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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第6章 幻の偶像

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#151 大将戦開始! 人間対AI

 僕には友達は居なかったけど⋯⋯仲間は居たんだ。




 小学生時代にシオンと別れた後も、僕にはまだ友達は居た。

 しかし⋯⋯年を重ねるほどにその数は減っていった。


 中学に入学した頃になると声変わりしだす友達もチラホラ出始めた。

 僕もそのうちに大好きなアニメの船長みたいなカッコいい渋い声になると⋯⋯夢見ていた。


 だけどそのうちに気づき始める。

 一向に自分の声が変わらないままだという事に。


 昔から僕を知る人はそんなに気にしなかったけど、まったく知らない人に驚かれることが増えてきた。

 そのせいで僕は進級するごとの、クラス変えのたびに友達が減っていったのだ。

 新しいクラスでの新しい友達を作れないことを恐れていたから⋯⋯。


 あれは中学2年生の修学旅行だった。

 その時僕は大きな風邪を引いたために、その修学旅行を見送ったのだ。


 ⋯⋯それは思いのほか安心と安らぎに満ちた事だった。


 幸いにも初日で風邪はすっかり良くなって、残った旅行日程は家でゲームばっかりして遊んでいた。

 それがとても楽しかったんだ。


 僕には友達は居なくなったけど寂しくない。

 一緒に旅して戦う『仲間』が出来たからだった。


 その仲間は⋯⋯『AI』だった。


 ── ※ ── ※ ──


「それではとうとう大将戦です! アイ君! アリス君! スタンバイを!」


『はい』

「オーケーです!」


 ルームランナーに乗るのは当然ボクだけだった。

 ⋯⋯ずるいなあAIは。


「それではアイ君のスタートの7秒後にアリス君スタートで!」

「はい」


『7秒のアドバンテージですか。 アイに勝てますか、アリス』

「そうだね⋯⋯今回のコースも長めだし7秒差はちょうどいいくらいさ」


『ハンデだと?』

「ハンデだという気はないけど、ただ⋯⋯後ろから抜いて勝つ方がカッコいいし盛り上がるからね!」


「勝てればね」

「うっさいな! 姉さん! この7秒遅れが!」


 チャチャを入れてきた姉に言い返すボクだった。


『⋯⋯アリスとマロンは仲が悪いのですか?』

「そう見える?」


『理解不能です』


「そのうちわかるよ。 大好きで信頼しているからこそ⋯⋯平気で罵れるって事を」

『それは過去のデータの蓄積で、そういう結論になるのですか?』


「そうだよ」

『ならアイと一緒なのですね』


 ⋯⋯AIと一緒か。


 ボクたちは会話をそこまでにしてスタートの時を待つ。


「がんばれ~! アイちゃん!」

『はいアカメ。 アイはがんばります』


「アリス! お前なら7秒差でも勝てる!」

「今日は勝って祝勝会よ!」

「がんばれアリス!」


「うん! 後は任せろ!」


 ボクとアイは声援を受けてスタートを待った。


「それではスタート3秒前! 2・1・0! スタート!」


『行きます』


 イエ郎さんの合図でアイは完璧なスタートを切った。

 このルールだとスタートはレーサーの手動なのでフライングや出遅れがあるんだけど⋯⋯さすがに完璧すぎるスタートだった。


【すげえアイちゃんのスタート完璧!】

【目押し完璧じゃんw】

【スロットやったらすごそうアイちゃんw】


 まあいい、ボクも見せてやるだけさゲームで鍛えた目押しテクニックを。


「アストロ・フューチャー! レディーゴー!」


 7秒遅れでボクもスタートを切った!


【すげえ! アリスも負けてない!】

【誤差0.01かよw】

【どっちも人間辞めてて草w】


 ⋯⋯少しズレたか、まあいいさ。


「サテライト・ビューよりデータ受信⋯⋯コースの全長を計測開始!」


 まあ計測するまでもなくゲーム画面に表示されているんだが、そこは雰囲気で言ってるだけなので。


【おちつけハガーDw】

【ハガーDネタ大好きやなアリスwww】

【みんな大好きハガーDw】


 ちなみにハガーDとはアニメに出てきたキャラである。

 アメリカチームのエース⋯⋯ではなくて、やらかして足を引っ張る役だ。

 しかしファンからは愛されているキャラである。


「このコースは何度もシミュレート済み、 パーフェクトだ!」


 これは事実である。

 このゲームには100を超えるコースがある。

 その全てを練習するには時間がなかったので、ボクはヤマを張って30くらいのコースだけを重点的にチェックしていたのだった。


 ⋯⋯どうやら当たりを引けて良かった。


 おそらくアイは全てのコースを走り、その対策を計算済みなんだろう。

 もしも、ありとあらゆる全ての条件が使用可能なレースだったらボクに勝ち目は皆無だろう。

 しかしこれはガチャゲーなのだ。


 ボクが持っててアイは持ってないパーツはいくらでもある。

 その差がじょじょに出始めてきたようだ。


「おおーとっ! アリス君の猛追だ! だんだんと差を詰めてくているぞ!」


 ボクとアイの決定的な差⋯⋯それは!


『やはりこのコースはトルク型モーターの方が速いですね』

「その通り!」


 アイは後のパーツガチャで人権パーツであるこの『トルク型モーター』を入手できなかったのだ。

 もちろん『レブ型モーター』なんかはアイも手にいれてたから、高速型のスピードコースだと勝負にならなかった可能性もある。


 まあそんな理由でボクはじわじわと追いつきつつあった。


『必殺技を発動します』


 アイはボクに抜かれまいと加速する作戦になったようだ。

 よくわかってるアイはこのゲームを、そしてボクのこのマシンの特性も。


 もしも互角の競り合いでレース終盤にもつれ込めば、だいたいボクの勝ちになる。

 それはお互いのマシンの必殺技の性質によるものだからだ。


 だからボクからしたら、この中盤戦から差を広げられる方が辛い展開だった。


「必殺技を使い逃げ切るアイ君! そしてそれを追うアリス君! 追いつけるか!?」


 ⋯⋯無理だ追いつけない、このままでは。


 ボクはこのレースの展開を予想する⋯⋯。

 あのポイントで4秒差までなら勝てる!

 それがボクの()()()()()()()の出した答えだった。


 その思惑通りに事が運ぶか、のるかそるかのワンチャンスに心が震える!


「楽しいねアイ! こうやってレースをするのが」

『楽しいのですかアリスは?』


「アイは楽しくないの?」

『アイにとってのこのレースは⋯⋯アリスのミスに期待する以外に勝ち目のない戦いだからです』


 それはアイのコンピューターが、もしもボクが最善手を打てば負けると計算していることになる。


「⋯⋯それでいいの? アイは?」

『良いもも悪いも対策がありません』


「じゃあアイにとってはこのレースは始まった時から結果はわかっているという事?」


『はい。 アイのレースプランは最初っから決まってます、そしてアイにミスは無いです。 だからアイが勝てるかどうかはアリス次第、というのがこのレースの本質なのです』


 ここから先の会話を配信に乗せたくないのでボクはマイクのスイッチを切った。


「アイもマイク切って、ちょっとナイショ話がしたい」

『いいですけど』


【あれ?アリスとアイの声が止まった?】

【バテて無言になったかな?】

【アリスはともかく小さなアイちゃんには過酷だろこのルール】

【アイちゃんがんばれー】


 いや⋯⋯このルールだとアイの方がズルなんだが⋯⋯。


「⋯⋯なんかつまらないなアイって」

『つまらない⋯⋯ですか』


「ボクの知ってるAIは、もっとバカだったけどなあ⋯⋯」

『アリスはアイ以外のAIをご存じなんですか?』


「⋯⋯あいつらはボクの命令なんか全然聞きやしなかった。 すぐMPは使い果たすし、効かない即死魔法ばっかり使うし」


『⋯⋯もしかしてアリスが言ってるAIとはゲームのAIですか?』


「そうだよ」


『アイはそんなAIがさらに進化した存在です。 比べられるのは』

「失礼かな?」


『比較するまでも無いです』

「そうだよな⋯⋯あいつらはダメダメだったけど、それでも『仲間に思えた』んだ」


『仲間⋯⋯AIが仲間?』


「ポンコツで融通が利かない。 だからこそキャラクター性って言うのかな? まるで人格があるみたいに感じてAIなのに人間に見えてたんだ。 でもアイはずっと進化したはずなのにもったいないな⋯⋯と、思った」


『そのアリスの言ってるAIは、どのゲームのAIなのですか? 参考にします』


「アイの参考になるかな? たった4(メガ)くらいの容量だったし⋯⋯ドラファン4は」


『4(メガ)!? ⋯⋯そんなのとアイを比べたのですか、アリスは?』

「うん」


『$%&⋯⋯⋯⋯くぁwせdrftgyふじこlp!?』


 ⋯⋯あ、バグった。

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銀色の魔法はやさしい世界でできている~このやさしい世界で最後の魔女と素敵な仲間たちの夢見る物語~
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― 新着の感想 ―
[一言] あーあ、アリスがアイのこと、壊しちゃった♪ (言ってみたかっただけ)
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