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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第7章 銀河の星々

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#168 集いし星々

 とつぜんやって来た3人の来客。

 しかし僕にはその正体が誰なのか、その声でわかってしまった。


「もしかしてジュエルさん、ナージャさん、あくみんさん?」


 その3人は僕を見てやや困ったように固まった。


「おい⋯⋯真樹奈おまえ⋯⋯男と暮らしてるのか!?」

「ほんまや! 男や! 映子とはどうなったん? もうポイっしたんか!」

「わっわわ⋯⋯大人の世界ですぅ⋯⋯」


 ⋯⋯なんかヤバイ想像が広がっていくのだった。


「ご心配なく! 私と真樹奈は今でもこれからもずっとラブラブなのよ!」


 そう高らかに宣言する不法侵入者がひとり⋯⋯。


「映子さんいつの間に? 掃除は終わったんですか?」


 映子さんはマンションの管理人としての仕事中のハズなのだが?


「さっきマンションの外でゴミ出ししているときに皆が来たのを見て、適当に掃除を片付けて急いで駆け付けたのよ!」


 いいのかなそれで?

 そして留美さんも自室から出てきて。


「真樹奈さんお客様?」

「おう、珍しい客だ」


 そんな留美さんを見てお客の皆は。


「これが噂のアリスちゃんか! カワイイ! ホントに真樹奈の妹かコレ!」

「え? いや私はアリスじゃなくて⋯⋯」


 留美さんは僕とみんなとの間で視線が行ったり来たりしている。

 きっと僕の正体を隠す為に口裏を合わせるのか悩んでいるのだろう。


「よう聞きや、この声アリスやないで⋯⋯ルーミアちゃんか?」

「そうです。 その声はもしかしてナージャさんですか!」

「せやで~」


「マジか!? なんでルーミアまでいんの? 超かわいいじゃん」

「そちらはジュエルさん?」

「そのとおり! ワガハイハじゅえるナリ」

「なにいきなり宇宙人になってんねん!」

「明日菜、いいツッコミありがとう!」


 それを見て姉はケラケラ笑っていた。


「いやー、いっきにここも賑やかになったわね」


 そんなみんなを僕は黙って見ていた。

 そして僕に姉は問いかける。


「自己紹介する? もうわかってると思うけどこの人達は」

「うん姉さん。 ⋯⋯初めまして皆様、ボクがアリスです。 こうしてお会いできて嬉しいです、ジュエルさん、ナージャさん⋯⋯あくみんさんだよね?」


 最後のひとりはちょっと自信がなかった。

 この子だけほとんど喋らなかったので⋯⋯。


「おっ⋯⋯男の人!?」


 その今まで黙っていた女の子が大きな声で驚く。


「はい、実はボクは男だったのです。 ごめんなさい今まで言わなくて」


「⋯⋯マジかー」

「⋯⋯ほんまかいな」

「⋯⋯アリスちゃんが男?」


 来客3名はそれぞれこの事態を飲み込むのに少しの時間がかかるのだった。




「そっかー、真樹奈ウソついとったんやな」

「いや、男と暮らしてるなんて炎上怖いじゃん」

「まあわかる。 揚羽の件があったしなー」


 どうやら僕の事も含めて僕らの事情を理解してくれた3人だった。


「ごめんなさい黙ってて」


「ええよ。 べつにウチらそれでなにか不都合被ったわけでもないしな」


「いーや、アタイは不満! こんな面白ネタ今まで秘密にされてたとか、悔しいビクンッビクンッ!」


「⋯⋯私はここに男の人が居ると知ってたら来なかったかも?」


 ⋯⋯もしかしてあくみんさんは男が苦手なのだろうか?


「ごめんねあくみんさん。 男の人が怖いのかな?」


 あくみんさんは僕よりも年下っぽいし男性恐怖症とかあるのかもしれない。


「⋯⋯いえ、私は男の人がというよりも知らない人全部が怖いというか」


「もしかして僕が怖いのなら無理して話さなくていいからね?」


 僕はこの臆病な感じのあくみんとどう接すればいいのか悩む。


「⋯⋯あんまり怖くないかも? たぶんきっとアリス君は私と同じタイプ」


 ⋯⋯なんとなく言いたい意味がわかった。

 この子も僕と同じで人前だと気配を消して話しかけられないようにするタイプなのだと。


「わかる。 なんか親近感が湧くよ、僕も」


 このとき初めてこのあくみんが笑った。


「その⋯⋯よろしく⋯⋯です」

「うん、よろしくね」


 そんな僕らをみんなはじっと見守っていたのだった。


「あの、あくみんが懐いてる!?」

「ほんまや! 來未ちゃんがめっちゃリラックスしとる!」


 僕は思い出す、この『あくみん』というVチューバーがどんなキャラなのかを。

 一言で言えば『コミュ障のVチューバー』である。

 そのくせギターを弾いてみた動画だとやたらカッコいいので、そのギャップも含めて人気のある陰キャなのだった。


 僕も動画内では陽キャだけど、現実では陰キャだからなんとなく親近感はあったのだ。


「ほなそろそろちゃんと自己紹介しようか。 ウチは『ナージャ』や、本名は十六夜明日菜よろしゅうな」


「アタイは『ジュエル』、人生ギャンブラーな南那奈さんと覚えてくれ!」


「『あくみん』です。 本名は朝倉來未14歳です」


「14歳? じゃあ私達よりも年下なのねアリスケ君?」

「そうだね留美さん」


「⋯⋯ではおふたりは先輩ですか?」


「私と有介君は15歳で同じ学校に通うクラスメートなの」

「いや留美さん。僕はこの前誕生日だったからもう16歳」

「⋯⋯そうだった。 なんかアリスケ君は弟みたいな感じだったから⋯⋯つい」


 弟かー、なんかすごく残念な気分がする。

 そんな僕に気にせず留美さんは自己紹介を続けた。


「私が『ルーミア』です。 本名は芹沢留美です。 こうしてお会いするのは初めてで、よろしくお願いします先輩方」


「ボクが『アリス』です。 見ての通り男でした、この姉の弟で栗林有介と申します」


「私がこの子たちの保護者の『マロン』よ、これから仲良くしてあげてね。 この私、栗林真樹奈の弟と妹を」


「その真樹奈の妻の相川映子よ! 『エイミィ』で~す」


 ちゃっかり便乗する姉と映子さんだった。

 てか僕だけじゃなくて留美さんまで妹あつかいとか図々しい姉である。


「いやー、こうしてみんなで会えるとは思わんかったわ」

「ここまで来ると『全員』揃いたかったぜ」


「⋯⋯居るわよ、そこに眠り姫が」


 姉が自室のドアを指さす。


「⋯⋯え? マジ? 揚羽のやつ、そこにいんの?」

「嘘やろ! なんで揚羽がここにおんねん」

「揚羽さんがここに!?」


「昨日ここに来た、そして奴はいま寝ている」


 すっげー楽しそうで悪そうな姉の笑顔だった。

 こうして全員で寝て居るであろう揚羽さんに凸することになったのだ。


 ⋯⋯僕は行かないよ、女の人の寝顔を見に行くとかなんかしちゃいけないし。

 気がつくとリビングは僕と留美さんだけになっていた。


「行かなかったんだ留美さんは」

「そういうアリスケ君も」


「なんか邪魔しちゃ悪い気がしてさ⋯⋯」

「あー、なんかわかるわそれ」


 そう僕と留美さんは見つめ合うのだった。

 やがて⋯⋯。


「ぎゃああああ──!? なんでアンタらがここにいんのよ!?」


 パニックになって絶叫する揚羽さんの声が響くのだった。


「⋯⋯騒がしくなりそうだね留美さん」

「そうね」


 この時の僕はまだ知らなかった。

 この先の数日間が激動の日々になるという事を⋯⋯。

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