表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第7章 銀河の星々

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

176/272

#169 『ルシファ大炎上事件』

「あ、それポンね」


 約1年ぶりのホロガーデンメンバーの再会となる『揚羽さん寝起きドッキリ作戦』が終わり、今はリビングで麻雀打っていた。

 その時、電話がかかって来たので僕が取ると⋯⋯。


「あ、岩瀬さんこんにちは。 ⋯⋯⋯⋯あハイ、映子さんはここに居ますよ、はい伝えます」


 そうマンションの管理人の岩瀬さんからの電話を切った。


「映子さーん。 岩瀬さんが「仕事に戻れ!」だそうです」

「⋯⋯あのねアリスケ君、私いまメイド服姿なんだけど?」


「ちょうどいいじゃないですか、そのままで掃除してきてください」

「鬼! 悪魔! 鬼畜アリス!」


 ピンポーン!


「うう⋯⋯岩瀬さん。 私こんな生き恥を⋯⋯」

「今更1つ増えたくらい死にゃあしないよ」

「社会的に死ぬのよ!?」


 こうして迎えに来た岩瀬さんにメイド服姿のまま映子さんは連行されたのだった。


 そして現在の場のメンツは⋯⋯姉、明日菜さん、那奈さん、そして揚羽さんの4人である。

 僕と留美さんは見物というかこのメンバーの再会を邪魔しないようにしていた。


 そしてひとりでスマホをポチポチして遊んでるのは、あくみんこと來未ちゃんだった。

 けしてハブられているという訳ではない。

 これが適切な距離感だと姉達は熟知しているのだろう。


 僕も似たタイプなので「ほっといてほしい、話しかけないでほしい、でも近くに居たい」という來未ちゃんの気持ちがよくわかる。


「はいローン! これで揚羽ちゃんもコスプレ決定ね!」

「いやああああっ!?」


 こうしてついに揚羽さんも犠牲になった。


「⋯⋯さて、僕は()()自室に戻りますので」


 これまで何度も繰り返されてきた事だった。

 メンバーが放銃するとコスプレの刑が待っていて、その着替え中は僕が席を外すのは⋯⋯。


 おそらく姉も來未ちゃんには無体なコスプレを強要する事は出来ないのだろう。

 まだ中学生だし、さすがに犯罪だな。




 そんな事を思いながら僕は部屋の中で自分のスマホで検索してみる。

 ⋯⋯そう、揚羽さんの炎上事件についてだ。


 僕が聞いた揚羽さんの炎上事件は『揚羽さんの彼氏からのラインが配信画面に映ってしまい炎上した』だけなのだ。


 しかし、それで辞めたにしてはあの揚羽さんと姉たちの仲が良すぎる。

 普通もっと険悪というか憎しみ合ってもおかしくないくらいの事件だったと思うのだが?


「⋯⋯あった」


 僕が見つけたのはピクチャ部というイラスト投稿サイトの百科事典だった。

 そこにその事件の概要がまとめてあった。


 ⋯⋯すこし躊躇する、すぐそこで楽しそうな人達の過去を暴こうとしている自分に。

 しかし僕はその記事を読んでしまった。


 ── ※ ── ※ ──


 [ルシファ大炎上事件]


 この記事は未確定な内容を含んでいます。


 2019年7月7日に総合芸能会社ヴィアラッテアから発足したVチューバー事業『ホロガーデン』が始まった。

 その約1月後の記念となるメンバー6人全員が参加したゲームの配信中に、ルシファのラインの着信通知が映ったことで事件となる。


 その内容の一部がルシファの中の人とのセンシティブな内容を想起させる文章だったために大炎上した。


 このあと即座にこのラインを送信したアカウントは削除されていたため、その相手が何者なのか不明なまま事件は終わった。


 その後、事件は大炎上しヴィアラッテア側のタレントの管理不足が指摘されたりしたが、当事者であるルシファが比較的早い事件発覚から3日後に引退を発表してこの事件は終わった。


 その後も事件の真相を突き止めようとした有志は多くいたのだが何一つ手掛かりもなく、この事件はやがて鎮火し3か月後には風化していたのだった。




 事件後の経緯。


 事件前のルシファは非常に愛くるしい人を引き付ける天性のキャラだったため、その早すぎる引退を惜しむファンは多かった。


 ── ※ ── ※ ──


「⋯⋯たったこれだけか」


 あまりにも断片的かつ少ない情報だった。


 おそらくここに書かれていない真相を姉たちは知っているに違いない。

 その真相はきっとあの人達の友情を壊すようなものではなかったのだろう。


「一体なにがあったんだろう?」


 そう思いながら僕はぼんやりとピクチャ部に投稿された『ルシファの絵』を見ていく。

 この時僕は初めてルシファの姿を見たのだった。


 公式サイトからはすでにルシファのページは削除されて無かったから、今まで僕はルシファの姿を知ることはなかったのだ。


「この『銀髪で、ボンキュボンな軍服キャラ』がルシファさんなのか?」


 ⋯⋯あのミニマムボディな揚羽さんとは全く違う姿だった。

 むしろこの落差がバレた方が詐欺で大炎上なのではないか、とか思ってしまった。


「⋯⋯ん? 最近やけにルシファのイラストの投稿が多いな?」


 どうもそのきっかけとなったイラストが約1月前に投稿されていた。

 そのイラストは他の素人の絵とはレベルが違うイラストだった。


 [私の娘ルシファ1周年]


 イラストの投稿主の名前は『西城パステル』となっている。


「この人は⋯⋯ルシファのキャラデザの人なのか?」


 すごく繊細なタッチで可愛らしい画風の絵師だった。

 この人の絵は見た記憶がある、たしか何かのラノベの挿絵やゲームのキャラデザなんかもしている有名な人だ。


 この絵の投稿をきっかけに、どうも他のファンからもイラストの投稿が再開したようだった。


「まだ⋯⋯今でも愛されているんだ、揚羽さんは」


 そして投稿されているイラストの多くに何故かゲームのコントローラーを持っている絵が多くて疑問に思い、今度はルシファの概要ページを見てみた。


 そして謎が解けた。


「そっか⋯⋯()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だったのか」


 記事の内容は、このルシファがとてもコアなゲームファンだと書かれていたのだった。

 僕と同じ銀髪でゲーム大好きで⋯⋯。


「もしかしてルシファが引退してなかったら、ボクがデビューする事はなかったんじゃ?」


 少なくとも同じ銀髪キャラではなかったかもしれない。

 僕は知らずに揚羽さんの空いた椅子に座っていたような気分になった。


「何とかできないかな?」


 このルシファを復活させる。

 そんな考えを僕は思い始めていたのだった。


 しかしそんな事はきっと姉たちがしてこなかった訳がない、そしてそれが未だに実現していないという現実を⋯⋯。


「それでも僕になにか出来れば⋯⋯」


 そう考え事をしながらつい自室を出てしまったのだ。


「きゃ──!? 開けちゃダメ、アリスケ君!」

「え⋯⋯? 留美さん!?」


 その時、僕の目に飛び込んできたのは昔のデザインのスクール水着を着せられて、猫の耳のカチェーシャをつけた留美さんの姿だった。


 ⋯⋯そっかぁ、留美さんも麻雀に参加していたのか。


 たぶんさっき飛んだ揚羽さんの代わりに入ったのだろう。

 そして悪い大人たちの魔の手が留美さんに⋯⋯。


 そんな悪い大人である姉さんと那奈さんと明日菜さんが笑っていた。


「どや! アリス君! これがパーフェクト・ルーミアの完成や!」

「おっしゃ! これでルーミアもアタイ達の仲間だぜ!」


 気がつくと全員コスプレ状態のカオスだった。

 その場でひとり黙々とスマホゲームをやっている來未ちゃんが台風の目すぎる⋯⋯。


 僕は留美さんから目をそらすが⋯⋯バッチリさっきの姿は記憶に残っている。


「うー⋯⋯。 アリスケ君にみられたあ⋯⋯」


 学校指定の水着もいいがコレも捨てがたい⋯⋯。

 そんな事を僕は考えていた時だった。


「お! おお!? 来ました! 来ましたよ皆さん!」


 その時、まったく話題に加わってなかったぼっち世界の住人だった來未ちゃんが、スマホを見せながら叫んでた。


「ダブルメガトンスライム共食い達成です!」


 どうやら來未ちゃんは明日菜さんの作った『スライム共食いゲーム』をやっていたらしい。


「おめでとー、來未ちゃん!」

「やるじゃん來未」


 なんとなく全員で拍手するのだった。

 こうやって照れて笑う來未ちゃんだけがこの場での癒しだった。


「えへへ、ありがとうございます。 ⋯⋯あの、なんで皆さん、そんな恰好を?」


 どうやらゲームに集中していた來未ちゃんはこの状況に気づいてなかったようだ。


 結局この時、僕は聞きそびれてしまった。

 揚羽さんの炎上事件の真相を⋯⋯。

お読みいただき、ありがとうございます。

続きを読みたいという方はブックマークの登録を、

面白いと思って頂けたなら、↓の☆を1~5つけてください。

あなたの応援を、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鮎咲亜沙の作品リンク
銀色の魔法はやさしい世界でできている~このやさしい世界で最後の魔女と素敵な仲間たちの夢見る物語~
こちらも応援よろしくお願いいたします。
感想もいただけると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ