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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第5章 青い空と海の島から来た正義の姫君

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#108 シオンの家に行こう

「いやー、夏休みは優雅でいいねえ~」


【毎日が夏休みのクセに何を言うw】

【平日の昼間でもゲーム三昧な奴が言うなwww】


 吾輩はネーベル・ラ・グリム・紫音。

 世界最強のVチューバーである。


 その地位を守るべく今日も頑張ってスライム退治なのだった。


「くくく⋯⋯僻むなよ学生諸君! 吾輩はこう見えてもお貴族様だからな!」


 吾輩のVチューバーアバターの設定はヴァンパイアの貴族だ、たぶん伯爵くらい偉いのだろう。

 ⋯⋯よくわからんが。


 そんな吾輩は今日も昼間からRPGのレベリング耐久配信中である。


【これいつまでレベル上げるの?】


「無論! 時間が許す限り限界まで行く! ⋯⋯この『ロールプレイング・アドベンチャーワールド』の製品版にはこの体験版のレベルが引き継がれるからな。 強くてニューゲームという快楽を味わうのだ!」


 製品版はあと3週間後に発売だ。

 いま吾輩のキャラのレベルは35⋯⋯まだ先は長い。


「今頃サボっているアリスに今のうちに差をつけておくのだ!」


【がんばれネーベルちゃん!】

【アリスに負けるな】

【ネーベルがナンバーワン】


「そうだそうだ! 吾輩が1番なのだ!」


 その時、吾輩の視界の端っこのスマホに着信があった。


「あれ? 電話かな? 緊急かもしれん。 皆しばし待ってくれ」


【収録中に電話とはw】

【めずらしい】

【ネーベルに電話してくる友達居たのかw】


「あ⋯⋯アリスからだ。 ⋯⋯⋯⋯はい、もしもし吾輩ネーベルだよ」


 こう名乗るのは今が収録中だとアリスに伝えるためだ。


『あれ? 収録中だったの? 何かゴメン』


「いいのいいの。 それより何の用だいアリス!」


【急にかわいくしゃべるなwww】

【さっきまでのクソガキトークはどうしたwww】


「やかましいね、お前ら! ⋯⋯あ、こっちの話。 何の用アリス?」


『ちょっとそっちに行こうかなと思って』


「え! 遊びに来てくれるのアリス! いいよ! 今すぐ来ても!」


『それなんだけどボクだけじゃなくて、ルーミアと⋯⋯ブルーベルも一緒なんだけどいい?』


 ⋯⋯え?


【ルーミアリスだからいいとしてなんでアリスがブルーベルを連れてくるんだよw】

【ルーミアと一緒なのは当然なのがアリスw】


「⋯⋯ルーちゃんはいいとして、なんでブルーベルまでそこに居るの?」


『たまたまウチに遊びに来ていた。 ⋯⋯ほら、姉とスールだし?』


「あーそういやそんな事になっていたね。 ほんとマロンさんらしい⋯⋯」

『だね~』


「じゃあ1時間後くらいかな? 来るのは」

『だいたいそんなもんかな?』


「おけ! じゃ待ってるよ!」


 こうして吾輩は通話を切った。


「⋯⋯アリスが来る! という訳でこの配信は中断! みんなゴメン!」


【掃除しろ】

【お片付けしなきゃw】


「そんなに散らかってないよ! でもゴミが凄い溜まってる」


【なんでため込むんだよw】


「だってさ、今日ゴミ出し忘れてたら明日でもいいか⋯⋯って、毎日思わないか?」


【思うがw】

【限度があるだろwww】


「まあそういう訳でこの配信はここまで! あとでアリスたちと一緒になんかするから待ってて!」


【おー楽しみ】

【アリスとルーミアはともかくブルーベルとコラボって初めてか?】

【というかブルーベルがコラボしたのってマロンだけじゃね?】


「そういや吾輩⋯⋯ブルーベルと会ったことないな」


【同僚なのに?】


「同僚なのに。 あの子って海外の人らしいから時差がね」


【いつも深夜から昼間まで耐久配信しているくせに何を言う】


「やかましいね! 吾輩孤高のヴァンパイアな貴族なのだ! 基本ぼっち路線なのだ!」


【アリスと友達になって嬉しいくせにwww】


「そうだけどさあー」


 こうして私はいつものように眷属(リスナーさん)にお別れをして配信を切ったのだった。


 ── ※ ── ※ ──


 ボクはシオンとの通話を切った。


「なんかシオンの奴、収録中だったみたいだけど⋯⋯来ていいってさ」


 そうボクは留美さんとリネットに報告する。

 そんなボクの事を留美さんはともかくリネットはギョッとして見ていた。


「どうしたんですか、リネット?」

「⋯⋯いえ、あまりの変わりようにちょっと驚いただけで」


 ⋯⋯しまった、アリスの演技のままだった。

 シオンが収録中だったから切り替えたのを、そのまま忘れてた。


「あ⋯⋯うん、モードチェンジ。 ⋯⋯はい、これで元通りの僕だ」


「すごい演じ分けですね」

「まあね」


「いつもながら目の前だと違和感が凄い⋯⋯」


 見慣れた留美さんでもこうなのだ、初見のリネットは仕方ない。


「そのアリスは⋯⋯別人格があるんですか?」


 なんかすごいことを聞いてくるな。


「二重人格じゃないよ。 演技しているだけで」

「そうですか⋯⋯」


 なんか考え込むリネットだった。


「それが何か?」


「えっと⋯⋯アニメとかでたまにいる二重人格って実際にいるのかな⋯⋯と思って」

「それで僕が二重人格だと思ったんだ」


「でも違ったようで、ごめんなさい」


 うーん? べつに謝るところじゃないと思うけどな。


「でもまあ二重人格ってほどでもないけど、普段見せない面なのは違いないしね。 誰でも少なからずそういうのはあるでしょ?」


「⋯⋯そうでしょうか?」


「そんなもんだよ。 リネットだって普段はカップ麺好きなの隠しているでしょ? そーいうもんだよ、誰だってさ」


「⋯⋯そっか、そうですよね。 ⋯⋯普通ですよね」


 なんか考え込んでいたリネットだったが、どうやら元に戻ったようだった。


「それじゃあ今から霧島さんの所へ行くけど⋯⋯電車で行くの?」

「⋯⋯電車、マズくないかな?」


 姫さまを電車に乗せる⋯⋯どうなんだろう?


「電車も乗ってみたいですけどちょっと駄目ですね。 セバスチャンに車を出してもらいましょう」


 そういってリネットはスマホでセバスチャンに連絡を取り始めた。


「もしもし、セバスチャン」

『はい、なんでしょう殿下?』


「今からネーベルさんの所へ行きます。 車を回して」

『了解しました』


 それで通話は終了したようだ。

 ほどなくしてウチの玄関にセバスチャンが迎えに来た。


「お待たせしました殿下。 ⋯⋯オシロン様はまだ?」


「もう帰りましたよ」

「⋯⋯そうか、良かった」


「どうかしたんですか、セバスチャン?」

「いいえ! なんでもありません殿下! さあ出発しましょう!」


 ⋯⋯このセバスチャンの反応は⋯⋯オシロンママと何かあったんだろうな、きっと。


 こうして僕と留美さんとリネットはセバスチャンに付いて行き、マンションの地下駐車場に行く。

 そこには黒塗りの高級車があった。


「これに乗っていくのか?」

「すごい高級車ね⋯⋯」


 きっと僕と留美さんには一生縁のなかったであろう車だった。


「さあ乗ってください」


 そう言うセバスチャンに促されて僕らはこの黒色の高級車の後部座席に乗った。

 僕は左右を留美さんとリネットに挟まれてなんだか緊張する⋯⋯。


「ところでもう引っ越し作業は終わったんですか、セバスチャン?」


 僕は緊張をごまかす為にセバスチャンに話しかける。


「ああ、もうだいたい終わってる。 殿下が居なくなった後は捗ったからな」

「私そんなに邪魔してないし⋯⋯」


 なんかリネットがいじけていた。


「リネット⋯⋯なにしたんですか?」


「⋯⋯ちょっと来ていた電気屋さんに、押入れの中にコンセントを増設してほしいと言ったくらいです」


「押し入れの中で寝たいとか言い出さないでください、殿下」


「だって『ドエラえもん』みたいにしたかっただけだもん!」


 ドエラえもんとは古いアニメである、なぜか押し入れで寝ているロボットだ。


「あーわかるなー。 僕も子供の頃はよく押し入れで布団敷いて寝たっけ」

「⋯⋯私も」


 どうも留美さんも同じらしい、変なところで気が合うな僕たちは。


「ですよね! 誰だってしたくなりますよね! ほらセバスチャン! 私がおかしい訳じゃないのですよ!」


「庶民と違ってブルースフィアの姫君がするのがおかしいのです!」


「うう⋯⋯だってー。 やっと念願の日本での生活だし、お城では出来ないことをしたかったのにー」


「お城の姫様の部屋ってそもそも押し入れとか無いんじゃ?」

「ええありません。 だからつい⋯⋯ね」


 どうやらリネットはこの日本での生活を楽しんでいるようで何よりである。


「それでは車を出します。 目的地はネーベル様⋯⋯霧島様のマンションですね? 住所はわかりますか?」

「あ⋯⋯ここで」


 僕はスマホに入っているシオンの住所をセバスチャンに教えた。

 それをカーナビに登録して出発になる。


 こうして初めての僕たちのシオンの家訪問が始まったのだった。

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