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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第8章 過ぎ去りし幻想を求めて

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#208 夏のバカンス

 いま僕はものすごく緊張していた⋯⋯。

 というのも1人で更衣室で水着に着替えて、これからみんなと会うからだ。


 いや最初から知ってはいたんだよ、この旅行でこうやって海水浴を楽しむなんてことは!

 ⋯⋯しかし僕以外のメンバーが全員美少女ばかりだという事をどうやら僕は考えてなかったらしい。


「おーい、有介! いくぞー、海に!」

「うわぁっ!? こっち見んな姉さん!」

「なに言ってんのよアンタ⋯⋯。 今から見せるんでしょ、その体を」


 なんかエロそうな言い方だが姉のセリフである、ぜんぜんエロくない。


「⋯⋯その、みんなは気にならないのかな? 水着姿を男の僕に見られるのって?」


 なんか呆れたように僕を見る姉だった。


「何言ってんのあんた? 女は見せるために水着を選ぶのよ。 とくに留美とか留美とか留美とかは」


「そんな留美さんを痴女みたいな言い方したら怒るよ僕でも?」

「あ⋯⋯ハイ、ごめんなさい。 でも留美の水着はエッ⋯⋯いやネタバレはやめよう」


 姉は何か言いかけてやめた。


 いや僕もさみんなの水着姿とか想像してたよ、でも現実で見たいかというと⋯⋯なんか今までの関係が壊れそうで、なんか今更になって辞めたくなってきた⋯⋯。


 でもそんな僕をグイグイ引っ張っていく姉だった。


「⋯⋯ふーん、頑張ったじゃん有介にしては」

「なにが?」


「おなかの引き締まった感じが」

「⋯⋯割れてないんだけど?」


「3か月くらいの筋トレでそこまで絞ったなら上出来よ」

「知ってたの姉さん!?」


「そりゃまあ有介がひとりで部屋の中でふーふー言ってたら⋯⋯ね」

「あ⋯⋯ソウダネ」


 なんかスゲー恥ずかしい⋯⋯。


「それに高校生ならそんなもんでいいでしょ。 今の有介がムキムキマッチョになるとか⋯⋯なんかヤダし」

「えー、なんでさ!」


 そんな事を言いながら浜辺に着いた時にはいつのまにかすっかり緊張や恥ずかしさなど感じなくなっていた僕だった。




 そこには白い砂浜と、どこまでも青く澄んだ空と海だけが広がっていた。

 正直なところ、女の子たちの水着姿よりもそっちに気をとられる僕だった。


「やっと来ましたね、アリス!」


 そのリネットの声に思わず振り返るとそこには⋯⋯最高の光景が広がっていた。

 姉の水着姿も客観的にはハイレベルなんだが、そんなものが霞んで見えるマーメイド達の姿がそこに!


「やっほー! あっく~ん!」


 そう大きなビーチボールを胸に抱えたシオンがこっちに走ってくる。

 ビーチボールは3個あった⋯⋯。


「お⋯⋯おお、シオンか」


 シオンなのかコレは?

 いつものクソダサジャージ姿とは全く違う水着姿だった。

 ビキニとか着るんだ、シオンが⋯⋯。


「ようこそアリス! 我がブルースフィア王家のプライベートビーチへ!」


 そう堂々と胸を張るリネットはスポーツタイプな競泳水着だった。

 ちなみにヘソ出しはしていない、コスプレの踊り子の時の方が露出度が高かったんじゃないだろうか?

 でも体育会系のリネットにはこの水着のほうがよく似合っていて安心する。


 そして⋯⋯。


「ア⋯⋯アリスケ君⋯⋯」


 そうもじもじしている留美さんと目が合った。

 一瞬で僕は留美さんの姿を下から上まで観察する!


 黒色のワンピースタイプの水着でとてもよく留美さんに似合っていた。

 こちらもヘソは見えない⋯⋯良し健全!


「あ⋯⋯うん、留美さんも元気そうで⋯⋯」


 何言ってんだろ僕は?


「アリスケ君も元気そうで⋯⋯」


 そうもじもじと留美さんの視線が下がる⋯⋯見ている留美さんが!?


 ⋯⋯僕の腹筋を!

 ⋯⋯⋯⋯トレーニングしてきて良かった。


 今まで水着だからと言ってあわただしくダイエットにいそしむ女子をバカにしてきてごめんなさいでした!


 そして⋯⋯⋯⋯。


「ごめーん! まった~、まきな~!」


 そう甘ったるい映子さんの声に反射的に振り向こうとした僕だったが。


「アリスケ君! 見ちゃダメ!」

「ぐぎっ!?」


 留美さんの恐ろしい力で僕の首を締め付ける⋯⋯。


「ちょっと映子! いくら何でもその恰好は!」


「ピッピッ──! レッドカードです! 退場です! ここは健全な王家のプライベートビーチですよ!」


「わおー、映子さんすごい⋯⋯えっろ!」


 姉とリネットとシオンが何か言ってる。

 一体どんな姿の映子さんへのコメントなんだろうか!?


 てか留美さんが密着しててそれどころではない!


 ⋯⋯結局一発退場だった映子さんは別の水着に着替えるためにいったん更衣室へと姉に連れていかれた。

 ⋯⋯⋯⋯一目だけでも見たかった、無念なり。


 でも留美さんの目がすごく怖いので言わないよ、僕は。


「ふふふ、いいねえ若者たちは」


 そう達観したようなセリフを言うのは、すでに砂浜に埋まっているオシロン先生だった。


「⋯⋯オシロン先生? なんで埋まってるんですか?」

「ちょっと男子更衣室に忍び込もうと思ったら、このざまよ」

「そうですか⋯⋯」


 僕はそっとオシロン先生の生首の傍に日傘をさしてあげたのだった。


「腐腐腐⋯⋯美少年のお腹⋯⋯」

「あとでスイカ割りが楽しみですね」

「ノォー! やめて! 反省してますから!」


 それから暫くしてオシロン先生はまるでマンドラゴラのように引っこ抜かれるのであった。




「それでは皆様! ここでの海水浴を楽しんでくださいね!」


 そうリネットの宣言で海水浴の始まりになる。

 しかしその時現れたのは!


「ははは! 待たせたなリネット! この兄さんが来てやったぞ!」

「⋯⋯来たんですか、ラズリアス兄様」


 上機嫌な王子様と、なんか急にテンションが下がったリネットだった。


 というかリネットって兄が嫌いなんだろうか?

 いや⋯⋯ウザいだけかな?


 兄離れし始めている妹と、いつまでも妹離れできない兄。

 それがこの兄妹の本質なんだろうとボッチ特有の観察眼で察した僕だった。


「妹の水着姿を⋯⋯じゃなくて、妹を危険な海から守るのは兄の役目! ⋯⋯ってリネット!? 俺の用意した水着は!?」


「着ませんよ、あんな水着! 私はいつまでも子供じゃないんですから! あんなピンクでフリフリで⋯⋯恥ずかしい」


 一瞬だけどんなエロい水着かと思ったが⋯⋯どうやら王子様が用意したのは子供向けの水着だったようだ。

 ピンクでフリルでかわいい系の水着か⋯⋯そりゃ今のリネットなら嫌がるだろう。


「そ! そんな!?」


 絶望に落ち込むラズリアス王子だった。


「⋯⋯落ち込むイケメン王子⋯⋯いい」


 なんかオシロン先生の琴線には触れたらしい王子様である⋯⋯ご愁傷様。


「お兄様には罰として肉でも焼いててください! それが嫌なら退場です!」

「⋯⋯はい、肉を焼きます。 焼かせていただきます」


 悲しみに落ち込むラズリアス王子だった。

 てか⋯⋯兄への当たりがキツイなあリネットは。


「アリスケ君の真樹奈さんへの扱いも、あんなもんじゃないかしら?」

「そうだっけ?」


 まるで心を読まれたような留美さんのツッコミに僕は考え込む。


「⋯⋯客観的には僕と姉もあんなもんなのか?」

「だいたいそうよ。 でもだいたい真樹奈さんが悪いからアリスケ君は悪くない」


 そう話している頃にようやくまともな水着に着替えた映子さんと姉が帰ってきた。


 ⋯⋯てか、これでも十分セクシーでセンシティブな水着だと思うのだが⋯⋯最初の水着はどんなだったんだろ?

 めっちゃ知りたいが誰にも聞けそうにない僕だった。


 僕は照れ隠しでバーベキューの用意をしている王子様に近づく。


「⋯⋯あの、手伝いましょうか?」

「貴様はアリス⋯⋯か? ふんっ」


 なんか僕を見て不機嫌な王子様だった。


「男のくせにリネットの妹になるなど⋯⋯俺は認めんからな! たとえリネットが貴様を妹だと認めても、俺は認めんからな!」


「当然じゃないですか!」


 僕だってこの王子様を兄だとは思えんし⋯⋯。


「なぜ⋯⋯なぜリネットに妹など出来てしまったのか⋯⋯」

「いやまあ、ただのVチューバーの設定なのでそこまで気にしなくても」


 さっぱりしたイケメン王子だと思っていたラズリアス王子だが⋯⋯リネットの事だけはやたらと絡んでくるなあ。


「はい、は~い! 私がアリスちゃんとブルーベルちゃんを姉妹にしたママで~す!」

「貴様が諸悪の元凶か!」


 煽るなよオシロンママ⋯⋯。


「おお、やっとるか?」

「久しぶりの家族の団欒ね」

「部屋で寝てたかった⋯⋯」


 そこには水着に着替えて遊ぶ気マンマンな王族ファミリー大集合である。


「あ! お父様! お母様! レジェイド兄様!」


 そう喜んで出迎えるリネットだった。


「⋯⋯リネットよ。 この俺にだけ冷たくないか?」

「ラズリアスお兄さん、一緒に肉を焼きましょう」


「⋯⋯いい奴だなアリスお前は。 しかしまだ『兄』などと呼ぶな! まだ認めんからな俺は!」

「すいません! 言い間違えました王子様!」


 なんてめんどくさい兄なんだろう。


 ⋯⋯リネットの彼氏になる人は大変だな。

 そう僕は他人事だと思うのだった。

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