも可能な限り戦争は避けるべきです」


 僕とリネットの考えは違った。

 まあこれが庶民の僕と王族のリネットの考え方の差だ。


『問2。 使い切れないお金を持っていればどうしますか?』


「えーと⋯⋯貯金かな?」

「福祉に使います」


 ⋯⋯なんかあさましいな僕は、自分の事ばっかりでリネットは立派だなあ。


『問3。 資源が無い国はどうすればよいのか?』


「えー! どうすれば?⋯⋯ 漫画を描くとか?」

「我がブルースフィア国も資源があるとは言えない国です。 なのでコンピューター関連の技術やエンタメ産業を中心に経済を支える基盤にしていく方針です」


 僕とリネットの考えは根本的には同じかもしれない。

 聞いた話だともっとも無からお金を作り出す方法は小説を書くことらしいけど。

 やはりエンタメ産業が最強か⋯⋯。


『問4。 胸の大きな女の子と小さな女の子、どちらが好き?』


「えー!? ⋯⋯どうしよう?」

「相談は禁止なのでお好きに答えてくださいね、ア・リ・ス!」


「⋯⋯小さいほう」

「女の子なので小さい一択です!」


 かなり同調圧力を感じた。


『問5。 銀髪が好き?』


「はい」

「え? ⋯⋯まあ好きですけど」


 いかん⋯⋯条件反射で答えてしまった。


「あのアリスは、ルーミアさんの紫髪が好きなんじゃ?」

「いや単なる色だけなら銀髪が好きで、ルーミアのはもっと好きな猫耳だから」


「⋯⋯ふーん。 ⋯⋯⋯⋯猫耳、私もつけようかな?」


 ⋯⋯やばい、地雷踏んだか?

 この後もなんかよくわからん質問に答え続ける僕とリネットだった。


 そしてそのたびに驚いたり怒ったり感情をコロコロ変えるリネットであった。

 やっぱり女の子はよくわかんないなあ⋯⋯。


『これであなた達のことがよくわかりました。 どうぞこのままお進みくださいませ』


 そして次への扉が開いた。


『次が最後の試練です、頑張ってください』


「お? 次で最後か」

「やっとですねアリ⋯⋯ス」


 少しだけ言い方が引っかかったリネットだった、疲れたのかな?

 そう思いながら僕たちはこの地下通路を進んでいくと、そこには⋯⋯。


「銀色の扉だ?」

「いままでの扉とは雰囲気が違いますね」


 そう観察している扉が目の前で開いた。

 横に開く自動ドアと縦に開く自動ドアがいくつも重なるドアだった。

 なんかアニメでよく見る宇宙船の気密ハッチみたいだなコレ?


 そして中に入ると後ろで扉が閉まった。


「閉じ込められた!?」


 そう焦るリネットに僕は。


「たぶん進めということなんだろうね、行こうリネット」

「⋯⋯はい。 その、大丈夫ですよね?」


「ごめんね、一緒の僕が頼りなくて」

「そんなことありません! その、アリ⋯⋯スは頼りになる男の子⋯⋯なので」


 すげー言いにくそうに言われた。

 これはやっぱり頼りないと内心では思っているんだろうなきっと。


「もしなにかあったら僕がリネットを守るからさ」

「⋯⋯はい」


 そして緊張するリネットと共に進んで最後の『天空の試練』の扉が開くのだった。

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銀色の魔法はやさしい世界でできている~このやさしい世界で最後の魔女と素敵な仲間たちの夢見る物語~
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― 新着の感想 ―
これ、女王と伴侶の試練ってことになってるし、お世継ぎを作るまで出られない試練部屋とか言われたら爆破するしかなくなるな……なんて思ってしまった。
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