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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第6章 幻の偶像

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#131 アイとの遭遇! アイドルVチューバー・神崎アカメ登場!

 私、赤星いのりはピチピチの17歳のJKで~す!

 だがしかし! ふだんは正体を隠してアイドルVチューバー・神崎アカメとして活躍しているの!

 でもこれはクラスのみんなには内緒だよ♪


 そんな私の今の夢は⋯⋯Vチューバーで初めての武道館ライブをする事なの!

 その夢に向かって毎日コツコツ頑張っています!


 さて、そんな私の今日のお仕事は──。




「ファ! ファイヤーしている~!」

「アカメちゃん! 早く火を消して! すぐに鍋に蓋をするのよ!」


 Vチューバー・神崎アカメの本日のお仕事は、同じポラリスのVチューバーであるオレンジ・ママレードさんのチャンネルのゲストだった。

 オレンジ・ママレードさんの活動は料理人Vチューバーである。

 そのゲストとして呼ばれた私は、ママさんに習いながら慣れない料理をしていたのだけど⋯⋯。


「ここで赤ワインを投入~」


 としたところバーナーの火に引火して発火したのだった。

 私としてはフランベかっけーくらいの気持ちだったのだが、一向に火柱が収まらない。

 そしてあわてて駆け付けたオレンジママさんが鍋に蓋をして、ようやく鎮火したのだった⋯⋯。


「はい、カットでーす」


「ふう⋯⋯終わったか」


 そうため息をつくのはVチューバーのオレンジ・ママレードさんの中の人である井口みかんさんだった。

 とても落ち着いた大人の女性で私のお母さんくらいの年齢の人である。

 ちなみに既婚者だ。


「その、ご迷惑をおかけしました!」


 そう一目散に謝る私だった。


「アカメちゃん、誰にだって失敗はあるわ。 ⋯⋯でもあなたはもう料理しない方がいいかもね」

「がーん、戦力外通告ですか!?」


 たしかに今回のお料理配信では私は失敗だらけだった。

 ニンジン切ったら吹っ飛んだり。

 目をつぶってタマネギ切ろうとして指を切りかけたり。

 そして隠し味の赤ワインを瓶ごと鍋に投入したのだ⋯⋯。


 でも私は今回が料理初体験なのだ!

 そう、これが私の底辺である! あとは上手くなるだけなの!

 それなのにもう見限るなんてあんまりではありませんか!?


「危うく火災報知器が作動するかと思いました。 今後の安全基準をもっと見直さないと」

「アカメちゃんをキッチンに入れなければいいだけよ」


 そう辛辣に話す坂上マネージャーとオレンジ・ママレードさんだった。


「本当にごめんなさい⋯⋯」


 そう謝る私にため息をつきながら坂上さんは言った。


「料理のド素人を出演させれば面白くなるかも⋯⋯と、企画した私が浅はかでした。 井口さんにはご迷惑をかけて申し訳ありません」


 そう謝るのだった。


「私も長い事主婦として料理をしてきたけど⋯⋯料理に関わっちゃダメな人を見るのは初めてだったからいい経験よ」


 そう止めを刺すのだった。


「ショック~! もう私このキッチンスタジオ出禁ですか~」

「はい出禁です。 火事をおこされてからでは遅いので」


「アカメちゃんには私から、お料理の『免許返納』の称号を贈るわ」

「まだ取ってもいない免許の返納を勧められた~!?」


 こうして私はまた1つ仕事が減ったのだった。




「お疲れさまでした~」


 着替え終わった私は楽屋を後にする。


「はあ~、念願のママさんとの初コラボだったのにな~」


 私の密かな野望のひとつに『全Vチューバーとオフコラボする』というのがあった。


 私が所属するポラリスのVチューバー『虹幻ズ』には全部で7人のVチューバーが居る。


 ます私⋯⋯神崎アカメ。

 料理人Vチューバーのオレンジ・ママレードさん。

 変人Vチューバーのる~とイエ郎さん。

 ニュースVチューバーのみどりさん。

 数学Vチューバーのアイちゃん。

 アニメ・特撮マニアのブルーベルちゃん。

 私たちのエースのネーベル⋯⋯なんとか紫音ちゃん。


 この7人である。


 この中だと私は⋯⋯みどりさん、イエ朗さん、ネーベルちゃん。

 そして今日のオレンジママさんで4人とのコラボを行ってきたのだ。


 あとはアイちゃんとブルーベルちゃんの2人だけだ。

 とはいえブルーベルちゃんは海外の人らしいのでオフコラボは限りなく難しい⋯⋯。

 そしてアイちゃんは⋯⋯情報が一切ない子だった。


「でもみんなとのコラボコンプするまでがんばるぞ!」


 べつに全員と会ったからといって何か変わるわけでもないのだが、その人たちは今の私のメンバーなのだ。

 それが一度もリアルで会ったことが無いとか淋しいじゃない。


 それにポラリスはライバルだった芸能事務所ヴィアラッテアの『ホロガーデン』とのコラボ企画に最近は積極的になって来た。

 その人達ともいずれは全員コンプしたいと思う今日この頃だ。


「神崎アカメは挫けません! 明日からもがんばるぞい!」


 そうスタジオの通路を歩いていたら⋯⋯。


「あれ? 藍野マネージャーだ」


 前に一度だけ会ったことのある人だ。

 たしかVチューバー・アイの専属マネージャーの人である。


 この『専属マネージャー』というのは珍しいのだ。

 なにせアイ以外の6人すべての担当は坂上マネージャーなのだから。


「⋯⋯そうだ! 藍野さ~ん!」


 私はここでアイとのコラボを打診してみようと思ったのだ。

 私から見てもアイのガードは固いと思っているが、ものは試しで減るもんじゃないし。


「藍野さ~ん?」


「──はい、ありがとうございました。 正面玄関にですね、今すぐに迎えに行きますので⋯⋯」


 無視された?

 いや電話しながら歩いていたからこっちの声に気づかなかったのだろう。


 そうだよ、この神崎アカメちゃんのアイドルボイスに気づかないなんて、あるわけナイナイ!

 ⋯⋯無いよね?

 あったら落ち込んじゃうぞ、2日くらい。


 そう思った私はさっき藍野さんが出てきた部屋を見ると⋯⋯。


「『藍野水理 個人オフィス』⋯⋯か?」


 まあスタッフが個人オフィスを持ってること自体とくにおかしくもない。

 中には守秘義務みたいなアイドルの機密情報を扱うスタッフもいるのだから。


 そして何となくその扉のノブに手をかけると⋯⋯開いていた!

 鍵がかかっていなかったのだ。


「⋯⋯てことは、藍野さんすぐ戻る気なんだ。 じゃあ中で待たせてもらおう!」


 そう考えて私はその部屋に入った。

 するとすぐに目に入ったのは⋯⋯。


「アニメ見てたの?」


 そこのモニターにはなんか車のオモチャを走らせているアニメが映っていた。


「たしかミニ四君だっけ? ⋯⋯藍野さんの趣味かな?」


 べつにおかしな話ではない、この業界の人がオタク趣味なことくらいは。

 もしも仮に藍野さんが半ズボン姿の小学生が出ているアニメを見て英気を養う淑女だったとしても、私は一向に構わん!

 そんな趣味くらいでその人の人間性を疑うようでは、魑魅魍魎がはびこる芸能界でアイドルなど務まらないのだ!


 ただ⋯⋯もうひとつのモニターの画像に疑問を持った。


 [ミニヨンクンニ ローラーヲソウチャクシナイリユウハ リアルニチカヅコウトスルアコガレ]

 [ミニヨンクンニハ ユメヲノセルスペースガヒツヨウ]

 [ミニヨンクンハドウグジャナイ ニンゲンノ──]


 ⋯⋯なにこれ?


 モニターの中で動いているVチューバー・アバターは⋯⋯、

 ⋯⋯『アイ』だった。


「アイちゃん?」


 そのモニターで使っている配信用のツールは私も使っている見慣れた機材だった。

 つまり今⋯⋯アイは配信中なのだ。


 でも()()()()()()()()()()()


「どうなってるの? なんで誰も居ないのに配信が続いているの?」


 念のため私は自分のスマホで確認してみる。

 やっぱりアイは今⋯⋯配信中だった。


『ミニ四君には夢を乗せることが必要なのですか?』


 ⋯⋯スマホからアイの音声が出ている。

 ここにアイはここに居ない、それは確かだ。

 しかし今ここでアイが配信中なのだ!


 ⋯⋯ぞわ。


「あなた! ここで何をしているの!?」

「藍野さん!?」


 夢中になっていた私は藍野さんが戻ってきたことに気づいていなかった。


「あ⋯⋯あの、私は赤星いのりで⋯⋯Vチューバー神崎アカメの中の人です⋯⋯」


「見たの? 見たのね!」


「見たけど⋯⋯なんなんですかコレ!? 意味わかんない! アイちゃんどこ!? あなたがアイなの!?」


「⋯⋯私はアイじゃないわ」


 すると藍野さんの隣には金髪の少女が居た。

 こっちがアイなの?


 でも金髪の子は一言もしゃべらない、しかしリアルタイムにアイの配信は続いている⋯⋯。

 それを証明するように私のスマホからはアイの声が流れているからだ。


 つまり藍野さんもこの金髪の子も、アイという訳ではない。


『ミニ四君は道具じゃない人間のお友達⋯⋯』


 そのアイの声はさっきモニターに出ていた文章だった。


「⋯⋯コレが、アイなの?」


 今私の目の前にある、そして藍野さんが見つめる物。

 それは大きなパソコンだった。

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銀色の魔法はやさしい世界でできている~このやさしい世界で最後の魔女と素敵な仲間たちの夢見る物語~
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― 新着の感想 ―
[一言] やはりVVtuber。最近VVtuber出見かけるようになって来たし、こんな時代も… 来た
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