#182 ルーミアのジェネシック昔話 その3「真説 ウラシマタロウ」
宇宙⋯⋯それは最後のフロンティア。
この物語は、その宇宙の中に生命を育む海のある惑星『地球』から始まる。
『真説 ウラシマタロウ
乙姫アリスを救え! 星の海の最強戦士・浦島ルー太郎!』
それは浦島ルー太郎がいつものように海へ魚釣りに向かった時のことでした。
「おい! なんかカメが居るぜ!」
「ほんまや! カメやカメ!」
「はわわ~! ひっくり返ってうごけませ~ん!」
そこでルー太郎が見たのは、浜辺でひっくり返り動けなくなったカメとそれを見て笑う少女たちでした。
「やめないかキミたち!」
「あ! ルー太郎サマ!」
「なんだルー太郎じゃないか!」
実はこの少女たち⋯⋯ルー太郎の事を前から狙う乙女ハンターだったのです。
しかしルー太郎はそんな少女たちに目もくれずカメを助けようとします。
「どいてくれ! ⋯⋯かわいそうにカメさん。 いま助けてやるからな」
ルー太郎はカメをひっくり返します。
「さすがルー太郎サマ!」
「この島一番の漁師!」
そして助けられたカメはルー太郎にお礼を言います。
「ありがとうルー太郎さん」
「いやいや大したことじゃないさ」
「そう言わずに、お礼に竜宮城へと案内します」
それを聞き2人の少女は大喜びです。
「竜宮城だと~! あの伝説の?」
「まさか実在してたんか!」
「はい、なのです」
しかしルー太郎は言いました。
「いや大したことじゃないし、それに今日の魚釣りをしないと⋯⋯」
「ささ! そんなこと言わず、ささ!」
なぜか妙に強引なカメでした。
「さあ行こうぜルー太郎!」
「夢の楽園へレッツゴーや!」
「あの~。 招待するのはルー太郎さんだけですよ?」
「なんでや!」
「そうだ! なんでだよ!」
「⋯⋯だってあなた達、ひっくり返った私を見て笑っていただけじゃないですか」
あんがいカメは根に持つタイプのようです。
「じゃあなおさら僕だけ行くわけにも行かないな」
そうルー太郎はまたもや断りましたが⋯⋯。
「つべこべ言わず乗れよな! 話が進まねーんだよ! それに逃がすかよ、こんな強そうな奴を!」
カメは強引にルー太郎を乗せました。
「行きますよ!」
「おい! 下ろせ!?」
「超特急『竜宮城』行き、ただいま発信します!」
カメの手足が引っ込んでそこから謎のバーニアが出てきます。
「あくみん・タートル6号、出る!」
ルー太郎を甲羅に乗せたカメはそのまま海にドボンしました。
「ああ! ルー太郎様が行ってしまった!」
「お土産よろしくな~、ルー太郎!」
しかしルー太郎はそんな村娘たちの見送りの言葉は届きません。
「あばばばばばば⋯⋯」
「そのまま息を止めてて下さいね! あとちょっとで着きますから!」
カメには海水から身を守るバリヤ的なものは無かったのです。
死を覚悟するルー太郎でした。
── ※ ── ※ ──
そしてルー太郎が目を覚ますと、そこは。
「ルー太郎さん起きてください! 着きましたよ?」
「ぶは!? 死ぬかと思った!」
反省のカケラもないカメと、息を吹き返したルー太郎の前になんと──!
絵にも描けない美しさの竜宮城があったのです。
これがボイスドラマでほんとに良かったです。
「ここは?」
そんなルー太郎の前に2人の女官が近づきます。
「ここは竜宮城」
「我らが守護する乙姫様の城」
そこに居たのは村娘2人組み⋯⋯ではなくて、竜宮城の女官2人組みでした。
「君たちは?」
「私たちは、乙姫様の守護者」
「ウチらはこの竜宮城の番人」
「ただいま戻りました、カメー」
カメさんも安心しています、どうやら歓迎されているようなルー太郎でした。
「これはどうも。 このカメを送り届けたし、もう僕は帰ろうかなと」
すみやかに立ち去ろうとしたルー太郎でしたが女官にガシっと掴まりました。
「ままま。 そう慌てずに」
「そうやで! 乙姫様もお待ちかねやで!」
「⋯⋯乙姫?」
「乙姫様⋯⋯それはこの竜宮城の主です」
「そうそう。 ペットのカメを助けてもらったお礼を是非したいと、昨日からごちそう作ってスタンバイなんや! その苦労を無駄にするんか!?」
「⋯⋯それなら少しだけ」
ルー太郎は少しだけ納得いきませんでしたが、好意を無下にも出来ずにもう少しだけ残ることにしました。
カンッカンッ!
カカカカカカカ⋯⋯カカッ!
「乙姫様の、おなーりー!」
ステージが開きドライアイスの煙幕が晴れると、そこには小柄な銀髪の美少女がいました。
「ごほ⋯⋯ごほ⋯⋯、ドライアイス焚きすぎた⋯⋯」
「大丈夫か!」
思わず駆け寄るルー太郎。
「はい⋯⋯私ってばなれない事して少し失敗しました、テヘ!」
「うぐ⋯⋯こ⋯⋯これは美しい⋯⋯」
「そんな⋯⋯今すぐ結婚したいだなんて大胆です~♡」
乙姫はルー太郎のセリフを都合よく脳内改ざんする女でした。
しかしルー太郎もそんな些細な事にも気にしないほど乙姫に心を奪われていました。
「僕の名前は浦島ルー太郎⋯⋯。 あなたは?」
「ボク⋯⋯いえ、私の名前は竜宮城・第108支部、瀬戸内海担当の乙姫アリスと申します」
「⋯⋯乙姫アリス、いい名前だ」
「あなたもです⋯⋯ルー太郎さま」
こいつら初対面からラブラブな波動を出しまくりです。
「あらら~、これ罠にハメる必要なかったんとちゃうか?」
「まあいいだろ? 過程なんざどうでもいいさ」
「はわわ! オトナの世界! 見てないでこのまま宴会の準備しますね!」
こうして乙姫アリス達の浦島ルー太郎をもてなす宴会が始まるのでした。
── ※ ── ※ ──
「ささ! まずは一献」
「うむ⋯⋯美味い!」
「それは良かったですわ」
本当にお酒の味がわかっているのでしょうか?
そのくらい鼻の下を伸ばす、だらしないルー太郎でした。
その時ステージではスポットライトを浴びるカメのあくみんの準備が出来ました。
「え~これから演奏するのは、古い曲のアレンジというかパロディです! 題して曲名は『ジョニーのビートはグッドだぜ!』!」
軽快なロックなサウンドが始まりました。
「出ました! この海のお魚パーティー名物あくみんのオンステージ!」
「ちゃうわ! 魅惑の深海パーティーやで!」
鳴り響く演奏。
そして⋯⋯。
「あの⋯⋯ルー太郎さま。 私と踊っていただけますか?」
「もちろん、喜んで」
そこにはロックな曲で踊るアリスとルー太郎が居ました。
「さあ、ウチらも盛り上げるで!」
「おう!」
女官の2人もタンバリンとマラカスで大いに曲を盛り上げます。
曲がクライマックスを迎えた頃⋯⋯踊っていたアリスとルー太郎の顔が近づきます。
「⋯⋯キスか!?」
「そこだ、いけ! ちゅーしろ!」
「はわわ! 見ちゃダメです!」
あくみんカメは女官の2人の目を塞ぎますが、自分だけはバッチリとキスシーンをガン見していました。
あとちょっとで唇が触れ合う⋯⋯その時でした!
ズガ──ンッ!
大きな爆発が起こり壁が破壊されました。
「何事だ!?」
「あとちょっとやったのに! ええとこで邪魔すんなや!」
顔を赤くしたアリスとルー太郎はそっぽ向いて今更テレ顔です。
その時でした。
「くくく。 お楽しみのところ邪魔するよ」
「はあ~い皆さん、お待たせ」
そこに居たのは謎の侵入者2人組みでした。
「誰ですか貴方たちは?」
「乙姫様お下がりください!」
「こいつらは今をときめく銀河を駆ける宇宙海賊です!」
なんと侵入者は宇宙海賊だったのです。
「それでは名乗らせてもらおう! 私は銀河を駆ける宇宙海賊キャプテン・マーロック!」
「その恋人のエイミィで~す!」
「その宇宙海賊がなぜこの竜宮城へ?」
アリスの質問にその宇宙海賊は答えました。
「乙姫アリス! 海神ポセイドンのたしか⋯⋯100人目くらいの娘だったか? そのお前を奪いに来たのさ!」
「私を!? まさか私をさらってお父様になにか脅迫でもする気ですか?」
「チチチッ! 私達の目的はあくまで乙姫アリス殿下をさらう事だけよ」
「⋯⋯ロリコン?」
そのアリスの率直すぎる疑問は予想以上にマーロックに刺さりました。
あとなんかルー太郎にも流れ弾が行きました。
「たしかに子供は好きだけどさあ⋯⋯」
「違うわ! マーロックの恋愛対象は私みたいなおっぱい大きい女なのよ!」
「じゃあ何のためにアリスをさらうの?」
ルー太郎は自然とアリスを庇う位置に立ちふさがります。
「⋯⋯ルー太郎さま♡」
ピロリロリン♪
アリスの好感度が上がった!
「きまっているだろう? この竜宮城の家事全般をひとりでこなす乙姫を奪う事で、我がマーロック号の生活環境をグレードアップさせるつもりなのさ!」
「そんなことはさせんで!」
「そうだそうだ!」
女官のふたりもアリスを守るべく位置に着きます。
「アリス様がいなくなったら明日から、アタイらどうやって飯食ってくんだよ!」
「せやせや!」
女官とは一体?
「とにかくお引き取り願おう! 宇宙海賊!」
そうルー太郎がカッコよく言いました!
「くくくっ。 狙った物はけして逃さないのがこの宇宙海賊キャプテンキャプテン・マーロック様だ! ⋯⋯ここなんでキャプテン2回言うんだろ?」
「これでもくらいなさい!」
その時エイミィが投げたのは煙幕の出る手榴弾でした。
ぷしゅ~~う~~⋯⋯。
バタ。
バタ。
バタ。
ルー太郎と2人の女官は寝てしまいました。
「どうかしら? このエイミィ特製の睡眠ガスのお味は?」
ガスマスクをつけたマーロックとエイミィがアリスに迫ります。
「さあ来るのだアリスよ」
「いやああ!? 助けてルー太郎さまぁ!」
「ああ!? アリス様がさらわれちゃう! みんな起きてー!」
しかしカメの叫びもむなしくルー太郎は目を覚まさず、そのままアリスは攫われてしまいました。
── ※ ── ※ ──
そこは宇宙に浮かぶ宇宙船の中でした。
「さあ着いたぞ!」
「やっと帰って来たわね、わが家に」
「ここがあなた達の宇宙船⋯⋯?」
その光景を見たアリスの表情が引きつります。
「⋯⋯なに、このゴミ屋敷は?」
「フフフ。 これが我々がアリス殿下をさらってきた理由さ」
「そうよ! 私たちの代わりにこの宇宙船の掃除をするのが今後のアンタの役目よ!」
「そんなことの為に私を? ⋯⋯早く私を戻してください! 私が居ないと瀬戸内海の平和が!」
「べつに構わんだろ? そんなちっぽけな海の事なんか」
「そうよそうよ!」
「そんな⋯⋯。 瀬戸内海は豊富な海の資源の宝庫なんです! 知ってますか? 瀬戸内海のサザエには角が無いんですよ!」
「いや、味は変わらんだろ?」
「そうですけど⋯⋯」
「はっはっは! では掃除を頼んだぞ、アリス殿下!」
「これでこの船のインフラもオール殿下ね!」
こうしてアリス渾身のネタも意味がなく、この汚い宇宙船で働かされることになりました。
「⋯⋯とりあえずお掃除しましょうか」
悲しい事にアリスには生活環境を整える本能がインプットされているので、この環境を見過ごせなかったのです。
「竜宮城のみんな。 それに⋯⋯ルー太郎さま、心配してるかな?」
こうしてアリスのお掃除が始まったのでした。
── ※ ── ※ ──
「うう⋯⋯ここは? そうだ! アリスはどこ!?」
「お目覚めですか、ルー太郎さん」
目覚めたルー太郎の周りにはアリスの姿だけ無かったのです。
「アタイらもさっき目覚めたばかりだ、ちくしょう! アリスをあいつらに奪われちまった!」
「このままやとこの竜宮城も瀬戸内海も、いずれ崩壊してしまう⋯⋯」
「どういうこと?」
「アリスは海神ポセイドンの娘⋯⋯そしてこの瀬戸内海の竜宮城の管理者です」
「そのアリスが居なくなったらここは崩壊しちまう!」
「そうなれば周辺の海もやがて⋯⋯」
「なんてことだ。 そうなったら僕の村の生活も⋯⋯」
ルー太郎の村の生活は海の恵みに支えられています。
「なんとかしてアリスを取り戻さないと!」
ルー太郎は決意しました。
故郷を救いたい気持ちもありましたが純粋にアリスを想っての行動でした。
「行ってくれるんですか?」
「言っとくがアタイらには戦う力はほとんど無いぞ」
「それでも僕は、アリスを助けたい!」
そのルー太郎の決意に女官のふたりも心を動かされます。
「⋯⋯いいよな、コイツに託しても?」
「ええんとちゃうか? もともとそのつもりやったし」
「なんのこと?」
「ルー太郎さん。 カメの私が地上に行ったのは、この竜宮城でアリス様を守る戦士のスカウトが目的だったんです」
「そうなのか?」
「はい。 そして強くて心やさしいルー太郎さんに出会い、この人ならアリス様にふさわしい戦士になれる⋯⋯そう確信しました」
「しかし僕はいくら強いと言っても普通の人間⋯⋯あんな宇宙海賊にはたして対抗できるのか?」
「それにはおよばへんで!」
女官のひとりが大きな箱を持ってきました。
その箱にはなんか猫のレリーフが刻まれていたのです。
「これは?」
「伝説の猫神様『タマ』の力を封じた箱⋯⋯『タマ手箱』だ!」
「⋯⋯タマハンド・ボックス!?」
「せや! タマ様の手も借りたいときに開く伝説の箱⋯⋯この中にセイバーアーマーが封印されている!」
「セイバーアーマー?」
「かつて歴代の乙姫には、それを守護するセイバーナイトが居ました。 そのナイトの鎧、それがセイバーアーマーなのです!」
ルー太郎はその箱に近づきます。
「コレを開ければ、アリスを救える⋯⋯」
「ただしもう後戻りはできんで」
「一度セイバーナイトになった者は一生、乙姫に仕えるさだめだからな」
「それでもこの箱を開いて、アリス様を救ってくれますか?」
ルー太郎は迷わずその箱に触れました。
「僕は⋯⋯アリスを助けたい!」
箱に描かれたタマ様の目が光りました!
にゃお~ん!
開かれた箱の中にあったのは猫の姿の鎧です。
それが分解しルー太郎の身を包みます!
「⋯⋯これがセイバーアーマーか?」
「おお⋯⋯100年ぶりにタマ手箱が開くとは⋯⋯」
「ルー太郎、いやセイバーナイト。 あんたならいける!」
「おねがいします! アリス様を助けて!」
「ああ! 任せろ!」
ルー太郎は光の矢となって海を突き抜け空を越えて、宇宙へと飛び立つのでした。
── ※ ── ※ ──
「あの⋯⋯お料理ができました」
「おお! なんて素晴らしい御馳走だ!」
「ホントね、マーロック!」
掃除が終わったアリスはそのまま料理当番になりました。
「あの⋯⋯そろそろ私、帰っても?」
「あーダメダメ。 だって殿下が帰ったらまたこの船がゴミ屋敷になるじゃん」
「そうよそうよ! あんたはこの私たちの愛の巣を維持する事だけを考えなさい!」
「そんな⋯⋯ひどい。 あの⋯⋯そろそろ私、帰っても?」
「無限ループで帰ろうとしてもだ~め!」
その時でした!
ズガガガ──ンッ!
「なんだこの衝撃は!?」
「隕石でもぶつかったのかしら?」
否⋯⋯それは隕石ではなく人でした。
「浦島ルー太郎、参上!」
「⋯⋯ルー太郎さま!」
「よかったアリス、君が無事で」
見つめ合うふたり⋯⋯まるでこの場所がふたりの愛の巣のようです。
「ちょっとまてコラー!」
「アンタまさか宇宙船に穴開けたんじゃ!?」
「そうだ! でも僕はこのセイバーアーマーのおかげで宇宙の真空でも平気だからヨシ!」
「ばっかやろう! エイミィ! 緊急ハッチ閉鎖!」
「もうやってる!」
大慌てな宇宙海賊たちでした。
「⋯⋯ルー太郎さま。 私の為に」
ぴろりろりん♪
「はい、このルー太郎がお迎えにきました、アリス」
ぴこぴこりん♪
「おいこら、お前ら!」
「ちょっとラブラブしてんじゃないわよ! それはこっちの役割でしょうが!」
ルー太郎はふたりを睨みつけて宣言します。
「アリスは返してもらう! さあ地球に戻るのだ!」
「いやじゃー! キサマを倒す!」
「きゃーカッコいいわ、マーロック!」
「愚かな⋯⋯このセイバーアーマーを纏った僕に敵うとでも?」
「あ⋯⋯待ってルー太郎さま、そのセイバーアーマーは!」
マーロックの放った鞭がルー太郎を襲う!
それをルー太郎は余裕で避けようとしたが!
「ぐはっ!? なんで?」
ふっとばされるルー太郎でした。
「はっはっは! なんだその鎧は、見かけだおしか?」
「そんなばかな? さっきまで軽かったのに⋯⋯今ではこの鎧が錨のように重い?」
その通りでした。
さっきまでルー太郎を強化していたセイバーアーマーは今や、足手まといのコスプレと化していたのです。
「ルー太郎さま! 『ナルト』を回すのです!」
「⋯⋯ナルト?」
「ナルトとは『七つの海の力』を心に感じてパワーに変える事なんです。 そのエナジーでセイバーアーマーは稼働するのです!」
「七つの海の力って、どこの海?」
「日本海、オホーツク海、東シナ海、有明海、瀬戸内海、太平洋⋯⋯そして熱海です!」
「あれ? 熱海は温泉じゃ?」
「7つ思いつかなかったので数合わせなんです!」
なんだか無理やりな説明でしたがルー太郎は漁師です。
すぐに海の力を感じる事が出来ました。
「海よ⋯⋯僕にちょとずつ力をかしてくれ!」
「おねがい瀬戸内海! 私のルー太郎さまに力をかして!」
七つの海の力がルー太郎に集まります!
「そうはさせるか!」
マーロックの鞭がパワーアップ中のルー太郎を襲います!
「あぶないルー太郎さま!」
バキィッ!!
「きゃ~あ!」
「アリス──!」
ルー太郎の代わりに攻撃を受けたアリスが吹き飛ばされました。
「アリス! 無事か!?」
⋯⋯バチバチッ⋯⋯バチバチッ。
「こ⋯⋯これは!?」
ルー太郎が見たのは破壊されたアリスの腕の断面でした。
それは生物ではなく⋯⋯断裂した機械の骨格と配線コードの束でした。
「まさか、アリスはロボット?」
「なんだ知らなかったのかルー太郎」
「マーロック!」
「ゴザえもんの映画を見た者なら誰でもポセイドンの一族が機械だという事くらい知ってて当然だろ?」
「見た事無いわよ、そんな古い映画は!」
「「が~ん」」
がっくりとうなだれるマーロックとエイミィでした。
「そんな⋯⋯名作なのに 」
「バギーちゃんを知らない世代⋯⋯これがジェネレーションギャップか⋯⋯」
「そんなことよりも! よくもアリスを傷つけたな!」
今、ルー太郎のナルトが大回転でエナジーを発揮してセイバーアーマーに動力を伝達します。
「やかましい! このマーロック様に逆らうやつは!」
「うるさい黙れ! 『メイルストローム・スター・アロー』!」
「ぐはー! やられた!」
「マーロックさまあ!?」
こうしてルー太郎の逆鱗に触れた宇宙海賊マーロックは成敗されたのでした。
── ※ ── ※ ──
「さあ地球に帰らないと」
「はいルー太郎さま♡」
ビー! ビー! ビー! ⋯⋯。
しかし船内にはけたたましくアラームが鳴り響きます。
「ああ!? 今の衝撃でこのマーロック号の制御が!」
今まさにこの海賊船はなんかヤバそうな角度で大気圏に突入仕掛けてました。
「そんな! 今すぐ何とかしなさい!」
「無理よ! マーロックは今のびてるし!」
「むきゅ~う⋯⋯」
「私が制御します」
そしてアリスがこの海賊船のコントロールをハッキングしましたが⋯⋯。
「⋯⋯だめ! 船の損傷が大きくて制御不能!」
「どうするのアリス!」
「⋯⋯かくなるうえは」
アリスの損傷した腕が再生されます。
しかし元の白魚のような腕ではなくて鋼鉄の義手に大砲が装備されていました。
「このポセイドン一族の切り札『最古銃』で逆噴射をかけて、この船の角度を安定させます!」
「アリスだけにそんな危険な事させられない! 僕も一緒に!」
「⋯⋯はい、ルー太郎さま」
こうしてアリスとルー太郎は船外に出て⋯⋯。
「最古銃セット完了。 照準⋯⋯クリア!」
「エネルギーは僕が送る! 僕のナルトよ! 今こそアリスに力を!」
ふたりの愛の力が最古銃に集束していきます。
「エネルギー充填80%。 ⋯⋯100%。 ⋯⋯⋯⋯120%!」
「いけえ! アリス!」
「最古銃、起動! スターバスター!」
アリスの最古銃が火を噴いた!
その反動で海賊船の軌道はなんとか安定したのでした。
その後⋯⋯。
── ※ ── ※ ──
なんとかギリギリ海賊船は瀬戸内海までたどり着きましたが、損傷が限界を超えて大破しました。
そして宇宙船は海の藻屑となって魚たちの楽園に変わるのでした。
「ああ~あ!? 私の船があああっ!」
「私とマーロックの愛の巣が!?」
結局宇宙に戻れなくなったこの宇宙海賊たちは、竜宮城の下働きとして暮らしていくことになりました。
「ちょこっと働くだけで3食昼寝付き⋯⋯ここは最高だな」
「そうねマーロック♡」
でもなんだかんだで幸せそうなふたりでした。
そしてルー太郎はどうなったかというと⋯⋯。
「ごめんなさいルー太郎さま。 そのセイバーアーマーは一度装着すればもう人には戻れず、全身をナノマシンが改造を始めて永遠に生きる機械の体に作り変えてしまうのです」
それはセイバーナイトの宿命でした。
機械の体のアリスを守護するセイバーナイトもまた永遠の命が必要だからです。
「アリスは気にしなくていいよ。 僕の選んだ事だから」
アリスはタマ手箱を開き、その中にあった小箱をルー太郎に渡します。
「この中にはルー太郎さまの『人としての命』が1年分だけ保管されてます。 もしも永遠の命が辛くなった時使ってください。 この箱を開いた1年後に死ねますから」
しかしルー太郎はその箱を受け取りませんでした。
「それはアリスが持ってて。 僕はこの先もアリスを永遠に守り続けるセイバーナイトなのだから!」
「ルー太郎さま!」
「アリス!」
抱きしめ合うふたりをみんなが祝福していました。
その後⋯⋯この瀬戸内海の平和はアリスとルー太郎によって永遠に守られて行く事でしょう。
だってふたりの愛は永遠なのだから!
『真説 ウラシマタロウ
乙姫アリスを救え! 星の海の最強戦士・浦島ルー太郎!』
⋯⋯⋯⋯完!
原案『浦島太郎⋯⋯他』
原作:ルーミア
BGM作曲:エイミィ
ギター演奏:あくみん
CAST
浦島ルー太郎:ルーミア
乙姫アリス:アリス
キャプテン・マーロック:マロン
銀河令嬢エイミィ:エイミィ
あくみん・タートル6号:あくみん
女官A:ナージャ
女官B:ジュエル
天の声:????
企画・制作:ホロガーデン・オールスターズ
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