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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第8章 過ぎ去りし幻想を求めて

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#192 スペシャルゲストの参戦

「さて⋯⋯作るか」


 もともとこの配信が終わったら夜食に食べようと思って用意していた湯豆腐の仕込みは終わっている。

 あとは適当に温めるだけである。


 それをちゃっちゃっと作って部屋に戻ると⋯⋯。


「おらー! 凸LIS!」

「あー!? また負けたあああ!」

「ホントに上手いんだマロンちゃん⋯⋯」


 そんな感じにマロンがブルーベルを凸LISでボコっていた。

 ⋯⋯あれ? ボクのゲームは?


「あの~湯豆腐できたけど」

「おおアリス! 待ちかねた!」


「ところでマロン姉さま?」

「なにアリス?」


「ボクのゲーム⋯⋯消したんですか?」

「いいでしょ? ただの練習だったんだし」

「⋯⋯まあいいか」


 この程度でいちいち怒っていてはマロンの妹はつとまらない。

 そして配信は夜食の食レポになった。


「この湯豆腐⋯⋯お湯じゃなくてうどんのダシだ」

「ええそうです。 ちょっと薄めのうどん出汁ベースです」


 まあその方が楽だからなんだけど。


「はふっはふっ、熱いけど美味しいですね!」

「豆腐の味がわかるのブルーベル?」


「豆腐を味わってるのか出汁を味わってるのかはよくわかりませんが、あっさりしてて美味しいと思います」


【ブルベちゃんは外国人だっけ?】

【せやでたしかヨーロッパの方の人】


「ああ⋯⋯なんかホッとする味。 なんか久しぶり~」


 そうホンワカした反応はオシロン先生である。


「オシロンママは普段なに食べているのですか?」

「ん~とね取材とかで外食が多いけど、仕事中は出前かカップ麺ばっかりかな?」


 自炊はしないのか? いやする暇が無いのだろう人気漫画家だし。


「オシロンお母様もカップ麺好きなんですか?」

「好きというか、よく食べるだけというか」

「私もこっそり隠れてよくカップ麺食べてます」


 ⋯⋯それセバスチャンが困るやつだ。


「へー、なんか意外!」

「そうですか?」


「だってブルーベルはお嬢様って感じでカップ麺なんか食べないイメージだったから」


 お嬢様というかお姫様なんだよなあ⋯⋯まあオシロン先生は知らないけど。


「たしかに私はお嬢様かもしれません、しかしカップ麺が好きなんです。 ちなみにオシロンお母様はどのカップ麺がお好みですか?」


 なんかカップ麺談義になってきた⋯⋯ボクの湯豆腐の話題は⋯⋯?


「わたしの好み? カップ麺に好みを感じた事無いな~。 でも最近のマイブームは『痛ラーメン』かな?」


「⋯⋯アレ食べてるんですか、オシロンママ?」

「あーアレか⋯⋯。 なんか食べた後に後悔するんだけど、なんかむしょうにたまに食べたくなるヤツ」

「私は知らない銘柄ですね? どんなのですか?」


 まあブルーベルの中の人的に知らないだろうな。


「一言で言うと⋯⋯激辛ラーメンだよ」

「激辛⋯⋯ですか?」


「マロンはそれでたまに食べたくなる。 ブルーベルは辛いの好き?」

「うーん? 辛いのはあんまり好きじゃないかな? でも今度挑戦してみるのも面白いかもですね!」


 後日ブルーベルは配信にて『痛ラーメン』を食べる企画で泣かされるのであった。


「最近の私の主食だよ~」


 なんか意外だった。


「オシロンママって激辛マニアなんですか?」


「ちがうよ~。 ⋯⋯眠気覚ましに」


「⋯⋯」

「⋯⋯」

「⋯⋯」


 なんか漫画家の闇を見た気分だった。


「そういえばこんなところへ呼んどいてなんですが⋯⋯オシロンママ、漫画大丈夫なんですか? 締め切りとか?」


「大丈夫じょぶ! ネームだけなら50話分くらいストックあるから!」

「それはすごいですね」


 その漫画まだ新連載はじまったばかりだよな?


「そりゃもう私の妄想の黒歴史ノート100冊くらいあるから、よゆーよゆー!」


 ちなみにオシロン先生の新連載は『お中世王太子の薔薇の騎士団』という中世ヨーロッパ風の世界でおこなわれるBL漫画である。


「ネームだけ? じゃあ作画は?」

「⋯⋯大丈夫。 まだ締め切りには余裕あるから」


 ボクは少しだけゲストにオシロンママを呼んだことを後悔していた。


「でも締め切りはいいんだけど⋯⋯作画資料が足りないのが困った。 あ~連載前にもっと取材しとくんだったなあ~」


「取材? 何をですか?」


「主に建物とか。 ヨーロッパ旅行とかしてどこかのお城にでも入れてたらなーとか、いまさら思ってる」


 ボクはなんとなくベルサイユ宮殿みたいな建物を想像した。

 しかし⋯⋯ああいうお城って一般の旅行客が入れるもんなんだろうか?


「それならオシロンお母様も一緒に旅行へ行きませんか?」

「旅行? 一緒に?」


「実はこの夏休みが終わる前にアリス達といっしょに私の国へ遊びに行く計画があって⋯⋯それに一緒にいきませんか? お城とかも見学できますよ」


 あ⋯⋯その手があったか!


「ほんとに!」

「ええ、もしよろしければ」


「行く行く! 絶対行く! たとえ担当編集に黙って行くことになろうとも!」


 それ担当の人が困る奴だ。

 ⋯⋯この配信見てなきゃいいけど。


【なんと! アリスとブルベが旅行だと!】


「はいそうなんです! なので後日ご報告の配信をしますね!」


 こうしてボク達の旅行はリスナー公認の行事となるのだった。

 そして飛び入りで参加が決まったオシロンママ⋯⋯どうなることやら。


「ねえアリス」

「なんですかマロンねえ様?」


「なんか物足りない⋯⋯湯豆腐だけだと」

「⋯⋯じゃあお餅でも追加しますか?」


「お餅イイね! みっつ焼いて!」

「はいはい⋯⋯太っても知りませんよ?」

「マロンは美少女だから太りませ~ん!」


「うらやましいですね⋯⋯でも私も一個だけお餅を⋯⋯」

「マロンちゃん? もう少し歳をとると一気に来るから気をつけてね」


 こうして再びボクは配信から離れてお餅を焼くのであった。


 ── ※ ── ※ ──


『でも湯豆腐にお餅って変わってるけど美味しいですね』


 そう配信画面で我が愛すべきマイシスターリネットが囁いていた⋯⋯。


「⋯⋯ああ、リネットの声が心地よい」


 遠く離れてしまった愛すべき妹の声をこうして聴ける⋯⋯リネットがVチューバーをしていて本当に良かったと思う。

 ⋯⋯しかし。


「このマロンとかいう女⋯⋯くそ、目障りな。 リネットの姉気どりとか、お兄ちゃんは俺だけだというのに」


「いや僕もリネットの兄なんだけどね」


 そうこっちを見て文句言う弟を俺は無視する。


「ふむ⋯⋯今度のリネットの帰国にこの原画家も来るのか? これは礼をせねばならんな」


 リネットのVチューバーアバターは二種類ある。

 ひとつはリネットの趣味全開のヒーローのコスプレである、こっちはまあ正体を隠している設定なのであんまりリネットに似ていない。


 しかしもうひとつの変身前という設定のアバターの天使バージョンは見事と言うしかない!

 あの可愛すぎるリネットの美しさを完全再現したような出来栄えだ。


 ⋯⋯まあそっちの天使アバターは、ほとんど今まで使われなかったのだが。

 ところが最近のアリスとのコラボに呼ばれるさいはそっちの天使アバターを使うようになった!


 銀髪の天使と銀髪のオートマタが並ぶ姿はまさに姉妹⋯⋯くそっ認めざるを得ん!

 最初はリネットに妹が出来たとか文句も言いたくなる出来事だったのだが⋯⋯こうして姉としての一面ものぞかせるリネットを見れるのはこの兄としても喜ばしい出来事だった。


「この自称姉のマロンとかいう調子こいた女とは決着をつけねばならんが⋯⋯アリスは義妹だしまあ歓迎してやろう。 この⋯⋯リネットの兄様として!」


 ⋯⋯キリッ!


「⋯⋯またリネットに嫌われても知らないよ、ラズリアス兄さん」


「はっはっはっレジェイド! このリネットの完璧なお兄様が嫌われるなんて事ありえないだろ!」


「僕は知らないからね、あとで泣き言いっても」


「ありえんありえん! さあ帰ってこい我が元へ! 愛するリネットよ!」


 リネットの一時帰国まであと数日だった。

お読みいただき、ありがとうございます。

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── ※ ── ※ ──


ちなみに作中に出てきたオシロン先生の漫画という設定の短編がこちらです!


『お中世王太子の薔薇の騎士団』

https://book1.adouzi.eu.org/n3463jv/


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銀色の魔法はやさしい世界でできている~このやさしい世界で最後の魔女と素敵な仲間たちの夢見る物語~
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