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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第8章 過ぎ去りし幻想を求めて

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#201 ホテル・ブルースフィア城

 とんでもない出来事があったがどうやら無事に終わったらしい。

 しかし僕たちのブルースフィア観光はまだ始まったばかりなのだ。


 ちなみに乃愛ちゃんはもう帰った。

 どうやらこのブルースフィアの大学の学生寮に部屋を借りているらしく、そこでひとり暮らしらしい。

 まだ小学生くらいの少女なのにしっかりした子だな。


「では皆さんの滞在中に使って頂くお部屋に案内しますね!」


 そうリネットが僕たちを案内してくれる。


 僕たち⋯⋯僕、留美さん、シオン、姉さん、映子さん、オシロン先生はなんとこのお城に泊まることになったのだ!

 リネットは元々住んでた自分の部屋があるのでそこに泊まるらしいが⋯⋯。


「えへへ⋯⋯今夜は誰の部屋に遊びに行こうかなー」


 どうやら自分の部屋を使う気はまったく無いお姫様のようだった。

 そしていちおう僕たち全員に一人一部屋ずつ割り当てられたのだが⋯⋯。


「あっ君! 今夜いっしょに遊ぼう!」

「わ⋯⋯私も今夜くらいはつき合おうかしらね!」


 そうシオンと留美さんが僕の部屋に遊びに来ることになった。


「いいですね! 私も行きますね!」


 さらにリネットまで⋯⋯。

 寝れるのだろうか今夜の僕は?


「よーし、今夜は徹マンよ徹マン!」

「いいわね!」

「ふっふっふ、私の燕返しが炸裂しちゃうぜ!」


 こっちの姉さんたち大人組は徹夜で麻雀大会らしい⋯⋯観光とは?


 実はあの後オシロン先生と王妃様がアドレス交換したんだけど⋯⋯ついでに姉も交換していた。

 ついに姉のメル友に王妃様という上級国民が加わった瞬間である!


 そしてこの4人の大人組で今夜は麻雀大会としゃれこむことになったのだそうだが⋯⋯我が姉はどこを目指しているのだろうか?


「リネット様これを」

「ああ出来たのですねセバスチャン! さあ皆さんに配って」

「配る?」


 セバスチャンが持ってきた物はなんかクレジットカードみたいな物だった。

 それの説明をリネットがする。


「こちらは我がブルースフィアに滞在中に皆さんに使ってもらう『ゴールドパス』になります」

「ゴールドパス?」


「大雑把に言えば身分証と電子マネーを兼ねた物です。 これで島での買い物をすればお土産なんかは持って帰らずに直接日本に届けてくれるシステムなんです!」


「へー便利ね」


 そうみんながそのゴールドパスを受け取った。


「べつにこれは皆さんだけの措置ではなくて、この島に滞在する観光客ならほとんどの人が使っているサービスなので」


「そうなのか、でもなんかゲームに出てきそうなシステムだな」


 そう僕が思ったことを言う。


「実はですね⋯⋯この島で買って帰れるお土産物の大半はこの島には無いのです」

「無い?」


「ええ、外国の⋯⋯主にイギリスとかに大きな倉庫があって、そこから観光客の実家まで配送しているんです」


「へーそうなんだ。 でもなんで?」


「この島に全商品をいったん配送することは経費の無駄でしかないからだ。 それに小さな我が国の空港ではすぐにパンクしてしまうからな⋯⋯」


「なるほど」


 なんかこの国なりの事情のあるシステムのようだった。

 しかしキャッシュレスで気軽に買い物できるのは便利だと思った。


「買った商品とお金を実感できないから使い過ぎに気をつけないと⋯⋯」

「そうだね留美さん」


 さすが留美さんはしっかりした経済観念で安心できる。


「おっしゃ! これで明日からバンバンくだらないお土産買いまくるわよ!」

「わーい! お買い物デートだあ!」


 姉と映子さんはダメな大人の代表だった。


「通販みたいで便利だね。 荷物を持って帰らずに済むから便利」


 そう言うのは通販依存民のシオンである。


「あとで関係者全員にお土産配っとかないと⋯⋯日本に無事に帰れない」


 そう大人の処世術を見せるオシロン先生だった。

 そういうことは気にするのに無断で取材旅行は断行するところがやはり人としておかしい。


「そうだ! オシロンお母様には朗報です!」

「なにブルーベルちゃん?」


「実は今夜⋯⋯我がブルースフィア城の大浴場が使えるのです!」

「なんですって!?」


 大浴場⋯⋯この城の巨大な銭湯みたいなものだろうか?


「私も楽しみなんですよ! 普段は経費削減で使えないので、こういう機会は私にとってもお楽しみです! なのでみんなで一緒にお風呂入りましょうね!」


 このブルースフィアはあんがい貧乏国家なのだろうか?

 しかしいいのだろうか? こんな僕たちの為に莫大な経費を使って大浴場を使わせてしまっても。


「大浴場⋯⋯漫画で毎回描くんだけどちゃんとした資料が無くてテキトーに描いてたからホントにありがとう!」


「いえいえ、喜んでいただけて良かったです。 アンジェリカお母様が許可してくれたので!」


 すごいな勲章持ちの大作家さまは⋯⋯。

 これも王妃様という太いパトロンの権力なのだろうか?


「よし! 風呂! 風呂入るわよ! さっきから塩で気持ち悪かったし!」

「そうよね!」


 そういやさっき姉と映子さんは海に落ちたからな⋯⋯。


「じゃあみんなでお風呂楽しんできてね」


「えー! 有介もいっしょに入ろうよ~!」


「入れるか! バカ!」


 姉のこれはべつに僕の事をからかっているわけではないのだろう。

 ただちょっとだけ普通の姉弟の感覚だというだけだ⋯⋯たぶん。


「あっ君、一緒にお風呂入ろうよ~!」

「できるかシオン!」


 小学生の頃のシオンとならともかく、こんなに成長してしまったシオンと一緒に風呂とか入れるか。


「おほほほほ! 紫音さんたら、アリスケ君が困ってるじゃない! ダメよ、無理強いは!」


 そう庇ってくれる留美さんがありがたい。


「でもるーちゃん、水着着てればいいんじゃないの? 見せたいでしょ早くあの悩殺水着」

「なにおかしなこと口走るかな!? 余計な事言うな、紫音!」

「はい⋯⋯ごめんなさい、です」


 ⋯⋯シオンが何か言おうとしたら留美さんにスリーパーホールドされて口止めされていた。


「ほう⋯⋯やるじゃない留美も」

「角度をもうちょっと傾けると落ちるわよ!」

「ぎぶ! ぎぶ!」


 パンッパンッと留美さんの体を叩くシオンだった⋯⋯。


「さすがにアリスとは一緒には入れませんね⋯⋯ごめんなさい」

「いやいいよリネット。 あとでひとりで入るからさ」


 時間をズラしてひとりで大浴場を独り占めする⋯⋯それは最高の贅沢ではないだろうか?


「そうです! お兄様にもアリスと一緒にお風呂に入るように言っておきますね!」

「お兄様ってあの王子様と?」


 僕はあの黒髪の人と銀髪の人を思い出す。


「下の方のお兄様は実はアリスのファンなので、ずっとゲームの事をアリスと話したいと言っていたのでちょうどいいかと!」


「へー、そうなんだ」


 いかにもナイスアイデアと言わんばかりのリネットだった。

 しかし僕とゲーム談義したいという黒髪の方の王子様⋯⋯オタクだったのか?


「は⋯⋯!? 今とんでもないことに気づいたわ!」

「なに姉さん?」


 この姉が何か言い出すとロクなことにならないことばっかりなんだが。


「リネットは置いといて、その家族全員が日本語で会話している⋯⋯」

「そういえば?」


 僕は気にもしていなかった。

 なんかこう⋯⋯メタ的なご都合主義だと思い込んでいたのだった。


「ああそれですか? 実はこの国は約500年ほど前の大航海時代に建国したのですが⋯⋯その頃からの親日国で、日本語が第二外国語になっているのですよ」


「それって日本だと織田信長が居た頃か⋯⋯すごいな」


「そうなんですよ! 当時の初代女王様の記録が残っているんですけど『あの織田信長に会えて感動!』とか記述が残っていて、なかなか面白いんですよ!」


「へー、歴史を感じるね」


 すげーなリネットの先祖は⋯⋯。


 僕も「織田信長には会ってみたい」と配信で言うくらいには好きである。

 これもよくゲームや漫画なんかに出てくる歴史上の偉人だからなんだけどね。


 僕は少しこの国のことにも興味を持つのだった。

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